M&A仲介業界は、後継者不在の中小企業の増加を背景に成約件数が右肩上がりで拡大する一方、「未経験で参入したものの1年〜1年半で最初の成約が出ずに離脱する」という業界特有の構造も指摘されてきました。「未経験からでも本当に売上1億円プレイヤーになれるのか」「経歴が異なっても同じ会社で同じ成果が出せるのか」──転職検討者にとって、この2つの問いに対する明確な答えを得られる機会は多くありません。
その答えは、実は「個人の資質」や「特別な経歴」ではなく「会社の仕組み」に大きく依存しています。生の案件を教材にした体系的な研修、成約組数を軸にした人事評価、月間3桁の案件供給を実現するマーケティング、若手にも早期に責任ある役割を任せるチーム体制、固定給を手厚く設計した報酬構造──こうした要素が有機的に噛み合っている環境では、非営業出身でも、30代半ばの中途転職者でも、財閥系不動産営業出身でも、事業構築志向のベテランでも、それぞれ自分の強みを活かして売上1億円プレイヤーとして成果を出すことができています。
ブティックス株式会社(以下、同社)は、コンサルティング事業部を中心にM&A仲介事業を展開する上場企業です。介護・障害福祉・保育などの業界特化型マーケティングと、日本最大級の介護展示会「CareTEX」を主催する事業会社としての強みを組み合わせた案件供給、そして成約組数を軸にした評価と体系化された研修体制で、直近数年間で成約件数を大きく伸ばしてきました。「案件供給・教育・チーム・報酬」の4本柱によって、経歴の異なるアドバイザーが同じように売上1億円を突破する再現性の高いモデルを掲げています。
今回は、リメディ株式会社取締役の山田 顯太郎が同社本社を訪問し、コンサルティング事業部で活躍する4名のM&Aアドバイザーに順にお話を伺いました。IT ベンチャー出身で入社2年目に売上1億円を突破した下田 峻人 氏、大手保険会社関連会社の法人営業10年から35歳で転職し社内ギネス14組成約を達成した矢野 聡志 氏、財閥系不動産営業から入社4年で部長昇格した藤本 諒 氏、飲食業出身でM&A事業を立ち上げから累計422件のアドバイザー支援に関わってきた太田 丈史 氏。4名それぞれのキャリアと、共通する「勝ち筋」のリアルをぜひご一読ください。

コンサルティング事業部 グループ長 下田 峻人 氏
法政大学卒業後、ITベンチャーにてEC事業の商品企画・ブランド企画を担当。ブティックス株式会社に入社後、研修卒業からおよそ半年でグループ長に昇格。入社2年目に手数料1億1500万円規模の大型案件を成約し、前期売上1億7000万円を達成。現在はコンサルティング事業部のグループ長として、プレイヤーと部下育成の両輪で成果を積み上げている。

コンサルティング事業部 グループ長 兼 エグゼクティブコンサルタント 矢野 聡志 氏
2009年に大学を卒業後、大手保険会社関連会社にて法人営業に10年間従事。2023年2月、35歳でブティックス株式会社に入社。入社3ヶ月目で初成約し、初年度10組、翌2024年度に社内記録となる14組の成約を達成。2025年4月にグループ長に昇格し、現在はグループ長 兼 エグゼクティブコンサルタントとして、女性アドバイザー受け入れや新業態開拓の推進役も担っている。

コンサルティング事業部 部長 藤本 諒 氏
早稲田大学卒業後、財閥系不動産会社にて営業に従事。ブティックス株式会社に入社後、得意領域の介護・障害福祉分野を担当したのち、2023年度から建設・IT分野の新規業界開拓グループを牽引。2024年にグループ長に昇格し、グループ長2期を経て2026年4月に部長へ昇格。現在は組織成果の最大化に取り組む傍ら、中途採用の面接官も務めている。

コンサルティング事業部 副事業部長 兼 特級営業職 太田 丈史 氏
青森公立大学卒業後、飲食業にて企画販促責任者・M&A買い手として複数社を担当。ブティックス株式会社にて介護用品通信販売の責任者を経て、2014〜2015年に代表と共に介護展示会「CareTEX」を立ち上げ。2015年よりM&A事業を立ち上げ、事業立ち上げから3年で50組の成約を達成。その後、子会社リアライブの買収でソーシングからPMIまで一貫担当。現在はコンサルティング事業部の副事業部長 兼 特級営業職として、アドバイザー業務とマーケティング責任者を兼務している。

大阪大学を卒業後、リクルートキャリアに新卒入社。法人担当として主に大手日系メーカーや外資系企業、SaaS/ハードテックベンチャーなど約500社に対し採用コンサルティングを実施。在籍約3年間で、売上目標達成率・顧客価値・決定社数の全部門において、計10度のMVP表彰を獲得し、約1000名中1人のみが選出される最高評価SSSを2期連続で達成。最年少でリーダーに抜擢され、部署メンバーのマネジメントにも関与。現在は、当社取締役に従事。
