
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
井上 晶斗 | INOUE Akito
大阪府立大学を中退後、教育系のベンチャー企業へ入社。新店舗の立ち上げと全店舗管理を担当し、2年間で1店舗から12店舗へ増やす。立ち上げ業務からサービスの平準化までの一連の業務に従事。その後、エス・エム・エスに転職しキャリアアドバイザーとして、候補者様に徹底的に向き合いながら、20代から50代までの方のキャリア支援を行う。社内のキャリアアドバイザーの中で上位の成績を収めた後に、リメディに参画。現在は、M&A・不動産・建設業界でエグゼクティブ採用・転職支援に従事。
2026年8月22日時点の積水ハウスの公式求人を見ると、戸建住宅営業、設計/施工管理、新築分譲マンション設計企画では、職務経歴書の核が異なります。営業は顧客との接点から引渡し後まで、設計は要望と制約を住空間へ落とす判断、施工管理は工程・品質・安全、マンション企画は事業主側の推進責任を先に示します。
物件名、契約実績、図面、現場規模は必要な情報ですが、それだけでは本人が何を決めたか分かりません。応募職種を一つ選び、顧客・建物・事業への責任の終点を一文にしてから、主要案件の順番を決めてください。
応募職種を一つに決め、核となる責任を固定する
積水ハウス向けの書類を作る最初の作業は、経験を広く見せることではなく、応募職種に近い責任を選ぶことです。マンション設計企画を含めると、同じ建築・不動産経験でも先に示す経験は次のように変わります。
| 応募職種 | 公式求人が示す責任 | 職務経歴書の核 | 後ろへ回す情報 |
|---|---|---|---|
| 戸建住宅営業 | 顧客接点、ニーズ把握、提案、資金計画、引渡し、フォロー | 顧客の制約を捉え、社内外と提案を形にした経験 | 提案判断と結びつかない契約数だけの列挙 |
| 設計 | 要望を計画・図面・内外装へ反映し、住まいを提案 | 法規・敷地・予算などの制約を調整した設計判断 | 判断理由が読めない図面・ソフト名 |
| 施工管理 | 契約・図面との整合、工程・品質・安全、関係者調整 | リスクを早く捉え、是正して引渡しへ進めた経験 | 個人責任が分からない現場規模 |
| マンション設計企画 | 用地段階の商品検討、外部設計・施工、販売変更・技術説明 | 事業条件と設計品質をつなぐ事業主側の推進 | 外部設計者の成果物を自分の設計として見せること |
一行を選んだら、「[対象顧客・建物・事業]の[課題・制約]を、[自分の判断]によって[引渡し・運用・事業の変化]へ進める」と書きます。この一文を裏づける案件だけを主要実績の先頭へ置き、ほかは補足へ回しましょう。
営業職は顧客発見から引渡し後までの責任を書く
戸建住宅営業の職務経歴書では、契約実績を結論にせず、顧客が住まいを決めるまでの過程へ戻します。公式求人は、顧客との接点づくり、関係構築、ニーズ把握、提案、資金計画、引渡し後のフォローまでを職務に含めています。
| 顧客との段階 | 書く事実 | 自分の責任を示す問い |
|---|---|---|
| 接点 | 展示場、紹介、既存顧客など実際の接点 | どの顧客へ、なぜ継続して向き合ったか |
| 要望・制約 | 家族、暮らし、土地、予算、時期 | 表面の要望から何を深掘りしたか |
| 提案 | 住まいの計画、選択肢、資金計画 | 比較した案と採用理由をどう説明したか |
| 社内外連携 | 設計、施工、金融、外部先との調整 | 誰と何を合意し、どの条件を変えたか |
| 契約・引渡し | 意思決定を支えた情報、変更対応、引渡し | 契約後もどこまで責任を持ったか |
| フォロー | 問い合わせ、追加の相談、紹介など確認できる関係 | 推測ではなく何を事実として示せるか |
顧客に寄り添ったと書くだけでは、行動を再現できません。土地の制約、資金の上限、家族内の優先順位など、本人が実際に把握した条件を示し、提案をどう変えたかを書きます。顧客の意思決定を支えた情報が分かると、契約数の背景まで伝わります。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| Before | 戸建住宅の提案営業を担当し、顧客に寄り添った提案を実施 |
| After | [顧客との接点]から[暮らし・土地・資金の制約]を把握し、[比較した提案]を提示。[設計・施工・金融等]と[自分が担った調整]を進め、[顧客の意思決定・引渡し後に確認できる結果]につなげた |
