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【1日密着】「笑われた悔しさが原動力に」/不動産デベロッパー出身のトッププレイヤー、「営業の現場」に潜入

異様に年収の高い不動産会社だな」──新卒で入った総合不動産デベロッパーの現役時代、業界内で池田氏がそう感じていた企業がある。それが、後に転職先となる地主株式会社(旧・日本商業開発株式会社)だ。

不動産デベロッパーで 10 年間、分譲マンションの用地取得や開発などを担当してきた池田幸太郎氏は、2023 年に地主株式会社へ中途入社し、九州営業本部を拠点に全国の案件を担当している。入社初年度に案件実績を上げられない中途社員も少なくない中、1 年目で、年間 5 件の成約を達成した実力者だ。

地主株式会社は、建物を所有せず土地のみに投資をする独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」により、長期安定の不動産金融商品を開発し、投資家に提供している企業だ。総合不動産デベロッパーや仲介業務とは構造が大きく異なる。

本記事では、リメディ株式会社の井上が池田氏の 1 日に密着し、商談から現地視察といった営業活動を通じて、同社独自のビジネスモデル「JINUSHIビジネス」と、大手デベロッパーからの転身が生んだ池田氏のキャリアに迫った。

Interviewee|地主株式会社 九州営業本部
池田 幸太郎 氏

新卒で不動産デベロッパーに入社し、マンション開発や開発用地の取得、市街地再開発事業の推進を担当。地主株式会社に入社後は、九州支店を拠点に、全国で土地のみの金融商品の開発を担当する。

Interviewer|リメディ 井上 晶斗

大阪府立大学中退後、教育系ベンチャー企業に入社。新店舗の立ち上げ・店舗運営・マーケティング業務に従事し、事業拡大に貢献。その後、エス・エム・エスに転職し、キャリアアドバイザーとして医療従事者の転職支援を行い、トップクラスの成績を達成。
より幅広い業界・職種・年齢層の候補者様を支援するため、リメディに参画。現在はM&A、不動産、建設業界におけるエグゼクティブ採用や転職支援を担当し、多様なキャリア支援に取り組んでいる。

目次

大手デベロッパーから地主株式会社へ|「異様に年収が高い会社」の入り口

――改めて池田さんのご経歴について、お聞かせいただけますか?

池田氏:私は今 36 歳です。新卒で総合不動産デベロッパーに入社しました。そこで 10 年ほど分譲マンションの開発・用地・再開発の仕事をしていました。そこから転職を決意し、2023年に地主株式会社に中途採用で入社しました。

――地主株式会社を知ったきっかけは?

池田氏:新卒の就職活動の時に名前だけは知っていたんです。当時は日本商業開発株式会社という会社名でしたが、「異様に年収の高い不動産会社だな」と当時は思っていました。改めて地主株式会社を知り、面白い会社だと思ってチャレンジしました。

――地主株式会社を選んだ決め手は?

池田氏:何よりもビジネスのシンプルさです。土地を買う・テナントを見つける・売却する、これら全てを同じ人間が行い、「一人で最初から最後まで担当する」という働き方が魅力的に感じたことと、採用時に社長と上司の 2 名と面接をした際に「こんな経営者の下で働きたい」と思い、入社を決めました。

独自ビジネスモデルの現場|土地選定の判断ロジックを1日で読み解く

――今日こちらへ来た目的はどういったものになるでしょうか?

池田氏:見ていただきたい土地があります。私たちの展開している「JINUSHIビジネス」は、土地のみを所有して建物は所有しないビジネスモデルです。それがどういうものか一度見ていただいた方がイメージに結びつきやすいかと思い、実際に私が手がけた案件を見ていただきたいと思います。

案内された現場はドラッグストア。土地を地主株式会社が所有し、テナントが建設と運営を担う。「テナントさんから得る借地料は定期的に決まった金額が入金されます。即ちこの土地は長期安定的な収益を産む投資商品ということになります」と池田氏は言う。長期安定的な商品を、最終的には投資家に売却して収益を得るモデルだ。

――こちらの土地はどのような利点があるのでしょうか?

