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コンサル転職は割に合う?『年収は上がるが時給は下がる』をSEが見極める判断軸【2026年最新】

監修者

リメディ株式会社 ディレクター

馬越 雄司 | MAGOSHI Yuji

神戸大学を卒業後、阪急阪神ホールディングスに新卒入社。経理事業部に配属となり、グループ企業5社を担当。担当企業の決算業務や税務、IFRS改正対応業務に従事。
その後リクルートに転職しキャリアアドバイザーとして、候補者様に徹底的に向き合いながら、20代から50代まで様々な業界・職種の方のキャリア支援に従事。結果として、新人賞をはじめ、顧客価値貢献・チーム貢献に関する複数の賞を受賞。
現在はディレクターとして、M&A業界、戦略・総合コンサルティングファーム、メガベンチャー企業に特化した転職サポートを行い、業界トップクラスの支援実績を誇る。

目次

本記事のポイント

コンサルへの転職を考えると、提示される年収の数字に目が向きます。けれど転職してしばらく経った人から実際によく聞くのは、「年収は上がったのに、忙しくなった分を割り戻すと前職より得をしている実感が薄い」という戸惑いです。受託開発のSE、社内SE、インフラやクラウド、データ基盤、PMと、これまでの立ち位置は違っても、同じ引っかかりにたどり着く人は少なくありません。本記事は、SIer・社内SE・インフラ・データ・PM経験者を対象に、年収だけでなく時給という物差しでコンサル転職の収支を見直す視点を整理します。結論を先に言うと、転職直後に時給が一時的に下がる局面は起こりえますが、それは損ではなく市場価値という資産への投資として捉え直せる、というのが本記事の立場です。

まず手元の判断材料として、時給で見たときに何を確認すればよいかを一枚にまとめました。数字の出所は分けて示し、断定できる事実と、リメディの見解として扱う部分を区別しています。

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項目時給で見たときの結論
時給の見方年収 ÷ 年間労働時間で割り戻す。年収の数字だけでなく、増える労働時間も一緒に見る
転職直後に起こりうること年収は上がっても、慣れない仕事に時間がかかり、時給が一時的に下がる局面はある
下がった時給の捉え方(弊社見解)「割に合わない」ではなく、同じ時間で出せる価値が伸びていく投資期間と捉える
収支が好転しやすい条件役職が上がる、または少人数で大きな意思決定に関わる役割に立てたとき
判断のタイミング応募前。提示年収だけでなく、想定労働時間と数年スパンの伸びをあわせて見る段階
出所:厚生労働省 job tag、各社有価証券報告書、IPA デジタルスキル標準と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。捉え方・条件は弊社の見解であり収支を保証するものではない
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「年収は上がるのに時給は下がる」はなぜ起きるのか

「年収が上がる」と「時給が上がる」は、同じことではありません。時給は年収を労働時間で割った数字なので、年収の伸び以上に労働時間が増えれば、手取りの時間効率はむしろ落ちることもある。これがコンサル転職で起こりうる、最初のつまずきです。

公的な数字でこの構造を見ておきましょう。厚生労働省のjob tagによると、コンサルの近接職種である経営コンサルタントは、月間の所定労働時間が162時間、時間給は一般労働者で5,497円、平均年収は全国で1,134.6万円とされています(令和7年賃金構造基本統計調査ベース、平均年齢39.4歳)。年収だけ見ると高い水準ですが、これはあくまで全国の経営コンサルタント全体の参考値であり、特定のファームや役職の実額ではありません。なお、IT特化のITコンサルタントに絞ると公的な参考平均は約889万円(job tag)とこれより低めで、同じ「コンサル」でも対象とする職種区分によって平均値は変わります。給与体系は固定給に実績給が加わる形が一般的で、個人差が大きいとも説明されています。

一方、転職元であるSIerの平均年収も、けっして低くはありません。各社の有価証券報告書に開示された数字を2025年3月期で見ると、野村総合研究所は1,322万円、日立製作所961万円、富士通929万円、NTTデータグループ923万円(持株会社単体)、TIS807万円、SCSK788万円といった水準です。つまり、SEの年収が低いからコンサルが高い、という単純な話ではない。年収が近い場合もあれば、人によっては転職直後にいったん横ばい、あるいは下がることもあります。そのうえで労働時間が増えれば、時給という物差しでは前職を下回る局面が出てくる。これが「年収は上がるのに時給は下がる」の正体です。