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未経験からの挑戦|4名共通の入社動機と初速の作り方
山田:リメディの山田です。今日はブティックス(同社)の本社にお邪魔しています。本日の目的としては、売上1億円を超えるアドバイザーの方々4名にインタビューをさせていただき、彼らがどのように売上1億円を突破したのか、その仕組みが実際にどうなっているのかを解き明かしていきたいと考えています。皆さんはM&A業界未経験から参画された方々で、飲食、IT、不動産など様々なバックグラウンドをお持ちです。では早速、まいりたいと思います。
まずお話を伺うのは、コンサルティング事業部のグループ長・下田 峻人 氏。ITベンチャーでEC事業の商品企画を担当していた非営業出身の若手ながら、入社2年目で売上1億円を超える大型案件を成約された方です。続いて、大手保険会社関連会社で法人営業を10年経験し、35歳でM&A業界に転じ、翌年に社内ギネス14件成約を達成された矢野 聡志 氏。3人目は、財閥系不動産会社の営業から堅実な積み上げで20代のうちに部長へ昇格した藤本 諒 氏。そして最後に、飲食業からM&A事業を立ち上げ、CareTEXやリアライブ買収の実務まで担ってきた太田 丈史 氏の4名です。
それぞれ経歴もキャリアパスも異なりますが、共通するのは「M&A業界未経験からの入社」「同じ会社の仕組みで成果を出している」という2点です。読者の皆さんに近い経歴の方をぜひ見つけていただき、ご自身のキャリアを重ね合わせながらお読みいただければと思います。
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下田 峻人 氏|非営業出身から入社2年目で売上1億円
――前回も動画にご出演いただきありがとうございました。あの時と比べるとご実績も役職も変わっていらっしゃるかと思いますが、改めて自己紹介をお願いできますか。
下田氏:ブティックス株式会社、コンサルティング事業部・第2部第5グループの下田と申します。現在はグループ長を務めておりまして、プレイヤーとしても成績を上げつつ、部下を支えサポートしながらグループ全体での実績も作っているというのが今の現状でございます。
――入社されて何年目くらいですか。グループ長に上がられたタイミングは。
下田氏:入社してちょうど2年ちょっとになります。グループ長に上がったのは1年ちょっと前で、研修卒業からおよそ半年でというタイミングでした。
――素晴らしいスピードですね。売上1億円も昨年達成されて、大型案件を成約されたと伺ったのですが、どのような案件だったのでしょうか。
下田氏:大型案件でいくと、手数料でおよそ1億1500万円ほどの規模になります。他社の定義においても大型案件と言われる大きさに該当する案件を、決めさせていただいたという形です。
大型案件は小さな案件の成約を積み重ねた先にある
――ブティックス(同社)の中では小規模の案件も多いと伺っているのですが、こうした大型案件を決めるような要因はどこにあるとお考えですか。
下田氏:まずは研修制度を一つずつこなしていって、その中で最終的に2件決めることが求められます。そこからグループ長に上がるまでに1年以内に10組を決めなければならず、それを達成するとグループ長に上がる、という段階を積んできました。
案件ごとに小さな案件を10件決めていったわけですが、一つずつ論点をしっかり潰していくことは、簡単に聞こえるかもしれません。ただ「この案件をどうしたら動かせるか」「どうしたら進むのか」を考え、自分ならではの工夫の余地を探す。難しい案件であれば果敢に挑戦してみる。ただ決める、ただ10件やるのではなく、その中でどうしたら自分の能力が上がっていくのか、大きい案件が立ちはだかった時に解決できるのか──そうした大きな案件を見据えた小さな案件のこなし方を一つずつやっていったことが、しっかり出たのではないかと思います。
山田:大型案件も、やはり小さな案件の成約を積み重ねた先にあるということですね。
生の案件を教材にする「レベル1〜7」の研修制度
――下田氏が受けられた研修は、2年半ほど前に新しく設計されたもので、そこを経験なさって最短でグループ長まで上がられたのだと伺っています。その研修を経て、今生きているなと感じる部分はどんなところにありますか。
