
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
井上 晶斗 | INOUE Akito
大阪府立大学を中退後、教育系のベンチャー企業へ入社。新店舗の立ち上げと全店舗管理を担当し、2年間で1店舗から12店舗へ増やす。立ち上げ業務からサービスの平準化までの一連の業務に従事。その後、エス・エム・エスに転職しキャリアアドバイザーとして、候補者様に徹底的に向き合いながら、20代から50代までの方のキャリア支援を行う。社内のキャリアアドバイザーの中で上位の成績を収めた後に、リメディに参画。現在は、M&A・不動産・建設業界でエグゼクティブ採用・転職支援に従事。
M&Aロイヤルアドバイザリーの中途採用は、M&Aコンサルタントだけを見て判断すると応募先を誤りやすい会社です。現在の公式採用サイトには、未経験・経験者コンサルタントに加え、買手専門の提携支援部、コーポレートアドバイザリー部、アライアンス営業、管理部門などが掲載されています。前職の成果が営業実績なのか、M&Aの実務なのか、会計・法務の専門性なのかを先に分けると、選ぶ職種と準備すべき材料が明確になります。
本稿は2026年8月24日時点で、同社の中途採用サイト、各職種の募集ページ、会社概要を確認して整理しています。募集の有無や条件は変わるため、応募時は公式ページで再確認してください。
M&Aロイヤルアドバイザリーの中途採用は職種選びから始める
結論からいえば、同社への転職で最初に決めるのは「M&A業界に入りたいか」ではなく、売手案件を一気通貫で進めるのか、買手側の提案を担うのか、財務・法務面から案件を支えるのかです。同じ会社でも、各職種が扱う顧客、成果物、応募要件は異なります。
| 応募の軸 | 主な候補職種 | 職歴で先に確認すること |
|---|---|---|
| 案件を開拓し成約まで進めたい | M&Aコンサルタント | 営業成果、経営者折衝、M&A実務 |
| 買手の探索・提案に集中したい | 提携支援部 | 法人営業、提案設計、目標達成行動 |
| 財務・法務の専門性を使いたい | コーポレートアドバイザリー部 | 資格者、会計・税務・法務・FAS等 |
| 専門職を支えるところから始めたい | 同部アソシエイト | 会計学習、税理士法人等での実務 |
| 組織拡大を支えたい | 人事総務、広報 | 職種固有の実務と成長企業での役割 |
事業と分業体制を理解すると応募職種の違いが見える
正式名称がM&Aロイヤルアドバイザリー株式会社である同社はM&A仲介事業を行い、本社、日本橋オフィス、大阪支社を置いています。中途採用トップは、コンサルタントが経営者との時間を確保できるよう専門チームを置く考えを示しています。
この分業は応募判断に直結します。M&Aコンサルタントは案件のソーシングから成約までを担いますが、買手への提案は提携支援部、企業評価やスキーム・DD支援はコーポレートアドバイザリー部が担当します。自分がやりたい仕事を「M&A」と一語でまとめず、案件のどの工程で価値を出したいかまで絞る必要があります。
未経験コンサルタントは前職での高い成果が入口になる
東京・大阪の未経験コンサルタント求人は、M&Aの知識をOJTと教育コンテンツで学び、プログラム終了後にソーシングから成約まで担当すると説明しています。ただし、応募資格は単なる「業界未経験可」ではありません。必須条件は、社内でトップレベルの実績・成果を上げた経験です。
| 準備する事実 | 説明内容 | 避けたい表現 |
|---|---|---|
| 目標 | 何を、どの期間で、どの水準まで求められたか | 「高い目標だった」だけ |
| 結果 | 達成率、順位、継続期間、案件数 | チーム実績を自分の成果にする |
| 行動 | 顧客選定、仮説、提案、改善のどこを変えたか | 行動量だけを強調する |
| 再現性 | 経営者折衝や長期案件へ転用できる理由 | 「根性がある」で終える |
歓迎条件には簿記2級以上が挙げられています。資格を持つだけで営業成果の代わりになるわけではありませんが、財務諸表への基礎理解を示せます。資格がない場合は、学習中の範囲を誇張せず、前職成果をどのように再現したかを中心に据える方が公式要件に沿います。
経験者と専門職は担当工程を具体的に示す
経験者コンサルタント求人は、M&Aに関する一連の実務経験があり、ソーシングからエグゼキューションまで対応できることを必須としています。したがって、案件数だけでなく、受託、候補探索、トップ面談、条件調整、最終契約のうち、本人がどこまで担ったかを分けて示す必要があります。