大事なのは、これをSEの仕事の価値が低いという話にしないことです。SIerが磨いてきた品質管理や大規模プロジェクトの遂行力は、社会の基幹システムを止めずに支える、簡単には置き換えられない力です。時給の差が生まれるのは能力の差ではなく、後述するように事業モデルによる値付けの仕組みの違いが大きい。まずは、年収という一点ではなく、労働時間も含めた収支で見る、という視点だけを持っておいてください。

時給で収支を見るフレーム ― 自分の数字を当てはめる

時給で収支を見るといっても、難しい計算はいりません。時給 = 年収 ÷ 年間労働時間。この一本の式に、自分の数字を当てはめるだけです。年間労働時間は、月のおおよその労働時間に12を掛ければ概算できます。提示された年収や、いま見えている残業の見込みを使って、転職前と転職後をそれぞれ割り戻してみる。これだけで、年収の数字に隠れていた時間あたりの収支が見えてきます。

当てはめるときは、前提を分けて考えるのが大切です。次の手順表で、見落としやすい点を確認してください。

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ステップ当てはめる数字注意点
1. 分子=年収を置く現職の年収と、転職先の提示年収(賞与・実績給込みの見込み)コンサルは固定給+実績給で個人差が大きい。提示額はで捉える
2. 分母=年間労働時間を置く月の労働時間(残業含む)× 12 でおおよそ所定労働時間と実労働は別。案件・ファーム・繁忙期で上下する
3. 割り戻す年収 ÷ 年間労働時間 を、前職と転職後で比べる転職直後と数年後で分けて試算する。直後だけで判断しない
4. 統計の目安と照らす公的な参考値(経営コンサルの時間給5,497円など)と並べてみる統計は全体の平均。自分の役職・領域とはズレる前提で見る
出所:厚生労働省 job tag、各社有価証券報告書と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。具体額は読者自身の数字に置き換える前提

たとえば、年収を据え置きで考え、労働時間だけが月20時間増えたと仮定すると、年間では240時間ほど増える計算になります。年収が同じまま分母だけ増えれば、時給は当然下がる。逆に、年収が一定割合伸びても、それ以上に労働時間が伸びれば、やはり時給は下がりえます。ここで具体的な金額を断定しないのは、年収も労働時間も人と案件で大きく振れるからです。だからこそ、平均の数字を眺めるより、自分の数字で割り戻すほうが、収支の実感に近づきます。具体的な年収レンジや残業の実態は、本記事末尾で案内するハブ記事で確認してください。

このフレームでとくに見落とされやすいのが、分母である労働時間の数え方です。残業の見込みだけでなく、立ち上げ期に増えがちな自己研鑽や持ち帰りの時間も、実態としては分母に効いてきます。慣れない論点設計や資料作成に追われる時期は、表に出る残業時間より実際の稼働が長くなりがちです。逆に、習熟が進めばこの分母は縮みます。だから時給を試算するときは、転職直後の重い時期と、立ち上げを抜けた後の二つの場面で分けて置いてみるのが現実的です。一つの数字で固定せず、時間とともに動く前提で見ると、収支の見通しがぐっと立てやすくなります。

分子の年収も、提示された額面をそのまま使うと実態とずれることがあります。コンサルの報酬は固定給に実績給が加わる形が多く、賞与や実績給は成果次第で動くため、最初の一年とその後で分子が変わりうるからです。厚生労働省の職業情報でも、経営コンサルタントの給与は固定給に実績給が加算される形で個人差が大きいと説明されています。分子も分母も、一点ではなく幅で捉える。この一手間が、年収の数字だけに引っぱられない判断につながります。

同じスキルでも時給が変わる理由 ―「値付け」の構造

では、なぜ同じくらいの実力でも、置かれる場所によって時間あたりの報酬が変わるのか。鍵は事業モデルによる値付けの違いにあります。これはSEの能力の話ではなく、ビジネスの仕組みの話です。

SIerの多くは、人月、つまり投入する人数と期間に基づいて開発の対価を受け取る事業モデルが中心です。これは社会のシステムを安定して動かすうえで合理的な仕組みで、丁寧に時間をかけて品質を作り込む力が評価されます。一方コンサルは、課題解決の成果や、少人数で大きな意思決定に影響を与えるレバレッジに対して値付けする比重が大きい。同じ要件定義や設計のスキルでも、どの事業モデルの中で発揮するかで、時間あたりに付く値段の天井が変わるのです。

