「自分の仕事はAIに置き換えられてしまうのではないか」──コンサルティングファームやSIerに身を置く多くのプロフェッショナルが、この問いを日常的に突きつけられる時代になりました。特に、上流の構想策定や設計を担ってきた層ほど、生成AIによって業務の付加価値が塗り替えられていく変化を肌で感じています。
そうした変化の中で急速に注目を集めているのが、FDE(Forward Deployed Engineer)です。LinkedInではFDE関連求人が前年比10倍を超え、大手求人検索サービスでも直近1年で約8倍に拡大しており、ビッグテックやメガベンチャーが相次いで採用を強化しています。同時に、米国発のFDEモデルを日本市場へ適用する際には、国内のクライアント特性や開発文化に応じた前提条件を踏まえる必要があるとも語られるようになってきました。
今回お話を伺ったのは、SaaS × コンサルティングを軸に、AIコマースプラットフォーム「ecforce」を通じてコマース領域のDXを推進している株式会社SUPER STUDIOのコンサルティング&FDE事業部です。SUPER STUDIOは、SaaSとAIを組み合わせ、構想策定から実装・運用までを一気通貫で支援する、FDEの考え方とも共通するデリバリーモデルの構築を進めています。
今回のインタビューでは、グループマネージャー/プリンシパルの高橋 勇太 氏と、シニアマネージャーの川口 有彦 氏に、米国発のFDEモデルを日本市場に適用する際の前提条件、コンサル・SIer出身者がSUPER STUDIOを選んだ理由、具体的な業務内容と支援領域、求められるスキルセット、そして今後のキャリア展望までを伺いました。──FDEの考え方を取り入れた支援の実像とは何か、AI時代の次のキャリアを考えるための示唆をお届けします。
※本記事の内容は2026年9月時点の情報です(所属・肩書は2026年10月時点)。

コンサルティング&FDE事業部/コンサルティング&FDEグループ
グループマネージャー/プリンシパル
高橋 勇太
大手総合コンサルティングファームでデジタル戦略・DX案件をリード。OMO構想策定・実行体制構築を推進した後、2024年11月 SUPER STUDIO入社。マーケティング・コマース領域の構想から実行まで一気通貫で支援。

コンサルティング&FDE事業部/コンサルティング&FDEグループ/コンサルティング&FDEユニット
シニアマネージャー
川口 有彦
NTTデータで金融SE、三井住友銀行で住宅ローンDX、三菱地所でポイントアプリ統括を経て2026年1月 SUPER STUDIO入社。コマース領域のコンサルとプロダクト開発を橋渡し。

Interviewer|リメディ 神田 昇
神戸大学を卒業後、総合商社へ入社。単体決算および130社を超えるグループ全体の連結決算を担当し、副統括者としてIFRS対応、子会社管理、投資案件の稟議などを主導。「仕事は人のためになってこそ価値がある」という自身の理念のもと、経営全体を俯瞰し、知見を深めながらも、より多くの人々に「直接的な価値/貢献」を与えられるキャリアの道を模索。
その結果、転職を通じて人生の重要な転換期に寄り添える人材業界に身を投じることを決意。
現在は、リメディにて経営知見を活かしながら、M&A業界やコンサルティングファーム、スタートアップ企業のエグゼクティブ層を中心に、ハイキャリア層向けの転職支援に従事。
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FDEとは|米国発モデルを日本市場に適用する前提条件
――昨今、FDE(Forward Deployed Engineer)というキーワードが、国内でも急速に注目を集めています。まずは高橋 氏に、FDEの位置づけと、その特徴をお伺いできますか。
高橋 氏:最近注目を集めているデリバリーモデルは、DS(Deployment Strategist)、FDE(Forward Deployed Engineer)、そしてプロダクト開発のエンジニアという3つのロールで構成されていると理解しています。DSがクライアントの現場で「何を、なぜ作るのか」を具体化し、FDEが「どう作るのか」を担い実装する。さらにFDEは、開発した機能をどうプロダクトに還元し、汎用化していくのかを同時に考える役割を担っているのが特徴です。プロダクト開発のエンジニアは、プラットフォームとしての機能拡張を担います。
