
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
稻垣 大亮 | INAGAKI Daisuke
立教大学を卒業後、大手不動産デベロッパーに新卒で入社。富裕層向けの不動産売買を担当し、手数料売上ランキングで上位5%に入る成績を達成。その後、ヘッドハンティングファーム「アサイン」に、創業間もないタイミングで参画。ヘッドハンターとして20代から30代のマネジメント層の支援に従事。同時にCRM部門のセールス責任者として15名のメンバーをマネジメントした経験を有する。
リメディには、ヘッドハンティングをきっかけに入社を決意。シニアコンサルタントとして、M&Aアドバイザリーファームや戦略・総合コンサルティングファーム等の役員層とのコネクションを強みとした転職サポートに従事。これまで2,000名以上の転職支援に携わり、20代からエグゼクティブ層まで幅広い支援を行い、業界トップクラスの実績を誇る。
2026年8月22日時点で、アビームコンサルティングの公式募集はBusiness Consulting、Solution Consulting、BPOに分かれ、業界・テーマからも求人を探せます。職務経歴書は会社向けに一枚作るのではなく、第一希望のポジションを決め、そこで再現できる判断を職務要約と主要案件の先頭へ通す必要があります。
Strategy系なら市場・顧客・事業判断から実行へ移した経験、Solution系なら業務・データ・システムを設計して定着させた経験が核になります。「課題解決」「DX」「上流から実行」といった広い表現を減らし、誰の何を、どの判断で変えたかまで書くことが出発点です。
応募ポジションを業界・テーマ・職種で固定する
応募前に決めたいのは「コンサルタントを目指す」ことではなく、どの顧客領域で何を担うかです。公式募集一覧の三つの切り口を使うと、職務経歴書の主張を絞れます。
| 切り口 | 決めること | 職務経歴書で先に確認する問い |
|---|---|---|
| 職種 | Business Consulting、Solution Consulting、BPOのどこを第一希望にするか | 戦略、業務変革、技術・設計、業務運営のどこを任されてきたか |
| 業界 | 自分が顧客・業務を理解する領域 | 業界固有の課題や意思決定を何で理解したか |
| テーマ | 応募先が扱うテーマのうち、自分の主案件と接続する対象 | テーマ名ではなく、どの課題・成果物・変化を扱ったか |
本記事で詳しく扱う求人サンプルはBusiness ConsultingとSolution Consultingの領域です。BPOを第一希望にする場合は、応募時点の個別求人で実際の責任範囲を確認したうえで、以下の書き方を自分の主案件へ当てはめてください。
公式採用サイトは、応募時に第一希望を選び、ほかに関心があるポジションは別途伝える運用を案内しています。複数の関心を隠す必要はありませんが、職務要約の最初から全領域を同じ強さで並べると主張がぼやけます。第一希望に合う経験を前へ出し、第二候補との共通点は補足に回してください。
自分でポジションを選び切れない場合、公式一覧にはポジションマッチングの入口もあります。ただし、書類を曖昧なまま出してよいという意味ではありません。少なくとも「得意な業界」「扱ったテーマ」「任されてきた責任」を一つずつ言える状態にします。
Strategy Consultant職とSolution Consultant職で中心となる経験を分ける
Strategy系とSolution系はどちらも課題解決を扱いますが、書類で最初に見せる事実が違います。Strategy系は事業の選択、Solution系は業務と技術の設計を起点にすると、同じ「コンサル経験」でも責任が伝わります。
| 観点 | Strategy系で先に示す | Solution系で先に示す |
|---|---|---|
| 課題の起点 | 市場、顧客、事業モデル、成長上の論点 | 業務プロセス、データ、システム、運用上の論点 |
| 自分の判断 | 仮説、選択肢、優先順位、経営・事業判断への提案 | 業務要件、標準化、設計、実装方式、移行・定着 |
| 主な関係者 | 経営、事業責任者、営業・マーケティング | 業務部門、IT部門、開発・導入関係者 |
| 結果 | 意思決定、実行計画、事業施策が動く状態 | 業務・システム・利用方法が継続して回る状態 |
| 避けたい書き方 | 調査・資料作成だけで終える | 製品名・工程名だけを並べる |