売上額や契約件数を使う場合は、対象期間と本人の寄与を説明できる数字だけにします。会社・支店・チームの成果を自分一人の実績にせず、組織の結果と個人の行動を別文にしてください。
設計職は要望・制約・提案判断を図面名より先に示す
設計職で先に伝えたいのは、作成した図面の種類ではなく、要望と制約をどう両立したかです。公式求人は、顧客の真のニーズを捉え、計画、図面、内装・外構や周辺環境まで含めて提案する職務を示しています。
要望をそのまま採用せず、優先順位を合意した過程を書く
案件欄には、顧客が最初に示した要望、会話や現地確認から分かった背景、法規・敷地・予算・採光・動線・施工性などの制約を置きます。次に比較した案、採用しなかった理由、顧客や関係者との合意を記してください。設計案が変わった理由に本人の判断が表れます。
図面・内装・外構を一つの設計意図でつなぐ
プラン、実施設計、インテリア、外構を別々の作業として並べると、住まい全体への責任が見えません。自分が全体を担当した場合は、顧客の要望と敷地・周辺条件から一貫した設計意図を示します。一部だけを担当したなら、全体方針との接続と自分の範囲を明記しましょう。
例文は「[顧客要望]に対し、[法規・敷地・予算等の制約]を整理。[代替案]を[判断基準]で比較し、[顧客・施工等]と優先順位を合意。[自分が担当した設計成果物]へ反映し、[引渡し時に確認できた状態]を実現した」です。実際に扱っていない制約や成果物は足しません。
施工管理職は安全・品質・工程の調整を分けて書く
施工管理では現場規模や工期だけでなく、リスクをいつ捉え、何を変えたかを書きます。公式求人は、契約内容・図面との整合を守り、着工から引渡しまで工程・品質・安全を管理し、協力会社、設備会社、近隣と調整する職務を示しています。
| 管理軸 | 書くリスク・判断 | 結果の確認 |
|---|---|---|
| 安全 | 作業手順、動線、設備、天候、人員などから捉えた危険と予防措置 | 点検記録、是正完了、作業方法の定着 |
| 品質 | 図面・仕様との不整合、施工誤差、材料・設備上の懸念と是正 | 検査結果、手直し完了、引渡し条件 |
| 工程 | 資材、職人、先行・後続工程、変更の影響と優先順位 | 更新した工程、関係者合意、引渡しへの影響 |
| 関係者 | 協力会社、設備会社、設計、営業、近隣との対立条件 | 誰と何を合意し、どう記録したか |
「無事故で完工」「工期どおり引渡し」とだけ書くと、本人の対策との接続が読めません。早期に見つけた兆候、判断に使った図面・記録・現場情報、変更した手順、関係者への伝達を続けます。結果は対策前後で何を確認したかまで示してください。
現場全体の成果と自分の行動も分けます。「現場として無事故だった。私は[リスク]を事前に把握し、[措置]を提案・実行し、[確認方法]で是正を確かめた」のように書けば、過大な主張を避けながら個人の寄与を残せます。
マンション設計企画は事業主側の推進責任を書く
新築分譲マンション設計企画では、設計者としての経験だけでなく、事業主側で商品を成立させる責任を示します。公式求人は、用地取得段階のボリューム検討、商品企画、外部設計者・施工会社との推進、販売段階の設計変更・技術説明を職務に含めています。
- 用地・事業条件:敷地、法規、商品性、コスト、事業計画のどこを検討したか
- 商品企画:誰にどの価値を届けるため、住戸・共用部・仕様をどう決めたか
- 外部先の推進:設計者・施工会社へ何を指示し、どの成果物をどう確認したか
- 変更判断:販売要望、設計品質、コスト、工程の条件をどう調整したか
- 技術説明:販売部門・顧客へ、設計上の可否と理由をどう伝えたか
外部設計者が図面を作成した場合、その成果物を自分が設計したように書かないでください。自分の実績は、要件を決めた、代替案を比較した、設計意図を確認した、変更を判断したなど、発注・判断・合意の責任です。
例文は「[用地・事業条件]から[商品上の課題]を整理し、[企画方針]を設定。[外部設計者・施工会社]へ[自分が決めた要件]を示し、[コスト・品質・販売要望]を調整して[確認できる事業・設計上の状態]へ進めた」とします。資格やRC造経験は、こうした判断を支えた事実として添えます。
職務要約と案件欄を同じ実績でつなぐ
職務要約で営業力を掲げ、案件欄の先頭が設計補助では、何を任せられる人かが途中で変わり、一貫しません。応募職種に最も近い案件を先頭へ置き、要約と案件で同じ責任を読めるようにします。