高橋 氏:この構造は、私たちのSaaSプロダクト「ecforce」の開発のあり方とも非常に近しいと感じています。コマース領域のクライアントに対し、SaaSの標準機能だけではなく、個別に開発したカスタマイズ機能を汎用化してプロダクトに取り込みながら機能拡張していく──こうしたアプローチを、SUPER STUDIOでは以前から続けてきました。
――採用市場としても、FDE関連の求人が急激に増えているとお聞きしています。神田 氏から見て、この1〜2年でどのような変化がありますか。
神田 氏:採用市場においては、非常に大きな変化があると感じています。LinkedInではFDE関連求人が前年比10倍を超える伸びとなり、大手求人検索サービスでも直近1年で約8倍、件数にして5,000件規模まで増えています。海外を含む数字ではありますが、国内でも1年ほど前まではほぼゼロに近い状況だったところに、ビッグテック企業やメガベンチャーが相次いで採用を立ち上げ、市場が急速に立ち上がってきたという実感があります。
――続いて、米国発のFDEモデルを日本市場に適用する際にどのような前提条件があるのか、この点についてもう少し掘り下げて教えてください。
高橋 氏:コンサルティング業界とSaaS業界で「プラットフォーム(プロダクト)を持っているかどうか」が、大きな違いになると考えています。国内の従来型のシステム開発・DXでは、構想策定・要件定義を担う主体と実装を担う主体が分かれる分業構造が一般的で、開発した機能をプロダクトへ継続的に還元していく循環が生まれにくいという特徴があります。
高橋 氏:先ほどのデリバリーモデルでは、DSが「何を、なぜ作るのか」を具体化し、FDEが「どう作るのか」を実装するところまでは国内の従来型と近い流れですが、そこからさらにFDEが機能を抽象化・汎用化し、プロダクトに還元していきます。その後プロダクト側の開発者が汎用的な機能実装を行うことで、「作るほど価値が高まっていく」構造を実現している点が特徴です。次のデリバリーではよりプロダクトが進化した状態でプロジェクトを支援できるので、この循環はプロダクトを持っていることが前提となります。プロダクトを持つ主体が支援に入るかどうかが、米国発のFDEモデルを日本市場に適用する際の前提条件のひとつだと捉えています。
――川口 氏は、SIer・大手金融・大手デベロッパーとキャリアを重ねてこられた立場から、この変化をどう受け止めていらっしゃいますか。
川口 氏:私が7〜8年前にSIer側にいた頃は、ディープラーニングの基盤モデル競争が活発で、各社がどのアルゴリズムでクライアントのニーズに合う最適なモデルを作れるかを競っていた印象があります。現在は、AnthropicやOpenAIといったプレイヤーが圧倒的に性能の高い基盤モデルを作り上げてしまったので、どちらかというと「利用するフェーズ」に移ってきました。基盤モデルはアメリカのプレイヤーが牽引しているので、それをどう業務に使いこなしていくかが求められる時代になり、現場に入ってAIを実装するFDE的な役割の比重が一気に増しているのだと考えています。
――従来型のシステム開発と、SaaSプロダクトを持つ立場では、機能開発の考え方が大きく異なると伺います。高橋 氏の視点から、この違いをどう捉えていらっしゃいますか。
高橋 氏:従来型のシステム開発では、一度開発した機能をクライアントに納品して完結する形式が中心的でした。一方、SUPER STUDIOのようにSaaSプロダクトを持つ場合、一度開発した汎用的な機能を自社プロダクトに取り込むことで、同じ機能を作り直さずに済み、機能がアップデートされ価値が高まった状態で次のクライアントへデリバリーできます。こうした開発モデルには合理性があるため、市場全体の流れとしても自然に浸透してきているのだと感じています。
――採用市場を見ている神田 氏から見ても、この変化は感じられますか。
神田 氏:採用市場側からも、非常に大きな変化を感じています。数年前までは、コンサルティングファームやSIerが案件を受託してデリバリーする形が一般的でしたが、いまは上流の構想策定や戦略を描いた後、どのようにクライアントに実装していくのか、最後のところまで伴走する力が求められるようになってきています。
神田 氏:私が日々ご相談をお受けする候補者様からも、「上流の構想は担当できているが、実装や運用まで入り込めない」ことをフラストレーションとして感じられている方が、非常に増えてきているというのが実感です。伴走型の役割を担えることが、キャリアの選択肢としても価値を持ちはじめている段階だと捉えています。
SUPER STUDIOを選んだ理由|前職との違いは実装のスピード
