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あなたも未払い残業代の問題あり!?東京弁護士会所属の弁護士が教える未払い残業代について

あなたも未払い残業代の問題あり!?東京弁護士会所属の弁護士が教える未払い残業代について
監修
和田雅基
新卒でインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社転職エージェントとして1,000社以上の採用支援、250名以上の転職支援に携わる。メーカー、建築、IT、サービス業界等の幅広い業界に関与社内でもMVP等数々の賞を受賞。その後リメディを創業

最近、未払い残業代というワードをよく耳にしませんか?未払い残業代とは本来なら貰えるはずの残業代のうち、未払いとなっている残業代のこと指します。無給で働くことを世間一般ではサービス残業と言われています。

そこで今回は、秋葉原法律事務所の小早川先生に残業代に関して気を付けるべきポイントと請求の方法について説明をいただきましたのでご紹介します。

残業代で気を付けるべきこと

残業代は、正確には時間外労働手当のことで、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働した場合は原則として発生します。つまり、「退社時刻を超えて会社に残る」以外の場合も発生します。

時間外労働手当の正確な定義、割増率や計算方法は重要ですが、そういうことは後からでもなんとかなるし、弁護士に委任すれば弁護士が然るべくやってくれます。

労働者がしておくべきこと、労働者がしておかないと後からではどうしようもないし弁護士にもどうしようもないことこそが、労働者が気を付けるべきことです。

 

残業代が支払われない時に何を考えるか

会社を辞めて請求するのか、辞めずに請求するのか。未払い残業代は単なる金銭債務の不履行であり、会社を辞める辞めないに関係なく請求できます。会社を辞めずに請求したら色々な嫌がらせを受けて会社に居づらくなるかもしれませんが、それは不当労働行為であり許されないことです。

そういうこととは別に、そもそも残業代を払わない会社に残るべきかということがあります。もし雇用契約書(労働条件通知書)が無いなら、そのような会社は辞めることを検討すべきでしょう。

 

残業代の請求に何が必要か

残業代を払わない会社に残業代を請求して、払ってくれれば話はそれで終わりですが、残業代を払わない会社が請求されたからといって素直に払ってくることは期待できません。従って、訴訟を前提に考えることになります。

訴訟においては一にも二にも証拠です。裁判官は証拠に基づいて事実を認定します。「その時」の物、これが証拠力(裁判官に事実と認定してもらえる蓋然性)が高いものです。逆に、訴訟になってから作成した陳述書や証言は証拠力が低いものです。

前提となる雇用関係を証明するため労働契約書(労働条件通知書)が、賃金の内容を証明するため就業規則(賃金規程)が、残業の事実を証明するためタイムカードが必要となります。なお、残業代が支払われていないことを示すため給与明細もあることが望ましい。

就業規則は本体のみならず賃金規程も忘れてはいけません。常時10人以上の労働者を雇用する使用者には就業規則の作成義務があります。そして就業規則は労働者がいつでも容易に見られるようにしておかなければなりません(これが行われていない会社は辞めることを検討すべきです)。この就業規則(賃金規程を含む)はデータとして保存しておくか、印刷しておきます。

最も重要な「残業の事実(何年何月何日の出勤時刻は何時何分で退勤時刻は何時何分か)」の証拠はタイムカードが基本となります。タイムカードは現物は会社に置いておく必要があるかもしれませんが、その場合は鮮明なコピーを取っておきます。訴訟において会社がタイムカードを出してくれる保証はありません(たいていは出してきますが、それを前提に行動するのは危険です。タイムカードは処分したと嘯くかもしれません。タイムカードの内容の偽造の可能性を考えればコピーは無意味ではありません)。スマホで写真を撮っておくのでもいいですが、全体を1枚で写し、文字や数字がはっきり判読できないといけません。表裏両方必要です。

いずれにせよ訴訟では証拠は印刷する必要があります。

労働者の労働時間の管理は使用者の義務です。しかし、残業代を請求されないよう、労働者にタイムカードを使わせない悪質な会社もあります。一旦タイムカードを押させてから残業させるという悪質な手法もあります。

そのような会社もまた辞めることを検討すべきですが、残業の事実をどのように立証すればよいでしょうか。

そういう場合は都度メモしておくしかありません。これはタイムカードと比べれば証拠力は低いですが仕方ありません。

ノートに、手書きで、年月日を明記し、タイムカードを押した後の残業ならなぜそうなのかを含めて書きます。具体的かつ正確な出勤/退勤時刻を、都度その直後に書きます。翌日まで持ち越してはいけません。これは訴訟において極めて重要です。まさにその時に書いたものの積み重ねと、後から思い出して記憶に基づいて書いたものとは、証拠力が全く異なります。要するに後者は裁判官に事実と認定してもらえません。

