
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
緒方 隆恭 | OGATA Takayuki
東京大学を卒業後、三菱UFJ銀行に新卒入社。国内支店でMUFGの各種金融ソリューションの法人営業に従事し、銀行表彰を受賞。入社3年目で海外拠点に異動・駐在し、現地進出日系企業への融資・預金・為替デリバティブ商品等の法人営業を担当。
その後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に出向し、投資銀行本部にてカバレッジ業務に従事。上場企業のM&A(TOB・経営統合等)やエクイティファイナンス(IPO・PO等)のオリジネーション(案件獲得活動)・エグゼキューション(案件執行)を経験。現在はハイキャリア層や金融プロフェッショナルを中心とした採用・転職支援を行う。
不動産ファンドの年収は、業界全体を横断した平均として公表された数字が少なく、職種・経験・会社の報酬制度によって変わります。平均年収を推定してランキング化せず、国土交通省と不動産証券化協会(ARES)の市場データ、公開求人に記載された条件を分けて、給与水準の読み方と比較前の確認点を整理します。
確認できた公式求人の一例では、FPGの国内不動産部・部長相当ポジションに想定年収1,550万〜1,800万円と記載されています。ただし、これは部長相当ポジションの個別求人の条件です。不動産ファンドで働く人全体の平均年収や、20代・30代の相場を示す数字ではありません。
この記事の中心は、年収と給与条件を求人・市場データから読み解くことです。企業ランキングやAUMの比較、転職方法や面接対策は別のテーマになるため、給与を比べるために必要な範囲に絞って扱います。
この記事のポイント
- 業界平均を一つの数字で断定せず、公開求人の条件と市場規模を分けて確認する
- 不動産ファンドの仕事は、物件取得、運用、投資家対応、レポーティングなど職種で内容が異なる
- 未経験可否は業界名では決まらず、求人ごとの経験要件と資格要件で判断する
- 印象で判断せず、勤務時間、残業、転勤、給与の決定方法を求人票で確認する
不動産ファンドの年収は一律に言えない
不動産ファンドの年収を調べるときは、次の4つを混ぜないことが出発点です。業界平均、個別求人の想定年収、入社後の基本給、賞与や役職手当を含む総支給額は、同じ「年収」でも意味が違います。
| 見る数字 | 何を示すか | 注意点 |
|---|---|---|
| 業界平均 | 一定の母集団を集計した平均 | 不動産ファンド全体の公的な一律平均は確認できない |
| 求人の想定年収 | 特定の会社・職位・経験を前提にした募集条件 | 応募者の経験や選考で変わる場合がある |
| 基本給・月給 | 毎月の固定的な賃金 | 賞与、残業代、手当を含むかは求人ごとに異なる |
| 総支給額 | 基本給に賞与や変動報酬などを加えた金額 | 業績・役職・ファンドの報酬制度で変動する |
したがって、「不動産ファンドなら何歳でいくら」「外資系なら必ず高い」といった見方は、そのままでは比較できません。職種、担当するアセット、経験年数、会社の給与テーブル、賞与の扱いをそろえて初めて、求人同士を比べられます。
不動産ファンドの市場規模と対象範囲
市場の大きさを知るには、「不動産ファンド」という求人上の呼び方と、公的調査の集計範囲を分けます。国土交通省は、リート、不動産特定共同事業、TMK・GK-TKなどの私募ファンドを含む不動産証券化の対象資産を調査しています。
| 指標 | 公表値 | 基準時点・読み方 |
|---|---|---|
| 不動産証券化の対象資産総額 | 約66.6兆円 | 令和6年度末。リート、FTK、その他私募ファンドを含む推計 |
| 私募REIT | 61投資法人、資産総額8兆665億円、2,244物件 | 2026年6月末。ARESがデータ提供を受けて集計 |
| J-REIT | 58銘柄、資産規模24兆4,730億円 | 2026年3月末。ARESの月次レポートによる取得価格ベース |
国交省の約66.6兆円は、そこで働く人の給与総額ではありません。ARESの私募REITやJ-REITの数字も、運用会社の売上や社員の年収を直接示す指標ではありません。市場規模は業務の需要や対象領域を理解する材料として使い、給与の比較には求人票や会社の開示を使います。