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観点人月で値付けする事業モデル(SIer的)成果・レバレッジで値付けする事業モデル(コンサル的)
報酬の付き方投入した人数 × 期間。時間が対価に直結する解決した課題の成果や、意思決定への影響度に対して付く
時給の天井稼働時間に上限があるため、時間あたりの伸びには限界が出やすい少人数で大きな影響を出せれば、時間あたりの価値が伸びやすい
評価される力品質を作り込む力、大規模を安定して回す遂行力課題を定義し、関係者を動かし、成果まで牽引する力
転職直後の時給新しい働き方に慣れるまで、いったん下がる局面が出やすい
出所:各社事業モデルの一般的な説明、IPA デジタルスキル標準と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。値付けの差は事業モデルの違いであり、職種の優劣ではない

この対比で強調したいのは、人月モデルが劣っているという話では決してないことです。基幹システムを止めないために時間をかけて品質を守る仕事には、人月で値付けすることの合理性があります。SEが磨いた力は、コンサルに移ってもそのまま差別化の武器になります。時給を上げたいなら、自分のスキルを否定するのではなく、より高く値付けされる事業モデルの中に置き直す、という発想が出発点になります。値付けの構造は、SEからITコンサルへの移行を扱った記事でも整理しているので、あわせて確認してみてください。

同じ「SEからコンサルへ」でも、これまでどの立ち位置にいたかで、時給の動き方は少しずつ変わります。次の早見表は、SEのタイプごとに、転職直後に時給が下がりやすいか、その後どこで反転しやすいかの当たりをつけるためのものです。可能性の表記は、これまでの役割と転職後の働き方の距離から見たリメディの見解であり、収支を保証するものではありません。

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SEのタイプ直後に時給が下がる度合い(弊社見解)反転の起点になりやすいもの
要件定義・PM経験のあるSE小さめ。論点整理や合意形成の経験が活き、立ち上げが速い論点設計の経験をそのまま牽引役へ伸ばせると、早めに反転しやすい
社内SE(業務知識が厚い)中。社外との合意づくりや定量説明に慣れる時間が要る業務理解を事業課題の言葉に翻訳できると、価値が伸びやすい
受託開発SE(実装が中心)やや大きめ。課題定義や資料化の習熟に時間がかかりやすい担当範囲を論点設計へ広げるほど、立ち上げコストが抜けていく
インフラ・クラウド寄りSE中。基盤の判断を事業の言葉に置き換える練習が要る基盤選定を事業継続・コストの判断として語れると差がつく
データ寄りSE中。分析を意思決定の材料へ整える経験を積む時間が要るデータ活用が経営判断にどう効いたかを示せると価値が伸びる
出所:厚生労働省 job tag、IPA デジタルスキル標準と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。下がる度合い・反転の起点は弊社見解で収支を保証しない

この表で見てほしいのは、スタート地点が違っても、反転の起点はどれも似ているという点です。論点設計や牽引の側へ役割を広げられるかどうかが、時給が投資として回収されるかを分けます。すでに要件定義やPMで上流に近い経験を積んできた人ほど立ち上げが速く、実装中心だった人は立ち上げにやや時間がかかる傾向はありますが、それは才能の差ではなく経験の置きどころの違いです。自分がどのタイプに近いかをまず把握しておくと、転職直後の収支の見通しが立てやすくなります。

転職直後に時給が下がりやすい局面と、その正体

時給が一時的に下がるとしたら、それは多くの場合、転職直後に集中します。年収は契約どおり上がっているのに、慣れない仕事に時間がかかって労働時間が膨らむ。この時期の収支を「割に合わない」と早合点すると、判断を誤りやすい。まずは、何に時間がかかっているのかを習熟のコストとして切り分けてみましょう。

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時間がかかる場面その正体時間とともにどう変わるか
論点の設計に悩む「何を解くか」を自分で定義する経験が、前職では少なかった型が身につくと、初動の迷いが減って速くなる
資料化に時間がかかる意思決定者に伝わる形に整える作法に慣れていないテンプレと観点が蓄積し、作成時間が短くなる
クライアントワークに気を使う社外の相手と合意を作る進め方が初めて関係づくりのコツが分かり、手戻りが減る
情報のキャッチアップ担当業界・テーマの前提知識をゼロから入れる領域の引き出しが増え、調べる時間が圧縮される
出所:厚生労働省 job tag(経営コンサルタントのタスク)、IPA デジタルスキル標準と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。習熟の速さは個人差がある