下田氏:研修の中で、他の生の案件を触りながら、レベル1から7まで段階が設定されています。一つずつ生の案件で、しっかり自分の案件を見据えて動かしていけたところが良かったのではないかと思います。ただ学ぶだけではなく、アウトプット前提のインプットになっている点も、大きな価値だったと感じています。
――前職ではどのようなご経験をされていらっしゃったのでしたっけ。
下田氏:主にEC(Eコマース)の事業で、商品の企画やブランドの企画を担当していました。営業経験自体はほとんどなく、キャリアチェンジをしてアドバイザーという営業職の最高峰の仕事をさせていただいているという形です。
――キャリアチェンジをされて、最初につまずいたポイントはなかったのでしょうか。
下田氏:その部分については、研修において先輩方から生の案件や例題の案件をいただき、供給がたくさんある環境だったので、数をどんどんこなすことができました。それで自然と力が付いてきたという背景があったと思います。
山田:アポイントの取得ばかりに仕事の時間を取られてしまう環境ではない、ということですね。
下田氏:そうですね。もちろんそれも大事な部分ですが、しっかりたくさんの案件に触れられる環境がありました。「ここを成長させたい」「こういった能力を高めたい」という研修意図に合わせて、そこにフォーカスして能力を上げることができる研修になっているのかなと思います。
株式譲渡契約書もその場で相談できる、風通しの良さ
――ブティックス(同社)は研修体制だけでなく、相談しやすい環境になっているというお話も伺っているのですが、実際どうですか。
下田氏:まさにその通りだと感じています。風通しは非常に良いですし、グループ長や部長など、自分の上司にあたる人にすぐ相談できる体制になっていますので、そこは私も非常に助かったところです。
――特に助かった場面はありましたか。
下田氏:1年目の時に初めて株式譲渡契約書を扱う場面がありました。譲渡契約書の中身、債権放棄など、入社前は聞き馴染みもないような言葉が出てくる中で、「ここで合っていますかね」「今、弁護士とこう話し合っていますが、こういう格好でいきますか」と、その場ですぐに聞ける間柄と関係性があった。ここは非常に助かった部分でした。契約は一つひとつがすごく大事なものですから、聞きやすい環境かどうか、社内に頼れる人がいるかどうかは、大きな安心材料になります。
再現性を持った教育体制を作りたい ── 下田氏の抱負
――これから挑戦したいことや、抱負はありますか。
下田氏:今、グループ長という立場で今期もやらせていただいています。前期はおよそ1億7000万円ほどの売上を計上できましたので、今期はそれ以上の成果をプレイヤーとしても発揮したいですし、チームも今持っていますので、部下の教育、そして一人ひとりがしっかりと育つ、そのような再現性を持った教育体制を作っていきたいと思っています。
――昇格が最短で、しかも営業未経験からチャレンジして成果を出されてきたので、営業未経験の方のお気持ちもよく分かるのではないかと思います。そういう方が今この業界にチャレンジしたいと考えていらっしゃるとしたら、一言メッセージをいただけますか。
下田氏:私も正直、不安なところはありました。ただ踏み出してしまえば意外とできるものだな、というのが率直な感覚です。成長したいという強い意志と、やりきる力。ここがあれば、しっかりと成果を上げられるのではないかと思っていますので、ぜひご検討いただければと思っています。
リメディのYouTubeチャンネルでは、ブティックス株式会社の下田 峻人 氏、矢野 聡志 氏、藤本 諒 氏、太田 丈史 氏のインタビュー動画を投稿しております。ブティックス株式会社への転職をご検討中の方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。
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矢野 聡志 氏|30代半ば中途転職で社内ギネス14件成約
――前回の動画をご覧いただいていない方もいらっしゃいますので、改めて矢野氏の自己紹介からお願いできますか。
矢野氏:私は2009年に大学を卒業しまして、大手保険会社関連会社に入社し法人営業を担当してきました。2023年2月にブティックスへ入社し、初年度に10組の成約、翌2024年度に14組の成約をしました。2025年4月からグループ長に昇格しまして、現在はグループ長 兼 エグゼクティブコンサルタントという役職で従事をしております。
年功序列と成長頭打ちを超えて、35歳での決断