職務要約は顧客・建物・事業への責任から始める
最初の文で応募職種と責任の終点を示し、次に対象顧客・物件・構造など経験の範囲を置きます。その後に代表案件で行った判断と結果を続け、最後に積水ハウスの応募職種で再現する方法を示してください。在籍歴の要約より、主要案件への案内を優先します。
案件欄は顧客・制約・判断・結果を一つの線にする
| 項目 | 記入する事実 | 提出前の確認 |
|---|---|---|
| 前提 | 顧客・建物・事業、用途、期間、体制、役割 | 機密を守って状況を説明できるか |
| 要望・課題 | 顧客要望、設計・施工・事業上の解決対象 | 作業名ではなく目的になっているか |
| 制約 | 土地、法規、予算、工程、品質、安全、事業条件 | 実際に判断へ使った条件か |
| 個人責任 | 自分が決めたこと、合意が必要だったこと | 会社・チーム成果と分けたか |
| 判断・実行 | 代替案、選択理由、関係者、成果物・是正 | 自分の思考と行動が見えるか |
| 結果 | 実績値、または確認できる状態変化 | 誰が何で確認したか |
| 再現性 | 別の顧客・物件でも使える提案・設計・管理方法 | 応募職種へつながるか |
物件名を出せない場合は、用途、構造、規模、顧客の種類、担当範囲を、守秘義務に触れない範囲で示します。固有名詞を伏せても責任は具体化できます。反対に、著名な物件名を出しても個人の判断がなければ、書類の中心にはなりません。
実績値がない場合は、顧客が選択肢を比較できた、設計条件の優先順位が合意された、是正後の施工条件が確認できた、外部先が同じ要件で進められたなど、状態変化で締めます。実際に確認していない顧客満足や品質向上を推測で足さないでください。
資格と隣接経験を応募要件へ対応させる
積水ハウスの現行求人は、職種ごとに営業経験、建築実務、建築士・建築施工管理技士、宅地建物取引士、普通自動車免許など異なる条件を示しています。応募時は最新求人で確認し、資格名を実務上の判断へつなぐことが必要です。
| 応募職種 | 資格・経験を書く位置 | 案件へつなぐ内容 |
|---|---|---|
| 営業 | 資格欄と職務要約の補足 | 取引・資金・土地に関する説明や判断でどう使ったか |
| 設計 | 資格欄、担当範囲、主要案件 | 法規、設計審査、顧客提案、設計品質で何を判断したか |
| 施工管理 | 資格欄、現場責任、主要案件 | 安全・品質・工程のどの判断と是正に使ったか |
| マンション設計企画 | 資格欄、RC造経験、企画案件 | 用地・ボリューム・商品・外部設計の判断へどう使ったか |
異業界の営業経験を使う場合は、住宅営業を経験したように見せず、顧客発見、長期の関係構築、複数条件の提案、社内外の調整など持ち込める行動を示します。建築・住宅固有の知識や資格で不足があるなら、未経験の範囲と補う計画を分けてください。
弱くなりやすい表現を顧客・制約・判断へ直す
弱い表現は、職種名や物件の大きさは分かっても、本人の責任が読めません。具体化する対象は成果ではなく過程です。役割を大きく見せず、実際に扱った顧客・制約・判断を足します。
| 弱くなりやすい表現 | 分からないこと | 直す方向 |
|---|---|---|
| 顧客に寄り添った営業 | 何を聴き、提案をどう変えたか | 生活・土地・資金の制約と意思決定を書く |
| 設計業務を一貫して担当 | どの制約を判断したか | 要望、代替案、合意、成果物を分ける |
| 現場を円滑に管理 | リスクと是正内容 | 安全・品質・工程の問題と判断を書く |
| 大規模物件に従事 | 本人の責任範囲 | 事業・設計・施工のどこを決めたか示す |
| 高い調整力を発揮 | 対立条件と合意 | 誰と何を調整し、どの条件を変えたか書く |
| チームで目標を達成 | 個人の行動 | 組織の結果と本人の寄与を別文にする |
書き換えの共通形は、「[顧客・建物・事業]の[要望・課題]に対し、[制約]を整理。[代替案]を[判断基準]で比較し、[個人責任]として[関係者との合意・実行]を進め、[確認できる結果]を残した」です。角括弧は本人の記録で置換し、ない数字や責任を足さないでください。
面接で深掘りされる説明を先に準備する
積水ハウスの公式選考フローは、エントリー、書類・WEB適性検査、一次面接、二次面接、場合により三次面接、内定、入社手続きという順序です。個別の質問は公開されていないため、想像の質問集ではなく書類の根拠を準備します。
| 公式フロー | 職務経歴書の段階で準備すること |