区分を分けても、「戦略だけ」「実装だけ」と決めつけないでください。今回確認した求人はいずれも、構想を実行へつなぐ責任を含みます。書類には自分が実際に担った終点までを書き、別チームが担った成果は自分の実績に含めません。
戦略職は構想から実行・定着までを書く
Customer Value Strategyの公式求人は、顧客体験、新規事業・事業モデル、営業変革などを、戦略の策定だけでなく成長・実行まで扱います。そのため職務経歴書では、構想の内容と実行への接続を一つの案件として読めるようにします。
市場・顧客の事実から事業判断までをつなぐ
案件の起点には、調査手法ではなく観察した事実を置きます。顧客の行動、営業現場の課題、既存事業の収益構造など、仮説を立てる前に確認したものを特定してください。次に比較した選択肢、判断基準、自分が提案した方針、経営・事業側が決めた内容を分けます。提案と意思決定の境界が見えると、責任を正確に伝えられます。
事業会社の経験は「社内案件」ではなく事業変化で示す
事業会社で経営企画、新規事業、マーケティング戦略を担った人は、社内向けだったことを弱みとして隠す必要はありません。事業責任者として持った情報、制約、投資判断、現場への実装を具体化します。自社で意思決定を受ける側だった経験は、顧客が実行できる提案を考える材料になります。ただし、コンサルティング経験へ言い換えず、立場の違いは明記してください。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| Before | 新規事業戦略の策定と実行支援を担当 |
| After | [市場・顧客の事実]から[事業課題]の仮説を設定。[比較した選択肢]を[判断基準]で検討し、[自分の提案責任]を担った。[意思決定者]との合意後、[実行設計・運用で担った範囲]まで進め、[実績値または確認できる状態変化]につなげた |
成果の数字がある場合は、対象期間、算出方法、自分の寄与を説明できるものだけを使います。数字がなければ、事業側が選択肢を比較できた、実行責任が部門間で決まった、施策を継続できる運用が整ったなど、検証できる状態の変化で締めてください。
業務・IT変革職は業務プロセスと実装責任をつなぐ
サステナブルSCM戦略の公式求人は、ECM・SCMの戦略と実行、PLM・MES導入、設計と製造の連携、業務標準化などを示します。「SCM改革」「基幹システム導入」と広くまとめず、変えたプロセスを細く切ることが必要です。
| 記載単位 | 書く事実 | 確認したい責任 |
|---|---|---|
| 対象プロセス | 設計、製造、調達、在庫、品質など | どの範囲を直接扱ったか |
| 部門間の課題 | 情報の分断、判断の遅れ、重複作業、標準の不一致 | 誰の困りごとを起点にしたか |
| 業務・データ | ルール、マスタ、役割、例外、管理指標 | 何を要件として決めたか |
| システム | 構想、選定、設計、連携、移行、テスト | 自分が判断・実行した工程はどこか |
| 定着 | 教育、問い合わせ、利用状況、改善サイクル | 導入後に現場で回ったか |
製品名やプロジェクト規模だけでは、業務変革への寄与が分かりません。たとえばPLM導入に関わったなら、設計情報のどの不整合を解き、どの業務ルールとデータをそろえ、設計・製造部門の合意をどう作ったかを書きます。製品は判断の手段として位置づけてください。
コンサル側で構想のみ、事業会社側で利用部門のみ、SI側で実装のみを担った場合も、経験していない工程を補う必要はありません。自分の責任範囲を明確にしたうえで、前後工程と何を合意し、成果物をどう受け渡したかを記す方が、案件全体との接続が伝わります。
デジタル設計は事業目的と技術判断を結ぶ
デジタルアーキテクトの現行公式求人は、業務・システム・組織・テクノロジーを横断するITグランドデザインと、構想から設計・テストまでの推進を示しています。職務経歴書では、何を使ったかより、なぜ選んだかを先に読めるようにします。
- 目的:事業・利用者が実現したいことと、現状の制約
- 選択肢:比較した設計、技術、内製・外部活用の案
- 判断:価値、実現性、拡張性、運用など実際に使った基準
- 検証:試作、利用者確認、性能・品質確認で何を確かめたか
- 接続:開発、移行、運用、改善へ何を引き継いだか
新しい技術を扱った案件では、知識量のアピールだけで終えないでください。未知の論点をどう分解し、何を調べ、どの仮説を試し、誰からフィードバックを得たかを書きます。学習と検証の方法まで示せば、技術が変わっても使える行動として伝わります。