――改めて、あの時の転職のきっかけについてもお話いただけますか。
矢野氏:当時30代半ばというところで、前職はどちらかというと年功序列色が強い環境でした。営業をやっていく中である程度成果を残せてきたのかなという実感はあり、次の目指すところで役職を上げてマネージャーとしてしっかりやっていきたいという思いもあったのですが、なかなかそのチャレンジや機会を得られない状況でした。
正直、環境にもどかしさを感じていました。私は成長にすごく飢えている性分で、自分自身どんどん成長したいという思いがある中で、その環境が実は自分の成長を止めているのではないかとも感じ始めていて。今、別のところに行ってチャレンジするのか、このまま会社に残って頑張るのか、結構迷いました。ただ、自分の人生の中でしっかりと後悔がないようにやっていきたいという思いが強かったので、チャレンジすることを選んで、35歳のときに転職を決めたというきっかけがございました。
――30歳が一つの別れ目、35歳が転機になっている方も多いと思います。年齢を重ねてチャレンジする難しさやご葛藤はなかったですか。
矢野氏:やはりその時は子供もいましたし、家庭のことは第一に考えていましたので、正直迷いました。ただ、家族にも相談していく中で「自分のチャレンジをしてみたらいいんじゃないの」と背中を押していただけたので、思い切って挑戦できたのだと思います。
固定給の手厚さで家族も安心 ── 業界内で「軸」にしたもの
――M&A業界には当時もいろいろな会社があったと思います。その中でも選ぶ際に軸としたものはあったんですか。
矢野氏:先ほどお話ししたとおり家庭を持っておりますので、給与の部分はすごく気にしました。この業界は、基本給を抑えてプラスインセンティブという設計の会社がほとんどだと思いますが、ブティックス(同社)の場合は固定給の部分が他社に比べても手厚く設定されていました。これであればチャレンジしても大きく変化はないよねというところで、妻も安心してもらえたのかなと思っています。
入社3ヶ月目で初成約 ── 早期の成功体験が生む次への推進力
山田:私たちは今まで、累計で470名ほどM&A業界へのご支援をさせていただいてきましたが、ご入社されてから活躍される方と、すぐに辞めてしまう方が分かれる印象があります。ご退職なさる方の中でも、1件目の成約が1年ないし2年なかなかできず、途中で心が折れてしまうケースが多いです。そのあたり所感はいかがでしょうか。
矢野氏:今おっしゃったように、入社されてからなかなか1件目を決められずに退職してしまう方が多いのではないかと思います。ただその点、私の場合は幸いにも入社してから3ヶ月目で初成約をすることができまして、それもあって早い段階で成功体験を積めたところが、その後の成果にもつながっているのではないかと思いますね。
山田:入社されて3年ほどですが、それだけ成果を積みやすい環境というのは、どのあたりにあるとお考えですか。
矢野氏:ブティックス(同社)のシステムもそうですし、研修体制もすごく大きいのではないかと思いますね。私が入社した時には、今の研修体制はまだできていなかったのですが、今実際に入社された方が経験している研修は本当に実務的で、仮想体験ができるような組み方になっている。実際にディールをどう進めていくのかというイメージがしっかりと固められるようになっているので、今入社された方は正直、羨ましいと思いますね。
女性コンサルタントの受け入れ ── 新業態開拓の切り込み隊長として
――今の教育体制になってから、女性のアドバイザーも増えてきていると伺っています。矢野氏から見て、女性でも働きやすい環境はあると感じられますか。
矢野氏:ここからしっかりと取り組んでいきたいと思っているところです。今年の2月に女性のコンサルタントが1名入社し、7月にもう1名が入社してくれる予定で、計2名になります。とはいえ残り60人、70人くらいは男性のコンサルタントですので、まだいづらいところもあるのかなと思っています。そこは性別関係なく、まずは私がしっかりと打ち解けていけるようにしていきたいと思っています。
その中で女性ならではの気づきもあるでしょうし、そういうところをいろいろと取り入れて、もっと女性の社員も入っていただきやすくなるような環境にしていかないといけないと感じています。実際に今働いているコンサルタントの女性の方と一緒に、良い環境を作っていけたらと思っています。
30代でM&A業界への転職を考える方へ ── 矢野氏からのメッセージ
――最後に、30代でM&A業界への転職を検討されている方へメッセージをお願いできますか。
