デジタルマーケティング(以下、「デジマ」)は、既に日本でも身近な存在になっており、一般消費者向け/企業向けを問わず、様々なサービスを提供する企業がデジマを行い始めています。

これから本格的に取り組み始めるという企業も増えており、中には、新たにデジマ専門の部署を増設する企業もあります。

今や、企業のマーケティング施策として最重要事項になっているデジマですが、デジマに従事している方がどういった仕事をしているのか分かりにくいかもしません。そこで、本記事では、デジマの目的やどういった仕事をおこなうのかについて解説します。

「デジマ」についてよくわからない、「デジマの仕事」ってどんなことをするのだろうかと気になっている方々に読んで頂ければと思います。

この記事を読んでわかること

  • デジタルマーケティングの概要について
  • デジタルマーケティングの仕事内容

デジタルマーケティグとは?

デジマとは、あらゆるデジタルチャネルで得られるデータを統合管理し、有益な活用を行うことで、購買につなげるマーケティング手法のことを言います。

デジタルチャネルは様々なものが存在しており、WebサイトやSNS、メール、スマホアプリ、動画、デジタル音声、POSシステム、ネット広告、位置情報、名刺情報、IoTなどが代表的なものです。デジマの仕事とは、これらを使うことによって得られるデジタル情報を包括的に管理し、消費者がその時々に求めている情報を適切に提供するマーケティング施策と言えます。

なぜデジマが重要なのか?

最近、IT技術の進化に伴い、ネットとリアルの垣根がなくなってきています。これまでは、実店舗でしか買い物ができませんでしたが、Amazonや楽天などECサービスの出現により、ネット上でものが買えるようになり、商品情報についても、口コミサイトで、どの商品が良いのか悪いのかを判断できるようになったということです。

こういったネット普及の影響により、消費者の行動が大きく変わり、デジタル領域でのマーケティングの重要性が増していると言えます。さらに言うと、デジタルデータがないとサービスも商品も販売できなくなったという方が適切かもしれません。

ネットの利点として、これまで実店舗では取得できなかった行動データ(誰が・いつ・どの情報に触れたかなど)の取得が可能になりました。そして、パーソナライズされたデータ取得により、企業と消費者の接触のあり方や関係性の保ち方が大きく変わりました。

この関係性の変化に対応することこそ、デジマの役割と言えます。そして、これらの消費者データを一元管理できるツールが存在します。それが「マーケティングオートメーションツール(MA)」です。このマーケティングオートメーションはデジマを行う上では、欠かせないものです。

デジマに欠かせないマーケティングオートメーションツールとは?

マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)は、デジマを成功に導く上で欠かせない存在と言えます。市場も大きく伸びると予測されており、矢野経済研究所が執り行う「DMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査(2017)」によると、2016年段階では235億円規模だった市場規模が、2022年には530億円の市場規模へと成長を遂げると言われています。

MAツール(通称:MA)は、Googleアナリティクスと同様、Webサイト分析ツールの一種です。特徴は、これまでできなかったよりパーソナルなデータ取得や分析、分析を基にした施策を自動で展開する機能を備えています。MAツールを利用するとできることについて、下記に纏めます。

サイトに訪れる消費者のパーソナルデータが取得できるようになる。

  • サイトに流入する消費者が所属している会社名の取得 (〇〇株式会社)
  • サイトに流入する個人名の取得 (田中太郎)
  • 各消費者がどのページを閲覧しているかを把握(田中さんが訪れるページ)
  • 消費者との最初の接点(田中さんはどこでサイトを知ったのか)

MAツールを使えば、これらのパーソナライズされたデータを取得することができます。

MAツールを使用することでできる施策

また、取得するのみにとどまらず、分析から施策までを実行できます。

  • 購買意欲が高い消費者を条件抽出
  • 各ターゲット消費者に合わせたメール配信
  • ステップメールでの自動配信(このページを見たら自動的にメールを送る)

このようにパーソナライズされたデータ取得を用い、Webサイトに訪れる消費者を一元管理すると、商品やサービスに関心が高い消費者を自動抽出することができます。

これらのデータを活用し、効率的且つ効果的にそれぞれの消費者に対してアプローチすることができるようになりました。

デジマの仕事内容

Webマーケティングを主軸に、デジマの仕事内容は多岐に渡ります。

  • Webマーケティング
  • マーケティングオートメーション運用
  • コンテンツマーケティング
  • SNSマーケティング
  • メールマーケティング

それぞれどのような内容かを解説いたします。

 

Webマーケティング

Webサイト上でマーケティングを行います。Webサイトを使用して、いわゆる営業活動なしで、商品やサービスを売る仕組みを作り上げることをWebマーケティングと言います。消費者をWebサイトに呼び込む集客施策(SEO[1]・ネット広告)〜サイト内で消費者を回遊させ、問い合わせや商品購入させる仕組みづくりが主な作業となります。