不動産証券化の仕組みと運用会社の役割
不動産証券化は、不動産が生み出す賃料などの収益を裏付けに証券を発行し、投資家から資金を調達する仕組みです。国土交通省の調査では、リート、不動産特定共同事業、TMK・GK-TKスキームなどが集計対象に含まれます。ここでいう不動産ファンドは、単一の会社や一つの職種を指す言葉ではありません。
| 仕組み・商品 | 資金と資産の関係 | 仕事で接点になりやすい領域 |
|---|---|---|
| 上場REIT | 投資法人が上場し、投資家から集めた資金で不動産を保有・運用する | 資産運用、物件管理、投資家対応、開示 |
| 私募REIT | 非上場の投資法人として運用会社が資産を管理する | 期中運用、投資家・レンダー対応、レポーティング |
| 私募ファンド | 特定の投資家を対象に、スキームを組成して不動産を運用する | 取得、組成、SPC管理、売却、ファンド管理 |
| 不動産特定共同事業 | 不動産事業から生じる収益を投資家に分配する事業形態 | 商品組成、許認可対応、運用管理、販売支援 |
転職時は「ファンドに行きたい」だけでなく、どの仕組みのどの業務を担いたいかまで落とし込みます。例えば、物件取得を希望する人はアクイジションやソーシングの求人、保有物件の改善を希望する人は期中AMやPM連携の求人を優先して見るのが出発点です。
私募REITのアセットタイプから仕事を想像する
私募REITの保有資産はオフィス、賃貸住宅、物流施設、商業施設、ホテルなどに分かれた構成です。用途が違えば、運用計画やPM会社との連携、投資家への説明で扱う指標も変わるため、職種とアセットタイプを切り分けて求人を読みます。これは社員の給与や求人件数を示す数字ではありません。
| 用途 | 資産総額 | 構成比 | 業務で見る論点 |
|---|---|---|---|
| オフィス | 28,342億円 | 35.1% | テナント、賃料、設備更新、稼働状況 |
| 賃貸住宅 | 17,842億円 | 22.1% | 住戸稼働、賃料改定、物件管理 |
| 物流施設 | 15,830億円 | 19.6% | テナント契約、立地、物流需要 |
| 商業施設 | 12,179億円 | 15.1% | 売上歩合、商圏、テナント構成 |
| ホテル | 4,732億円 | 5.9% | 運営会社、客室稼働、季節変動 |
年収を比べるときは、会社名や外資・国内の区分だけでなく、どのアセットを担当し、取得・運用・売却のどこまで責任を持つ求人かを揃えてください。
運用会社の名前ではなく担当領域を見る
ARESの私募リート資料には、野村不動産投資顧問、三菱地所投資顧問、三井不動産投資顧問、ケネディクス不動産投資顧問、住商リアルティ・マネジメント、ヒューリック不動産投資顧問、DBJアセットマネジメントなど、各投資法人の資産運用会社が掲載されています。これは私募REITの集計対象を示す一覧であり、年収や人気のランキングではありません。
| 確認の切り口 | 確認できる情報 | 応募先比較での使い方 |
|---|---|---|
| 運用会社 | どの投資法人を運用しているか | REIT・私募REIT・私募ファンドのどれに関わるかを分ける |
| アセット | オフィス、住宅、物流、商業、ホテルなど | 経験を生かせる資産タイプと担当業務を照合する |
| 求人の職種 | 取得、期中AM、投資家対応、管理など | 年収と責任範囲を同じ職種どうしで比較する |
「大手だから年収が高い」「独立系だから裁量が大きい」といった一般化は、求人の担当範囲を確認するまで保留します。運用資産の用途、投資家との距離、取得から売却までの担当範囲を並べると、年収以外のキャリア上の差も比較の手がかりです。
たとえば、HULIC不動産投資顧問の求人は、私募REITの期中運用、私募ファンドのフロント・ミドル・バック、投資戦略部のアクイジションを分けた記載です。会社名だけでなく、同じ会社内のどの部門の募集かまで見ると、年収の比較対象を取り違えにくくなります。
なお、ARESの集計対象に会社名があることは、その会社が現在求人を出していることを意味しません。応募先候補に挙げる場合は、公式採用ページで募集状況、職種、給与、応募要件を別に確認します。
この確認を省いて会社名だけで給与を並べると、募集停止の求人や異なる職位を同じランキングに入れることになります。数字の出所と基準日を記録できない比較は、応募判断の根拠に使いません。