例文は「[事業・利用者の目的]と[制約]を整理し、[代替案]を[判断基準]で比較。[自分が担った設計・検証]を通じて[関係者]と方針を決め、[開発・運用へ接続した内容]を残した」です。実際に技術選定をしていない場合は、要件や検証など自分が決めた範囲に限定します。
職務要約と案件欄を同じ主張でつなぐ
職務要約で「新規事業の戦略」を主張しながら、案件欄の先頭がシステム保守では、読み手は強みを判断し直すことになります。第一希望に最も近い案件を先頭へ置き、要約と案件で同じ責任を読めるようにしてください。
職務要約は応募ポジションへの接点から始める
最初の文で業界・テーマ・責任を示し、続けて代表案件と自分の判断を書きます。その後にほかの経験を補足し、最後に応募先で再現する方法を置く流れです。在籍会社や担当案件を古い順に並べるより、主要案件を読むための道筋を作れます。
案件欄は課題から再現性まで一つの線にする
| 項目 | 記入する事実 | 自問 |
|---|---|---|
| 前提 | 顧客・事業・業務、期間、体制、役割 | 機密を守って状況を説明できるか |
| 課題 | 観察した事実と解決対象 | 作業名ではなく目的になっているか |
| 仮説・選択肢 | 検討した方向、比較した案 | 結論だけでなく思考が見えるか |
| 個人責任 | 自分が決めたこと、合意が必要だったこと | チーム成果と分けたか |
| 実行 | 成果物、関係者との合意、導入・定着 | どこまで自分が担ったか |
| 結果 | 実績値または確認できる状態変化 | 誰が何で確かめたか |
| 再現性 | 別の顧客・テーマでも使える方法 | 第一希望の仕事へ接続するか |
案件名が機密に触れる場合は、顧客名や製品名を伏せても構いません。その代わり、業界、対象業務、課題の種類、関係者、自分の責任を説明します。固有名詞の多さと具体性は別物です。
未経験・隣接経験はポジション要件との差分を埋める
今回確認した求人は、コンサルティング経験だけでなく、事業会社の企画、SCM業務、ITシステム、開発・事業への関与など複数の経験経路を示しています。ただし、該当経験があることだけで応募結果が決まるわけではありません。持ち込める判断と未経験の責任を分けて書きます。
| 現在の経歴 | 先に示す実績 | 不足を確認する問い | 避けたい見せ方 |
|---|---|---|---|
| 事業会社の企画・新規事業 | 事業判断、部門合意、実行・運用 | 外部顧客へ仮説を示し、限られた情報で進めた経験はあるか | 社内企画をコンサル経験と言い換える |
| SI・開発・IT企画 | 業務要件、設計判断、導入・定着 | 事業・業務の目的から提案を組み立てたか | 技術名と工程だけを並べる |
| 製造・SCM・品質 | 現場プロセス、部門間課題、標準化 | 他社・他部門でも再現できる形に抽象化できるか | 自社固有の手順だけを詳述する |
不足がある場合は、経験済みのように見せず、応募前に補う知識と入社後に深める領域を分けましょう。たとえばSCM経験者がIT導入の責任を持っていないなら、業務要件や利用部門側の検証を示し、技術設計は未経験として扱います。境界を正直に示す方が、面接での説明も一貫しやすいでしょう。
弱くなりやすい表現を案件の事実へ直す
抽象語は便利ですが、ほかの応募者や別の職種にも当てはまります。言葉を強くするのではなく、事実を足すと、アビームコンサルティングのどの仕事へ接続するかが明確になります。
| 弱くなりやすい表現 | 不足する情報 | 直す方向 |
|---|---|---|
| 顧客の課題解決を支援 | 課題の事実、仮説、自分の責任 | 誰の何を、どう判断して変えたか書く |
| 上流から実行まで担当 | 各段階の責任境界 | 自分が決めた段階と引き継いだ段階を分ける |
| DXを推進 | 業務・データ・システムの変化 | 改善前、要件、設計、定着を特定する |
| 関係者を巻き込んだ | 対立条件と合意内容 | 誰と何を合意し、何を変えたか示す |
| 大規模プロジェクトを成功 | 本人の判断と寄与 | チーム成果と個人行動を別文にする |
| 最先端技術を活用 | 事業目的と選択理由 | 制約、代替案、検証、運用への影響を書く |
Before / Afterの書き換えでは、角括弧の中を本人の事実で埋めます。「[対象顧客・業務]の[観察事実]から[課題仮説]を置き、[比較した案]を[判断基準]で検討。[個人責任]として[実行]を進め、[確認できる結果]を残した」が基本形です。実際にない数字や責任は追加しないでください。
