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戦略コンサルからPEファンドへ転職するには|投資未経験でも評価される経験と面接対策

監修者

リメディ株式会社 ヘッドハンター

緒方 隆恭 | OGATA Takayuki

東京大学を卒業後、三菱UFJ銀行に新卒入社。国内支店でMUFGの各種金融ソリューションの法人営業に従事し、銀行表彰を受賞。入社3年目で海外拠点に異動・駐在し、現地進出日系企業への融資・預金・為替デリバティブ商品等の法人営業を担当。
その後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に出向し、投資銀行本部にてカバレッジ業務に従事。上場企業のM&A(TOB・経営統合等)やエクイティファイナンス(IPO・PO等)のオリジネーション(案件獲得活動)・エグゼキューション(案件執行)を経験。現在はハイキャリア層や金融プロフェッショナルを中心とした採用・転職支援を行う。

目次

戦略コンサルからPEファンドへ転職する際のポイント

戦略コンサル出身者にとって、PEファンドは人気の高い転職先です。経営課題を構造化し、成長戦略を描き、経営陣に提案してきた経験は、投資先支援や投資仮説の検討で強く生きます。

一方で、PEファンドの面接では『良い戦略を考えられる人』だけでは足りません。投資額、買収価格、借入、Exit、経営陣との実行まで含めて、リスクを背負う立場で考えられるかが問われます。本記事では、戦略コンサル出身者がPEファンド転職で評価される経験と、補っておきたい論点を整理します。

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論点戦略コンサル出身者の強み補っておきたい点
市場・競争分析投資テーマの仮説作りに強い買収価格と投資リターンへの接続を補う
経営陣向け提案投資先支援やバリューアップで生きる提案後に実行まで追った経験を示す
DD経験Commercial DD経験は親和性が高い財務DDや契約論点の理解を補う
面接ケース面接や投資仮説で戦いやすいLBOと財務三表の準備が必要
参考: 各社公開情報およびリメディの転職支援知見をもとに整理

戦略コンサル経験は、投資仮説と投資先支援で強みになる

戦略コンサル出身者の強みは、事業を分解して、どこに成長余地があるかを短時間で捉える力です。PEファンドでは、買収前の市場評価、競争優位の見極め、買収後の成長施策でこの経験が使えます。

特にCommercial DD、全社戦略、中期経営計画、営業改革、価格戦略、PMIに近いプロジェクトを経験している人は、投資先で何を変えるかを話しやすい候補者です。採用側は、職位名よりも、経営者とどの距離で仕事をしたかを見ています。

Commercial DDなら、市場成長性や競争環境の分析だけでなく、どの前提が投資判断を左右したかまで戻します。成長戦略なら、施策名ではなくKPIと実行難度。PMIなら、投資後初期に組織、管理会計、営業現場のどこを変えたか。全社改革なら、経営陣との合意形成だけでなく、反対意見をどう扱ったかまで話せると、PEファンドでの再現性が見えやすくなります。

弱く見られやすいのは、投資家としての数字責任

戦略コンサル出身者が面接で弱く見られやすいのは、買収価格と投資リターンの話です。市場や戦略の説明がどれだけ鋭くても、いくらまで払えるか、どの前提が崩れると投資が難しくなるかを説明できないと、投資家としての迫力が出ません。

準備では、財務三表、EV/EBITDA、Debt capacity、Exit Multipleを最低限押さえます。細かい会計論点をすべて覚える必要はありませんが、投資判断に効く数字を自分で動かせる状態にしておくと、面接の印象が変わります。

  • 市場規模だけでなく、対象会社が勝てる市場の幅を説明する
  • 成長施策は売上、粗利、固定費、運転資本のどこに効くかまで話す
  • 買収後の実行難度を、組織、人材、システム、営業現場に分ける
  • 自分の経験を盛らず、実際に関与した提案と実行範囲を分ける

応募先は、投資先支援の比重で選ぶ

戦略コンサル出身者は、すべてのPEファンドを同じように狙うより、投資先支援の比重で選ぶ方が現実的です。投資銀行出身者が多い大型投資チームでは、財務・ディール経験の差が出やすい領域です。

一方で、ハンズオン支援を重視する日系PE、セクター特化型、投資先の経営改善に深く入るチームでは、戦略コンサルの経験がそのまま評価材料になることも少なくありません。ファンド名の知名度だけで選ぶより、自分の経験がどこで使われるかを見た方が、応募後の会話も具体的にしやすいです。

