「年収を上げたい」。この本音を、面接で言っていいのか迷う方は少なくありません。
大手製薬メーカーで法人営業を担っていたBさんの希望は明確でした。「中長期的にしっかり年収を上げたい。早期に1,000万円の大台を目指せる環境に挑戦したい」。一方で、情報収集の対象はAI・DX関連のスタートアップとコンサルティングファームの営業職に偏り、人材業界は選択肢に入っていませんでした。
担当したリメディの吉田 将貴は、年収軸の動機を否定しませんでした。その代わり、「その年収を実現するには、今どんな経験を積む必要があるか」を逆算で整理しました。その結果、当初は検討外だった人材紹介会社が有力な選択肢として浮上し、最終的にBさんはその1社への入社を決めています。
| 転職前 | 当初の候補軍 | 転職先 | |
| 企業・業界 | 大手製薬メーカー | AI・DXスタートアップ、コンサルティングファーム | 成長フェーズの人材紹介会社 |
| 役割 | 法人営業(既存顧客への深耕提案) | 営業職 | リクルーティングアドバイザー(法人営業) |
| 志望動機 | 年収アップしたい(本音) | 「自己成長」などの建前 | 市場価値から逆算した志望理由 |
出所:リメディの支援記録をもとに編集部作成。本人特定を防ぐため情報を一般化。
※本記事は候補者本人への公開用インタビューではありません。リメディに残る支援記録をもとに、個人が特定されないよう編集部で再構成しています。社名・時期・属性・経歴・数値の一部は一般化しています。
この記事が参考となる方
- 年収アップを目指したいが、面接で本音を伝えてよいのか迷っている
- 志望動機が建前ばかりになり、深掘り質問で詰まってしまう
- 現職を選んだ理由に一貫性がなく、場当たりに見えないか不安
- 話し始めに前置きが長く、結論が伝わらない
- 志望業界を絞りすぎて、より適した選択肢を見落としていないか気になる
年収軸の本音は、隠すほど伝わらなくなる
Bさんは当初、面接対策として「自己成長したい」「業界の変革に関わりたい」といった一般的な回答を用意されていました。
吉田は面談の冒頭で、年収を重要な軸にすることは極めて自然で、マイナス評価にはならないと伝えました。建前を繕うほど回答の具体性は失われ、熱意の薄さを見透かされてしまいます。まず本音を率直に共有してもらい、そこから面接官が納得できるロジックに組み直す。これが出発点でした。
「なぜ年収が上がるのか」の因果を揃える
「年収を上げたい」という結論だけを伝えると、待遇だけで会社を選んでいる印象になります。そこで整理したのは、次の因果です。
1. 難度の高い無形商材の営業を経験する
2. ビジネスパーソンとしての市場価値が高まる
3. その成果に見合った対価として、高い年収が実現する
本質的な希望は変えず、順序と因果を明確にする。それだけで、厳しい深掘りにも説得力を持って答えられるようになります。
現職の入社理由から転職動機まで、一本の線にする
Bさんが現職の製薬メーカーを選んだ背景には、学生時代の専攻、内定時期、待遇条件、人事担当者の印象など、複数の要素が混在していました。これを網羅的に話すと、主体的に決めていない印象を与えてしまいます。
当時の優先順位を丁寧に振り返り、「なぜその選択をしたのか」「そこで何を培い、なぜ今次のステップへ進むのか」を一続きの線として語れる状態に整理しました。
結論先行の回答フレームを、模擬面接で定着させる
Bさんには、結論より先に背景や前置きから話し始める傾向がありました。そこで、結論→理由→具体例→まとめの順で端的に答えるフレームを、実践形式で定着させました。
吉田が面接官役となり、あえて鍔い質問や想定外の角度からの問いかけを行う。これを繰り返すことで、本番で動じずに答えられる状態をつくりました。
視野になかった業界も、同じ物差しで比較する
人材業界は企業と求職者の双方に向き合う難しさがあり、Bさんも「自分に向いているのか」を慎重に見極めようとされていました。
そこで、他の候補業界とフラットに比べられる情報を提供しました。
- 無形商材の営業難度
- 身につく営業スキルの汎用性
- 昇給のスピード感
- 将来のキャリアパスの広がり
特定の業界を勧めるのではなく、客観的な比較情報を渡す。そのうえでBさんご自身が納得して、選考を進める判断をされています。
結果が出揃った状態で比べられるよう、日程を設計する
選考が佳境に入ると、複数社の最終面接の時期が重なりました。吉田は各社の選考スピードの違いを考慮し、すべての結果が出揃った状態で公平に比較できる順番を設計しました。焦って承諾してしまわないこと、これを最優先にしています。
吉田の支援内容
- 年収アップの本音を否定せず、評価される志望理由に組み直す
- 「なぜ年収が上がるのか」の因果を、市場価値から逆算して整理する
- 現職の入社理由から転職理由までを一貫した線にする
- 結論先行の回答フレームを、模撬面接で定着させる
- 当初検討外だった業界を、難度とメリットの両面から客観的に提示する
- 複数社の結果が揃った状態で比較できるよう日程を調整する
年収アップを目指す転職に悩む方へ
「年収を上げたい」という動機は、隠そうとするほど志望動機が抽象的になり、かえって熱意が伝わらなくなります。
大切なのは、本音を残したまま、企業側にも魅力的に伝わる論理に組み直すこと。そして業界を最初から狭めず、「目指す年収水準に達するために、今どんな経験を積むべきか」という逆算の視点を持つことです。
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