職務経歴書と面接の一貫性を確認する
公式選考プロセスは履歴書・職務経歴書の提出、書類審査、その後の複数回の面接を案内し、一部ポジションでは試験が行われる場合があるとしています。選考内容は変わり得るため、全職種共通の質問や形式を決めつけないことが前提です。
準備すべきなのは、職務経歴書に書いた各主張の裏側です。主要案件について、次を自分の言葉で説明できるか確認しましょう。
- 課題を課題だと判断した事実と、最初に置いた仮説
- 比較した選択肢と、採用しなかった案
- 自分で決めた範囲と、顧客・上位者の合意が必要だった範囲
- 反対意見、想定外の事態、失敗から修正した内容
- 結果を誰が何で確認したか
- 同じ方法を第一希望のポジションでどう再現するか
職務経歴書で完成された成功物語だけを書くと、代替案や失敗を聞かれたときに事実との距離が生まれます。書類には要点を短く置き、面接では判断が変わった過程まで話せるよう準備してください。
提出前に第一希望と主要案件を確認する
提出前の確認基準は、第一希望の仕事と職務要約・主要案件の事実が一致していることです。書類の先頭から同じポジションが見えるかを、次の順で点検してください。
- 第一希望を業界・テーマ・職種で言える
- 職務要約の最初の文が、第一希望で再現する責任を示している
- 主要案件の先頭が職務要約の主張を裏づけている
- 課題、仮説、個人責任、判断、実行、結果が一本につながっている
- チーム成果と自分の行動を分けた
- 数字、期間、固有名詞は資料と一致し、算出方法を説明できる
- 未経験の責任を経験済みのように書いていない
- 志望理由と職務経歴書で、第一希望と貢献の方向が一致している
- 提出直前に公式募集ページで職種名と要件を再確認した
ほかの関心ポジションを伝える場合も、書類本文を折衷案にしない方が読みやすくなります。第一希望へ強く接続する実績を前へ置き、第二候補にも使える経験は、職務要約の後半か補足欄へ移してください。
アビームコンサルティングの職務経歴書に関するよくある質問
応募ポジションを決められない場合はどうする?
自分の経験を業界、テーマ、責任に分け、最も具体的な経験がそろう組み合わせを第一候補にします。公式募集一覧にはポジションマッチングもありますが、得意領域と責任範囲は自分で言える状態にしてください。
コンサル未経験でも職務経歴書を書ける?
事業会社の企画、SCM業務、ITシステム、開発・事業への関与など、公式求人が示す経験経路に接続できる場合があります。ただし、未経験のコンサル業務を経験済みのように言い換えず、持ち込める判断と不足を分けます。
数値で示せない変革成果はどう書く?
架空の数字を足さず、意思決定ができた、業務ルールがそろった、利用部門が継続運用できたなど、確認可能な状態変化を書きます。誰が何で確認したかも話せる表現にしてください。
複数ポジションへ同じ職務経歴書を使える?
在籍歴と実績の事実は変えませんが、職務要約と主要案件の順番は第一希望に合わせます。Strategy系とSolution系では最初に見せる判断が違うため、全領域を均等に見せる一枚より、主張を定めた書類の方が理解されやすくなります。
面接では職務経歴書の何を説明できるようにする?
公式案内は選考内容が変わり得るとしています。具体的な形式を決めつけず、職務経歴書の主要案件について、課題の事実、仮説、責任境界、代替案、失敗、結果の確認方法を説明できるようにしてください。
自分で仕上げられる状態と見直したい状態を分ける
第一希望と主要案件が決まり、個人責任・判断・結果を説明できる人は、自分で書類を仕上げやすい状態です。一方、業界・テーマ・職種を選ばず、全案件を同じ詳しさで見せたい人は、文章を整える前に応募先を絞る方がよいでしょう。
| 自分で進めやすい状態 | 第三者と整理する価値がある状態 |
|---|---|
| 第一希望を業界・テーマ・職種で言える | 関心領域が多く、第一希望を決められない |
| 主要案件で自分の責任と判断を切り出せる | チーム全体の成果しか書けない |
| Strategy系かSolution系か、中心となる経験を選べる | 戦略・業務・ITのすべてを同じ強さで見せたい |
| 結果の確認方法と未経験の範囲を説明できる | 抽象語や過大な役割で不足を埋めている |
完成の基準は、コンサルらしい言葉が増えたことではありません。第一希望で何を再現する人かが冒頭で分かり、その根拠となる案件を本人の事実だけで説明できることです。最新の公式求人と照らし、主張から遠い案件や抽象語を後ろへ移してから提出してください。