矢野氏:正直、年齢は全く関係ないと思っています。私自身、転職を考えたときは30代半ばでしたが、ブティックス(同社)に入社してみると50代、60代で活躍されている方もいますので、年齢という部分では全く気にすることなくチャレンジしていただいていいのではないかと思っています。
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藤本 諒 氏|堅実な積み上げで20代部長昇格
――動画に出ていただくのは今回が初めてなので、まずは自己紹介からお願いできますか。
藤本氏:ブティックス株式会社で、現在コンサルティング事業部の部長をしております、藤本と申します。
――ブティックス(同社)に入社されてからの変遷を少しお聞きしてもいいですか。
藤本氏:最初はブティックス(同社)が得意領域としている福祉の分野──介護であったり障害福祉であったり──を、だいぶ触らせていただきました。2023年度からは、当社でも領域をどんどん横展開していかなければいけないというところで、建設分野やIT分野に切り込んでいったタイミングがありまして、そこの領域の先端グループ、専門グループとして入ってやっておりました。
その年の実績がしっかりと評価されたので、2024年からグループ長という役職に就きまして、グループ長を2期やった上で、今期から部長に昇格したという流れになります。
年功序列から透明性の高い人事評価制度へ ── 入社の決め手
――ブティックス(同社)に入社を決められたきっかけは何だったのでしょうか。
藤本氏:いろいろな角度があったかなと思うのですが、一番大きかったのは、当時、財閥系不動産会社で年功序列で上がっていくスピード感と自分の年次のギャップに、なかなか頭打ち感もあったところです。そこがネックになっていたポイントもあったので、転職を決意したというのがありました。
ブティックス(同社)の場合は人事評価制度が非常に明確になっているので、「ここまでいったら、このタイミングで昇格だよ」というのが、本当にきれいにみんなに見えるところにあります。その透明性の高さに惹かれて、転職を決意しました。
前職経験を紐解いて活かす ── 不動産営業とM&Aの共通点
――年功序列の前職からブティックス(同社)に入られて、その中でも4年ほどで部長になられるというのはすごいスピード感だと思ったのですが、そこまで行けた背景や成功要因はどこにあると思いますか。
藤本氏:前職の経験も活かせるところはあったな、と思っています。不動産会社とM&Aは全然違うように見えるのですが、結構紐解いてくると似ているポイントもありました。そこの一貫性をしっかり意識できたポイントが、非常に良かったのではないかと思っています。
――マネジメント経験は前職では積んでいらっしゃらなかったかと思うのですが、そのあたりブティックス(同社)の中で学んでいけた感覚はありますか。
藤本氏:手探りの部分はもちろんあったのですが、とはいえ会社側から「こういう指標で、こういう考え方でマネジメントもやっていこう」というのがしっかりとありましたので、そこを意識しながら取り組んでいくと、自然と組織としての成果も出せることができたと思っております。
プレイヤーではなくマネジメントで突き抜ける ── 責任あるポジションへ手を挙げた理由
――他のM&A仲介会社では、マネジメントにしっかり上げていく文化や制度が少なかったりします。藤本氏はプレイヤーとして突き抜ける方向ではなく、マネジメントとして突き抜ける方向に進まれた、その理由はどこにあったのでしょうか。
藤本氏:挑戦できる環境があれば、そこは挑戦したいという思いがあって、比較的まだ年次としても年齢としても若いとは思っていたのですが、その環境の中で今のように責任あるポジションを任せてもらえるというのは、当たり前のことではないと思っていましたので、であればそちらの方に手を挙げようと思って進みました。
――マネージャーや部長という経験を取りに行ったところが大きいのですね。組織を作る側に回っていらっしゃって、抱負や、今実際に取り組んでいらっしゃることを教えていただけますか。
藤本氏:昨年度末までは本当にプレイヤーとして動いていた部分も大きかったので、その成果をいかに周りに還元するかというところに取り組んでいます。多分、自分の中で当たり前に感覚でやっていたことを、しっかり後輩、部下に対して起こしていくところですね。個人だとこれぐらいしか金額を出せませんが、しっかりそこに人数が集まれば、もっと大きい金額を追っていけるというところを目指していますので、いかに還元するか、全員でそこを高めていけるかというところを今頑張っているところですね。
