「前職をわずか10ヶ月で退職してしまいました。離職期間もありますし、きっと書類選考段階で落とされてしまいますよね……」
初回面談の際に、オンライン画面の向こうでAさんは焦りと強い不安を滲ませながら、そうお話ししてくださいました。
その日、王 スウユウはすぐに求人を提案することはせず、まず前職で何があったのかをじっくり伺いました。
丁寧に紐解いていくと、退職の真の決定打となったのは業務の多忙さではなく「会社や組織に対する不信感」でした。入社前に聞いていた働き方や評価制度が実態と大きく異なり、確認するたびに説明内容が変わってしまう――。「自身の頑張りがどのように正当評価されるのか見えない環境」が、退職を決断する最大の理由となっていました。
そこで王は、Aさんのこれまでの経験や人生の選択を学生時代まで遡って一緒に振り返りました。「何に熱中したか」「前職のどんな場面でやりがいを感じ、どこで違和感を覚えたか」。自身の歩みを深く辿るなかで見えてきたのは、Aさんが「人の意思決定に関わり、直接感謝されること」に強いやりがいを感じる一方で、「評価基準が不透明な環境」では納得して力を発揮できないという、一貫した行動原理でした。
表面的な希望条件を削ぎ落とし、本質的な「2つの軸」を言語化
当初、Aさんは「人と話すのが好きだから」と営業職全般を希望していましたが、それだけでは自分に合う業界は見えてきません。
前職で最も手応えや達成感を得られた業務について深掘りしたところ、「相手の抱える事情に深く耳を傾け、ご自身も気づいていなかった潜在ニーズを引き出せたとき」「『Aさんだからこそ任せたい』と深く信頼してもらえたとき」という具体性のあるエピソードが浮かび上がってきました。
また、希望年収についても単に金額の提示にとどまらず、「なぜその水準を求めるのか」を丁寧に整理いたしました。前職で大きな成果を上げた期に、明確な基準や説明がないまま想定を下回るインセンティブ額を提示された経験があり、「提示年収の高さ」以上に「成果がどのような基準で適正に評価され、還元されるか」という透明性を求めていらっしゃることが明らかになりました。
丁寧な振り返りを重ねることで、定まった転職軸は以下の2点です。
1. 人の人生の重要な意思決定を深く支えられること
2. 成果に応じた評価と報酬の基準がオープンであること
さらに「自分の転職失敗と同じ思いをする人を減らしたい」という強い原体験が重なり、志望先は人材業界に定まりました。
手当たり次第に応募せず、厳選した3社に絞る
離職期間が長引く不安から、多くの企業に応募したくなるのは自然な心理です。しかし王は、再びミスマッチを起こさないことを最優先にし、Aさんの志向に本当に合う3社に絞り込んで受けることを提案しました。
比較・検討した3社のタイプ:
- 長期伴走型:求職者一人ひとりと深く向き合い、入社後の定着まで見届ける。担当数を抑えるぶん固定給が段階的に上がり、昇給基準も公開されている。
- 高還元型:成果に対する報酬の還元率が非常に高い。一方で業務のスピードが速く、自走力が強く求められる。
- 育成重視型:研修や教育体制が整っている。一方で最初の1〜2年は裁量が限られる。
「一人ひとりにしっかり時間をかけたい」「評価の仕組みがクリアな環境で働きたい」という軸から、Aさんは長期伴走型の企業を第一志望に据え、優先順位をつけて選考に臨むことにしました。
想定問答の暗記ではなく、「自分の言葉」で語れるまで重ねた20回の面談
面接対策においては、企業の事業内容や志望動機を丸暗記するような形式的なトレーニングは一切行いませんでした。
その会社が何を大切にして事業を行い、どんな人物を求めているのか。そして、なぜAさんの経験や想いがその会社で活きるのかを言語化し、本人の言葉で自然に語れるようになるまで徹底的に練習を重ねました。過去の選考傾向も踏まえた模擬面接やすり合わせは、合計20回に及びました。
また、面接の最後に行う「逆質問」についても、「評価制度はありますか」といった抽象的な質問から、「入社後半年時点でどのような成果を出していれば、期待に応えられていると評価していただけますか」という、具体的な評価基準や期待値を相互確認する実践的な問いかけへとブラッシュアップいたしました。
内定獲得後もサポートを継続。雇用条件通知書の確認まで徹底伴走
第一志望の企業から見事内定を獲得された後も、サポートが終了することはありません。前職でのミスマッチが入社前の相互確認不足に起因していたためです。
提示された年収の内訳、インセンティブの支給条件や時期、試用期間中の評価基準などを、王がAさんとともに雇用条件通知書の細部に至るまで念入りに確認・点検いたしました。懸念されていた入社時期やブランク期間に関する疑問点もすべてクリアにすることで、Aさんは一切の不安を残すことなく、心から納得して内定承諾を確定されました。
出所:リメディの支援記録をもとに編集部作成。候補者本人への公開インタビューではなく、社名・時期・属性・数値を一般化して再構成しています。
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