東京大学を卒業後、株式会社クニエに入社。ヘルスケアチームにて、医療機関向けの業務改革およびDX支援に従事。製薬企業と医療機関の治験リクルートメント領域における新規サービス立ち上げプロジェクトでは、病院現場の業務プロセス整理やシステム要件の検証を担当。また、医療機関を対象とした医療DX推進プロジェクトに参画し、診療記録や問診票・同意書などの電子化を通じて、業務効率化と情報共有基盤の整備を支援。現在はこれまでのバックグラウンドを活かし、プロフェッショナルファームに在籍する / 志望する方向けの転職支援を行う。
倉庫や3PLの現場、メーカーの物流部門で改善を担ってきた経験は、確認した5社の公式募集要項のうち3社で応募条件の選択肢に入っていました。アクセンチュアは物流を含むオペレーション実務2年以上、NX総合研究所のロジスティクスコンサルタントは物流管理などの経験3年以上、日本能率協会コンサルティング(JMAC)はサプライチェーン及び物流の実務経験を、条件の一つに挙げています。
これに対し、Hacobuのストラテジーコンサルタントはコンサル会社での経験3年以上を必須とし、物流部門での勤務経験は歓迎条件の扱いです。セイノー情報サービスの物流コンサルは、ロジスティクス分野の企画やシステム化構想の経験に加え、提案やPM/PLの経験5年以上も応募要件に並べています。現場経験がそのまま条件になる求人と、加点にとどまる求人があるので、まずはその違いを知ることが応募先選びの出発点です。
対象は、物流会社・3PL・メーカー物流部門で実務を積んできた人です。5社の募集要項(2026年10月18日時点)をもとに、所属先ごとの担当領域と、経歴別の応募先の選び方を解説します。需給・調達まで含むSCM全体の難易度や、物流業界の待遇は扱いません。
物流の現場経験は「必須条件で使える求人」から当たる
現場出身者が最初に応募先を選ぶなら、物流の実務経験を必須条件の選択肢に入れている求人から当たるのが近道です。歓迎条件にしか物流経験が書かれていない求人は、別の必須条件を満たして初めて、現場経験が上乗せの評価材料になります。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 現場経験が必須条件で使える職種 | アクセンチュア サプライチェーン & オペレーションコンサルタント、JMAC サプライチェーン革新ユニット、NX総合研究所 ロジスティクスコンサルタント |
| 物流の経験・知識が歓迎条件にとどまる職種 | Hacobu ストラテジーコンサルタント、NX総合研究所 物流戦略系コンサルタント・システム職、Hacobu ソリューションアーキテクト |
| システム開発・IT上流・PMの経験が求められる職種 | セイノー情報サービス 物流コンサル、NX総合研究所 システム職、Hacobu ソリューションアーキテクト |
| 足切りになりやすい条件 | 英語(NX総合研究所の戦略・ロジスティクス職はTOEIC 730点以上)、学歴(NX総合研究所とJMACは大学卒以上) |
| 先に準備すること | 改善前後を比べた指標と、関係者を動かした手順を案件ごとに書き出す |
| 相談を検討する場面 | 経験が複数の条件にまたがり、どの募集の必須条件に当てるかを決めきれないとき |
表の上2行が示すとおり、同じ「物流コンサル」でも、物流の現場経験を入口として受け入れる職種と、コンサル経験やシステム開発経験を前提にする職種がはっきり分かれます。求人名が同じでも必須欄の中身は違うため、応募前に必須欄を読み比べることが前提です。
早見表で自分の経歴に近い行が見つからない、または二つの行にまたがる場合は、どの募集の必須条件に経験を当てはめるかで応募の順番が変わります。担当者と職務経歴を一緒に読み合わせれば、当てはまる条件を一件ずつ照合できます。
物流コンサルの担当領域は所属先の性格で変わる
物流コンサルの仕事は大きく4つで、拠点や輸配送網の戦略づくり、庫内作業や物流センターの改善、WMS・TMSなど物流システムの導入、物流DXの構想と実行です。確認した5社では、どこに重心があるかが所属先の成り立ちとよく対応していました。