|---|---|
| エントリー・書類 | 応募職種、主要案件、資格・経験要件との対応をそろえる |
| WEB適性検査 | 実施案内と受検条件を応募時の案内で確認する |
| 一次・二次面接 | 顧客・制約・個人責任・判断・結果を同じ事実で説明する |
| 場合により三次面接 | 選考段階を固定せず、最新の案内に従う |
| 内定・入社手続き | 条件や入社時期は正式な案内で確認する |
主要案件について、課題を判断した事実、自分で決めた範囲、採用しなかった案、顧客・設計・施工・外部先との合意、想定外への対応、結果の確認方法を説明できるか確認します。書類と面接で案件を入れ替えず、同じ案件の深さを変える方が一貫します。
成功だけに整えないことも大切です。顧客要望と制約が衝突した、施工方法を見直した、外部設計者へ差し戻したなど、判断が変わった場面を事実の範囲で説明できるようにします。
積水ハウス向けの職務経歴書を提出前に確認する
提出前の確認基準は、応募職種と職務要約・主要案件が同じ責任を示していることです。すべての数字・資格・役割を説明できるかを、次の順で見直してください。
- 営業・設計・施工管理・マンション設計企画から第一候補を選び、最新要件を再確認した
- 職務要約の最初の文が、顧客・建物・事業への責任を示している
- 主要案件の先頭が職務要約の主張を裏づけている
- 物件名、契約、図面、現場規模だけで終えず、制約と判断を書いた
- 会社・チーム成果と個人の行動を分けた
- 数字、期間、構造、用途、資格名は資料や証明書と一致している
- 外部設計者・施工会社の成果物を自分の成果として書いていない
- 機密情報を伏せても、案件の前提と責任を説明できる
- 志望理由と職務経歴書で、応募職種と貢献の方向が一致している
求人条件は職種や地域で変わります。本記事で確認した求人だけを基準にせず、提出直前に公式求人一覧を再確認し、職種名、勤務地、経験・資格条件が現在の応募先と一致するか確かめてください。
積水ハウスの職務経歴書に関するよくある質問
営業・設計・施工管理・マンション設計企画のどれを選ぶか迷う場合はどうする?
自分の主要案件を「顧客との意思決定」「制約下の設計判断」「工程・品質・安全の是正」「事業条件と商品・設計品質をつなぐ推進」に分け、最も強い事実が集まる職種を第一候補にします。職種名より責任の終点で選んでください。
異業界の営業経験は使える?
顧客発見、長期の関係構築、複数条件を扱う提案、社内外調整などは実績として使えます。ただし、住宅営業を経験したように言い換えず、建築・土地・資金など未経験の知識は補う対象として分けます。
資格はどこに書く?
資格欄に正式名称を記載し、主要案件では資格知識を使って判断した内容へつなぎます。取得した事実だけでなく、法規、取引説明、設計審査、安全・品質管理で何を判断したかを書いてください。
数値で示せる成果がない案件はどう書く?
架空の数値を足さず、顧客が案を比較できた、設計条件が合意された、是正後の施工条件を確認できたなど、確認可能な状態変化を書きます。誰が何で確かめたかも説明できるようにします。
面接前に主要案件の何を整理する?
公式フローを確認したうえで、職務経歴書の主要案件について、顧客・制約・個人責任・代替案・関係者との合意・結果を説明できるようにします。公開されていない質問を決めつけず、応募時の案内に従ってください。
自分で仕上げられる状態と見直したい状態を分ける
応募職種と主要案件が決まり、顧客・制約・個人判断・結果を説明できる人は、自分で仕上げやすい状態です。一方、職種を決めず物件実績を並べたい人は、文章を整える前に責任の終点を決めた方がよいでしょう。
| 自分で進めやすい状態 | 第三者と整理する価値がある状態 |
|---|---|
| 応募職種と核となる責任を一つに決めている | 営業・設計・施工管理・マンション設計企画のどれを先に見せるか決まらない |
| 主要案件で個人の判断を切り出せる | 物件やチーム全体の成果しか書けない |
| 資格を実務上の判断へつなげられる | 資格名だけで応募職種との接点を説明できない |
| 結果の確認方法と機密の範囲を説明できる | 抽象語や推測の成果で具体性を補っている |
完成の基準は、有名な物件や大きな数字を並べたことではありません。応募職種で何を再現する人かが冒頭で分かり、その根拠を本人の事実だけで説明できることです。積水ハウスの最新求人と照らし、責任の見えない実績を後ろへ移してから提出してください。