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応募先タイプ相性準備しておきたい話
大型バイアウト財務・ディール経験の補強が必要LBO、Valuation、過去案件の数字深掘り
投資先支援の比重が高いPEプロジェクト実行経験が伝わりやすい経営者との合意形成、現場を動かした経験
セクター特化PE業界知見があれば強い対象業界の成長仮説と主要KPI
バリューアップチームコンサル経験との親和性が高い投資後初期の動き方、施策の実装経験

応募先選びで迷う時は、ファンド名より役割の中身を見た方がずれにくいです。投資職を狙うのか、バリューアップ寄りから入るのかで、補うべき財務論点と前に出すプロジェクトが変わります。

面接では、提案資料の完成度より意思決定の近さが問われる

コンサル出身者は、面接でプロジェクトの全体像をきれいに説明するのが得意です。ただし、PEファンド側が知りたいのは、きれいな資料を作ったかではなく、経営者の意思決定にどう影響したかです。

たとえば、価格改定プロジェクトなら、どの顧客セグメントで値上げ余地を見つけ、営業現場の反発をどう扱い、実行後にどの指標を追ったかまで話すと伝わりやすいです。プロジェクト名より、意思決定と実行の距離を近づけるほど説得力が出やすいです。

ケース面接は、事業性と投資採算を同時に見る

戦略コンサル出身者はケース面接に慣れている人が多いですが、PEファンドのケースは別物です。市場が魅力的かだけでなく、その会社を買うならいくらまで許容できるか、買った後に何を変えるかまで一続きで見られる構成です。

練習では、対象会社の売上、マージン、成長率、設備投資、運転資本をざっくり置き、Exit時の姿まで説明する形を作ります。ロジックツリーを作るだけで終わらせず、最後に投資するかしないかを言い切る訓練が効きやすいです。

たとえば、対象会社の売上、利益率、成長率を置くなら、まず成長余地と競争優位を説明できる状態から始めます。そのうえで、いくらで買うとリターンが出るのか、Debtをどこまで入れられるのか、Exit時にどの姿を見込むのかを一続きで話せる状態が理想です。数字は粗くても、事業仮説と投資採算を往復できるかが問われるポイントです。

自分で進めてよい準備と、壁打ちした方がよい準備

財務三表、LBOの基礎、過去プロジェクトの棚卸しは自分で進めてよい領域です。特に財務は、苦手意識があるなら早めに手をつけるほど面接で楽になります。

一方で、どのプロジェクトをPE向けに前に出すか、応募先を投資チームにするかバリューアップ寄りにするか、面接で投資判断まで言い切れるかは壁打ちの効果が大きい領域です。ポストコンサルの人気ルートほど候補者の質が高く、出し方の差が通過可能性を左右します。

投資仮説プレゼンは、きれいな戦略資料で終わらせない

戦略コンサル出身者は資料作成に強い一方で、PEファンド面接では資料の完成度だけでは評価が決まりません。投資仮説プレゼンでは、対象市場、競争優位、成長施策、買収価格、Exitまでを一本の話にしておくと、議論が投資判断に進みやすいです。

プレゼンの最後に『この会社を買うのか、見送るのか』を置けないと、調査報告に見えがちです。PEファンドの選考では、限られた情報でどこまで意思決定に近づけるかが問われるポイントです。戦略の正しさだけでなく、どの不確実性なら引き受けられるかまで話せると、投資家としての会話に近づきやすくなります。

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構成入れる内容避けたい状態
投資テーマなぜ今この市場を見るのか市場が大きいという説明で止まる
対象会社の勝ち筋顧客、チャネル、価格、オペレーションの強みSWOTの羅列になる
買収後施策投資後初期とその後に変えるKPI施策名だけで実行順がない
投資採算価格、Debt、Exitの感度数字が最後に付け足しになる

戦略資料として整っているだけでは、投資判断にはまだ届きません。買収価格、Debt、Exit、投資後初期の動きまで入れると、提案書ではなく投資仮説として読まれやすくなります。

財務面接では、細かい会計より投資に効く数字を押さえる

戦略コンサル出身者が不安を持ちやすいのが財務面接です。会計士のような細かい会計知識を求められるというより、投資判断に効く数字を見落とさないかが見られます。

売上成長、EBITDAマージン、Capex、運転資本、税金、借入返済。こうしたつながりを説明できれば、Paper LBOや投資仮説で大きく崩れにくくなります。財務三表は丸暗記より、事業の動きがキャッシュにどう変わるかで捉える方が実戦的です。