| 所属先 | 会社の性格(公式情報) | 募集要項・サービス紹介にある担当領域 |
|---|---|---|
| NX総合研究所 | 物流専門のコンサルティング・調査会社。沿革に日本通運の付属機関との統合の記載 | 物流戦略策定、物流拠点統廃合、輸配送ネットワーク改善、物流センター内改善、物流情報システム(WMS、TMS等)の提案・導入支援 |
| 日本能率協会コンサルティング(JMAC) | dXコンサルティング事業本部にサプライチェーン革新ユニットを置くコンサルティング会社 | SCM診断・基本構想、在庫削減、ロジスティクスネットワーク構築、物流センター設計、物流作業改善、輸配送効率化 |
| セイノー情報サービス | セイノーグループで培ったノウハウをもとに、物流に関わる業務をITで支える会社 | 業務・組織・ITの観点からの解決策立案、IT基本構想、要件定義などIT上流工程 |
| アクセンチュア | 戦略の策定、業務課題の解決、テクノロジー、アウトソーシングまでを提供する会社 | 次世代サプライチェーン構造改革、コストマネジメント、開発〜製造のデジタル化 |
| Hacobu | 物流向けアプリケーションを開発・販売する企業の、事業会社発のDXコンサルティングチーム | 物流・SCM領域のDX変革プロジェクト、自社プロダクトの導入・定着、物流業務の課題分析と解決策の実行 |
物流専業やSCM系の会社は庫内・拠点・輸配送といった物流の中身に近く、総合系やDX系の会社はテクノロジーや自社プロダクトと組み合わせた変革に重心があります。同じ倉庫改善の経験でも、どちらの文脈で語るかで書類の書き方が変わります。
拠点・輸配送ネットワークの戦略
NX総合研究所のロジスティクスコンサルタントは、最適な拠点立地や輸配送ネットワークのあり方といった、物流戦略に伴う経営戦略が担当範囲です。拠点の統廃合や委託先の見直しに関わった人は、判断の前提にした数字まで説明できると、この領域の経験として伝わります。
庫内改善と物流センター設計
JMACのサプライチェーン革新ユニットは、テーマ例に物流センター設計、物流作業改善、輸配送効率化を挙げています。センター長や現場リーダーとして作業手順やレイアウトを変えた経験は、この領域と最も近い実務です。
WMS・TMSなど物流システムの導入
NX総合研究所のシステム職は物流情報システム(WMS、TMS等)の提案から導入支援までを、セイノー情報サービスは要件定義などのIT上流工程を担当範囲に含めています。システムを使う側だった人と導入を進める側だった人とでは、応募できる職種が異なります。
物流DXの構想と実行
Hacobu Strategyは、自社プロダクトに蓄積されたデータを使い、戦略策定から業務改革、プロダクトの導入・定着まで一気通貫で支援すると説明しています。週1〜2日程度の工数で複数のプロジェクトを同時にリードする働き方も、募集要項に明記された特徴です。
需給計画や調達まで含むサプライチェーン全体で応募先を比べたい場合は、サプライチェーンコンサルの転職難易度で経験別の判断軸を解説しています。
公式募集要項で比べる必須条件と歓迎条件
8つの職種を並べると、物流経験の扱いは「必須条件の選択肢の一つ」「歓迎条件」「物流分野の企画・IT上流経験として必須」の3通りに分かれます。応募前に見るべきなのは、職種名よりも必須欄の書き方です。
| 企業・職種 | 必須条件(抜粋) | 歓迎条件(抜粋) | 物流実務経験の扱い |
|---|---|---|---|
| アクセンチュア サプライチェーン & オペレーションコンサルタント | 開発・製造・調達・購買・需給・物流・販売など企業のオペレーション実務経験2年以上(いずれか) | 業務コンサル経験、物流業界出身者、スタートアップ経験者など | 必須の選択肢 |
| JMAC サプライチェーン革新ユニット | 製造またはIT企業での設計・生産・技術・管理の実務経験3年以上、またはサプライチェーン及び物流実務経験(いずれか必須) | ユニット固有の記載なし | 必須の選択肢 |