――ここからは、お二人がなぜコンサルティングファームやSIerからSUPER STUDIOへとキャリアを移されたのか、その理由を伺っていきます。まず高橋 氏は前職で大手総合コンサルティングファームのシニアマネージャーとしてDX推進案件を多数リードされていました。転職の決め手はどこにありましたか。
高橋 氏:SUPER STUDIOでは、デリバリーをすればするほどプロダクトが強くなり、生産性が高まっていく構造があります。ここに非常に高い付加価値を出せると確信し、入社を決めました。
高橋 氏:正直に申し上げると、転職活動を始めた当初からSUPER STUDIOへの入社を目指していたわけではありませんでした。大手のコンサルティングファームや新興系のファームなど、幅広く面談しましたが、SaaSを使ってコンサルティングの価値を高めていくアプローチを取っているのがSUPER STUDIOでした。前職ではECのリプレース案件で、12か月ほどかけて刷新するようなケースも多くありましたが、SUPER STUDIOはよりスピーディーに、より短期間でリプレースができる。そのスピード感の違いも大きな決め手のひとつでした。
――SUPER STUDIOに来て実現できるようになった業務はありますか。
高橋 氏:SUPER STUDIOではAPIファーストなアーキテクチャになっており、機能を柔軟かつスピーディーに追加できます。売上を伸ばすために本当に必要な施策を、システム的な制約を抑えながらスピーディーに実装できるところが、前職との大きな違いです。
高橋 氏:また、クライアントのリソースやケイパビリティの制約で実施できない施策もありますが、SUPER STUDIOのプロダクトにはAIを活用してPDCAの一部を効率化・自動化できる仕組みがあり、そうした制約の多くを解消できるようになってきています。制約を取り払いながら、売上を増やしたり、顧客体験を向上させたりする支援ができるところが、手応えのある部分です。
――川口 氏はSIerの出身ということで、こちらもぜひお聞かせください。
川口 氏:SIerは業種・業態として、システム構築の幅広い領域をカバーする役割を担っています。一方でSUPER STUDIOは、コマース領域に絞って、クライアントのコマース事業をどうすれば成功させられるかという視点に立っており、その点にスタンスの違いがあると感じています。
川口 氏:そのためのアプローチとして、SaaSを導入して機能を提供する手段も、コンサルティングをサービスとして提供する手段も、両方を取っています。私たちの部門ではソリューションとしてコンサルティングとSaaSを組み合わせてサービスを提供していますが、私自身としては、どちらかというとその手段を取りながらクライアントと一緒に事業開発をしているイメージです。こうした働き方ができる環境を探すと、SUPER STUDIOはかなりユニークな立ち位置にあると感じ、転職を決めました。
弊社のYouTubeチャンネルでは、株式会社SUPER STUDIOの高橋 氏と川口 氏のインタビューを行った動画を投稿しております。SUPER STUDIOへの転職をご検討中の方は、ぜひご覧ください。
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業務内容と支援領域|構想策定から実装・運用まで
――ここからは、SUPER STUDIOのビジネスの独自性について伺っていきます。SaaSプロダクトとコンサルティング事業の両輪を回している会社を、市場全体のなかで見た場合、SUPER STUDIOの立ち位置はどのように評価されていますか。
神田 氏:両輪を強く回している会社は、実は多くはないのが実感です。取り組まれている企業様はいらっしゃいますが、強いSaaSプロダクトと強いコンサルティング組織の両方を持たれている会社となると、限られてくる印象があります。SUPER STUDIOはファーストパーティデータが取れるという特徴があり、加えてコマースという領域で確かなポジションを築かれています。
神田 氏:コマースは、2022年から2040年にかけて年平均成長率(CAGR)7〜9%ほどの成長が見込まれているとも言われており、市場としても継続的な拡大が期待される領域です。その領域に特化して、強いプロダクトとコンサルティング組織を併せ持つ会社という観点では、選択肢は限られてくるのではないかと感じています。
――SUPER STUDIOでは、SaaSを軸にコンサルティングも提供しています。日本のコマース市場のなかで、どのようなアプローチを取られているのでしょうか。