こうして並べると、転職直後の時間の多くは「成果が出ていない」のではなく、「これから速くなるための立ち上げ」に使われていると分かります。経営コンサルタントの給与体系が固定給に実績給を加える形で、フレックスを採用する例が多いのも、成果が立ち上がるまでに時間の使い方が変わる仕事だからとも読めるでしょう。もちろん、立ち上がりの負荷には個人差がありますし、案件やファームによって繁忙の度合いも違う。だからこそ、応募前に配属が想定される領域の働き方を確認しておくことが、収支の見通しを立てるうえで効いてくるのです。

時給が回復・上昇するタイミングと狙う役割

下がった時給は、どこで反転するのか。ここは断定できる事実ではなく、リメディが転職支援で見てきた傾向としての見解になりますが、回復の方向には二つの軸があります。一つは役職の階段を上がること、もう一つは時間あたりの価値が高い役割に立つことです。

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回復・上昇の軸起きていること時給への効き方(弊社見解)
役職が上がるアナリストからコンサルタント、マネージャーへと段階的に等級が上がる等級ごとに報酬レンジが上がり、成果・実績給の比重も増える
習熟で労働時間が減る立ち上げのコストが消え、同じ成果をより短い時間で出せるようになる分母(労働時間)が縮むことで、同じ年収でも時給が上がる
レバレッジ側に立つ少人数で大きな意思決定に関わる役割を担う時間あたりに付く価値の天井が上がる
出所:IPA デジタルスキル標準(ビジネスアーキテクトの役割)、コンサルの一般的な等級構造と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。時給の回復・上昇は役割や本人の習熟による

三つ目の「レバレッジ側に立つ」を、もう少し言葉にしておきます。IPAのデジタルスキル標準では、コンサルに近い役割であるビジネスアーキテクトを、目的を定義し、業務プロセスを設計し、関係者を調整しながらプロセス全体を牽引して成果を出す役割と定義しています。これは、少人数で全体を動かす働き方です。同じ時間を使っても、作業を一つ片づける働き方より、全体の意思決定を前に進める働き方のほうが、生み出す価値は大きくなりやすい。だからこそ、コンサルに移っても作業代行的なポジションに留まると時給は伸びにくく、論点設計や牽引の側に役割を寄せていけるかが分かれ目になります。役職別の年収レンジは、本記事末尾で案内するコンサル業界の年収の記事で具体的に確認できるでしょう。自分の経験がいまどの役割で値付けされうるかは、実際の求人と照らすと感覚をつかみやすくなるはずです。

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時給を「投資」として見るときの判断軸

転職直後に時給が下がる時期を、リメディは「市場価値という資産への投資期間」として捉えることをおすすめしています。投資という言葉を使うのは、いま下がった分が将来の伸びの原資になりうるからです。ただし、投資には必ず回収の条件があります。「我慢すれば必ず報われる」という保証ではありません。回収できるかどうかを、感覚ではなく次の判断軸で見ておくと、納得して動けます。

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判断軸確認したいこと投資が回収されやすいサイン
役割の方向論点設計や牽引の側へ役割が広がっていく見込みがあるか作業代行で固定されず、課題定義に関われている
習熟の手応え立ち上げの時間が、月を追うごとに短くなっているか同じ作業がはっきり速くなってきた実感がある
期間の見立て下がった時給を、どのくらいのスパンで見るか数年単位の伸びで見て、回復の道筋が描ける
市場価値の伸び身につく経験が、社外でも通用する形になっているか他社・他領域でも語れる実績が積み上がっている
出所:弊社の転職支援の観点から弊社独自作成。判断の目安であり、収支の回復を保証するものではない

この判断軸が大事なのは、投資が回収されない働き方もあるからです。たとえば、コンサルに移っても作業の代行ばかりで、課題を自分で定義する経験が積めないままだと、時間は使うのに市場価値は伸びにくい。それでは時給が下がったまま固定されてしまいます。逆に、立ち上げの負荷を抜けて論点設計や牽引の側に役割が育っていけば、下がった時給は資産の伸びとして返ってくる。投資として見るというのは、ただ前向きに考えることではなく、回収の条件が満たされているかを点検し続けることです。身につけた技術をどう価値に翻訳していくかは、スキル翻訳をテーマにした記事でも具体的に扱っています。

時給の落とし穴 ― 数字だけで判断しないために

ここまで時給という物差しを勧めてきましたが、最後に、時給だけで転職の是非を決めないでほしい、という話をしておきます。時給は分かりやすい指標ですが、人生の収支のすべてを表すわけではないからです。