| NX総合研究所 ロジスティクスコンサルタント | 物流管理・物流ITソリューション構築・生産管理・調達管理・各種コンサルの経験3年以上、TOEIC 730点以上、大学卒業以上 | MBA・中小企業診断士・PMP、物流現場経験もしくは物流知識 | 物流管理の経験が必須の選択肢 |
| NX総合研究所 物流戦略系コンサルタント | コンサル・経営企画・事業企画・管理会計などでの経営分析経験3年以上、TOEIC 730点以上、大学卒業以上 | 物流現場経験もしくは物流知識、中国語力など | 歓迎 |
| NX総合研究所 システムコンサルタント・システムエンジニア | システムコンサルタントまたはシステムエンジニアの実務経験5年以上、情報処理技術者試験(ITパスポートを除く)、大学卒業以上 | 物流情報システムの設計・構築経験、物流現場経験もしくは物流知識 | 歓迎 |
| セイノー情報サービス 物流コンサル | ロジスティクス分野の企画業務またはシステム化基本構想・要件定義の経験/ロジスティクス分野のソリューション提案・システムのPM/PL経験5年以上(2項目の関係は募集要項に明示なし) | 記載なし(学歴・転職回数は不問) | 物流分野の企画・IT上流経験として要件に入る |
| Hacobu ストラテジーコンサルタント | コンサルティング会社でのコンサル経験3年以上、論理的思考・仮説思考、ドキュメント作成力など | 事業会社の物流部門での勤務経験、3PL戦略・共同配送・物流ネットワーク構築の経験、物流の現場感など | 歓迎 |
| Hacobu ソリューションアーキテクト | システムコンサル経験、業務ヒアリングとAS-IS/TO-BE整理、要件定義の経験など | 物流・サプライチェーン領域の業務知識、AIコーディングツールの活用経験など | 歓迎 |
物流の実務経験が必須条件の選択肢に入る3職種
アクセンチュアとJMACは、物流を含む実務経験を「いずれか」の形で必須欄に置いています。製造やITの経験と並ぶ選択肢の一つなので、物流以外の経験がなくても条件を満たせる書き方です。年数の基準は、アクセンチュアが2年以上と明記しています。
NX総合研究所のロジスティクスコンサルタントは、物流管理の経験3年以上を必須の選択肢に入れつつ、物流現場経験は歓迎欄にも書いています。現場作業そのものより、管理の立場で何を決めたかが問われる書き方です。
コンサル経験・IT上流経験が必須の職種
Hacobuのストラテジーコンサルタントは、コンサル会社での経験3年以上を必須にしています。物流の現場経験しかない場合、必須条件を満たさないため、この職種への直接の応募は難しいのが募集要項上の事実です。
セイノー情報サービスの物流コンサルは、ロジスティクス分野の「企画業務またはシステム化基本構想・要件定義」の経験と、提案・PM/PLの経験5年以上を応募要件に並べています。二つの関係は募集要項に書かれていないため、企画の経験だけで足りるかは応募前に確かめておきたい点です。
英語・学歴・資格の条件
英語の扱いは会社で大きく違います。NX総合研究所の戦略・ロジスティクス職はTOEIC 730点以上が必須です(物流戦略系は「特に海外案件が多い」と記載)。JMACは募集要項のQ&Aで、採用時に語学力の有無は最重要項目ではないと答えています。
資格は、JMACが「必要な資格は特にない」とする一方、NX総合研究所はMBA・中小企業診断士・PMPを歓迎欄に挙げ、システム職では情報処理技術者試験(ITパスポートを除く)を必須にしています。確認した8職種のうち、資格を必須にしていたのはNX総合研究所のシステム職だけで、資格を歓迎欄に挙げていたのもNX総合研究所の戦略・ロジスティクス職でした。
必須欄で自分の経験が当てはまる職種が見えたら、次は現在募集中の案件にも同じ条件が書かれているかを見ます。コンサル職の求人を「物流」のキーワードで絞り込むと、拠点戦略・システム導入・庫内改善のどれを担う求人かを並べて比べられます。
