
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
島田 龍太 | SHIMADA Ryuta
青山学院大学を卒業後、住友商事グループに新卒入社。人工衛星搭載用システムを商材としたロシア・中国向けのトレーディング業務に従事。また、投資部門にて官公庁やコンサルと共同したスマートシティ構想プロジェクトのPMを担い、大学や工場へのDX化の推進を行う。その後、ヘッドハンターファームであるアサインに創業間もなくして参画し、マーケティング部門の立ち上げ及び取締役直下の組織にてハイクラス層のキャリア支援を担う。リメディには、ヘッドハンティングを機に入社を決意し、シニアコンサルタントとしてM&Aアドバイザリーファーム、戦略・総合コンサルティングファーム等の役員層とのコネクションを強みとした転職サポートに従事。これまで2,000名以上の転職支援に携わり、20代からエグゼクティブ層まで幅広い支援を経験し業界トップクラスの実績を誇る。
ブティックス向けの職務経歴書では、最初に応募事業を一つ決めます。同社が現行の公式情報で示す展示会事業とM&A仲介事業は、いずれも企業同士をつなぐ場面がありますが、顧客、案件工程、成果の完了条件は別です。
ブティックスの公式事業情報と現行のキャリア募集を基準に、展示会とM&Aを混同せず職務経歴書を書く方法を解説します。社内の非公開評価基準は推測せず、本人が説明できる案件事実へ絞ります。
ブティックス向けの職務経歴書は最初に応募事業を固定する
展示会事業は、出展企業と来場企業に商談の場を提供する仕事です。M&A仲介事業は、売手と買手の間で譲渡工程を進めます。「営業」「マッチング」という共通語だけでは、どちらの仕事に対応する経験か分かりません。
| 応募事業 | 主な相手 | 案件の完了条件 | 職務経歴書で中心となる経験 |
|---|---|---|---|
| 展示会 | 出展企業、来場企業、協力会社 | 商談機会を設計し、展示会を開催する | 企画、出展営業、集客、商談化、運営 |
| M&A仲介 | 売手、買手、専門家 | 条件合意を経て譲渡を完了する | 開拓、契約、評価、探索、面談、DD、交渉 |
職務要約の冒頭に応募事業と職種を書き、その仕事に最も近い主案件を置きます。複数事業に関心があっても、一つの書類で「どの事業でも活躍できる」と広げない方が、経験の担当範囲は明確です。
展示会事業は出展社・来場者・運営を分けて書く
展示会事業の公式キャリア募集には、展示会企画営業、インサイドセールス、来場者プロモーション、展示会運営事務が掲載されています。展示会経験を一括して「イベントを成功させた」と書かず、出展社、来場者、開催運営のどこを担当したかを分けてください。
| 職種 | 公式募集の仕事 | 案件欄で示す判断 | 成果の単位 |
|---|---|---|---|
| 展示会企画営業 | 企画、マーケティング、出展社募集、来場者集客、新規事業 | 展示テーマ、出展価値、営業条件、集客との接続 | 出展、来場、商談機会、継続、開催 |
| インサイドセールス | 登録事業者の課題把握、サプライヤー紹介、商談マッチング | 対象選定、ヒアリング、紹介理由、引き継ぎ | 接点、課題把握、紹介、商談化 |
| 来場者プロモーション | 顧客データ、分析、集客コンテンツ、配信、Web運用 | 対象者、チャネル、内容、反応、次の改善 | 配信反応、来場行動、運用品質 |
| 展示会運営事務 | 出展社対応、請求、校正、パートナーとのデータ連携 | 締切、正確性、例外対応、関係者調整 | 準備完了、問い合わせ解消、開催品質 |
企画営業へ応募する場合、出展契約だけでなく、展示テーマや来場者像とのつながりを書きます。来場者プロモーションなら、配信数ではなく、どの対象者を抽出し、何を変え、来場や商談へどう接続したかを中心にします。
展示会の案件は開催前・当日・開催後をつなぐ
公式の仕事紹介は、展示会が売り手と買い手の商談・取引の場であると説明しています。職務経歴書では、開催前の企画・営業・集客、当日の運営、開催後の反応・継続提案のうち、自分が担った範囲を時系列で書いてください。
M&A仲介は売手開拓から譲渡完了までをつなぐ
M&A事業の公式募集は、M&Aコンサルタントの仕事として、売手案件の開拓、契約、簡易企業価値評価、買手探索・提案、トップ面談、デューデリジェンスや契約の助言、提携先開拓を挙げています。
| 工程 | 職務経歴書へ書く内容 | 担当範囲の境界 |
|---|---|---|
| 売手開拓・契約 | 対象選定、経営課題、面談、案件化の条件 | 自ら開拓したか、紹介を受けたか |
| 簡易評価・資料 | 情報収集、前提、論点、売手との確認 | 作成・レビュー・最終判断の分担 |
| 買手探索・提案 | 候補仮説、適合理由、提案への反応 | 探索と交渉の担当を分ける |
| 面談・DD・契約 | 双方の条件、専門家連携、残論点、完了 | 自分の助言と専門家判断を分ける |
前職が法人営業や金融営業の場合は、売上だけでなく、経営者の課題把握、長い営業工程、意思決定者との交渉、財務・契約の専門担当との連携へつなげます。M&A経験がないのに、評価やDDを担当したように広げてはいけません。