  • 売上が伸びても、運転資本が膨らむと返済余力は弱くなる
  • EBITDAが高くても、Capexが重い事業ではFCFが残りにくい
  • マージン改善は、価格、原価、固定費のどれで起きるかを分ける
  • Exit Multipleを高く置くなら、買収後に市場評価が上がる理由を説明する

プロジェクト棚卸しは、テーマ名ではなく意思決定で整理する

職務経歴書に『中期経営計画』『新規事業戦略』『営業改革』と並べるだけでは、PEファンド側に強みが伝わりません。どの意思決定に関わり、何を変え、どこまで実行を見たのかを整理しておくと、経験の輪郭がはっきりします。

棚卸しでは、プロジェクトごとに経営課題、仮説、分析、提案、意思決定、実行結果を分けるのが基本です。自分が担当した範囲を正直に切り分けたうえで、面接で深掘りされても説明できる案件を選ぶと、回答が安定しやすいです。

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整理項目書きたい内容面接での使い道
経営課題売上鈍化、利益率低下、組織分断など投資先で似た課題を見た時の引き出し
仮説何を変えれば企業価値が上がると考えたか投資仮説プレゼンの土台
実行提案後に現場で何が変わったかハンズオン適性の説明
学び次に同じ状況なら何を変えるか反省と改善の深さを示す

棚卸しで大事なのは、プロジェクト名を増やすことではありません。経営者や事業責任者の意思決定に近かった場面を選ぶと、PEファンドで再現できる経験として話しやすくなります。

面接直前は、投資銀行出身者との差分を先に埋める

戦略コンサル出身者は、PEファンド面接で投資銀行出身者と比較される場面も少なくありません。勝負する領域を間違えると、モデルやディール経験の差だけが目立つでしょう。戦コン出身者が前に出したいのは、事業を見立てる力、経営陣と議論する力、買収後に企業価値を上げる道筋を描く力です。

ただし、その強みを数字から切り離して話すと弱くなります。売上成長の仮説なら、どの顧客層で何が伸びるのか。マージン改善なら、価格、原価、固定費のどこに効くのか。経営管理なら、どのKPIを週次で見るのか。事業の話をキャッシュの話に戻せる候補者は、投資未経験でも面接で戦いやすくなります。

面接直前には、投資銀行出身者との差分が出やすい領域を優先して補強します。LBOの基本、Valuationの前提、M&Aプロセスの全体像です。すべてを専門家並みにする必要はありません。自分の強みである事業仮説を、投資判断の会話に乗せるための共通言語として押さえておくと安心です。

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補強領域最低限押さえること戦コンの強みに戻す話し方
LBODebt paydownとExitの流れ事業施策がFCFにどう効くかで説明する
ValuationマルチプルとDCFの前提成長仮説が評価にどう反映されるかを話す
M&AプロセスLOI、DD、SPA、クロージングの流れどの段階で事業論点が重要になるかを話す
経営陣面接投資先経営者との距離感提案ではなく一緒に実行する姿勢を示す

差分を埋める目的は、投資銀行出身者と同じ話し方をすることではありません。最低限の財務・ディール論点を押さえたうえで、事業を動かす経験に戻せると、戦略コンサル出身者らしい強みが残ります。

話す案件は、成果が大きい順ではなくPEに近い順で選ぶ

戦略コンサル出身者は、売上成長、コスト削減、新規事業、全社変革など、多くのプロジェクトを経験していることがあります。職務経歴書では成果の大きい案件を並べたくなりますが、PEファンド面接では成果額だけで選ばない方がよいです。

優先したいのは、投資判断や投資先支援に近い案件です。市場の魅力度を見た案件、買収後の統合に近い案件、経営陣の意思決定に踏み込んだ案件、現場実行まで追った案件は、PEファンドの仕事と接続しやすくなります。反対に、分析作業だけで経営判断との距離が遠い案件は、補足の仕方で印象が変わります。

迷う場合は、面接で『その会社を買うなら何を見るか』に答えやすい案件を選びます。プロジェクトの成果を誇張せず、自分が見た事実から投資仮説を組み立てる方が、面接では信頼されやすいです。

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候補案件PE面接での使いやすさ補足したい論点
Commercial DD高い買収価格と投資リスクまで話す
PMI・統合支援高い投資後初期の動きに落とす
全社戦略中〜高実行とKPIまで補う
純粋なリサーチ案件意思決定との距離を説明する