コーポレートアドバイザリー部は、資格者や会計・税務・法務・FAS等の経験者が応募対象です。一方、アソシエイトは資格を必須とせず、会計・税務経験や税理士法人等での経験を歓迎しています。資格の有無だけでなく、企業評価、財務分析、税務、契約論点のどれを実務で扱ったかが職種選択の境目です。
求人票で年収と勤務条件を確認する際の注意点
未経験コンサルタント求人と経験者求人は、職種別の報酬条件と平均値の注記を掲載しています。平均値は入社後に一定期間を経たコンサルタントが対象で、全社員平均、初年度想定、最低保証とは読めません。
| 職種 | 待遇の確認先 | 就業・時間外労働の記載 |
|---|---|---|
| 未経験・経験者コンサルタント | 各求人ページの条件・注記 | 8:30〜17:30、平均残業20〜30時間 |
| 提携支援部 | 同職種の求人ページ | 時間外労働あり |
| コーポレートアドバイザリー部 | 同職種の求人ページ | 8:30〜17:30、平均残業20〜30時間 |
| 同部アソシエイト | 同職種の求人ページ | 時間外労働あり |
| 人事総務 | 同職種の求人ページ | 8:30〜17:30、平均残業20〜30時間 |
| アライアンス営業 | 同職種の求人ページ | 8:30〜17:30、平均残業20〜30時間 |
| 広報・SNS | 同職種の求人ページ | 8:30〜17:30、平均残業20〜30時間 |
上記職種の休日は、各求人で完全週休2日制(土・日)、祝日とされています。平均残業20〜30時間は記載のある求人に限られます。面談では通常期と繁忙期の実態、担当案件数、休暇の運用を分けて確認してください。
向いている人と慎重に考えたい人
同社に向くのは、成果を数字だけでなく行動の再現性まで説明でき、経営者との長期的な信頼形成に関心がある人です。分業体制を理解し、自分の担当と他部門の専門性をつなげられる人も適合しやすいでしょう。
反対に、高い報酬例だけを志望理由にする人や、顧客開拓・継続行動を避けたいのにコンサルタント職を選ぶ人は慎重な判断が必要です。財務や法務の専門業務を中心にしたいなら、コンサルタントに限定せずコーポレートアドバイザリー部も比較してください。職種名ではなく、毎週繰り返す業務と評価指標が自分に合うかを面談で確かめるのが現実的です。
職種ごとの担当工程と成果物を比べる
応募条件が合っていても、担当工程と成果物が希望と違えば転職後の納得感は下がります。公式募集は、売手側を担うコンサルタント、買手企業への提案を担う提携支援部、企業評価やスキームを支えるコーポレートアドバイザリー部を分けています。選考前に、誰へ連絡し、何を作り、どの時点で他部門へつなぐ仕事なのかを書き出してください。
| 職種 | 仕事を始める入力 | 主な行動 | 次へ渡す成果 |
|---|---|---|---|
| M&Aコンサルタント | 売却・承継を検討する経営者との接点 | 提案、受託、候補探索、面談、条件調整 | 合意形成と成約までの案件推進 |
| 提携支援部 | 買手企業の買収方針と案件情報 | 条件整理、ロングリスト、案件提案、社内連携 | 買手候補との具体的な検討機会 |
| コーポレートアドバイザリー部 | 財務・事業・契約に関する案件資料 | 企業評価、IM、スキーム、DD・契約支援 | 説明と判断に使える専門成果物 |
| 同部アソシエイト | 資格者・関連部署から示された論点 | 分析、資料作成、会計・税務面の補助 | レビュー可能な基礎資料 |
| アライアンス営業 | 士業との接点と提携候補 | 提携提案、関係構築、紹介導線の整備 | 継続的な案件紹介の関係 |
応募書類と選考では職種ごとに異なる証拠を用意する
同社の公式採用ページでは、中途全職種に共通する面接回数や質問項目は確認できません。一方、各募集の仕事内容と必須・歓迎条件は明示されています。非公式な質問集を暗記するより、応募職種を一つ選び、必須条件と歓迎条件を分け、要件一つひとつに職務経歴書の事実を対応させる方が準備の軸になります。
ここからはリメディの見解です。未経験コンサルタントで問われる「社内でトップレベルの実績及び成果」は、順位だけでは再現性が伝わりません。どの顧客群を担当し、どの仮説で提案を変え、結果が出るまで何を改善したかまで分けると、経営者への提案や長期案件へ能力を接続しやすくなります。