給与欄が「応相談」でも、業務内容と経験要件が具体的な求人はあります。年収欄の空白だけで低いと判断せず、固定給・賞与・残業代などの内訳を確認して比較します。求人URL、確認日、給与欄、必須条件を同じ記録に残すと、募集条件が変わったときも比較対象を追跡できます。
求人の更新日は給与の基準日と同じとは限りません。掲載日、確認日、選考時点の提示条件を分け、古い情報を最新相場として再利用しないようにします。
不動産ファンドの仕事は職種で分かれる
同じ不動産ファンドでも、求人で募集される仕事は一つではありません。HULIC不動産投資顧問の公式求人では、私募REITの運用、私募ファンドのフロント・ミドル・バック、物件取得やデューデリジェンスなどが分けて記載されています。
| 主な領域 | 担当する業務の例 | 応募前に確認する経験 |
|---|---|---|
| アクイジション | 物件ソーシング、収益分析、デューデリジェンス、契約・クロージング | 物件取得、売買仲介、投融資、金融・不動産取引 |
| 期中AM | 運用計画、予実管理、PMとの連携、投資家・レンダーへの報告 | AM、PM、賃貸管理、収支管理、レポーティング |
| ファンド組成・管理 | 商品組成、SPC決算、配当管理、会計事務所との調整 | 会計、金融商品、不動産証券化の実務 |
| 投資家対応・IR | 運用状況の説明、投資家QA、報告資料の作成 | 機関投資家対応、資料作成、説明力、英語要件の有無 |
年収を比較する前に、まず希望する業務領域を決めてください。アクイジションと期中AMでは必要な経験が異なり、同じ会社でもフロント、ミドル、バックで給与条件が変わり得ます。
公式求人で確認できる経験・資格・給与条件
求人票には、年収よりも応募条件のほうが具体的なことがある。今回確認した公式求人では、FPGは宅地建物取引士、AMまたはPMの経験、物件取得経験を必須とし、りそなはAM・PM・不動産管理の経験と複数資格のいずれかを必須条件としている。SMBCリートマネジメントは、私募ファンド・REITのAMや賃貸不動産PMなどの経験を応募条件に挙げる求人である。
| 確認項目 | 公式求人で確認できる例 | 応募書類で整理する内容 |
|---|---|---|
| 経験 | AM、PM、不動産管理、物件取得、REIT・私募ファンド運用 | 担当物件、収支改善、取得・売却、投資家対応の実績 |
| 資格 | 宅建、ARESマスター、不動産鑑定士など | 必須か歓迎か、どの業務で使ったか |
| PC・資料作成 | Excel、Word、PowerPointやレポート作成 | 収支表、投資家向け資料、案件資料を作った経験 |
| 英語 | ビジネス英語を歓迎条件に置く求人がある | 英文資料、海外投資家対応、会議参加の経験 |
| 給与提示 | 年収レンジ、月給、応相談など掲載形式が異なる | 固定給・賞与・残業代・管理職扱いの確認事項 |
公式求人の条件は、業界全体の採用動向ではなく、各社がその時点で募集しているポジションの要件です。求人を横断して読むときは、必須条件、歓迎条件、給与の決定方法を同じ列に書き出し、記載がない項目を「不要」と解釈しないようにします。
応募先を比較するときの年収チェック表
年収が高く見える求人でも、管理職扱いで残業代が含まれない、賞与が業績連動、転勤や出向があるなど、条件によって実際の比較結果は変わります。次の項目を求人票と面談で確認し、判断できない部分は保留にします。
| 確認する順番 | 質問・確認内容 | 比較への影響 |
|---|---|---|
| 1. ポジション | 担当者、マネージャー、部長相当のどこか | 責任範囲と想定年収の前提が変わる |
| 2. 固定給 | 月給・年俸・基本給の金額と改定時期 | 毎月受け取る部分を比較できる |
| 3. 変動部分 | 賞与、業績連動、手当、残業代の扱い | 提示年収と毎年の受取額が一致しない場合がある |
| 4. 働き方 | 所定労働時間、残業、裁量労働、転勤、出向 | 給与以外の条件と負担を確認できる |
| 5. 業務の範囲 | 取得、期中、売却、投資家対応のどこまでか | 経験の積み上がりと次の転職先に影響する |
この表で確認しても、会社ごとの評価制度や将来の昇給を外部から確定することはできません。提示条件の明細と、担当業務の範囲を確認できた求人だけを比較対象に残すと、根拠のないランキングを避けられます。