小さくても複数件を積み重ねた先に大型案件がある ── 再現性ある仕組み
――実際に1億円売上のプレイヤーもたくさんいらっしゃると伺っていますが、それが実現できる仕組みや環境はどこにあると思われますか。
藤本氏:いかに再現性を高くやるかというところを、全員が考えて動けているのが大きいと思います。1個の大きい案件を追っていくわけではないので、小さくてもいいのでとにかく複数、件数を追い続ける。その先に大きい案件があるのかなと思っていて、その大きい案件も、しっかり件数を積んでいるからこそ角度高く成約まで導ける、というところが結果として、1億円のプレイヤーをしっかりと輩出するという部分に繋がっているのかなと思います。
面接官として ── 「仕事を楽しいと語れる方」を採用したい
――藤本氏は部長になる前段階から面接も始められているとお聞きしています。面接に出られている中で、どんな方を採用したい、と考えられていますか。
藤本氏:自分の中でも基準や「ここは見ているぞ」というポイントは結構あるのですが、一番大事にしたいのは、中途の方であれば、前職で働かれている環境の中で、そこの話題やエピソードをすごく自信を持って話してもらえる方ですね。「本当にこの仕事が好きでやってきたんだな」というのが伝わってくる方。仕事が好きじゃないと、そういった成果って上がらないと思うので、そこの部分はかなり深掘って話を聞くようにしています。
山田:今までの仕事を楽しいと思える人が、長く活躍したり続けていったりするんだろうな、というふうに、すごく腑に落ちました。
マネジメントを目指す方へ ── 藤本氏からのメッセージ
――今プレイヤーをやっていて、年功序列の会社が嫌だな、早く役職を上げたいなという、当時の藤本氏のような思いをお持ちの方もいらっしゃると思います。マネジメントを目指す方に対して、メッセージをいただけますか。
藤本氏:ブティックス(同社)であれば、本当に年齢関係なく、若くからしっかりと成果を上げた人は上がっていきますし、そこの基準を明確に敷いているので、自分がどういうふうに将来なりたいかというところを、早い段階で経験できるのではないかと思っています。
山田:入ってからプレイヤーとして突き抜けたい方も、マネジメントに行きたい方も、いろんな道を選べるということが理解できました。ブティックス(同社)だからこそ、マネジメント、部長といったステップを、しっかり自分の役割を担いながら成長していける環境があるのだろうなと思いましたので、すごくいい機会でした。
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太田 丈史 氏|事業立ち上げから3年で50件成約
――今回、YouTubeに出ていただくのが初めてなので、まずは自己紹介からお願いできますか。
太田氏:ブティックス株式会社で、コンサルティング事業部の副事業部長を務めております、太田と申します。私は2015年にM&Aの事業を立ち上げまして、その前は「CareTEX」という展示会を2014年から2015年にかけて、代表と一緒に立ち上げました。その培ってきた介護事業のネットワークを駆使して、M&Aのサービスを立ち上げたという経緯でございます。
実は、その前は介護用品の通信販売の責任者も歴任しておりまして、少し前にはリアライブという人材の会社を買収してきまして、そこのソーシングからPMIまで一貫して担当いたしまして、それで2年前にコンサルティング事業部に戻り、今はアドバイザーをやりながらマーケティングの責任者を務めているというところでございます。
――輝かしいキャリアだと思いましたし、アドバイザーの方でも太田氏と同じようなキャリアを辿りたい方も多いのではないかと思いますので、今日はいろいろとお話を伺えるのを楽しみにしています。
介護M&A支援センターから障害福祉・保育まで ── 業界特化型ドメイン戦略
――前回の動画で大塚氏から、案件供給とマーケティング力があるというお話を伺いました。実際、どのように今、作っていらっしゃるのか、どういう仕組みがあるのかを教えていただけますか。
太田氏:私がもともと介護用品の通信販売のSEOやリスティング広告といった、いわゆるWebマーケティングを一通りやってきましたので、このノウハウをM&Aの事業にも落とし込んでいます。具体的に言うと、介護は介護というところの入り口として「介護M&A支援センター」、あとは障害福祉も今、私たちの強い領域なのですが「障害福祉M&A支援センター」、あと保育で「保育M&A支援センター」というように、3つのドメインを分けています。さらに建設、IT、調剤、医療というかたちで、複数のドメインを一貫して業態を分けてやっています。