高橋 氏:コマースやOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)の専門性が高いコンサルタントが「何を、なぜ、どう作るのか」を具体化し、そこから開発・カスタマイズを進めていきます。SUPER STUDIOはSaaSベンダーでありながら、積極的にカスタマイズにも踏み込んでいるのが特徴です。BtoCのコマース・OMO領域は、クライアントごとに顧客体験の要件が独自に進化しており、標準機能だけでは要件を満たしきれない場面が出てくるので、そこに対して積極的にカスタマイズを行っています。
高橋 氏:先ほどお話ししたデリバリーモデルと同様に、開発した機能を汎用的に展開できる場合には、SUPER STUDIOのSaaSプロダクト「ecforce」に取り込み、コマースに関する機能をアップデートし続けています。開発するほどSaaSが進化し、クライアントへの提供価値が高まっていく──この循環を、SUPER STUDIOとしても意識的に回しています。
――日本のクライアントは海外に比べてデータが分散し、扱いにくい状態にあるとも言われます。SUPER STUDIOではこうした課題にどうアプローチされていますか。
高橋 氏:日本国内のクライアントは、大量生産・大量消費の時代のマスマーケティングに適する形で組織がサイロ化しているケースが多いと感じています。事業部ごとにチャネルが縦割りになっていたり、それに伴って業務・システム・データもサイロ化していたりするケースが非常に多い印象です。SUPER STUDIOがプロジェクトに入らせていただく際には、そうしたサイロ化した状態を「ecforce」という基盤に統合することで、データ活用を推進していくケースが多くあります。
高橋 氏:SUPER STUDIOにはecforce AIdp(CDP)もありますので、分散していたデータを一元管理し、フロントの顧客体験を向上させるパーソナライズの施策に活用いただくケースが多いです。データ整理がなされて初めて、FDE的な動きやAI駆動のループを回していけるようになります。
エンタープライズ企業支援|顧客生涯価値の最大化とOMOの実装
――エンタープライズ企業への支援体制を強化されていると伺いました。中堅・中小企業(SMB)のクライアントとの違いや、共通する課題感を教えてください。
高橋 氏:SUPER STUDIOはもともとSMBのマーケットを中心にSaaSを提供して市場を拡大してきましたが、近年、エンタープライズ企業からのお問い合わせが増加し、それに伴ってコンサルティング事業を立ち上げました。エンタープライズ企業では、日本の人口縮小の影響を構造的に受けやすく、顧客1人当たりのライフタイムバリュー(LTV)を伸ばすことが共通課題になっています。
高橋 氏:SUPER STUDIOは、EC基盤の刷新やOMOを実現することで、ECと店舗の顧客データを統合し、LTVを可視化していくことができます。加えて、複数の事業を横断したクロスセルによってさらにLTVを伸ばしていく──こうした課題感に取り組まれているエンタープライズ企業のクライアントが非常に多いです。
川口 氏:エンタープライズ企業は、伝統的に店舗などリアルの現場が強いビジネスモデルのクライアントが多いので、そこをどう活用しながらECでも売上を伸ばしていくか、というテーマでOMOのコンセプトがよく検討されます。OMOはいつでもどこでも買えるオムニチャネル的な要素も含みますし、店舗・EC・デジタルという顧客接点をトータルで捉え、どのようにコミュニケーションを取ってロイヤリティを上げていくかという戦略的な意図が複雑に絡み合うテーマです。プロジェクトごとに検討内容は千差万別で、非常にチャレンジングな領域だと感じています。
案件体制と業界特性|メーカー・リテール横断の支援
――エンタープライズ企業向けの案件では、どのような業界のクライアントが多いのでしょうか。
高橋 氏:業界で言うと、メーカーでは飲料・食品・化粧品といった、顧客とダイレクトに繋がっていきたいという意向のあるメーカーによくご導入いただいています。加えて、リテールや製造業のクライアントも幅広く、業界横断でお付き合いをさせていただいている状況です。
――1つの案件はどれくらいの規模で入っていくのでしょうか。