給与欄が非公開または応相談の求人では、数字がないことだけで候補から外す必要はありません。職位、担当範囲、給与の決定方法、賞与・残業代の扱い、選考時に提示される条件を質問に分け、回答できた項目と未確認の項目を分けて記録する基準です。
キャリアの接続も同時に確認してください。取得経験を増やしたいのか、期中運用で資産価値向上に関わりたいのか、投資家対応やファンド管理へ広げたいのかで、同じ年収でも比較の優先順位は変わるものです。次に担いたい業務を言語化してから応募先を選ぶと、数字だけに引っ張られにくい設計です。
面談で聞いた回答は、求人票に記載された事実と混ぜないようにします。求人票の数字、面談で示された条件、まだ確認できない事項を別欄にすると、提示条件が変わったときも比較の前提を説明できます。市場データは市場の範囲を、求人票は個別ポジションの条件を示すため、同じ表に置く場合も出所と日付を付けてください。
公開求人で見る年収・給与の例
公開求人で確認できる数字は、業界平均ではなく、特定ポジションの募集条件です。2026年8月13日に確認できた公式求人を並べると、給与の出し方自体が会社・ポジションで異なることが分かります。求人内容は変わるため、応募時には原文を再確認します。
| 掲載元・ポジション | 給与欄の記載 | 主な前提 |
|---|---|---|
| FPG 国内不動産部 | 想定年収1,550万〜1,800万円程度 | 部長相当。AMまたはPM経験、物件取得経験、宅建が必須 |
| りそな 不動産AM | 月給330,200円〜465,700円 | AM・PM・不動産管理等の経験、資格要件を記載。選考で変動する旨あり |
| SMBCリートマネジメント | 応相談・社内規定による | 私募ファンド・REITのAMまたは賃貸不動産PM等の経験 |
| ヒューリック不動産投資顧問 | 数値の記載なし | Excel、大卒等。経験に応じてポジションを提案する記載があり、英語・資格は歓迎条件 |
上表から分かるのは、同じ「不動産AM」でも、年収レンジを明記する求人と、社内規定や経験をもとに決める求人があることです。求人を比べるときは、年収の数字だけでなく、対象職位、固定給と賞与の区分、残業代、勤務地、転勤、管理職扱いまで確認します。
給与を左右する条件は職位・経験・報酬の内訳
不動産ファンドの年収差を説明するとき、会社名だけを比べると判断を誤ります。給与に影響する条件は、少なくとも職位、担当業務、経験、賞与・手当の扱い、ファンドや会社の報酬制度に分けて確認します。
- 職位:担当者、管理職候補、部長相当では期待される責任が違う
- 担当業務:取得、期中運用、投資家対応、管理業務で必要な経験が異なる
- 経験:AM、PM、デベロッパー、仲介、金融などのどの経験を応募先が認めるかを確認する
- 報酬の内訳:月給、賞与、残業代、役職手当、業績連動部分を分けて見る
「キャリーがあるから年収が高い」「AUMが大きい会社ほど必ず高い」とは限りません。キャリーや業績連動報酬の有無・配分は会社やファンドの制度に依存するため、公開資料で確認できない部分を推定しないことが安全です。
給与を比べる前に求人ごとの要件を確認する
給与だけで求人を比べると、経験要件を見落とします。今回確認した公式求人では、FPGはAMまたはPMの経験と物件取得経験、りそなはAM・PM・不動産管理などの経験、SMBCリートマネジメントは私募ファンド・REITのAMや賃貸不動産PMなどの経験を応募条件にしています。
求人ごとに歓迎経験や担当範囲は異なります。現在の経験を、物件取得、収支管理、テナント対応、投資家向け報告、金融機関との折衝のどれに接続できるかを整理すると、給与条件を比べる前の確認事項が明確です。
外資系・英語必須と決めつけない
不動産ファンドの求人で英語が必要かどうかは、会社や部署によるため一律ではありません。ヒューリック不動産投資顧問の公開求人では、ビジネス英語は歓迎条件として記載されていますが、すべての不動産ファンド求人に共通する必須条件とは書かれていません。
外資系かどうかだけで年収を推定するのではなく、海外投資家とのやり取り、英文資料、会議の頻度、英語が応募必須か歓迎かを求人票で確認します。給与条件が応相談の場合は、英語力だけでなく職位と担当業務を合わせて提示してもらう必要があります。
資格は年収保証ではなく業務理解の補助線
