事業会社のDX推進やシステム導入の経験を生かそうと求人を探すと、同じ「DXコンサルタント」でも中身はかなり違います。4社7件の募集要項を担当工程で並べると、3タイプに分かれます。構想・戦略寄り、IT導入・PMO寄り、業務改革・オペレーション寄りの3つです。
どれに当たるかは、仕事内容に並ぶ動詞と、必須要件が「いずれか1つ」なのか「すべて」なのかで見分けられます。本記事は、事業会社のDX推進担当、システム導入に関わってきたSE、業務改善やRPAの経験者を対象に、求人票の読み方と応募先の選び方を説明します。
東京大学を卒業後、株式会社クニエに入社。ヘルスケアチームにて、医療機関向けの業務改革およびDX支援に従事。製薬企業と医療機関の治験リクルートメント領域における新規サービス立ち上げプロジェクトでは、病院現場の業務プロセス整理やシステム要件の検証を担当。また、医療機関を対象とした医療DX推進プロジェクトに参画し、診療記録や問診票・同意書などの電子化を通じて、業務効率化と情報共有基盤の整備を支援。現在はこれまでのバックグラウンドを活かし、プロフェッショナルファームに在籍する / 志望する方向けの転職支援を行う。
本記事のポイント
| 求人のタイプ | 担当の重心 | 求人票で目立つ言葉 | 合いやすい経験 | 応募前の注意 |
|---|---|---|---|---|
| 構想・戦略寄り | DX戦略や変革構想の策定、推進組織づくり | 構想策定、グランドデザイン、ロードマップ、DX専門組織 | 経営企画・新規事業・DX推進の企画、コンサル経験 | 業務改革の実務やチームを率いた経験まで求める求人がある |
| IT導入・PMO寄り | パッケージやSaaSの導入、PM、モダナイゼーション | プロジェクトマネジメント、要件定義、ベンダー選定、アーキテクチャ | SIや社内SEでのPM、導入プロジェクトのリーダー | コンサルティング案件をリードした経験を必須にする求人がある |
| 業務改革・オペレーション寄り | 業務プロセスの再設計、自動化、BPO | BPR、RPA、AI-OCR、プロセスマイニング、シェアードサービス | 業務改善、RPAやAIの導入、BPR | 立ち上げ期の組織では担当範囲が広くなる |
表の3タイプは、会社ごとの区分ではありません。同じ会社でも部署や募集職種によって重心が変わるため、求人1件ずつ確かめる必要があります。
DXコンサルの求人は担当工程で3タイプに分かれる
「DXコンサルタント」という職名は同じでも、入社後に担う工程は求人によって異なります。下の表は、確認した7件の募集要項を担当の重心と必須要件の書き方で並べたものです。
| 会社 | 募集職種 | 担当の重心 | 必須要件の書き方 |
|---|---|---|---|
| Ridgelinez | デジタルビジネスコンサルタント | 構想・戦略寄り(AI・データ基盤の構想から定着まで) | 3項目のうち1つ(コンサル経験、PMやSEとしての顧客折衝、SEの企画・構想フェーズ) |
| Ridgelinez | テクノロジーコンサルタント | IT導入・PMO寄り(IT戦略、IT部門変革、モダナイゼーション) | コンサルティング案件のリード経験に加え、SIのPMなど5項目から1項目以上 |
| 電通デジタル | DX戦略コンサルタント | 構想・戦略寄り(マーケティング・セールスなど顧客接点のDX) | 4項目のうち2つ以上(戦略・企画の実務3年以上、MA・CRM等の導入、PM・PMO、構想力) |
| KPMGコンサルティング | DXコンサルタント | 構想・戦略寄り(DX戦略、施策実行、組織・人材変革) | クライアントサービス経験、業務改革などの実務2年以上、3名以上をチームリーダーとして指揮した経験 |
| KPMGコンサルティング | 調達DXコンサルタント | IT導入・PMO寄り(調達・購買ソリューションの導入) | コンサル経験、またはSIベンダー・事業会社での実務5〜7年以上に加え、BPRと導入のリーダー経験など |
| アビームコンサルティング | コンサルタント(ABeamインテリジェントセンター) | 業務改革・オペレーション寄り(バック・ミドル業務、BPO) | 社会人経験2年以上に加え、AI導入、RPA等の導入、SEとしての開発、BPRのいずれか |
| アビームコンサルティング | ビジネス&テクノロジーコンサルタント(金融DX) | IT導入・PMO寄り(金融機関のシステム導入、データ基盤、ITガバナンス) | 金融業界向けのシステム導入やPM、またはコンサルでの金融向け案件のいずれか |