高橋 氏:フェーズによっても異なりますが、OMOなどのプロジェクトでは、コンサルタントのプロジェクトマネージャー(PM)が1名、プロジェクト管理を専任で担うPMOが1名、業務システム・顧客体験(UI/UX)を含めて、大体5名前後の体制が多いです。これとは別に、SUPER STUDIOにはエンジニア組織があり、開発フェーズになるとエンジニアを中心に据えて開発を進めます。フロントの顧客体験については、フロントエンドエンジニアやUI/UXデザイナーがAIを使いながらプロトタイプを高速に実装していきます。コンサルタントがプロジェクト全体をリードして、プロジェクトマネジメントを担うという役割分担です。
――エンタープライズ企業向けの案件ならではの魅力と、一方で難しさもあると思います。この点はいかがでしょうか。
川口 氏:エンタープライズ企業の支援に入るケースが多く、特に私たちが提供しているSaaSはコマース領域のSaaSなので、事業部門のステークホルダーが多いのが特徴です。IT部門の方とも相対しますが、マーケティング、商品企画、物流といった業務部門の方々と一緒にプロジェクトを進めていくケースが多く、必然的に大規模なプロジェクトになりやすい傾向があります。
コンサルとプロダクトの橋渡し|プロダクトオーナー的立ち位置の役割
――エンジニアやデザイナーと協業してデリバリーを進めていく中で、コンサルタントはどこからどこまでを担うのでしょうか。動き方の具体像を教えてください。
川口 氏:要件定義の段階で、SaaSの標準機能で満たせる要件と満たせない要件を洗い出すフィットギャップの整理を行います。ギャップが生まれた場合も、プロダクトに汎用的に取り込むものと、運用や設定の工夫で対応するものを切り分け、全体最適の観点で支援を進めていきます。要件のうちSaaSに機能として取り込むべきものについては、どう取り込むかを見極めたうえで、要望事項を社内に正しく伝えて要件をSaaSに反映していく橋渡し役を、コンサルティングのメンバーが担っています。
川口 氏:SUPER STUDIOにはプロダクトマネージャーのチームもエンジニアのチームもいますので、コンサルティング・プロダクトマネージャー・エンジニアの3者でコミュニケーションを取りながら支援を進めていきます。コンサルティングも担いつつ、プロダクト開発のプロダクトオーナー的な立ち位置でハンドリングも担う、というのがSUPER STUDIOならではの関わり方だと感じています。
案件獲得と情報発信|書籍出版とカンファレンスによる商談機会の創出
――多様な業界のクライアントとお付き合いされていく中で、商談機会はどうやって得られているでしょうか。
高橋 氏:SUPER STUDIOはマーケティングに力を入れており、オンラインセミナーの開催やオフラインでの自社カンファレンスの主催、コマース事業者向けのカンファレンスへのスポンサードなど、オンライン・オフラインの両面で情報発信の場を数多く持っています。そこから商談につながるケースも多くあります。加えて、AI時代に適合したコマース事業のあり方について『AI-Ready Commerce AI時代に変化適応する大企業のコマース事業モデル』という書籍も出版しており、書籍を通じてお問い合わせをいただくケースもあります。商談の機会としては、非常に多いです。
SaaS is dead 議論|コマース領域の独自性とAIによるSaaS進化
――書籍『AI-Ready Commerce AI時代に変化適応する大企業のコマース事業モデル』でも触れられていますが、市場では「SaaSは徐々に置き換えられていく」といったSaaS is dead の議論も聞かれます。SUPER STUDIOではこの潮流をどのように捉えていらっしゃいますか。
高橋 氏:SaaS is dead の文脈では「生きるSaaSと死ぬSaaSがある」と捉えています。要件が固定的で標準化されているSaaSは、AIエージェントによる開発で比較的容易に構築できてしまう可能性があります。一方で、SUPER STUDIOが向き合っているBtoCのコマース領域は、実現したい顧客体験がクライアントごとに大きく異なり、カスタマイズ要件が業務上重要な意味を持ちます。コマース事業の基幹業務にしっかりと入り込んでいるSaaSは、簡単にはリプレースされにくい領域だと考えています。
高橋 氏:同時に、SUPER STUDIOもAIを駆使したデリバリーを意識して取り組んでいます。リプレースされづらいSaaSの基幹部分は引き続き提供しながら、AIを活用してクライアントの個別カスタマイズ要件を高速に実装し、汎用化してSaaSに取り込むことで、SaaS自体を進化させていく。AIはSaaSを進化させるソリューションとしても機能すると捉えていますので、この潮流はSUPER STUDIOにとって非常にポジティブな成長機会だと考えています。