不動産ファンドの求人で見かける資格には、宅地建物取引士、不動産鑑定士、不動産証券化協会認定マスターなどがあります。ただし、資格を取れば年収が自動的に上がるとは言えません。求人の必須条件なのか、歓迎条件なのか、担当業務とどう結び付くのかを確認します。
ARESによると、不動産証券化協会認定マスターは、不動産証券化に関する知識と職業倫理を持つ人を認定する制度です。学習範囲には不動産市場・金融資本市場の基礎、不動産証券化の仕組みや制度が含まれます。資格の効果は、年収の保証ではなく、求人要件や担当業務との接点で判断します。
不動産証券化協会認定マスターの公式説明で制度の目的と学習範囲を確認し、応募先の募集要項に記載された資格区分と照らし合わせてください。
「激務」「評判」ではなく勤務条件を確認する
不動産ファンドの働き方を「激務」「ホワイト」と一言で評価するのは適切ではありません。FPGの公開求人には残業月10〜20時間程度の想定がある一方、部長相当の管理監督者として労働時間管理の対象外と記載されています。SMBCリートマネジメントの求人は原則9時〜17時30分、時間外勤務や裁量労働制の可能性を記載しています。
| 確認する項目 | 求人票・面談で聞くこと |
|---|---|
| 勤務時間 | 所定労働時間、フレックス、裁量労働制の有無 |
| 残業・休日 | 想定残業、残業代の扱い、休日出勤や繁忙期の有無 |
| 勤務地・転勤 | 初任地、転勤範囲、出向の可能性、リモート勤務の条件 |
| 給与 | 月給・賞与・残業代・役職手当・業績連動報酬の区分 |
| 業務範囲 | 取得、期中AM、売却、投資家対応、PM管理のどこまで担うか |
求人に書かれていない条件は、確認できないまま断定しません。公開情報と面談で確認できた範囲を分けることが、転職後の認識違いを減らすポイントです。
年収提示を比較する前に確認すること
年収の数字だけで応募先を決める前に、次の順で求人を読みます。最初に担当領域を絞り、次に経験要件、最後に給与と働き方を確認すると、異なるポジションを同じ土俵で比べずに済みます。
- アクイジション、期中AM、ファンド管理、投資家対応のどれを希望するか決める
- 現職の経験を、物件・収支・投資家・レンダー・PMのどの業務へ接続できるか整理する
- 必須条件と歓迎条件を分け、宅建やARESマスターなど資格の位置付けを確認する
- 年収の内訳、管理職扱い、残業代、賞与、転勤範囲を確認する
- 公開求人の更新日と募集状況を確認し、応募時点の条件を保存する
不動産ファンドの年収に関するFAQ
給与欄が「応相談」の求人はどう比べますか?
固定給、賞与、残業代、役職手当、業績連動報酬の扱いを確認します。金額が出ている求人と単純に順位づけせず、業務範囲と経験要件を同じ条件にそろえて比較してください。
年収と月給のどちらを見ればよいですか?
どちらか一方で判断せず、賞与、残業代、管理職扱い、業績連動報酬がどこまで含まれるかを確認します。月給だけから年収を推定したり、想定年収だけで毎年の受取額を確定したりしないことが大切です。
私募REITと私募ファンドの求人を同じ基準で比べてよいですか?
同じ基準では比べられません。私募REITの期中運用と、私募ファンドの取得・組成・売却では担当範囲や必要な経験が異なるため、まず業務領域をそろえるのが先です。
求人票にない条件はどう確認しますか?
公開情報だけで推測せず、面談や選考時に確認します。勤務時間、残業代、転勤、出向、担当業務の範囲など、給与と働き方に影響する項目を質問として整理しておくと、求人票との差を確認する材料です。
資格の必須条件と歓迎条件はどう見分けますか?
募集要項の「必須」「歓迎」「あれば尚可」などの区分をそのまま読むことが基本です。ARESマスターや宅建が歓迎条件なら、資格取得だけで年収が上がると考えず、希望する担当業務でどの知識が使われるかまで照合します。
まとめ:平均年収ではなく求人の前提をそろえて比べる
不動産ファンドの年収は、業界全体の平均として一つの数字にまとめにくい領域です。市場規模は国交省やARESの資料で確認できますが、給与は職位・業務・経験・会社の制度で決まります。本記事では、この給与の読み方に絞り、ランキングやAUMの比較、転職方法の詳説とは役割を分けました。
転職を検討するなら、公開求人の年収だけでなく、必須経験、資格、給与の内訳、勤務条件、担当業務を確認してください。個別求人の数字は、職位と前提をそろえて読むことが比較の基本です。

