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支援事例

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技術力と、ステークホルダーを動かす力。両方が最大限生きる職種がFDEだった

支援担当坂野 紗恵子プロフィールを見る →

きっかけは一通のスカウトでした。Aさんのもとには常時スカウトが届いていましたが、返信をしたのは坂野からの一通だけ。そこに書かれていたのが「私はこういうエージェントです」ではなく、Aさんの経歴に対して具体的にどの案件がなぜ合うのか、という話だったからでした。

相談時、Aさんはクライアントワークとプロダクト開発の両方に関わる立場にいました。仕事の内容そのものには面白さを感じている。それでも、案件の獲得競争の中で本当にやりたい提案が単価で通らない場面が繰り返し起きる。この「構造への違和感」が相談の入口でした。

坂野が着目したのは、Aさんが二つのスキルを同時に有していることでした。ひとつは、長年のキャリアで積み上げてきた高い技術力。もうひとつは、複雑な関係者の間に立ち、ステークホルダーをマネジメントしながらプロジェクトを前に進める力です。この二つが揃っている候補者様は多くありません。しかし、どちらか一方しか評価されない職種を選んでしまえば、その希少性は生きません。

初回面談で坂野が最初に提示したのは、経歴から素直に導かれるコンサルティング寄りの職種でした。しかしAさんの反応と話の内容を踏まえて、より両方のスキルが最大限に生き、かつ今後のキャリアの選択肢も大きく広がる役割があると判断し、その場でForward Deployed Engineer(FDE)のポジションを提示し直しています。FDEとは、顧客の現場に入り込んで課題を定義し、関係者を巻き込みながら、そのまま実装まで一貫して担う役割です。

Aさんは求人内容を聞いて「完全に今自分がやっている仕事と同じ」と反応しました。

そこからは、応募先はごく少数に絞り、比較できる状態をつくったうえで選考を進めています。

転職前決定した方向
企業・業界クライアントワーク中心の環境自社プロダクトを持つ企業
主な経験・役割技術リードと、関係者を動かすプロジェクト推進課題定義から実装まで一貫して担うFDE職
応募の進め方—応募先をごく少数に絞り、比較しながら判断
今回の焦点二つの力が同時に生きる職種を特定する揺れる志望順位を、面接後の事実で更新し続ける
年収—現年収を上回る水準で決着

出所:リメディの支援記録をもとに編集部作成。本人特定を防ぐため情報を一般化。

※候補者本人への公開インタビュー記事ではありません。リメディに残る支援記録および本人へのヒアリングをもとに、社名・時期・属性・数値を一般化して再構成しています。

同じような悩みを抱えている方へ

  • 技術力と、関係者を動かす力の両方を持っているが、片方しか評価されない
  • 提案が価格で比べられ、やりたい仕事が取れない状況が続いている
  • 届くスカウトがどれも的外れで、エージェントに期待できなくなっている
  • 応募社数を増やすほど判断が鈍る感覚がある
  • 選考が進むうちに志望順位が変わってしまい、決め方が分からなくなる

スカウトは、エージェント主語では読まれない

Aさんはスカウトを読んでいなかったわけではありません。読んだうえで、ほとんどを外れと判断していました。経歴を読んだ形跡のない一斉配信が大半を占めていたためです。

坂野の一通は、最初から案件を主語にしていました。あなたのこの経験に対して、この求人のこの部分が接続する——読み手にとって検証できる形の提案になっていたため、Aさんは中身を読み、返信してくださりました。

転職理由を、好き嫌いではなく事業構造の話まで下ろす

Aさんの転職理由は、最初は「仕事自体は面白いが、案件化に課題がある」というお話でした。何が起きているのかを具体化し出てきたのは、競合と価格で比べられる中で提案価値を実現し切れないという構造の問題であり、担当者や案件の当たり外れの話ではありませんでした。

求める環境の条件は、価格競争に左右されにくい事業構造を持っているかという点に定まりました。

応募数を絞る。比較できる相手だけを残す

Aさんは「数を打つ転職ではなく、少数精鋭で納得して受けたい」と話しています。坂野はこの方針に沿って、検討していた複数社を順に整理しました。

事業の面白さは評価しつつ「転職するならもう少し挑戦したい」という理由で優先度を下げた企業。大規模ゆえに自由度が下がるという懸念で外した企業。Aさんにとって身近すぎるという理由で外した企業。残ったのは2社でした。

絞ることは選択肢を減らすことではありません。少数に絞ったからこそ、面接ごとに両社を突き合わせて比較でき、判断の解像度が上がりました。

志望順位は揺れる。揺れを前提に比較表を更新する

選考の途中、Aさんの志望度は一度大きく振れています。面接を重ねる中で「志望順位が変わったかもしれない」と語った時期がありました。

坂野はこの揺れを「迷い」として処理しませんでした。企業理解が進めば志望度が変わるのは当然だという前提で、面接後に分かった事実を比較表へ反映し続けています。選考が最終盤に近づく頃、Aさんの評価軸には技術の尖りだけでなく、事業の広がりや基盤の安定性、制度の整備状況が加わりました。

最終的にAさんが選んだのは、技術と事業のどちらかではなく、両方を成立させられる方でした。

承諾後、Aさんが語ったこと

決定後のヒアリングで、Aさんはエージェントに求めることとして「本質を見極めて、正しい方向に人を導ける人の提案が重要だ」と仰っています。

そのうえで坂野については、自分のパーソナリティをきちんと見たうえでキャリアを提示してくれた、と評価してくださりました。求人の量でも経験年数でもなく、人物の読み取りと、そこから導かれる提案の妥当性。小さな言動の積み重ねが信頼に繋がりました。

坂野が取り組んだこと

  • 自己主張ではなく候補者様に合ったスカウトを送る
  • 技術力とステークホルダーを動かす力、その両方が同時に生きる職種を特定する
  • 応募先を少数に絞り、比較可能な状態をつくる
  • 選考過程で志望順位が揺らいだ時も情報を整理しながら伴走する

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