経験者コンサルタントは、案件への参加本数より担当工程を明確にします。たとえば案件発掘だけを担ったのか、受託後の候補探索やトップ面談まで進めたのか、条件調整や最終契約を主導したのかで、公式の一気通貫要件との距離が変わります。チームの成約実績を自分の担当実績としてまとめず、本人が判断した論点を切り出してください。
提携支援部では、買手企業の条件を理解して提案先を選ぶ力が重要です。法人営業経験を示すときは、商談件数だけでなく、顧客条件の整理、優先順位の設定、継続接点、社内部門への引継ぎを説明します。買手の検討理由を言語化し、案件情報と結びつけた経験があれば、仕事との接点を示しやすくなります。
コーポレートアドバイザリー部では、資格名の後に成果物を置きます。資格者や会計・税務・法務・FAS等の経験が応募条件へ接続しても、企業評価、財務分析、税務整理、契約論点のうち何を本人が扱ったかは別途説明が必要です。アソシエイトを選ぶ場合は、未保有の資格を装わず、会計学習や税理士法人等での実務をどの資料作成へ使ったかを示します。
| 応募職種 | 公式要件に対応する証拠 | 深掘りされても説明する点 | 避けたい混同 |
|---|---|---|---|
| 未経験コンサルタント | 前職での高い実績と成果 | 母集団、期間、本人の行動、再現性 | 簿記の学習だけで営業成果を代替する |
| 経験者コンサルタント | M&Aの一連の実務 | 工程別の本人担当、難所、合意形成 | 案件チーム全体の成果を本人実績にする |
| 提携支援部 | 法人顧客の条件整理、継続的な接点形成 | 買手条件の整理と提案優先順位 | 売手側コンサルタントと同一視する |
| 専門職 | 資格または関連実務 | 扱った論点、成果物、判断への影響 | 資格名だけで担当範囲を説明する |
| 管理・発信部門 | 求人ごとの実務経験 | 機能固有の改善と組織への効果 | M&A営業経験が全職種に必要と考える |
入社後のキャリアは担当工程の広がりで確認する
公式採用情報から確認できるキャリアパスは、肩書の一覧より担当工程の変化です。未経験コンサルタントは教育コンテンツとOJTを経た後、案件のソーシングから成約まで担当すると説明されています。入社直後からすべてを単独で担う保証ではないため、面談では、初期に任される工程、同行・レビューの方法、案件を持つまでの判断基準を確認します。
経験者コンサルタントは、公式求人で一気通貫の実務を必須とし、成約実績やマネジメント経験を歓迎しています。転職後に広げたいものが案件規模なのか、難しい条件調整なのか、チーム育成なのかを事前に決めておくと、現在の経験と求人が示す期待役割を比べられます。
専門職のキャリアは、コンサルタントへの転換だけではありません。企業評価、IM、スキーム、DD・契約支援など、専門成果物の責任範囲を広げる道があります。アソシエイトとして入る場合は、補助業務からどの成果物を自走する状態へ進むのか、資格取得をどのように実務へ反映するのかを確認してください。
提携支援部やアライアンス営業も、M&Aコンサルタントの前段階としてだけ見るべきではありません。買手の投資方針を理解して案件提案の精度を上げる役割、士業との提携関係を広げる役割には、それぞれ独立した専門性があります。将来別職種へ異動できると公式に保証されていない限り、異動を前提に応募しない方が安全です。
| 入社後に確認する軸 | 応募時の質問 | 判断できること |
|---|---|---|
| 初期担当 | 最初に担当する工程とレビュー方法は何か | 教育から実務への移行 |
| 担当の広がり | どの成果を満たすと次の工程を任されるか | 期待役割と成長条件 |
| 他部門連携 | 提携支援・専門職とはどの時点で連携するか | 分業の実際と本人の責任 |
| 専門性 | 職位が上がると成果物・顧客責任はどう変わるか | 役職別の期待とキャリアパス |
| 評価 | 案件成果、行動、品質、育成をどう見るか | 自分の強みと評価軸の一致 |
応募する職種を最後に一つへ絞る判断表
M&Aロイヤルアドバイザリーへ応募するかどうかは、会社への関心だけでなく、現行募集のどれに自分の事実が最も近いかで決めます。複数職種へ同じ志望動機を使うと、売手側の案件推進、買手側の提案、専門成果物という違いが消えます。第一候補を一つ決め、不足条件がある場合だけ隣接職種を比較してください。
営業成果が強みでM&A実務がない人は、未経験コンサルタントの必須条件と前職実績を照合します。法人営業だから自動的に適合するのではなく、社内で高い成果を出した根拠と、その成果を生んだ顧客理解・提案改善・継続行動を説明できるかが分岐点です。顧客開拓から成約までを長く追うことを望まない場合は、報酬への関心だけで選ばない方がよいでしょう。