経歴別に狙いやすい求人と先に補う経験
前職で担ってきた役割によって、直接応募できる職種は変わります。下の表は、前章の必須条件に各経歴を当てはめた結果です。
| 前職での経験 | 直接応募の目安 | 必須条件で経験を使える職種 | 足りなくなりやすい点 | 書類・面接での見せ方 |
|---|---|---|---|---|
| 3PL・倉庫の現場管理 | 直接応募を検討できる | JMAC、アクセンチュア、NX総合研究所 ロジスティクスコンサルタント | 英語スコア、改善を数字で示す資料 | 作業改善・レイアウト変更の前後比較 |
| メーカー物流部門の企画・委託先管理 | 直接応募を検討できる | 同上 | 現場作業の改善経験が少ない場合の補足 | 拠点・委託先の見直しで比べた選択肢と決め手 |
| 運送会社の配車・輸配送管理 | 応募先を絞れば検討できる | JMAC、アクセンチュア | 拠点や在庫など輸送以外の論点 | 配車ルールの見直しと積載・稼働の変化 |
| WMS・TMSの導入・運用 | 担当範囲で分かれる | NX総合研究所 システム職、セイノー情報サービス、Hacobu ソリューションアーキテクト | 要件定義・PMの担当実績、システム職は資格 | 業務要件をどう決め、誰と合意したか |
| コンサル会社で業務改革(物流は未経験) | 直接応募を検討できる | Hacobu ストラテジーコンサルタント、NX総合研究所 物流戦略系 | 物流の現場知識(歓迎条件) | 物流案件でなくても使える分析・推進の型 |
3PL・倉庫の現場管理を担ってきた人
センター長や現場リーダーとして生産性や品質を上げてきた人は、JMACのサプライチェーン革新ユニットとアクセンチュアのサプライチェーン & オペレーションコンサルタントが最初の候補です。どちらも物流実務を必須条件の選択肢に入れているため、経験の対応関係を説明しやすいからです。
ここはリメディの見解ですが、上の3職種のうちNX総合研究所はTOEIC 730点以上を必須にしているため、英語のスコアがない人はJMACとアクセンチュアを先に比べる順番が現実的です。JMACは採用時に語学力を最重要項目としないと答えているため、英語スコアがないことを理由に応募を見送る必要はありません。入社後に英語を使う場面は、海外出張の頻度と合わせて面談で確かめます。
メーカーの物流部門で企画・委託先管理を担ってきた人
荷主側で物流費の管理や3PLの選定、拠点の見直しを担ってきた人は、発注者の目線を持っている点が強みです。NX総合研究所が必須の選択肢に挙げる「物流管理」の経験として説明できます。
荷主の物流管理は、法律でも役割が決められている分野です。物資の流通の効率化に関する法律は、運送を委託する貨物、または運転者から受け取る・運転者に引き渡す貨物の重量が基準以上で国の指定を受けた荷主(特定荷主)に、物流の効率化に関する中長期的な計画の作成(第46条)、その業務を統括する物流統括管理者の選任(第47条)、毎年度の実施状況の報告(第48条)を定めています。社内でこうした計画や報告に関わった人は、その経験を職務経歴書に具体的に書いておく価値があります。
Hacobuもソリューションアーキテクトの募集背景で、物流の世界で起きている法改正などの外部環境の変化に触れています。荷主側の制度対応を進めた経験は、応募先が向き合う課題と重なる実務として話せる材料です。
運送会社で配車・輸配送管理を担ってきた人
JMACのテーマ例には輸配送効率化があります。配車や輸配送の管理は物流実務の一つなので、必須欄の「サプライチェーン及び物流実務経験」に当てはめて説明できます。同じテーマ例には在庫削減やロジスティクスネットワーク構築も並ぶため、輸送以外の論点への理解を補っておくと、面接での受け答えに幅が出るはずです。
WMS・TMSの導入や運用を担ってきた人
導入プロジェクトで要件定義やPMを担った人は、セイノー情報サービスやHacobuのソリューションアーキテクトの必須条件と経験が重なります。NX総合研究所のシステム職を狙う場合は、実務5年以上と国家試験の両方が必須です。