これが非常に強いのは、例えば介護の経営者様であれば、介護M&A支援センターを見て「介護の専門家なんだな」ということを訴求できるようにしている点です。これがまずWeb側の1つですね。
1開催10件以上の売却相談 ── 日本最大級の介護展示会「CareTEX」
太田氏:もう1つ、強みがありまして、展示会です。1開催を行うたびに「売却の相談をしたい」という方が、だいたい10件以上入ってきます。ブースにお越しいただいて、お客様に売却の相談を受けていただくところが非常に強い会社でございます。
――実際、どれぐらい案件の相談は集まっているものなんですか。
太田氏:具体的な数値は公表していないのですが、月間でおよそ3桁以上は、「具体的に売りたいです」という温度が高い方からお問い合わせが来る、という仕組みを構築しています。
――アドバイザーにとってはこの上ない環境なのではないかと思ったんですけれども、アドバイザーの人員も増やしていかれている中で、案件もやはり増やしていくような取り組みはされていらっしゃるのでしょうか。
太田氏:大体、昨年対比で110%から120%を達成しているというところで、どんどん増えてきていますね。業界自体も介護、障害福祉、保育がかなり中心ですが、だんだん経営が厳しくなってきているという方が多いことから、自然に増えている面と、私たちも常に追加の施策を行っていますので、どんどん増えていますね。
アドバイザー実績130件、面倒を見た累計422件 ── プレイヤー兼マーケ責任者として
――今のお話を聞くだけでも、マーケティングの本当にプロフェッショナルなのだなと感じたのですが、実際、プレイヤーとしてはいかがだったんでしょうか。
太田氏:今も実はやっておりまして、11年やっておりますけれども、私個人で言うと130件ほどです。私がアドバイザーの面倒を見ていた時も累計すると、公式の数字としては422件になります。
リアライブ買収のPMIまで一貫担当 ── 事業立ち上げ経験が活きる交渉術
――先ほど冒頭の自己紹介でもあったように、リアライブの買収にがっつり携わっていらっしゃったのだと思います。その立場は、アドバイザーを経験された方でやっていらっしゃる方は私自身あまり聞いたことがないので、太田氏がなぜその立ち位置を担ったのか、もし過去の経験で活きたものがあれば知りたいなと思ったのですが、いかがですか。
太田氏:私は新しい事業を立ち上げるということが非常に好きですし、少し上手なのかなと思っております。あとは、アドバイザーの経験がとても強く生きておりまして、売り手オーナー様との交渉についても、「こういう風に進めれば、売り手さんも良い気持ちで売ってくださる」ということが分かっていた。あと、PMIについても、私も日々買い手さんにアドバイスをしていく中で、「こういう風にしたらいい」──例えば従業員説明はこうしたらいい、処遇をいきなり変えてはいけない──といった成功のルールがあるわけですが、それを忠実に実行してまいりました。それがやはり成功したポイントなのではないかと思っています。
売上1億円プレイヤーが多い理由 ── 「案件供給」が最強の強み
――他のプレイヤーの方とお話した際に、売上1億円を達成されていらっしゃるプレイヤーの方がブティックス(同社)にたくさんいらっしゃるなという印象があったのですが、それが実現できているブティックス(同社)の仕組みは、どんなことに起因していると思われますか。
太田氏:私たちは、介護、障害福祉、保育に非常に強いというところはあるのですが、日本最大級の介護の展示会の主催会社であるということも非常に強いポイントだと思っておりますし、今まで11年間やってきた実績というところもあると思うのですが、何よりも案件の供給というところが非常に強いと思っています。先ほど申し上げたように、月間で大体3桁以上の「売りたい」という方をアドバイザーに供給できているところは、非常に強いなと感じておりますね。
山田:案件供給、それを実現するための展示会、それが最大級であるということ、それが業界特化でしっかり作っていかれたというところに、やはり強みがあるのだろうなと感じました。
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4名共通の勝ち筋|案件供給・教育・チーム・報酬の4本柱