構想・戦略寄り:変革の方針と推進組織づくりから入る
KPMGコンサルティングのDXコンサルタントは、同社のDX推進方法論を軸に、DX戦略の立案、DX専門組織の組成、施策の優先順位づけまでを担います。電通デジタルのDX戦略コンサルタントも、顧客接点の構想策定や中長期ロードマップの作成から入る求人です。
このタイプは「何を変えるか」を決める工程が中心です。ただし、確認した3件はいずれも、構想だけでなく実行や定着の支援まで仕事内容に含めていました。
IT導入・PMO寄り:パッケージ導入やモダナイゼーションを回す
KPMGコンサルティングの調達DXコンサルタントは、CoupaやSAP Aribaといった調達・購買ソリューションの導入を、構想策定から定着支援までプロジェクトマネージャーとして率いる役割です。Ridgelinezのテクノロジーコンサルタントは、IT部門のアジャイル化やレガシー刷新など、システムと組織の両面を扱う求人です。
このタイプで問われるのは導入を最後まで回した経験です。必須要件には、要件定義、ベンダー選定、大規模プロジェクトの管理といった言葉が並びます。
業務改革・オペレーション寄り:自動化やBPOで業務を作り替える
アビームコンサルティングのABeamインテリジェントセンターは、クライアントのバック・ミドル業務について、組織・システム・業務の変革を構想から導入まで支援します。シェアードサービスセンターの変革や、AIエージェントのマネージドサービスも仕事内容の一部です。
RPA、AI-OCR、プロセスマイニングといった道具の名前が出てくるのがこのタイプの特徴です。業務の現場に近い経験を生かしやすい求人といえます。
情報処理推進機構(IPA)のDX推進スキル標準は、変革の目的を定め、ビジネスモデルと業務プロセスを設計して関係者を動かす役割を「ビジネスアーキテクト」と定義しています。3タイプは、この役割のうちどの部分を受け持つかで分かれる、と考えると分かりやすいでしょう。ただし、これはDX推進人材の類型であり、コンサル職の定義ではありません。
ここはリメディの見解ですが、上の比較表のように重心が分かれる以上、自分が主に担った工程と求人の重心をそろえてから応募先を選ぶと、書類で前に出す経験を絞りやすくなります。構想を作った経験と導入を回した経験の両方がある人ほど、どちらを主に書くかで応募先が変わります。
3タイプのどれに当たるかを決めるのは、職名より自分が担った工程です。要件の文言と照らしても判断がつかない場合は、経歴を伝えたうえで、候補になりやすい求人のタイプを面談で確かめられます。
求人票のどこを読めばタイプが分かるか
求人のタイプを見分ける手がかりは、仕事内容の動詞、必須要件の書き方、業界や業務領域の限定、給与欄の4か所です。
仕事内容の動詞と工程の範囲
仕事内容に「立案」「策定」「組成」が多ければ構想寄り、「導入」「推進管理」「移行」が多ければ導入寄りです。「定着」まで書かれているかも見ておきましょう。Ridgelinezのデジタルビジネスコンサルタントは、データ・システム基盤の構想から定着まで一貫して関わると明記しています。
プロジェクト例の欄も手がかりになります。アビームコンサルティングの金融DXの求人は、DX化のグランドデザインから、データ基盤の導入、パッケージ選定支援まで幅広い例を挙げています。例が広い求人ほど、配属先で工程が変わると読んでおくと安全です。
必須要件の書き方(いずれか・2つ以上・すべて)
必須要件の並べ方は、大きく3つの型に分かれます。Ridgelinezのデジタルビジネスコンサルタントは、3項目のうち1つを満たせば応募できる「いずれか1つ」型で、SEの企画・構想フェーズの経験も対象です。
電通デジタルのDX戦略コンサルタントは、戦略・企画の実務、デジタルツールの導入、PM・PMO、ビジネスとITをつなぐ構想力の4項目から2つ以上を求める型です。KPMGコンサルティングのDXコンサルタントは、クライアントサービス経験、業務改革の実務、チームを率いた経験の3分野をそれぞれ応募資格に挙げており、項目ごとに当てはまるかを確かめる「すべて」型にあたります。
リメディの見解としては、「いずれか1つ」型の求人は応募しやすい分、どの項目で応募したのかを職務経歴書の冒頭で示すと伝わりやすくなります。Ridgelinezのように、応募時に上流コンサルタントやエンタープライズアーキテクトなどの専門ポジションを選べる求人もあります。
業界・業務領域の限定