池田氏:前面にしっかりとした生活道路が接している「片側 1 車線」がポイントです。道路の幅が広すぎたり、交通量が多すぎたりすると、お客様が入庫しにくいため、このような片側 1 車線の道路が出店に適していると言われています。周囲を見渡していただけるとわかるのですが、ドラッグストアのお客様となる住人の方がたくさん住んでいます。半径 500m以内で約 8000 世帯あります。これは非常に優良な土地です。

土地の広さは 700 坪ほど。スーパーマーケットには一般的に 1000〜1500 坪が必要とされる中、ドラッグストアは 500〜800 坪で出店が可能だ。500m圏内にスーパーマーケットが既に 2 つあることも、ドラッグストアへの提案を決めた理由だった。

――この土地はどのように仕入れたんですか?

池田氏:とある不動産仲介業者さんから情報をいただきました。最初に情報をいただいた時に「この土地は絶対にテナントさんにご出店いただけるな」と確信したものですから、すぐに社長に相談して承認を取り、仲介会社さんに電話をかけて九州から東京まで直接会いに行って交渉しました。仲介会社さんに「わかったよ」とご了承をいただき、土地の検討を進めることになりました。

本記事は、弊社のYouTubeチャンネルで公開中の「池田氏の1日密着動画」を記事化したものです。動画版もあわせてご覧ください。

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「プロなんだから」と笑われた入社初期|テナントニーズを掴むまで

――当時は安定した大手デベロッパーからの転職に、不安はありましたか?

池田氏:ものすごく不安でした。土地を買うことは前職でもやっていましたが、テナントさんにお貸しするような土地は一切扱ったことがありませんでしたし、土地の取得から売却まで全て一人で行うことが私にできるのだろうかと、当時すごく悩んだのを覚えています。

――入社して初めにどのようなことに苦労しましたか?

池田氏:一つはテナントさんがどんな土地を求めているのか、テナントさんのニーズを探していくという仕事です。前職はマンション用地の取得をしていましたので、どのような土地がテナントさんに求められるのか見当がつかず、マンション用地の感覚で商業系のテナントさんに土地をご紹介したところ、「こんな土地に商業施設は出せませんよ」「プロなんだからしっかり考えてくださいよ」と笑われて悔しい思いをしました。当社のビジネスに適している・テナントさんのニーズがある土地とはどのようなものなのかを掴むまで非常に苦労しました。

――初成約はどのような案件でしたか?

池田氏:最初に成約したのは、入社して半年ほどの 2023 年 10 月です。栃木県の宇都宮市で、大手中古車ディーラーさんにご出店いただいた土地がありまして、その土地が初めての成約になります。上司と二人三脚で担当させていただいた物件でしたので、上司から「美味いものでも食べに行こうか」と、うなぎに連れて行ってもらいました。

池田氏:基本はもちろん一気通貫でしっかり責任を持って担当者が取り組むというスタイルですが、自分 1 人でできることには限界がありますから、わからないことは聞けば教えてもらえる、そういったチームプレーのできる良い会社です。

東京本社との連携|案件ごとの融資と直電の意思決定スピード

この日、池田氏は九州から東京へ出張をしていた。自ら手掛けた案件の土地を案内してもらったあと、事前に商談を組んでいた仲介会社の社長との打ち合わせに向かった。「普段から大変お世話になっている仲介会社の社長との打ち合わせです。出張の際には情報と顔を覚えていただくために、挨拶に伺うようにしています」と池田氏は言う。

仲介会社を訪れた池田氏は、挨拶もそこそこに、具体的な相談も持ち掛けた。福岡のある不動産について、現在はドラッグストアが営業中であるものの、土地と建物は個人が所有しており、建物の老朽化から近く営業が終了するのではないかと池田氏は見込んでいた。既に別のドラッグストアから、その土地に対する出店意向もつかんでいる。しかし、所有者が東京に住んでおり、連絡が取りにくいため、仲介会社に所有者へのコンタクトを依頼したのだ。その他にも、テナントの出店ニーズをつかんでいるエリアを例示して、積極的な情報提供を求めた。

仲介会社側からは「最近は中央線沿いの売り土地が多い。かつては東側がトレンドだったが、デベロッパーが都心に集まり、西側に寄ってきている」といったエリア別の動向が共有される。池田氏が案件情報を持ち込み、仲介会社がエリアのトレンドを返す、双方向の情報交換の場となった。

――商談の収穫はいかがでしたか?