M&A実務経験者は、経験者コンサルタントの一気通貫要件に対し、未経験の工程が残っていないかを確認します。ソーシング中心、エグゼキューション中心など経験が片側に寄る場合は、入社後に任される範囲とレビューを面談で確認します。成約実績とマネジメント経験は歓迎条件として整理し、必須条件との順序を入れ替えません。
会計・税務・法務の成果物を中心に働きたい人は、コーポレートアドバイザリー部とアソシエイトを比較します。関連資格・実務が応募条件へ直接つながるのか、資格必須でない入口から補助・分析経験を積むのかを分けてください。経営者への営業を避けたいという消極的理由だけでなく、企業評価やスキーム等のどの論点へ責任を持ちたいかを言語化します。
| 現在の強み | 第一候補 | 応募を進める条件 | 見送る・再確認する条件 |
|---|---|---|---|
| 前職での高い営業成果 | 未経験コンサルタント | 成果の母集団・行動・再現性を説明できる | 長期の顧客開拓と案件推進を望まない |
| M&Aの一連の実務 | 経験者コンサルタント | 担当工程と本人の判断を分けられる | 経験工程が求人の必須範囲とずれる |
| 法人提案・顧客条件整理 | 提携支援部 | 買手条件から提案優先順位を作れる | 売手経営者への一気通貫支援を望む |
| 会計・税務・法務・FAS | コーポレートアドバイザリー部 | 専門論点と成果物を説明できる | 資格・関連実務が募集要件へ接続しない |
| 会計学習・隣接実務 | 同部アソシエイト | 補助から深めたい専門領域が明確 | 入社直後から資格者同等の責任を期待する |
第一候補が決まったら、公式募集要項を印刷または保存し、必須条件、歓迎条件、仕事内容、勤務地、待遇、勤務条件の順に確認します。必須条件へ対応する職歴が説明できない場合は、志望動機で埋めようとせず応募時点を再検討します。歓迎条件だけが一致する場合も、必須条件を満たす別の事実が必要です。仕事内容には関心があっても評価軸や担当工程が希望と合わない場合は、同社内の隣接職種や他社の同種求人を比較してください。この確認を終えると、会社への一般的な関心ではなく、職種固有の志望理由を作れます。面談後は回答を募集要項の各項目へ追記し、応募前の想定と実際の説明にずれがないかも確認しましょう。
M&Aロイヤルアドバイザリーの中途採用に関するFAQ
応募前に迷いやすい点を、2026年8月24日時点の公式採用情報で答えます。募集状況は更新されるため、応募時は仕事内容、必須・歓迎条件、勤務地を各求人ページで再確認してください。
未経験でもM&Aコンサルタントへ応募できますか?
応募できます。ただし、公式求人は社内でトップレベルの実績・成果を上げた経験を必須条件としています。未経験であることより、前職成果の再現性を説明できるかが焦点です。
M&A経験者は何を求められますか?
M&Aに関する一連の実務経験と、ソーシングからエグゼキューションまで一貫して対応できることが公式の必須条件です。担当工程と本人の責任範囲を分けて準備しましょう。
簿記や会計士資格は必須ですか?
職種によります。未経験コンサルタントでは簿記2級以上は歓迎条件です。コーポレートアドバイザリー部は資格または関連実務を要件とし、アソシエイトは資格必須ではありません。
掲載されている高い平均報酬は初年度から得られますか?
そのようには読めません。公式求人は平均値の対象を入社後に一定期間を経たコンサルタントと注記しています。個人の報酬は職種、成果、評価で異なります。
東京以外でも応募できますか?
未経験コンサルタントには東京と大阪の募集ページがあります。経験者求人にも東京・大阪の勤務地が記載されています。職種ごとに勤務地が異なるため個別ページを確認してください。
中途採用の面接は何回ですか?
全職種共通の回数は公式中途採用サイトで確認できません。応募後の案内を正本とし、新卒向けのフローや非公式情報を流用しないでください。
応募先を決めたら求人条件を実際に比較する
同社の中途採用は、職種によって仕事も応募条件も違います。まず公式ジョブリストで現行募集を確認し、次に自分の成果・担当工程・専門性が最も一致する職種を一つ選びましょう。ほかのM&A仲介会社も含めて比較する場合は、職種、勤務地、待遇・報酬条件、担当工程を同じ列で見比べると判断しやすくなります。