「DX」を冠した求人でも、対象の業務領域を絞ったものがある点は見落としやすいところです。確認した7件のうち4件がそうで、電通デジタルはマーケティング・セールス・カスタマーサクセス、KPMGコンサルティングの調達DXは調達・購買、アビームコンサルティングの2件はバック・ミドル業務と金融機関を対象にしていました。
領域が限定された求人では、DXの経験に加えてその業務を知っているかも要件に入ってきます。金融DXの求人は、金融領域の基礎的な理解があれば特定分野の深い知見がなくても応募できると書いており、業界を軸に応募先を選ぶ人にとって目安になります。
給与欄の表示方法
給与欄の書き方も求人によって異なります。Ridgelinezの2件は非公開、KPMGコンサルティングの2件は社内の規定によるとしており、電通デジタルとアビームコンサルティングはレンジを示していました。
レンジが載っていても、固定残業代を含む表示かどうかで比べ方が変わります。電通デジタルの求人は勤務形態ごとに固定残業代込みの金額を示しているため、ほかの求人と並べるときは勤務形態と職位をそろえる必要があります。含まれる時間を超えた分の扱いや、管理職採用で残業代がなくなる条件も一緒に読み、面談では「提示額に含まれる固定残業の時間と、超過分の支給方法を教えてください」と具体的に質問すると、条件を取り違えずに済みます。
コンサル職全体の年収水準を知りたい場合は、コンサルタントの年収を参照してください。
経歴別に合いやすいDXコンサル求人
合いやすい求人は、前職の職種名ではなく、どの工程を自分の判断で進めたかで決まります。経歴ごとの当てはまり方は次のとおりです。
| 現在の経歴 | 合いやすいタイプ | 要件のどこに当たるか | 補いたい経験 |
|---|---|---|---|
| 事業会社のDX推進・経営企画 | 構想・戦略寄り | 事業会社での分析・戦略設計(電通デジタル)、業務分析・構想策定(KPMGコンサルティング) | 社外の顧客を相手にした提案、チームを率いた経験 |
| 受託開発のSE・PM | IT導入・PMO寄り、構想寄りのSE向け枠 | SEの企画・構想フェーズ(Ridgelinez)、金融業界向けのシステム化構想から開発までのPM(アビームコンサルティングの金融DX) | 業務課題から要件を作る経験、経営層への説明 |
| 社内SE・情報システム部門 | IT導入・PMO寄り | SIerや一般事業会社の社内SEを出身例に挙げた人材像(アビームコンサルティングの金融DX) | ベンダー側ではなく発注側で判断した内容の言語化 |
| 業務改善・RPA・BPR担当 | 業務改革・オペレーション寄り | RPAやAI-OCRなどの導入、BPR(アビームコンサルティング) | 改善の範囲を部門横断へ広げた経験 |
| マーケティング・CRM導入担当 | 構想・戦略寄り(顧客接点) | MA・CDP・CRMの導入やデータ活用設計(電通デジタル) | 営業やカスタマーサクセスを含む全体設計 |
事業会社でDX推進を担当してきた人
電通デジタルの求人は、事業会社の経営企画・マーケティング・新規事業での分析・戦略設計を必須要件の一つに挙げています。社内で施策を企画した経験は、構想・戦略寄りの求人で要件の文言に当てはめやすい経歴です。
リメディの見解では、DX推進担当は職名だけでは担当範囲が伝わりません。構想を作ったのか、導入を回したのか、定着まで見たのかを工程で書き分けると、表のどのタイプに合うかを判断しやすくなります。KPMGコンサルティングのように業務改革の実務年数やチームを率いた経験を求める求人では、その経験の有無も先に確かめておきましょう。
SE・社内SEとしてシステム開発や導入に関わってきた人
SE経験者を名指しで募る枠もあります。Ridgelinezのデジタルビジネスコンサルタントには、SE経験者向けの上流コンサルタントとEAの専門ポジションがあり、業務・IT・AIを組み合わせた変革を担います。
同じRidgelinezでもテクノロジーコンサルタントは、コンサルティング案件のリード経験を前提にしています。SE経験だけで応募できる求人と、そうでない求人が同じ会社に並ぶ点に注意してください。DX以外のITコンサル求人も含めて移行ルートを比べたい場合は、SEからITコンサルへの移行ルートが参考になります。
業務改善・RPA・BPRに関わってきた人
アビームコンサルティングのABeamインテリジェントセンターは、経験業種を問わず、AIの導入、RPAやワークフローなどの導入、SEとしての開発、BPRのいずれかの経験を求めています。自動化ツールを導入した経験がそのまま要件に当たる求人です。