今時、WordExcelといった電子データで作りたいでしょうが、お勧めしません。問題は、裁判官が見てどう思うかです。電子データはいつ作ったのか全くわかりません。後から作ったのか、後から修正したのか、そういった疑念を払拭できません。会社がタイムカードの代わりにExcelで入力させるような会社所定のExcelならよいですが(両者持つので偽造したらバレる)、労働者独自のExcelでは、証拠力は低いものです。スマホのアプリで記入日時が記録され改竄不可能で印刷可能なものがあれば理論的には証拠力が高いことになりますが、実務で高齢の裁判官(簡易裁判所の裁判官は高齢の人が多い)に理解してもらえるかは未知数です。

 

その他

消滅時効

残業代の消滅時効期間は2年です。本来支払われるべき日から2年経過したら、請求しても消滅時効を援用され、獲得できないでしょう。これは、実務では、会社を辞めて請求するから辞める2年前の分までしか請求できない、と反映されてしまっています。

なお、時効制度は民法改正により大幅に変更されます。施行日は令和2年4月1日です。詳細は省略しますが、消滅時効期間は5年に統一されると考えておけば大丈夫です。ただしそれは施行日以降の話ですので、施行日より前の残業については消滅時効期間は2年であり、そこは注意が必要です。

みなし労働時間制

事業場外労働みなし労働時間制

事業場外労働みなし労働時間制が認められるのは、事業場外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間の算定が困難な業務です。労使協定の締結と(みなし労働時間が1日8時間を超える場合は)所轄の労働基準監督署長への届出が必要です。

あなたの会社はこのような手続を履行しているでしょうか。実務においてはまずはそこから確認が必要です。

裁量労働制

裁量労働制は厳格な要件のもとで認められる制度です。専門業務型は特定19業種のみで労使協定の締結と所轄の労働基準監督署長への届出が必要です。企画業務型は労使委員会の決議と所轄の労働基準監督署長への届出が必要です。

かなり細かいことまで正確に遵守履行していないと、適法な裁量労働制とは認められず、適法な裁量労働制でないならそれは通常の労働時間制なのです。

実務ではそんな細かい所まで争点が行かず、裁量労働制の本質である「何時に出勤してもいいし、何時に退社してもいい」からして守られていない、ということすらあります(会社が出退勤時刻を指示している等)。

従って、会社が「お前は裁量労働制だから残業代は無い」と言っても、本当にそうなのか極めて疑わしいのです。

小括

みなし労働時間制を適法に運用していても時間外労働手当が発生する場合はあります(みなし労働時間が1日8時間を超える等)。

しかし、実務では、みなし労働時間制を適法に運用している会社で未払い残業代の問題が発生するのは稀です。

従って、実務では、適法なみなし労働時間制を前提とした残業代の計算の前に、そもそも適法なみなし労働時間制なのかを確認すべきです。適法なみなし労働時間制でないなら、通常の労働時間制として残業代を計算することになります。

管理監督者

会社が「お前は管理監督者だから残業代は無い」と言う場合、ほぼ管理監督者ではありません。

そもそも管理監督者とはいわゆる管理職のことではなく、労働基準法41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」の俗称ですが、これは、経営者と一体的な立場で仕事をしていて、出社・退社や勤務時間に厳格な制限を受けず、その地位にふさわしい待遇(主に金銭的な)を受けている、というものです。

あなたは、あなたの会社の社長と一体的に仕事をしていますか。出勤時刻や退勤時刻を自由にでき、勤務時間内でも自由に外出や休憩ができますか。給与は多いですか。

大企業の支店長クラスですよこれは。そういう人はここを読んでいないでしょう。一方、飲食店の雇われ店長、これが最も典型的な「名ばかり管理監督者」です。

「お前は管理監督者だから残業代は無い」と言う会社も、辞めることを検討すべきです。もちろん未払い残業代は請求しましょう。雇用契約書に管理監督者と書いてあっても、現実に管理監督者でないなら残業代は請求できます。

訴訟を提起する裁判所

債権者である自分の住居地を管轄する裁判所に申し立てます。請求額の元本が140万円以下であれば簡易裁判所となります。簡易裁判所でも地方裁判所でも弁護士に委任しない「本人訴訟」は可能ですが、実務では、簡易裁判所なら本人訴訟も弁護士に委任してもある、地方裁判所ならほぼ弁護士に委任して、という状況です。

法的な主張立証のほか、訴訟は平日の午前10時~午後4時くらいの間に裁判所に行く必要がありますので、そういう観点からも弁護士に委任するのが良いでしょう。

弁護士費用が払えない場合、法テラスを利用するという方法もあります。

 

弁護士 小早川 真行

|1972年広島県出身。東京大学法学部卒業後2004年に東京弁護士会登録。2009年に秋葉原弁護士事務所を開設。東京弁護士会インターネット法律研究部部長/エンターテインメントロイヤーズネットワーク理事/日本CSR普及協会会員(公正競争研究会所属)/JAniCA応援団員/登録政治資金監査人/マンション管理士試験・管理業務主任者試験合格

秋葉原法律事務所HP:https://www.akihabara-law.com/

 

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