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなど、 Webサイト分析ツールを用い、サイト全体の分析を行い、消費者が求めているページまでの導線がしっかりできているかなどを確認してサイト構築を行っていきます。

マーケティングオートメーション(以下、MA)ツールの運用

デジマを行う上でMAツールの運用は欠かせません。MAツールを使用することで、Webサイトに訪れる消費者のパーソナルデータを取得し、分析〜マーケティング施策までを一貫して行います。サイトには、購買を検討している消費者、情報収集を行っている消費者、既存顧客等、様々な消費者が訪れます。

これらの消費者をMAツールで管理し、それぞれの検討段階に応じて適切なアプローチを行います。

簡単にMAツールを利用した自動化事例の流れを説明します。

  • 消費者の行動を分析し、どのページを閲覧している人がどの検討段階にいそうかを分析する。
  • ①の分析に基づき、アプローチ方法を決定する。(例えば、導入事例や他社比較を長時間閲覧している人は、購買に近いと想定し、メールで期間限定のディスカウント情報を送付する、等。)
  • ②の各種施策を分析し、アプローチが適切かどうかについて、仮説設定→検証→仮説設定を繰り返す。

MAツールの主な目的は、購買を検討している消費者の獲得と、情報を収拾している消費者に対し、適切なアプローチを行い振り向いてもらうことです。2020年には、消費者と企業のやり取りの85%が非対面化するという予測[2]もあるので、非対面で顧客開拓を仕組み化することのできるMAツールを使いこなすことは、デジマの大きな役割と言えそうです。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、デジタル・リアル領域に関わらず、適切なコンテンツを消費者に提供することを通じて、アプローチし、購買意欲と消費者との関係性を構築するための全ての施策を言います。

各種コンテンツを取りそろえることで、各消費者購買までのレベルに合わせた導線設計を行います。サービスを認知してから検討し、購入に至るまで、消費者はリアル・デジタル含め様々なコンテンツと接触します。自社のWebサイトや口コミサイト、SNS、展示会など、多様な媒体がありますので、消費者の行動を全て把握することは難しいのです。しかし、消費者が接触する可能性の高いコンテンツを適切に用意することがとても大切です。

SNSマーケティング

これは、コンテンツマーケティング内の一つの施策です。TwitterやFacebook、インスタグラムなどのSNSは、決して個人の娯楽に留まりません。企業であっても無視できない重要なマーケティングツールになり得ます。

理由は、大きく2つです。

1つ目は、拡散力が非常に強いことです。有用なコンテンツであれば瞬く間に日本中に広がります。通常のWebサイトには、このような拡散力はないので、時間をかけずに認知を広げるためには、必須のツールです。

2つ目は、SNSの有効活用は、サイトのSEO対策としても有用だからです。記事の拡散度合いやフォロワー数などもGoogleの評価対象に入っています。SNSを積極的に運用している企業はあまり多くはありませんので、現時点から他社に先んじて取り組むことは、差別化の要因になります。

メールマーケティング

メールマーケティングもデジマの仕事の1つです。

以前までの、登録者に対してメールを一斉送信するといったようなメールマーケティングとは異なり、MAツールの機能の1つにメルマガ配信機能があり、それを利用したメールマーケティングです。

MAツールを用いることで、どの検討フェーズにある消費者がサイトに流入しているのか把握できるようになりましたので、その消費者に対して適切なメール配信を行うことができます。

実際に、MAツールを使用してメルマガ配信を行うことで、メールの開封率を大きく改善している例も多数あります。

将来なくなる仕事に就いている人こそデジマに挑戦すべき

上記で、紹介したようにデジマという概念ができてから、日は浅いものの、今後の会社運営にとっては必須の役割です。デジマを本格的に取り入れる企業も多くなってきていますので、デジマの求人数が増加傾向にあります。デジマの仕事内容は広範に渡り、各施策を戦略的に運営する必要があるので、難しい仕事であり、面白い仕事です。

これから伸びていく市場であるデジマ領域へ転職を検討なさってみてはいかがでしょうか。

[1] SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化を意味する言葉。検索経由でのWebサイト訪問がより多くなるように行う取り組みのことを”SEO対策”と呼ぶ。

[2] Gartner Predicts, Gartner Customer 360 Summit 2011

執筆者の経歴

梅村玲司 名古屋市出身。大学在籍時、個人の活動として地方創生に関わり、キャリア支援団体の代表として活動の幅を広げる。2016年スターティアラボ株式会社に入社し、Web制作・Webマーケティング事業に従事、 現在はMtame株式会社にてWeb領域のみにとどまらないデジタルマーケティング領域全体の提案を得意とし、営業リーダーを務める傍ら、自身もコンサルタントとして、クライアントへの提案を行う。大手クライアントも多数付き合いがある。Webメディア:うぇぶログの運営代表者でもある。(https://web-logg.com/)