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求められるスキルセットと業界横断キャリアの築き方
――ここからは、コンサル・SIer出身者が今後求められるスキルセットや、キャリアの築き方についてお伺いします。高橋 氏から見て、前職のキャリアをそのまま歩んでいたら得られなかったであろうスキルや経験はありますか。
高橋 氏:大きく4つあると考えています。
高橋 氏:1つ目は、SaaS × AIを駆使したデリバリープロセスです。SUPER STUDIOでは、SaaS・AI・コンサルタントを組み合わせたデリバリーモデルを構築しています。純粋にクライアントに対する提供価値にフォーカスして、その掛け算で高い生産性を上げていく。時間対価ではなく、成果としてのROIをいかに高めるかにフォーカスしてデリバリーができるところが、大きな特徴だと捉えています。
高橋 氏:2つ目は、変化への適応力です。スピーディーにデリバリーモデルを進化させていける環境があります。例えば新しいClaudeのバージョンが出たらすぐにAI駆動開発をやっていこう、といった形で新しいことにチャレンジするスピード感があるので、常に最新のテクノロジーを使いながらデリバリーできる点は、なかなか他では得られない経験になると感じています。
高橋 氏:3つ目は、コマース・OMOの専門性です。コマースとOMOに特化しているので、論理的に正しい答えを出すだけにとどまらず、経験的に「こうすれば売上が伸びる」「こうすれば顧客体験が向上する」といった実践的な知見に基づいた回答が出せるところが、大きな違いになっています。
高橋 氏:4つ目は、高い視座を持って働けることです。SUPER STUDIOのコンサルティングチームは高い成長を目指しているので、現状の改善ではなくアプローチを抜本的に変えていくことが求められます。デリバリー方法論を型化してチームメンバーに展開するといった生産性向上の取り組みは業界内でも幅広く行われていますが、SUPER STUDIOの場合はそこに留まらないアプローチが求められます。
高橋 氏:例えば、エンジニアのチームに対してAI駆動開発を一緒にやっていく、UI/UXのデザイナーやフロントエンドエンジニアを巻き込んでAIを使ったプロトタイプをプロンプトから開発できるようにする、といった他部門の専門性を組み合わせて、会社全体でデリバリーの生産性を上げていくアプローチを取っています。コンサルタントだけで改善するアプローチでは実現しにくいスピード感で価値提供が可能になるところが、SUPER STUDIOならではだと感じています。
――採用市場では、こうした変化を受けて評価のされ方や条件がどう変わってきていますか。
神田 氏:ひとつのプロダクトを泥臭く伸ばした経験のある方が、非常に評価されやすい環境になってきていると感じています。ゼロイチの経験ではなくとも、今あるものをビジネスに結びつけて、そこで得たフィードバックをまたプロダクトに落とし込み、ループ的に回していく──こうした地道な努力を経験されている方は、市場価値が高まりやすい傾向にあります。
神田 氏:直近ご支援させていただいた方の事例では、もともとエンジニアの方でしたが、開発から実装まで一貫して担える経験があるということで、年収を200万円から300万円ほど引き上げられたケースもございました。コンサルティングファーム・SIer・データサイエンティストのような職種の教科書的な役割は、AIの登場によって大きく変化してきていると感じています。
――「なぜFDEが求められるようになったのか」の背景をどう考察されていますか。
高橋 氏:AIが担えるようになった業務が急速に広がっていると考えています。アナリストが担っていたリサーチや、論理的に正しい答えを出す業務、設計に基づくコーディングといった領域は、どんどんAIで代替されていきます。より付加価値をシフトさせるべき部分は、「なぜこのDXをやるのか」「何を実現していくのか」の構想とその具体化であり、そこに付加価値がシフトしていくのではないかと考えています。
――「知見ループ」という言葉もFDEの文脈でよく聞かれます。この考え方をどう捉えていらっしゃいますか。
川口 氏:知見ループは、以前から日本で言われてきたPDCAサイクルとほぼ同じ考え方だと捉えています。ただ、AIが導入されたことで、プロセスや結果を含めてすべてがデータ化され、AIが自動的に知見を抽出してくれ、しかもポータブルに複数の組織・個人に共有できるようになった。この状態を指して、PDCAサイクルが「知見ループ」という考え方に発展・進化したのだと感じています。SUPER STUDIOもSaaSプロダクトの開発は、アジャイル開発の中でこの知見ループの考え方に基づいたAI駆動開発を進めています。
