「これだけ成果を出しても、給与はほとんど変わらない。」
20代後半のA様は、専門商社で約6年間、鉄鋼関連部署でトレーディング業務に従事していました。
営業として残していた実績は、社内でも全国最上位クラス。何十年もの間開拓しきれていなかった大手顧客に対しても粘り強くアプローチを続け社内外の関係者を巻き込みながら、新たな商流を生み出してきました。
一方、どれだけ成果を出しても、報酬は年次によって大きく決まる。
努力や実績と、給与の伸び方が比例していない。
その違和感が、A様が転職を考えるきっかけでした。
転職活動で大事にしたい事明確でした。
「成果を出した分だけ、きちんと評価される環境で働きたい。」
その選択肢として浮かび上がったのが、M&A仲介業界でした。
ただ、担当した西が最初に行ったのは、年収の高いM&A仲介会社をとりあえずご提案することはしませんでした。
A様がこれまでどのように成果を生み出してきたのかを分解し、M&A仲介でも成果を出せる可能性があるのか。そして、「高年収」の背景を報酬設計だけでなく成約単価や成約期間から詳しく説明。
最終的にA様は、現年収を維持したうえでより上振れも狙える報酬設計である大手M&A仲介会社への転職を決めています。
| 転職前 | 決定した方向 | |
| 企業・業界 | 専門商社 | 大手M&A仲介企業 |
| 主な経験・役割 | 鉄鋼関連部品の法人営業 | M&Aコンサルタント |
| 今回の焦点 | 高い成果に対して報酬が連動しにくい環境 | 成果と報酬が連動する評価制度のある環境 |
出所:リメディの支援記録をもとに編集部作成。本人特定を防ぐため情報を一般化。
※候補者本人への公開インタビューではありません。リメディに残る支援記録をもとに、社名・時期・属性・数値、一部の選考上のやり取りを一般化・再構成しています。
この内容が近い方
- 現職で高い成果を出している一方、給与への反映に物足りなさを感じている
- M&A業界に興味があるが、自分の営業経験が通用するのか分からない
- 求人票の想定年収だけではなく、実際の報酬制度まで比較して転職先を決めたい
全国最上位の成果を出しても、給与は大きく変わらなかった
A様の実務においては商品の専門知識が求められるだけでなく、顧客の要望、仕入れ先との価格交渉、品質担保など、複数の関係者を調整しながら案件を前に進める必要がある仕事です。
その中でA様は、全国でも最上位クラスの実績を残していました。
何十年もの間取引できていなかった業界最大手企業との新規取引を開始することも出来ました。
しかし、そこで大きな違和感も生まれました。
高い成果を残しても、給与への反映は限定的で同期と評価は一緒。
年功序列の色が強い環境では、営業成績が突出していても、評価や報酬が同じように突出するわけではありません。
「このまま成果を出し続けたとき、自分の市場価値や収入はどこまで上がるのか。」
A様が転職を考えた出発点は、そこにありました。
初回面談で印象的だったのは、A様の視座の高さでした。
単純に「もっと稼ぎたい」という話だけではありません。
なぜ今の会社では報酬が伸びにくいのか。次の会社では、どのような評価制度であれば納得して働けるのか。その先に、どのようなキャリアをつくりたいのか。
自分なりの仮説を持って転職をご検討されていました。
西が見たのは、実績そのものではなく「成果を出すまでのプロセス」だった
西が面談で特にヒアリングをしたのは営業実績の数字そのものではなく、どのようにその成果をつくったのかです。
何十年も取引が動かなかった顧客に対して、長期間アプローチを続けたこと。
すぐに受注につながらなくても関係を切らず、相手の状況が変わるタイミングを待ちながら提案を続けたこと。
さらに、顧客だけでなく社内外の関係者を巻き込み、条件を調整しながら案件を前に進めていたこと。
A様が成果を出すために取り組んでいたプロセスは、M&A仲介で求められる仕事と重なる部分がありました。
「未経験だから難しい」ではなく、すでに持っている営業力のうち、どの部分がM&Aでも再現できるのかを明確にしていきました。
「平均年収2,000万円」と伝えるだけでなく、その年収を何故実現できるのかを解剖して共有
M&A仲介会社は一般のサラリーマンと比べて平均年収が何倍も高いです。
同じ「高年収」の会社でも、固定給、インセンティブ率、、成約単価、インセンティブが発生する基準、支給タイミングなどによって条件は大きく変わります。
そこで西は、求人票に記載されている想定年収ではなく、報酬の構造を分解して比較しました。
見るポイントは、
- 固定給はいくら確保されるのか
- 何を達成すればインセンティブが発生するのか
- 売上に対してどの程度が報酬として還元されるのか
- 未達成分や超過分が翌年以降にどう扱われるのか
といった部分です。
A様が知りたかったのは、
成果を出したときにどれくらい自分の報酬として返ってくるのかが分かること。
反対に成果が出なかったときに、どこまで収入が下がる可能性があるのか。
上振れだけではなく、下振れまで含めて理解することでした。
選考では、同じ実績でも「何を前面にPRするか」を変えた
M&A仲介企業と一口に言っても、各社が求める人物像は異なります。
圧倒的な成果への執着や競争心を評価する会社。
顧客との信頼関係や誠実さを重視する会社。
行動量や新規開拓力を評価する会社。
西は、A様の経歴をそのまま一つの形で話すのではなく、企業毎にPRの仕方を整理しました。
同じ経歴でも、どこから話すかによって相手に伝わる人物像は変わります。
選考のたびに、「この会社はA様の何を評価するのか」を確認しながら、志望動機とエピソードを組み替えていきました。
「一番高く稼げる会社はどこか」ではなく、「A様が成果を出したとき、最も再現性高く報酬へつなげられる会社はどこか」
無事A様は複数のM&A仲介会社から内定を獲得され、どの企業にチャレンジするかを検討する際に重要視されたのは「再現性高く報酬を得続けることができるか」でした。
前述の通り、M&A仲介の報酬はインセンティブ率だけで決まりません。
そもそも担当できる案件があるのか。案件を成約まで進めやすい仕組みがあるのか。入社後に十分な経験を積めるのか。
会社として案件を生み出せる力も、個人の報酬に直結します。
A様は最終的に、単純なインセンティブ率の高さではなく、固定給の水準、業界を代表する実績、豊富に案件に触れられる仕組み、そして主力部門で経験を積めるM&A仲介会社への意思決定をされました。
高年収業界だからこそ、「いくら稼げるか」の前に見るべきものがある
M&A仲介をはじめ、成果報酬の大きい業界では、「平均年収」「最高年収」「インセンティブ率」といった数字に目が行きがちです。
もちろん、それらも重要です。
ただ、本当に確認すべきなのは、その報酬がどのようなロジックで決まるのか、そして自分自身の強みがその会社の仕組みの中で本当に活かせるのかという点です。
A様の場合、転職理由は「もっと稼ぎたい」というところから始まりました。
しかし、最終的な意思決定では、単純な年収額ではなく、自分が成果を出したときに正しく評価され、その成果を再現し続けられる環境かどうかを基準に会社を選びました。
求人票の数字だけでは分からない報酬構造や、自分自身の経験がM&Aでどう活かせるのか。
そうした部分まで分解することで、転職先の見え方は大きく変わります。
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