本文へスキップ
支援事例

支援事例

金融に残るか、未経験の人材業界へ進むか。両方の選考を並行し、地方の金融機関から人材紹介会社へ

支援担当井上 晶斗プロフィールを見る →

積み上げてきた金融のキャリアを活かすか、未経験の人材業界に飛び込むか。地方の金融機関で約10年、個人向けの資産運用営業、関連会社への出向、本部での営業企画や行内研修を経験してきたAさんは、30代半ばで生活拠点ごと環境を変える転職を考え始めました。現職では営業成績で上位に入り、研修で関わった若手から相談を受けるなど、周囲からの評価も安定していました。それでも、守られた環境の中にいるだけでは自分の力を試しきれないという思いが、日に日に強くなっていました。一方で、経験と親和性の高い金融業界を選ぶか、関心が高まっていた人材業界へ進むかは決めきれずにいました。未経験の業界へ移ることへの不安もあり、初回面談の時点では、金融・人材・ITなど幅広い選択肢を見比べたいというご状況でした。担当の井上 は、どちらかに寄せる提案はしませんでした。人材業界の仕組みや各社の違い、仕事の厳しさまで具体的にお伝えし、金融の選考とも並行しながら、Aさんが実際の手応えで比べられるように進めました。約1か月の選考を経て、Aさんは人材紹介会社の内定を承諾し、入社しています。

転職前転職後
企業・業界地方の金融機関人材紹介会社
主な経験・役割個人向けの資産運用営業、本部での営業企画・研修転職支援を担うコンサルタント
検討していた方向金融に残るか、未経験の人材業界か両方の選考を経て、人材業界を選択
決め手―成果に応じた評価、経営トップの考え方への共感、誠実な組織風土

出所:リメディの支援記録をもとに編集部作成。本人特定を防ぐため情報を一般化。

※本記事は候補者本人への公開用インタビューではありません。リメディに残る支援記録をもとに、個人が特定されないよう編集部で再構成しています。社名・時期・属性・経歴・数値の一部は一般化しています。

この記事が参考となる方

  • 今の業界で評価されているものの、このままでよいのか迷っている
  • 経験を活かせる業界と、関心のある未経験の業界のどちらを選ぶべきか決めきれない
  • 未経験の業界の仕事内容や厳しさを、具体的に知ったうえで判断したい
  • 複数の選考を並行しているが、比べる基準が定まっていない
  • 実績はあるのに、面接で熱意や覚悟をうまく伝えられない

「違いが分からない」人材業界を、仕組みから説明する

初回面談の時点で、Aさんにとって人材紹介会社はどこも同じように見える存在でした。関心はあっても、各社を比べる手がかりがなかったのです。

井上はまず、業界の仕組みから説明しました。候補者と企業の担当を分けるのか、一人で両方を担うのか。候補者との接点をスカウトで作るのか、会社の集客に頼るのか。報酬が成果に連動するのか、評価に応じて上がるのか。こうした違いを具体的な会社の例とともに示し、Aさんがご自身で各社を比べられる材料を揃えていきました。

あわせて、良い面だけを伝えることはしませんでした。未経験で入る場合に求められる情報処理の速さや面談件数の多さ、出社や残業の実態など、入社後に負担となりうる点も率直に共有しています。

IT業界やコンサルティング業界についても、同じ姿勢で説明しました。特にコンサルティング業界では、学歴や前職の社格で見られやすく、営業実績が評価に結びつきにくい面があることをお伝えしています。Aさんはこの説明を受けて、自分が勝負したい場とは違うと判断し、優先度を下げました。

金融の選択肢も残したまま、同じ視点で比べる

Aさんは他の経路で、証券会社や銀行など金融機関の選考も進めていました。井上はそれらを外すよう勧めることはせず、面談のたびに各社の進捗を確認し、人材業界の選考と並べて整理しました。書類で見送りになった企業も、面接が決まった企業も含めて状況を共有していただき、どの選択肢がどこまで進んでいるかを常に同じ視点で確認できるようにしています。

金融を早い段階で外さなかったのは、Aさんにとって経験を活かせる現実的な選択肢だったからです。未経験の業界に進むかどうかを、想像だけでなく実際の選考の手応えで確かめる。そのためには、両方の選択肢が手元に残っている状態が必要でした。

「人材の仕事がしたい」がご本人の言葉になってから、応募を進める

面談を重ねるなかで、Aさんの言葉は少しずつ変わっていきました。当初は金融も人材も比較したいと話していましたが、仕事の中身を具体的に知るにつれて、人の人生の転機に直接関われる仕事がしたい、自分の営業力や人を巻き込む力を試したいという思いがはっきりしてきました。

井上が人材業界の応募を本格的に進めたのは、この意思をAさんご自身が言葉にしてからです。応募先も、成長環境や評価制度、組織の雰囲気が異なる複数社を選び、比較できる形を保ちました。

面接対策は、これまでの選択を振り返るところから

面接を前に、井上は模擬面接の場を設けました。学生時代に打ち込んだ競技、進学や就職の決め方、現職での新規開拓の進め方や成果を上げられた理由まで、一つずつ質問を重ねています。ねらいは、実績の数字に加えて、Aさんがどのように考えて選び、行動してきたかを面接官に伝わる形にすることでした。

そのうえで井上は、評価されそうな点と懸念されそうな点の両方を率直にお伝えしています。丁寧で安定感のある話し方は強みである一方、未経験の人材業界では「突き抜けて努力できるか」が問われやすいこと。そこで、面接に向けて取り組むことを三つに絞りました。