M&Aの営業支援・マーケティングは成約と分ける
公式募集には、資料・顧客対応・データを扱う営業サポートと、広告、検索施策、ランディングページ、コンテンツ、DM配信、顧客データ管理・集計を扱う企画・マーケティングもあります。マーケティング職なら、問い合わせの獲得だけでなく、案件候補としての質と改善を示します。コンサルタントの成約全体を自分の成果にしません。
同じ営業経験でも成果指標を事業別に変える
2事業には、新規開拓、ヒアリング、提案、関係者調整といった共通行動があります。しかし、成果は別です。共通する行動と、事業固有の完了条件を分けると、経験を無理なく転用できます。
| 共通行動 | 展示会 | M&A仲介 |
|---|---|---|
| 対象選定 | 出展候補・来場候補 | 売手候補・買手候補 |
| ヒアリング | 販促・商談上の課題 | 承継・成長・買収上の課題 |
| 提案 | 出展・来場・商談機会 | 仲介契約・候補・条件 |
| 完了 | 開催・商談・継続 | 条件合意・譲渡完了 |
「新規開拓で成果を出した」と書く場合は、対象選定の方法、最初の課題仮説、面談へ進んだ条件、完了までの役割を応募事業に合わせます。自分の実績として確認できない数字は使わず、他事業の用語へ置き換えないでください。
前職別に最初の案件を選ぶ
| 前職 | 応募事業 | 最初に置く案件 | 補助に回す情報 |
|---|---|---|---|
| イベント・広告営業 | 展示会 | 企画、出展営業、集客、開催運営をつないだ案件 | イベント名だけの実績 |
| 金融・法人営業 | M&A | 経営者課題、案件工程、条件交渉が分かる案件 | 商品販売だけの実績 |
| デジタルマーケティング | 展示会またはM&Aマーケティング | 対象者、流入、問い合わせ・来場後の質まで追った案件 | 広告指標だけの実績 |
同じデジタルマーケティングでも、展示会なら来場と商談機会、M&Aなら案件候補への接続が成果です。応募事業の最終成果まで自分が担当していない場合は、引き渡した地点を明記してください。
2事業を混ぜる弱い自己PRを直す
Before / After
| Before | Afterの構造 |
|---|---|
| マッチングビジネスで高い営業成果を出した | 応募事業→誰と誰をつなぐ仕事か→課題→担当工程→自分の判断→本人の確定実績 |
| 幅広い顧客へ寄り添い、信頼関係を構築した | 対象顧客→聞き出した課題→提案条件→相手の意思決定→次工程への変化 |
| 企画から実行まで一貫して担当した | 企画前の課題→比較した案→関係者→自分の担当→開催・譲渡のどこまで進んだか |
数値の置き場所
展示会の出展・来場と、M&Aの案件化・完了は別の数字です。数値を出せる場合は、何の母数に対するどの結果かを明記します。チーム実績と個人実績も分け、確認できない値は推定しません。
職務要約と案件欄を応募事業に合わせる
職務要約では、応募事業、職種、相手、主な責任を一文で示します。案件欄では、その主張を課題、判断、関係者、実行、結果の順で証明します。スキル欄には案件で使った方法だけを残します。
- 展示会:出展社営業、来場者集客、開催運営のどこが主責任か
- M&A:売手開拓、評価、買手探索、面談・交渉、完了のどこが主責任か
職務要約で応募事業を固定できない場合は、主案件の選択がまだ終わっていません。事業別の完了条件へ最も近い案件を選び直してください。
事業別に書類と面接の説明をそろえる
選考に備える際は、公開されていない質問を予測するより、職務経歴書と面接で応募事業、顧客、案件工程をそろえます。展示会応募なのにM&Aの成約を想定した用語を使うなど、事業間の混同を残さないでください。
| 応募事業 | 説明をそろえる主案件 | 深掘り前に整理する点 |
|---|---|---|
| 展示会 | 出展・来場・開催のいずれかを前進させた案件 | 誰にどんな商談価値を作ったか |
| M&A | 経営者の重要判断を長い工程で支えた案件 | 自分と専門家・上司の担当境界 |
チーム成果はチーム全体と自分の担当を分けます。案件が完了していない場合は到達点を明記し、応募事業に合わせて事実を広げないことが重要です。
ブティックスの職務経歴書に関するよくある質問
2事業の両方に関心がある場合、どう書きますか?
応募書類ごとに事業と職種を一つ固定し、主案件を変えます。2事業に共通する営業力だけでまとめると、顧客と完了条件が曖昧になります。
M&A未経験でも何を書けますか?
経営者との課題整理、長い営業工程、意思決定者との交渉、専門部署との連携を示せる案件を選びます。企業価値評価やDDを経験したようには書かないでください。
展示会経験がなくても展示会事業へ接続できますか?
法人営業なら出展価値の提案、マーケティングなら来場者の集客、イベント運営なら開催準備と関係者調整など、現行募集の担当工程へ近い経験を選びます。
成果を数値で出せない場合はどうしますか?
対象顧客、担当工程、変更した提案・運用、関係者、到達点を事実で示します。展示会とM&Aの数字を相互に置き換えず、確認できない値は使いません。

