ITエンジニア職からコンサルティング業界を目指すと、経歴の見た目に沿ったITコンサルの求人が集まりがちです。ITエンジニアを経てSaaS企業でプロダクトマネジャーを務めていたAさんも、他社エージェントからITコンサル中心の求人リストを大量に受け取っていました。ただ、本人が関わりたかったのは、ITコンサルが一般的に扱うようなシステム導入のPMOではなく、テクノロジーを起点に事業全体を上流の戦略から動かす仕事です。
担当の緒方は、初回面談でAさんが口にした財務・会計分野への関心をそのまま職種の希望と受け取らず、発言を掘り下げて、中心にあるのは会社全体を見る解像度を上げたいという欲求だと見立てました。応募領域を戦略とテクノロジー、事業開発に絞り、選考の途中で入念なケース面接対策を行った結果、Aさんは戦略コンサルティングファームのテクノロジー部門で内定を獲得され、入社を決意されました。
| 転職前 | 決定した方向 | |
| 企業・業界 | SaaS事業会社 | コンサルティングファーム |
| 主な経験・役割 | エンジニア出身のプロダクトマネジャー | 戦略コンサルティング会社のテクノロジーポジション |
出所:リメディの支援記録をもとに編集部作成。本人特定を防ぐため情報を一般化。
※候補者本人への公開インタビューではありません。リメディに残る支援記録をもとに、社名・時期・属性・数値を一般化して再構成しています。
口にした関心を、そのまま志望領域にしない
Aさんは面談の中で、財務・会計分野の学び直しにも関心があると話していました。額面どおりに受け取れば、会計系コンサルやFASを提案する場面です。緒方は関心の出どころを掘り下げ、その中心が会計という職能ではなく、事業や経営を多面的に見られるようになりたいという欲求にあると整理しました。そのうえで、会計系の職種は志向と合わない可能性が高い理由を言葉で説明し、応募領域から外しています。また、他社エージェントがこぞって勧めていた経歴通りのITコンサルも志向に合わないと整理しました。
社名ではなく、部署の仕事内容で応募先を選ぶ
ご本人の業務の繫忙状況を踏まえ、応募求人は数を広げず、戦略や新規事業開発に強い上流ができるファームへ絞って提案しました。また、同じファームでも部署によって仕事はまったく違います。緒方は志向に合う部署単位に応募先を整理し、求人票に記載されてある仕事内容と実際に扱うテーマの違いについても、企業から直接入手した非公開情報をベースに補足しました。
ビヘイビアー対策はむやみにエピソードを増やさず、構造的に整理
模擬面接では、エピソードをやみくも増やすのではなく、Aさんが用意されていた成果の話し方を「課題をどう特定したか」と「どう解決したか」の二段に整理し直しました。回答の長さにも目安時間を定め、志望動機が抽象度の高い話へ飛びそうなときは、応募先ポジションで実際に扱われるテーマを組み入れることで具体性のある内容にブラッシュアップしました。
ケース対策は、型と時間配分に絞る
戦略ファーム特有のケース面接にAさんは不安を感じられていたので、緒方は対策の際に前提確認から選択肢の分解、判断軸、結論、具体化へ進む汎用的なケースの型の定着に絞りました。ただ、志望度の高いファームは人物面中心にジャッジする面接がメインだったため、ケース対策を詰め込むよりもビヘイビアー面接への準備時間を多めにとるようアドバイスを行いました。
二次面接で一度下がった志望度を放置しない
選考が進んだ戦略ファームとの二次面接で、Aさんの志望度は下がりました。面接で聞いた仕事の説明が実行支援寄りに感じられ、これでは一般的なITコンサルと変わらないのではないかという不安が生まれたためです。緒方は「では合わなかったので辞退しましょう」では終わらせず、企業から聞いている実態を元に面談で懸念を払拭。具体的には、当社のコンサルティング案件がクライアントのどの部署からの依頼でどのテーマを扱うのかを詳細に共有。企業とAさんの間で生まれてしまった誤解を解消し、双方にとって最適なマッチングとなるように状況を再整理しました。
オファー面談で企業から懸念を払
内定後、緒方はAさんの懸念を事前に細かく企業側へ伝え、オファー面談を条件提示だけでなく懸念を解消する場へ変えました。面談では、クライアントの依頼元である部署の大半が経営企画部で、システム部門が依頼元の案件は一部であることや、戦略部門と協働する案件の具体例や棲み分けを分かりやすく丁寧に説明いただきました。Aさんはこの説明を受けて不安を払拭し、入社を決意されました。決め手は、テクノロジーで社会課題の解決に上流から携わりたいという志向と、戦略コンサルティングファームのテクノロジー部門の業務内容が完全にマッチしていたことです。
応募領域を絞れたのは、応募前の段階で志向を整理できていたからです。志望先が揺れた場面でも「どの仕事なら志向と合うのか」という問いに立ち戻れたため、面接の印象ではなく、確認できた事実で意思決定の判断ができました。
自分の関心のある領域ではない経歴通りの提案を受けて辟易としている方、まずは自分の志向性の整理から一緒に進めたい方、ぜひ伴走させてください。自分ひとりでは見つけられなかった選択肢を探すお手伝いができればと思います。
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