一方、システムを利用する側で運用ルールを作ってきた人は、IT上流の必須条件には届きにくいため、物流実務として3PL・倉庫の経歴と同じ求人から当たる方が合います。物流以外のITコンサルも含めて所属先を比べたいときは、ITコンサルの仕事内容と6つの所属先が参考になります。
コンサル経験はあるが物流は未経験の人
コンサル会社で3年以上の経験がある人は、Hacobuのストラテジーコンサルタントの必須条件を満たします。NX総合研究所の物流戦略系も、必須はコンサルでの経営分析経験3年以上です。物流知識は歓迎条件なので、選考までに物流の基礎を学んでおけば、面接で物流の話題にも答えられます。
直接応募が難しいときに先に積む経験
必須条件に届かない理由が分かれば、次に積む経験も決まります。足りない条件ごとに、迂回のルートを並べました。
| 足りない条件 | 該当する求人 | 先に積む経験・準備 | 準備後に狙いやすい職種 |
|---|---|---|---|
| コンサル会社での経験3年以上 | Hacobu ストラテジーコンサルタント | 物流実務が必須条件の選択肢に入る職種でコンサル経験を積む | Hacobu ストラテジーコンサルタント、NX総合研究所 物流戦略系 |
| TOEIC 730点以上 | NX総合研究所 物流戦略系・ロジスティクスコンサルタント | スコアを取得してから応募する。待つ間はJMACなど語学を最重要としない会社と比べる | NX総合研究所 ロジスティクスコンサルタント |
| SE・システムコンサルの実務5年以上と情報処理技術者試験 | NX総合研究所 システム職 | 社内のWMS・TMS刷新で要件定義側に入り、試験の取得を進める | セイノー情報サービス、Hacobu ソリューションアーキテクト |
| ロジスティクス分野の企画・システム化構想 | セイノー情報サービス | 拠点や業務の見直しで、企画書や構想書の作成を担当する | セイノー情報サービス、NX総合研究所 ロジスティクスコンサルタント |
ここはリメディの見解ですが、Hacobuのストラテジーコンサルタントのようにコンサル経験3年以上を必須とする職種を最終的に狙う場合でも、物流部門での勤務経験や現場感は同じ求人の歓迎欄に並んでいます。現場出身者は、先に必須条件で物流実務が使える職種へ移り、コンサルとしての年数を重ねる順番の方が、条件を一つずつ満たせます。
今動いてよい人・準備してから動く人
- 今動いてよい人:物流実務または物流管理の経験があり(年数の基準はアクセンチュアが2年以上、NX総合研究所が3年以上)、改善の前後を数字で説明できる人。英語スコアがあればNX総合研究所まで選択肢が広がる
- 今動いてよい人:コンサル会社で3年以上の経験があり、物流・SCMの案件に移りたい人
- 準備してから動く人:狙う職種の必須欄に英語スコアや国家試験があり、まだ持っていない人
- 準備してから動く人:WMS・TMSを使う側の経験が中心で、要件定義やPMの実績を具体的に書けない人
職務経歴書と面接で現場の改善をどう伝えるか
NX総合研究所は必須欄にプレゼンテーション能力とドキュメンテーション能力を挙げ、Hacobuは職務に「物流業務のイシュー特定、課題構造の分析」を書いています。書類では、改善の結果の数字に加えて、課題をどう見つけ、どう周りに伝えたかまで読めるようにしておきたいところです。
| 募集要項で求められる経験 | 職務経歴書で書く項目 | 成果指標の例 | NG表現 | 改善方向 |
|---|---|---|---|---|
| 物流実務・物流管理 | 担当拠点の規模感、課題、打ち手、関係部署 | 作業生産性、出荷ミス、保管効率 | 「現場改善を推進」 | どの指標が悪く、何を変え、どう変化したかを書く |
| 拠点立地・輸配送ネットワーク | 比べた選択肢、判断の前提、決定までの合意 | 輸送コスト、リードタイム、積載率 | 「物流網を最適化」 | 比較案と、採用しなかった案の理由まで書く |