まず、統計の数字は全体の平均であって、自分の未来そのものではありません。経営コンサルタントの公的な時間給や年収も、全国の平均像であり、特定の領域・役職・本人の経験とはズレます。次に、収支には金額に表れない要素があります。健康や家庭の時間、学べる経験の質、数年後に選べる選択肢の広さ。これらは時給の数字には入りません。立ち上げ期に労働時間が膨らむなら、自分の生活がそれを許容できるかも一緒に見る必要があります。そして、SEとして培ったITの専門性は転職後も維持されるため、合わないと感じれば事業会社のIT企画などへ戻る道も残りやすい。時給は判断材料の一つとして使い、最終的には複数の物差しで決める。これが、後悔の少ない選び方だとリメディは考えています。

言い換えると、時給は「年収という一点だけでは見えない収支を、いったん立ち止まって確かめるための道具」です。提示された年収に心が動くのは自然なことですが、その数字を労働時間で割り戻し、数年スパンで伸びを見て、金額に表れない価値も並べる。そうやって複数の角度から眺めたうえでなお前に進みたいと思えるなら、その転職は納得して選んだ一歩になります。時給という物差しは、不安を煽るためではなく、こうして冷静に意思決定するために使うものだと考えてください。

コンサル転職の収支でよくある疑問

時給で収支を見る話をすると、決まって出てくる疑問があります。ここでは事実ベースで答えられる範囲を整理しました。数値の断定は避け、年収や残業の実態は自社の解説記事もあわせて確認できるようにしました。

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疑問事実ベースの考え方
結局、年収は上がるの?役職・ファーム・成果による。一律ではない。SIerの平均年収も有報で見ると高い水準で、近い場合も横ばいの場合もある。実数は年収解説記事で見比べられる
時給で見たら割に合わないのでは?転職直後は労働時間が増えて下がる局面がある。ただし習熟で分母が縮み、役職が上がれば分子が伸びる。直後だけで結論を出さず、数年スパンで見るのが現実的
激務だと時給は下がる一方?案件・ファームで差が大きい。つらさは時間より「答えのない問いに向き合う負荷」とも言われる。働き方の実態は残業解説記事で確認し、面接で配属領域の繁忙を確認するのが現実的
下がった時給は何年で戻る?断定はできない。役割が論点設計・牽引側へ育つか、習熟で立ち上げコストが抜けるかで変わる。回収の条件を点検しながら見る
合わなかったら戻れる?ITの専門性は維持されるため、事業会社の情シス・IT企画などへ戻る選択肢は残りやすい
出所:厚生労働省 job tag、各社有価証券報告書、自社解説記事と弊社の転職支援の観点から弊社独自作成

年収の具体的なレンジはコンサル業界の年収で、働き方や労働時間の実態はコンサル業界の残業で確認できます。時給は、分子と分母の両方を実態で確かめてこそ意味を持つ指標です。逆に言えば、片方だけ見て出した結論は、当てにならないことが多いのです。

時給で収支を見たうえで相談すべきこと

最後に、応募前に確認したい3点を整理します。第一に、現職と転職先を時給で割り戻して比べたか。年収だけでなく、想定される労働時間まで含めて見たか。第二に、下がりうる時給を投資として見たとき、回収の条件(役割の方向・習熟・期間)が描けているか。第三に、時給以外の物差し(健康・家庭・経験の質・戻れる選択肢)も並べたうえで納得できるか。この3点が定まれば、提示年収の数字に振り回されず、収支を冷静に判断できるはずです。

リメディは、戦略・ITコンサルへの転職支援に取り組む転職エージェントで、年収1,000万円以上の方が利用したいと思う転職エージェントとして評価をいただいています。受託SE・社内SE・インフラ・データ・PMといった経験から、ITコンサルを目指す方に対して、提示条件を時給で割り戻す見方、狙う役割と数年スパンでの収支の見通し、立ち上げ期の負荷の現実的な確認まで含めて、応募前の収支の見極めを支援しています。年収の数字だけでは判断しきれないと感じている方は、応募前の段階で相談すると、時給という物差しを使いながら準備を進めやすくなります。まずは収支の前提を知りたい場合はコンサル業界の年収コンサル業界の残業を、移行ルートを知りたい場合はSEからITコンサルへの移行ルートもあわせてご覧ください。

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本記事はコンサル転職の収支を時給で見る視点を整理したものです。年収の実数や働き方、移行ルートをさらに深掘りしたい場合は、次の記事もあわせて確認してください。

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