山田:ここまで4名の方にお話を伺ってきました。ITベンチャーで非営業のバックグラウンドから入社2年目で売上1億円を達成した下田氏。大手保険会社関連会社の法人営業10年から35歳で転職して社内ギネス14組成約を達成した矢野氏。財閥系不動産営業から堅実な積み上げで20代のうちに部長昇格した藤本氏。そして、飲食業出身でM&A事業を立ち上げから累計422件のアドバイザー支援に関わってきた太田氏。
4名それぞれのお話に共通していたのは、「大型案件は小さな案件を積み重ねた先にある」という考え方でした。下田氏は研修レベル1〜7で生の案件を段階的にこなし、藤本氏は「小さくても複数、件数を追い続けることで角度高く成約まで導ける」と語り、矢野氏も入社3ヶ月目の初成約から積み上げていく形で社内ギネス14件に至っています。そしてこれを可能にしているのが、太田氏が語ってくれた「案件の供給」──月間3桁以上の売却相談が集まる仕組みでした。
案件供給|業界特化型マーケティングとCareTEXという2つの入り口
山田:案件供給の柱は、太田氏が語ってくれた通り、業界特化型のWebマーケティング(介護M&A支援センター/障害福祉M&A支援センター/保育M&A支援センター、加えて建設・IT・調剤・医療)と、日本最大級の介護展示会「CareTEX」の主催という2つの入り口です。1開催で売却相談が10件以上入ってくる展示会と、業種別に専門性を訴求できるWebサイト──この2つが月間3桁以上の案件供給を実現し、アドバイザーは「アポイントの取得ばかりに時間を取られる」(下田氏)環境ではなく、「案件に触れられる」環境で成長できています。
教育|生の案件を教材にした「アウトプット前提のインプット」
山田:下田氏が語ってくれた研修レベル1〜7は、実際の生の案件を教材にした「アウトプット前提のインプット」型で、2年半ほど前に新設されたものです。矢野氏も「今の研修は仮想体験ができるような組み方になっている」「今入社された方は正直、羨ましい」と語ってくれた通り、体系化された研修は同社の若手・中途双方の成果を支える重要なピースになっています。株式譲渡契約書や債権放棄といった専門的な論点も、「上司にすぐ相談できる風通しの良さ」(下田氏)で補完される。この二段構えの教育体制が、非営業出身でも入社2年目で売上1億円を達成できる基盤となっています。
チーム|若手にも責任あるポジションを任せ、部下への還元を組織文化に
山田:藤本氏が語ってくれた通り、同社では若い年次でも責任あるポジションを任せる仕組みがあり、人事評価制度の透明性が高く「ここまでいったら、このタイミングで昇格だよ」というのがきれいに見える形になっています。下田氏、矢野氏、藤本氏の全員が、プレイヤーとしての成果を出しつつ「部下への還元」「再現性を持った教育体制」を語っていたのが印象的でした。個人の成果を組織の成果へと拡張する仕組みが、次世代のグループ長・部長を継続的に生み出しています。
報酬|固定給の手厚さと成果反映のインセンティブ設計
山田:矢野氏が転職の決め手として挙げてくれた「固定給の手厚さ」も、大きなポイントです。M&A業界は基本給を抑えてインセンティブで大きく稼ぐ設計の会社がほとんどですが、同社は他社に比べて固定給を手厚く設定しているため、家庭を持つ30代半ばの中途転職者でも、家族の理解を得ながらチャレンジしやすい構造になっています。「これであればチャレンジしても大きく変化はない」──妻の安心を得られたという矢野氏の言葉が、この報酬設計の意味を端的に表しています。
飛び込んで、圧倒的に再成長する ── 太田氏からのメッセージ
――最後に、これからM&A業界へのチャレンジを考えていらっしゃる方に対して、一言メッセージをいただけますか。
太田氏:M&A業は、経営者様の人生を左右するお仕事だと思っております。非常に難易度が高いお仕事ですが、圧倒的に再成長できると、私は確信を持っておりますので、ぜひ飛び込んできていただければと思います。
山田:本日はお忙しい中、4名の皆様にお時間をいただき誠にありがとうございました。今日お話しいただいた4人の中に、皆さんのご経歴と近しい方はいらっしゃいましたか。もしご興味があれば、皆さんと近しいご経験の方とのカジュアル面談もご用意いただけるかもしれませんので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思っています。ブティックス(同社)だけでなく、M&A仲介という業界にご興味を持たれた方がいらっしゃれば、リメディ経由でご相談ください。
M&A仲介の非公開求人と年収レンジの実態を確認する
記事の年収データに加え、各社のインセンティブ設計や中途採用の実情を個別にご案内します。