池田氏:顔を合わせて会うことができてよかったです。最近当社が取り扱っている土地についての情報や、いまテナントさんのニーズがどういう土地にあるのか、当社が欲しい情報を確実にインプットするために、顔を合わせてお話しさせていただいています。

商談後は東京本社へ移動。地主株式会社のコーポレート部門が集約する本社オフィスで、常日頃連携している財務本部のメンバーを訪ねた。

池田氏:弊社は土地購入の際、案件(土地)ごとに金融機関から借入を行い、土地を仕入れています。そのため、財務本部の皆さんとの連携は非常に重要です。普段から様々な相談をさせていただいています。

――財務本部とは、具体的にどのようなやり取りをされるのですか?

池田氏:たとえば、以前取得した土地が、土地区画整理事業によって新たに生み出された「保留地」で、まだ不動産登記がされていないというケースがありました。通常、銀行借入を行う際には、登記簿謄本が必要だったため、「保留地はどのように扱えばよいか」と相談させていただいたのです。また九州の地方銀行に営業訪問する際には、「どう話せば融資につながるか」を一緒に考えていただいたりしています。幅広く相談させてもらっています。

案件を実現したいとき、池田氏はさまざまなスキームを構想する。「財務の皆さんは『それはできない』ではなく『どうすればできるか』を一緒に考えてくれる。金融機関から指摘されるポイントは営業も踏まえておく必要がありますが、皆さんは多くの案件を見ている分、経験が豊富で、横串でプラスの助言をくれる」と、営業と財務の距離の近さを語る。

――前職では財務部の方と、これぐらいの距離感でお仕事されてたんですか?

池田氏:前職は間に企画部門があり、銀行借入は、営業から企画部門へ相談し、企画部門と財務部が調整するという形でした。当社のように直接、財務の皆さんと会話・相談ができて、その先がビビッドに経営陣に繋がるというところは、非常に新鮮で良いです。相談しやすいです。非常に良い関係を築けています。

財務本部のメンバーからの池田氏への評価も印象的だ。あるメンバーは「池田さんはコミュニケーションを大事にする方です。九州と東京で離れていてもそれを感じさせず、メールでのやり取りも含めて話しやすく、一緒に仕事がしやすい」と言う。別のメンバーは「池田君は見ての通り愚直で真面目で誠実です。資金調達をする際、我々も銀行から様々なことを聞かれるため、営業の方とも常にコミュニケーションを取っています。中でも池田君は密にコミュニケーションを取ってくれるので、財務本部としても仕事がしやすくて助かっています」──営業と財務が近い距離で連携する組織文化が、池田氏の営業活動を後押ししている。

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1年目で年間5件成約|評価制度と価値観の変化

入社初年度に案件実績を上げられない中途社員も少なくない中、池田氏は入社 1 年目で 5 件もの成約実績を上げている。先の財務本部のメンバーは「おそらく当社でも最高記録」と、中途入社ながらトップクラスの実績を上げる池田氏の実力を認めている。

――大手デベロッパーから地主株式会社への挑戦は、池田氏自身としても大きく価値観が変わったり、周りの環境も変わったりされたかと思いますが、実際に変わったことなど改めてお聞かせいただけますか?

池田氏:評価制度につきましても、決められた枠組みの中で報酬が支払われるというのが当たり前だと思っていました。当社のように、自分が成果を出した分だけ、報酬として返ってくるという環境に入るのは、厳しさもあるのではないかと思っていましたが、入ってみるとやりがいがあって、むしろ頑張れる、辛い時も乗り切れると感じています。そこについては本当に転職してから価値観が変わりました。

――池田氏が地主株式会社で目指していることや、今後の展望についてもお聞かせいただけますか?

池田氏:当社はまだ従業員が 120 名程度です。まだまだ成長中の会社だと思っています。成長中の組織に身を置き頑張っていくことの楽しさや、やりがいを、この会社に入って感じるようになりました。特に九州支店は、2022 年に拠点を設置したばかりです。地主株式会社の中でも成長エンジンだと思っています。どんどん土地を仕入れて、「日本の大地主」になることに貢献していきたいと思っています。また、メンバーと一緒に切磋琢磨し、お客様からご指名いただける営業マンになりたいと思います。

大手不動産デベロッパーで 10 年間、分譲マンション用地取得と再開発に従事した経験を土台に、独自のビジネスモデルを持つ企業で「一気通貫の担当」「経営陣との近い距離」「成果連動報酬」という異なる働き方に転じた池田氏。大手不動産デベロッパーから独自のビジネスモデルを持つ企業への転身を検討する読者にとって、1 つの転職実例となるだろう。

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