成果の大きさだけで案件を選ぶと、面接では投資判断との距離が見えにくいことがあります。PEに近い案件とは、買収前の評価、買収後の実行、経営陣との合意形成のどれかを具体的に話せる案件です。

戦略コンサル出身者の応募前準備プラン

戦略コンサル出身者は、PEファンド応募前に財務だけを詰め込むと強みがぼやけがちです。まず自分の強みである事業を見る力を残し、そのうえで投資採算の言葉を足す順番と相性が良いです。

準備の前半は、過去プロジェクトをPEファンド向けに分類します。Commercial DD、PMI、成長戦略、営業改革、価格戦略、全社変革のうち、投資判断や投資先支援に近い案件を選びます。成果額の大きさより、経営者の意思決定に近かったかが基準です。

中盤では、財務の共通言語を補う段階です。売上高、営業利益、EBITDA、運転資本、Capex、Debt paydownを一つの流れで説明できる状態が目標です。細かい会計論点を増やすより、事業施策がキャッシュにどう変わるかを理解する方が面接で使いやすいです。

直前期は、投資仮説プレゼンと口頭ケースの練習段階です。同業他社比較、対象会社の勝ち筋、買収後のKPI、Exitの絵を短時間で置けると、戦略コンサルの強みが投資の会話に乗りやすいです。

準備期間は、日数で細かく区切るより、案件棚卸し、財務・LBO補強、投資仮説プレゼンの三つが揃っているかで見ます。現職のプロジェクト都合で時間が限られる場合も、話す案件と補う数字論点を先に分けておくと、面接直前の迷いを減らせます。

準備の順番は、財務の勉強だけに寄せすぎない方が自然です。財務三表やLBOを補いながら、自分のプロジェクトを投資仮説に変える作業を同時に進めると、面接の言葉が整います。

職務経歴書は、プロジェクト名ではなく企業価値への効き方を書く

戦略コンサルの職務経歴書では、プロジェクト名が抽象的になりがちです。『中期経営計画策定』『営業改革』『新規事業戦略』だけでは、PEファンド側から見ると投資先で何を任せられるかが見えません。

書き方を変えるなら、企業価値への効き方を入れます。売上高成長に効いたのか、営業利益率に効いたのか、運転資本や組織運営に効いたのか。採用ページに出てくる投資先支援の仕事とつながる表現にすると、面接で深掘りされやすくなります。

成果を誇張しなくて大丈夫です。むしろ、提案まで担当した案件と実行まで見た案件を分けた方が信頼されやすいです。PEファンド面接では、できることと学び直すことを分けて話せる候補者の方が、入社後の立ち上がりを想像してもらいやすくなります。

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弱い書き方強い書き方伝わること
中期経営計画を支援売上高成長のドライバーを顧客別に分解し、投資優先順位を設計投資仮説を作れる
営業改革を実施営業KPI、価格改定、チャネル別採算を整理し、営業利益率改善策を提案投資後支援に近い
新規事業戦略を策定市場参入条件、同業他社比較、初期投資回収の前提を整理事業性と採算を同時に見られる
PMIに関与投資後初期の組織・管理会計・営業管理の論点を整理PEの投資後フェーズに近い

職務経歴書では、テーマの大きさより企業価値への効き方を前に出す方が伝わりやすいです。売上、利益率、運転資本、価格、組織のどこに効いたのかを置くと、投資先支援や投資仮説に接続しやすくなります。

面接で問われやすいのは、財務力より当事者意識

戦略コンサル出身者に対しては、財務知識だけでなく、当事者としてリスクを引き受けられるかも問われます。提案はできるが、自分で意思決定できるか。経営者に助言するだけでなく、投資先で実行まで伴走できるか。この二つが選考の後半で効いてきます。

回答では、プロジェクトの成果より、難しい意思決定にどう関わったかを話します。経営陣が迷った場面、現場が反発した場面、数字上は正しくても実行が難しかった場面を出せると、実務の解像度が上がります。

また、投資銀行出身者との差を過度に気にしすぎないことも大切です。モデルの経験では負ける場面があっても、事業を見立てる力、経営者との議論、投資後の改善設計で勝てる余地があります。自分の土俵を投資判断につなげる意識を持つと、話の軸がぶれにくくなります。