KPMGコンサルティングのDXコンサルタントも、先端技術を使った業務プロセス改善や、業務改革での業務分析・構想策定を応募資格に入れています。改善の対象を一部門から部門横断へ広げた経験があると、より上流の求人まで候補に入ります。
マーケティングやCRMの導入に関わってきた人
電通デジタルのDX戦略コンサルタントは、MA・CDP・CRMの導入やデータ活用設計を必須項目の一つにしています。インサイドセールス組織の立ち上げやコンタクトセンターの構築も仕事内容に含まれ、顧客接点の実務経験を生かせる求人です。
コンサル未経験の人はどう考えるか
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、ITコンサルタントの就業ルートについて、個別の現場経験を生かしてDXコンサルタントになるなど、ルートが多様になっていると説明しています。ただし、確認した7件はいずれも、何らかの実務経験を要件にしています。
業務改善やシステム導入といった隣接経験がある人は、上の表のいずれかに当てはまる可能性があります。隣接経験もない完全未経験の場合は、まず業務改善やシステム導入に関わる仕事で実績を作る方が、DX求人の要件に近づきやすいでしょう。
隣接経験があり、表で当てはまるタイプが見えた人は、次に実際の募集で同じ言葉が使われているかを確かめましょう。コンサル業界の求人を職種や希望条件で絞り込み、仕事内容の動詞と必須要件を見比べてみてください。
応募前に確かめたい「DX」求人の注意点
「DX」と付く求人には、職名から想像するより重い要件を持つものがあります。応募前に次の3点を確かめておくと、応募後の食い違いを減らせます。
コンサルティング案件のリード経験を必須にする求人
Ridgelinezのテクノロジーコンサルタントは、コンサルティング案件をリードした経験を必須にし、そのうえでSIのPMやアーキテクチャ設計などから1項目以上を求めています。SIのPM経験だけでは届かないため、事業会社やSIerから応募する場合は、似た名前の別ポジションと見比べてください。
チームを率いた経験を応募資格に含む求人
KPMGコンサルティングのDXコンサルタントは、3名以上のスタッフをチームリーダーとして指揮した経験を挙げ、マネジャー以上には提案とプロジェクトマネジメントの経験も求めています。個人で改善を進めた経験だけでは、要件の一部が欠けることになります。
同社の調達DXコンサルタントも、BPRやシステム導入のリーダー経験、大規模プロジェクトの管理経験を並べています。DXの名前が付いていても、こうした求人は経験者の採用に近いと考えておきましょう。
立ち上げ期の組織は担当範囲が広い
アビームコンサルティングはBPO事業を2026年4月にビジネスユニット化し、ABeamインテリジェントセンターの募集でも組織の立ち上げフェーズであると書いています。案件獲得から業務分析を含む移行、デリバリーまで経験できるとされており、担当範囲の広さを魅力と感じるかどうかが判断の分かれ目です。
求人の要件を職務経歴書の書き方に落とす
応募先のタイプが決まったら、必須要件の文言を職務経歴書の項目に置き換えます。要件と書類の対応の例は、次の表のとおりです。
| 求人の要件(例) | 職務経歴書で書く項目 | 示したい成果の形 | 避けたい書き方 | 直し方 |
|---|---|---|---|---|
| 業務分析・構想策定 | 現状の業務をどう分析し、どんな方針を決めたか | 決まった施策と、その後に動いた範囲 | 「DX推進を担当」とだけ書く | 分析の対象と、自分が決めた内容を書く |
| システム導入のリーダー | 要件定義から稼働までで自分が率いた工程 | 稼働した範囲、関わった部門と人数 | 「導入プロジェクトに参画」とだけ書く | 担当した工程と判断した事項を分けて書く |
| RPA・AIなどの導入 | 対象業務の選び方と導入後の運用 | 削減できた作業や、定着させた仕組み | 使ったツール名を並べるだけ | なぜその業務を選んだかを先に書く |
| PM・PMO | 課題の構造化、関係者の調整、進行管理 | 計画どおり進めた範囲と、立て直した場面 | 「進捗管理を担当」とだけ書く | 調整した相手と、解いた問題を書く |
たとえば「全社DX推進プロジェクトに参画し、各種ツールの導入を担当」という書き方では、どのタイプの求人に合うかが読み手に伝わりません。「受発注業務の現状を分析し、ワークフロー導入の方針と対象範囲を決めた。導入後は運用ルールを作り、関係部門へ定着させた」のように、工程ごとに自分の判断を書くと、構想と導入の両方の経験として読めます。数字は自分の実績に置き換えて加えてください。