――続けて、SaaSプロダクトを持つ立場ならではの、クライアントへの向き合い方の特徴があれば教えてください。
川口 氏:大きな特徴は、社内メンバーの熱量だと感じています。ecforceという共通のプロダクトがあるので、エンジニアやデザイナーを巻き込んでいく際にも、彼ら自身が「ecforceというプロダクトを良くしていきたい」という思いを強く持っています。新しい汎用機能を開発したい、こんなUI/UXを標準機能に実装したい、といった思いをクライアントへの提供価値の向上と結び付けやすい環境があるので、非常に巻き込みやすいのが特徴です。プロダクトファーストで会社全体としてプロダクトを成長させるベクトルが揃っているので、その熱量を活かして、より良い価値を出していこうという前向きな姿勢が根付いているところが、SUPER STUDIOならではの部分だと感じています。
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SUPER STUDIOで描くキャリア展望|転職を検討する方へ
――ここまでのお話でSUPER STUDIOの独自性が非常によく理解できました。最後に、今後の会社の方向性や、これからチャレンジしていきたい取り組みについてお聞かせください。
川口 氏:いま、SUPER STUDIO流のFDEをどのようにこれからのコンサルティングに実装していけるかというテーマを、社内での検証として実験的に進めているところです。SUPER STUDIOはSaaSを提供しているので、コマース領域では、業務オペレーションからEC基盤の構築までを対象に、AI活用を含む効率化を支援できます。一方で、SaaSの世界を離れると個社固有の業務が多くあり、手作業が残るなどなかなか効率化を図りづらい領域が残るという課題があります。本当の意味での一気通貫を実現するためには、SaaSの外もFDE的にAIで効率化していく取り組みが必要だと考えています。
川口 氏:「ecforce」でカバーできない領域をどのようにFDE的な取り組みの中で変革していくのか、トータルでビジネスモデルを再構築していけるかというテーマに向き合っている段階です。
――最後に、コンサルティングファームやSIer出身者に向けて、お二人から一言ずつお願いします。
高橋 氏:SUPER STUDIOは「SaaS × コンサルティング × AI」でクライアントに対する提供価値を最大化していくことを掲げています。この新しいデリバリーモデルにチャレンジしたい方には、ぜひSUPER STUDIOの門を叩いていただきたいです。
川口 氏:SUPER STUDIOはコマース領域のDXに特化したコンサルティングを提供しており、案件もコマース領域に特化したチャレンジングなものが揃っています。AIを活用したコンサルティングの提供が、これからSUPER STUDIOが目指していく方向性ですので、AIの進化に追いつき追い越しながら、自身も成長できる環境が用意されていると思っています。「一緒に成長していきたい」という志のある方に、ご興味を持っていただけると嬉しく思います。
――最後に、リメディの神田 氏からも、コンサルティングファームやSIer出身の方に向けて一言お願いします。
神田 氏:本日冒頭から申し上げている通り、転職市場はここ1〜2年で非常に大きな変化を見せているのではないかと感じています。特にコンサルティングファーム・SIer出身の方々からは「自分の仕事がAIに置き換えられてしまうのではないか」「AIを導入した後の保守運用がメインになってしまうのではないか」といった危機感を感じている、というご相談が非常に増えています。
神田 氏:本日ご紹介させていただいたSUPER STUDIOは、プロダクトを持ちつつクライアントに1対1で向き合い、AIと絡めてクライアントの開発から実装まで一貫して入っていける会社です。さらに、それをプロダクトに還元しながら事業開発にも関わっていける──すべての要素が揃っている会社ではないかと感じています。インダストリーにおいても専門性を求めていくことができ、どんな方にとっても成長機会の多い会社かと思いますので、ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお問い合わせください。
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