  • 提案止まりに見えそうな場合は、実行で何が難しかったかまで話します。PMI、営業改革、価格改定、組織変革など、現場が動いた案件ほど材料になります。
  • 財務が弱く見えそうな場合は、事業施策がFCFに効く流れを説明します。売上高、営業利益、運転資本、Capexのどこが動くのかを一文で置けると安心感が出ます。
  • 投資判断の経験が薄い場合は、買う条件と見送る条件を分けます。Commercial DDや投資仮説プレゼンの経験は、ここに接続して話すと伝わりやすいです。
  • ファンド選びが浅く見えそうな場合は、採用ページと投資実績から合う役割を言語化します。投資チーム、バリューアップ、セクター特化で、求められる強みは少しずつ変わります。

戦略資料を、投資委員会の言葉に変える

戦略コンサル出身者の回答が浅く見えるのは、『市場を見ます』『成長戦略を作ります』で止まる時です。PEファンドの面接では、その先にある投資委員会の会話まで持っていきます。市場が大きいなら、なぜその会社が勝てるのか。施策が正しそうなら、いくらまで払えるのか。ここまで進めて初めて、戦略が投資判断に変わります。

プロジェクトを振り返る時も、成果物の名前ではなく意思決定の場面を探します。経営陣が何を迷い、どのデータで合意し、実行時にどこで抵抗が出たのか。資料の完成度より、その意思決定にどれだけ近かったかが伝わるほど、PEファンド向けの経験として語りやすいです。

面接では、きれいにまとめすぎない方がよい場面もあります。『この仮説は魅力的だが、価格が高ければ見送る』『この成長施策は効くが、営業組織の入れ替えが必要』と、引き受けるリスクを自分の言葉で話せると、資料作成者ではなく投資家候補として見られやすいです。

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コンサル資料の言葉投資委員会の言葉面接で補うこと
市場が成長している対象会社が成長を取り込める理由は何か顧客、チャネル、価格、競争優位を分ける
施策効果が大きいどのKPIとFCFに効くのか売上、粗利、固定費、運転資本へ接続する
実行ロードマップ投資後初期に何を先に変えるか経営陣、現場、管理会計の順番を置く
リスク一覧どのリスクなら引き受けるか価格、契約、投資後支援で扱いを分ける
戦略コンサル経験は、投資判断の言葉に変換するとPEファンド面接で伝わりやすい

バリューアップ職と投資職を混同しない

戦略コンサル出身者は、投資チームとバリューアップチームを同じ延長線で見てしまうことがあります。どちらも魅力的ですが、面接で見られる力は別物です。投資職は、限られた情報で価格とリスクを引き受ける仕事。バリューアップ職は、投資後に現場と経営を動かす仕事です。

応募前には、自分が今すぐ勝てる入口と、将来寄せたい役割を分けます。Commercial DDやPMIが強い人は、バリューアップ寄りから入る方が自然なこともあります。一方で、投資職を狙うなら、財務とLBOを避けて通ることはできません。

この切り分けを曖昧にしたまま応募すると、志望理由が『経営に関わりたい』で止まります。面接では、最初に任される仕事まで想像して話す方が伝わりやすいです。投資仮説を作るのか、投資先のKPIを変えるのか。自分の経験が刺さる場所を先に選んでおくと、応募先の優先順位も決めやすくなります。

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狙う役割見られる力戦略コンサル出身者の準備
投資職買うか見送るかを決める力LBO、Valuation、価格許容度、DD論点を補強する
バリューアップ職投資後にKPIを動かす力営業改革、価格改定、組織変革の実行経験を出す
セクター担当業界の勝ち筋を見抜く力業界KPI、競争環境、主要企業の比較を持つ
将来の投資職移行実行経験を投資判断へ戻す力入社後の役割変化を面接で確認する

役割の違いを曖昧にしたまま応募すると、志望理由も面接回答もぼやけます。投資職を狙うなら買う判断、バリューアップ寄りなら買った後に動かす力を、それぞれ別の言葉で準備したいところです。

『事業は分かるが投資は弱い』と言われない準備をする

戦略コンサル出身者の面接で、最ももったいない落ち方は『事業の話は鋭いが、投資判断になっていない』という見られ方です。市場や競争環境の説明はできる。施策も言える。それでも、買収価格、借入返済、Exitの会話に戻れないと、PEファンド側は入社後の立ち上がりを不安に感じます。

対策は、財務を別科目として暗記することではありません。自分の得意な事業仮説を、毎回キャッシュの言葉に戻すことです。価格改定なら粗利率、営業改革なら固定費効率、チャネル拡大なら運転資本、設備投資ならFCF。事業施策がどの数字を動かすかを一つずつつなげます。