SEの経歴でも同じ考え方が使えます。「基幹システム刷新プロジェクトでPMを担当」だけでは、IT導入・PMO寄りの求人で問われる工程が見えません。「販売管理の刷新で業務部門と要件を詰め、パッケージの比較からベンダー選定までを担った。稼働後は問い合わせの傾向から運用手順を見直した」と書けば、要件定義と定着の両方に関わったことが伝わります。
書類全体の構成や、プロジェクト経験の並べ方はITコンサルの職務経歴書の書き方で詳しく解説しています。
今すぐ応募してよい人・準備してから動きたい人
応募のタイミングは、必須要件をどこまで自分の言葉で説明できるかで判断できます。
| 判断のポイント | 自分で応募を進めてよいケース | 準備や相談を挟みたいケース |
|---|---|---|
| 求人のタイプ | 応募先の重心と、自分が主に担った工程が一致している | 構想と導入のどちらで応募するか決めきれない |
| 必須要件 | 「いずれか」「2つ以上」の項目に具体例で答えられる | チームを率いた経験やリード経験など、要件の一部が欠けている |
| 業界・領域 | 求人が限定する業務領域で実務経験がある | 業界を変えて応募するか迷っている |
| 条件の比べ方 | 非公開・規定・レンジといった表示方法の違いをそろえて比べられている | 非公開や固定残業代込みの求人が混ざり、比べ方が分からない |
自分が担った工程と求人の重心が一致し、要件に具体例で答えられる人は、複数の求人に並行して応募して比べても進めやすいでしょう。一方、クライアントサービスや顧客折衝の経験を求める求人もあります。社外の顧客を相手に提案した経験がなく、社内の調整役として力を発揮してきた人は、コンサル職より事業会社のDX推進職を続けた方が強みを出しやすい場合があります。
準備してから動く場合は、欠けている要件を今の職場で補えるかを先に考えます。チームを率いた経験が足りないなら、社内の改善プロジェクトでリーダー役を引き受けるのが一つの方法です。顧客折衝の経験が足りないなら、他部門や取引先との要件調整を自分が窓口となって進めた場面を増やすと、次の応募で書ける実績になります。
DXコンサル求人選びを相談する前に整理したいこと
相談の前に次の4点を書き出しておくと、応募先の候補を短い時間で絞り込めます。
- これまで主に担った工程(構想・導入・業務改革のどれか)
- 経験のある業界と業務領域(顧客接点、調達、バック・ミドル業務、金融など)
- 気になる求人の必須要件のうち、具体例で答えられる項目と欠けている項目
- 給与欄が非公開・規定・レンジのどれで、固定残業代を含むかどうか
3点目で欠けている要件が多いほど、どの求人から応募するかの順番を慎重に決めたいところです。書き出したメモを手元に置いたまま、コンサル領域に詳しい担当者を選び、応募先の絞り込みと優先順位を相談できます。
よくある質問
DXコンサルとITコンサルの求人は何が違いますか?
厚生労働省のjob tagでは、DXコンサルタントはITコンサルタントの就業ルートの説明の中で触れられており、独立した職業として分けられていません。確認した7件の求人はいずれも、システムの導入だけでなく業務や組織の変え方まで仕事内容に含めていました。
コンサル未経験でもDXコンサルの求人に応募できますか?
業務改善やシステム導入などの隣接経験があれば、応募できる求人はあります。隣接経験がない場合は、その実務を先に積む方が近道になりやすいでしょう。
給与欄が非公開や「規定による」の求人では、面談で何を聞けばよいですか?
想定している職位と、その職位で提示される年収の幅を聞くと、レンジを示す求人と勤務形態と職位をそろえて比べられます。レンジのある求人の読み方は、上の「給与欄の表示方法」で確認できます。
DXコンサルの求人に応募するには資格が必要ですか?
確認した7件の必須要件は実務経験が中心で、資格は歓迎要件に挙がっていました。RidgelinezのテクノロジーコンサルタントはTOGAF等や簿記2級以上、アビームコンサルティングのABeamインテリジェントセンターはPMP等、IPAの高度情報処理技術者、簿記を歓迎要件に挙げています。
複数のタイプの求人に同時に応募してもよいですか?
応募自体に問題はありません。ただし、タイプごとに前に出す経験が変わるため、職務経歴書の冒頭で強調する工程は応募先ごとに書き分けるのが望ましいでしょう。同じ書類のまま出すと、どのタイプにも合う理由が弱く見えるおそれがあります。