1. 挑戦への覚悟と熱意を、遠慮せず言葉にする

丁寧さや落ち着きは強みである一方、熱量が伝わりにくいということでもあります。Aさんご自身も、思いを内に秘めて表に出さない傾向を自覚されていました。未経験の業界へ、しかも生活拠点ごと移る挑戦です。なぜ今この道を選ぶのかという覚悟を、控えめにせず言葉にするようお伝えしました。

2. 成果の再現性を、自分の言葉で説明できるようにする

Aさんは10年近く営業の第一線で上位の成績を残してきた、いわばトップセールスです。しかし「なぜ上位の成績を出せたのか」と問われると、当たり前のことをやり切っただけ、周囲に助けられた、という答えにとどまっていました。謙虚な姿勢は伝わっても、面接官が本当に知りたい「環境や商材が変わっても同じように成果を出せるのか」への答えとしては、十分とは言えません。

井上は模擬面接で、成果に至るまでの行動を一つずつ掘り下げました。前任者から顧客を引き継がず、新規開拓から始めたこと。商品ごとに、どのような資産や年齢の方が必要としているかを仮説として立て、リストを作ってから電話や訪問で当たったこと。最初の接点では、ご来店や訪問の約束をいただくことをゴールに置き、反応を見ながら話し方を修正し続けたこと。こうして分解すると、成果の裏には、仮説を立て、行動量で検証し、改善を回し続ける仕組みがありました。業界が変わっても通用する強みとして、面接で順序立てて語れる形に整えています。

3. 営業としての話し方の癖を見直す

最後の指摘は、話し方の細かな癖でした。Aさんには、相手の話が終わりきる前に相づちを重ねる癖がありました。日常の会話ではほとんど気にならない程度のものです。ただ、人材紹介会社の面接官の多くは、自身も第一線で成果を出してきた営業のプロです。トップクラスの営業ほど、こうした小さな違和感を見逃しません。

10年近く成果を出してきた30代半ばのトップセールスにとって、話し方の癖を指摘されるのは耳の痛い話だったはずです。それでも井上は、面接での評価を左右しかねない点として、あえて率直にお伝えしました。Aさんもこれを前向きに受け止め、限られた時間で確実に直せるよう、まずは相づちの数を半分に減らすことから取り組んでいます。

逆質問についても、媒体の使い方や単価、KPIなど事業の仕組みに踏み込んだ質問を用意するよう助言しました。業界を理解したうえで挑戦しようとしている姿勢を、面接官に伝えるためです。

面接で年齢の壁を指摘されても、志望度が上がった理由

内定先となる人材紹介会社の一次面接では、序盤に「30代半ばで未経験の業界に移るのは簡単ではない」という趣旨の指摘を受けました。井上も事前に、年齢、未経験、上京の三つが重なる挑戦には相当の覚悟が必要だとお伝えしていました。

それでもAさんの志望度は、この面接をきっかけに最も高くなっています。面接の中で経営トップの仕事観や人生観に触れ、人としてかっこいいかどうかを大切にする判断軸に強く共感したためです。厳しさを伝えられたうえで、それでも挑戦したいと思えたことが、Aさんにとって大きな手応えになりました。

条件だけでなく、一緒に働く人を確かめてから決める

選考の後半には、面接に加えて社員との食事の場やオフィス見学も設けられました。この段階でもAさんは、他社と比べたいという気持ちを残していました。井上は結論を急がせず、Aさんが働く人の様子を直接確かめる時間を大切にしています。

最終的にAさんが内定承諾を決めた理由は、次の三つです。

  • 成果に応じて年収を上げていける評価の仕組みがあること
  • 経営トップの生き方や考え方に共感できたこと
  • 社員一人ひとりが誠実で、互いに高め合う組織だと感じられたこと

年収は現職と大きく変わらない水準を保ちつつ、成果次第で上を目指せる環境です。条件の比較に加えて、人と価値観を確かめる過程を経たことで、Aさんは未経験の業界へ進む判断に納得して踏み出すことができました。

井上の支援内容

  • 人材業界の仕組みや各社の違いを、具体例とともに説明する
  • 業務の厳しさや働き方など、入社後に負担となりうる点も事前に伝える
  • 金融の選考も含め、すべての選択肢を同じ視点で整理する
  • 応募を本格化するのは、ご本人の意思が言葉になってから
  • 学生時代から現職までの選択を振り返り、面接で伝える軸をつくる
  • 上位の営業成績を行動に分解し、業界が変わっても通用する再現性として言葉にする
  • 話し方の癖のような耳の痛い点も含め、評価されそうな点と懸念されそうな点の両方を率直にフィードバックする
  • 逆質問まで含め、業界への理解が伝わる面接準備を行う

経験を活かすか、新しい業界に挑むかで迷っている方へ

経験を活かせる業界に残るか、未経験の業界に挑戦するか。どちらにも理由があるからこそ、頭の中だけで比べていても答えは出にくいものです。

井上の支援は、どちらかを勧めるところからは始まりません。業界の実態を良い面も厳しい面も含めてお伝えし、選択肢を残したまま比べられる状態をつくります。ご自身の言葉で「こちらに進みたい」と言えるまで、判断材料を揃えて伴走します。まずは、いま並んでいる選択肢を一緒に書き出すところから始めてみませんか。

この記事の担当者に相談する

井上 晶斗との面談日程を、予約ページでお選びいただけます。

面談を予約する

井上 晶斗のプロフィールを見る →

← 支援事例一覧へ