面接練習では、最後に一文で投資判断を置く癖をつけます。『この会社は買いです』でも『この価格では見送ります』でも構いません。曖昧に締めるより、前提つきで言い切る方が、投資家としての会話に近づきます。

たとえば価格改定を話すなら、粗利率だけでなく顧客離反と売上高成長まで見ます。営業改革なら、固定費と営業生産性がどう動き、回収期間がどれくらいになるか。新規チャネルなら、成長の魅力と同時に運転資本や初期投資の負担も置きます。PMIであれば、管理会計、コスト、投資後初期計画をどう数字に落とすかが焦点です。

こうした言い換えができると、『よい施策です』で止まりません。『値上げ余地はあるが数量減のDownsideを見る』『人員増なしで売上が伸びるならFCFに効く』といった一文に落とすことで、事業の見立てが投資判断に接続します。

戦略コンサル出身者が応募前に迷いやすい判断

戦略コンサル出身者は、PEファンドに行きたい気持ちはあっても、財務・ディール経験の薄さに不安を持ちやすいです。その不安は正しいですが、準備の方向を間違えなければ十分に補えます。ここでは応募前によく出る論点を整理します。

M&A経験がなくても応募できますか

応募可能なケースはあります。特にCommercial DD、PMI、成長戦略、営業改革など、投資先支援や投資仮説に近い経験がある場合です。ただし、M&Aプロセス、Valuation、LBOの基礎は別途補強したいところです。事業理解だけで押し切ると、後半面接で苦しくなります。

投資チームとバリューアップチームはどちらを狙うとよいですか

財務・ディール経験が薄い場合、最初から投資チームだけに絞ると選択肢が狭くなります。投資先支援の経験が強いなら、バリューアップ寄りの役割も検討余地があります。ただし、将来的に投資判断へ寄せたいなら、入社後の役割移行があり得るかは面接で確認しておきたい論点です。

ケース面接はコンサルのケースと同じですか

似ている部分はありますが、最後の結論が違います。コンサルのケースは課題解決策を出すことが中心ですが、PEファンドのケースでは買うか、いくらなら買うか、買った後に何を変えるかまで聞かれます。投資採算に戻す癖があると、回答がPEファンド向けになります。

財務はどこまで勉強しておくとよいですか

会計士レベルの細部より、投資に効く数字を優先するとよいです。売上高、営業利益、EBITDA、Capex、運転資本、Debt paydown、Exitの流れです。事業施策がFCFにどう効くかを説明できる状態が一つの目安になります。

現職プロジェクトの成果はどこまで書くとよいですか

守秘義務に触れない範囲で、経営課題、仮説、提案、意思決定、実行範囲を整理します。売上高や営業利益への影響を断定できない場合は、確認できる事実に絞る方が信頼されます。成果を大きく見せるより、関与範囲を正確に書く方が面接で崩れません。

戦略ファームのブランドはどれくらい効きますか

ファーム名は入口ではプラスに働きますが、後半面接では案件の中身が見られます。採用側は、ブランドではなく投資先で再現できる行動を確認します。どの経営課題を扱い、どの意思決定に近かったかを話せるようにしておくと安心です。

ポストコンサルとして他の選択肢も見るとよいですか

見ておく方がよいです。PEファンドだけに絞ると、タイミングと求人の少なさで動きにくくなります。事業会社経営企画、FAS、M&Aアドバイザリー、スタートアップCXO候補なども比較し、自分が投資判断に近づきたいのか、経営実行に近づきたいのかを分けておくと、判断がしやすくなります。

面接で現職不満を話してもよいですか

不満そのものを隠す必要はありません。ただし、提案で終わることへの物足りなさ、投資後の実行に関わりたい気持ち、資本を背負う意思決定へ近づきたい理由へつなげる流れが自然です。不満だけで終わると、受け身に見えます。

次に読みたい記事

相談するなら、どの段階がよいか

投資職とバリューアップのどちらに寄せるか迷う場合は、まず過去案件の選び方から整理すると進めやすいです。Commercial DD、成長戦略、PMI、営業改革のうち、どの経験を前に出すかで応募先の見え方も変わります。

応募前なら、職務経歴書に入れる案件を絞る段階。面接前なら、投資仮説、ケース、LBOの弱点を確認する段階です。自分で準備できる部分を進めたうえで、判断に迷う箇所を壁打ちすると、相談時間も具体的に使いやすくなります。

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