| 要件定義・システム化構想 | 業務要件の決め方、関係者、移行の段取り | 稼働後の作業時間、問い合わせ件数 | 「WMS導入を担当」 | どの工程を自分が主導したかを分ける |
| 経営分析・ドキュメンテーション | 経営層への報告資料、分析の枠組み | 提案の採択、予算化 | 「資料作成が得意」 | 誰に、何を判断してもらうための資料かを書く |
成果指標の列は例なので、自分の担当範囲で実際に測っていた指標に置き換えてください。測っていなかった数字を後から作るのではなく、当時の記録で示せる範囲に絞った方が、面接で深掘りされても崩れません。
職務経歴書のBefore・After
Before:「物流センターの責任者として、現場改善と人材育成を推進しました。」
After:「出荷ミスの多さを課題に設定し、ピッキング動線とロケーション表示を見直しました。現場リーダーと週次で原因を確認し、ミス件数の推移を運用ルールに反映しています。」
Afterは、課題の設定、打ち手、関係者との進め方、定着の4点がそろっている点がBeforeとの違いです。実際に使うときは、改善前後のミス件数と期間を自分の記録から書き足してください。メーカー出身者の書類例は、製造業コンサルタントの職務経歴書の書き方でも詳しく紹介しています。
面接で伝える転職理由の組み立て方
- 過去の経験:自社の拠点や荷主の中で、どんな物流課題を解いてきたか
- 応募職種で活きる経験:応募先の担当領域(拠点戦略・庫内改善・システム導入・DX)のどれに、その経験が当たるか
- 足りない経験の補い方:英語、IT上流、コンサルの進め方など、必須欄や歓迎欄との差をどう埋めるか
「一社の物流だけでなく、複数の企業の課題に関わりたい」という動機は自然ですが、それだけでは志望先を選んだ理由になりません。応募先の担当領域と結びつけて話すと、なぜその会社なのかが伝わります。
応募前に確認したい雇用条件と選考の流れ
選考の進め方と雇用形態は、募集要項に書かれている会社とそうでない会社があります。書かれている内容は応募前に読み、書かれていない項目は質問として持っていきます。
| 項目 | 募集要項で確認できた内容 | 面談で聞きたい質問 |
|---|---|---|
| 雇用形態 | NX総合研究所は年俸制社員で、雇用契約期間は3年以内。その後、無期雇用契約に変更可 | 無期雇用契約への変更は、どのような基準と時期で判断されますか |
| 選考の流れ | NX総合研究所は書類選考→1次面接(業務担当者・責任者)→2次面接(役員)。JMACは書類選考→適性テスト(GAB)→面接1〜2回→最終面接 | ケース面接や課題提出はありますか |
| 選考期間 | NX総合研究所は2週間〜1か月を予定し、書類選考の結果はエントリーから2週間以内に通知 | 他社と並行している場合、回答期限は調整できますか |
| 配属・勤務地 | JMACは本人の希望による自由配属制度、東京・中部・関西のオフィス。セイノー情報サービスは東京本社または岐阜県のソフトピア事業所 | 物流テーマの案件に入れる見込みはどの程度ありますか |
| 働き方 | NX総合研究所は事務所・自宅・サテライトオフィスなどから就業場所を選べる。JMACはフレックスタイム制(コアタイムなし)でテレワーク推奨、国内・海外出張あり、転勤なし | 物流センターなど現場に入る頻度と、出張の多さはどの程度ですか |
NX総合研究所は3年以内の有期契約から始まるため、無期契約に変わる基準は内定前に聞いておきたい項目の一つです。JMACの適性テストのように、面接とは別の選考段階がある会社もあるので、準備の時間を見込んでおきましょう。
物流コンサルへの転職を相談する前に整理したいこと
ここまでの表で応募先が絞れた人は、自分で応募を進めても問題ありません。迷いが残るのは、経験が複数の必須条件にまたがる場合や、迂回ルートの順番を決める場合です。どちらに当てはまるかを先に見分けておくと、相談の時間を有効に使えます。
| 自分で進めてよいケース | 相談した方が早いケース |
|---|---|
| 応募したい職種の必須欄に、自分の経験がそのまま当てはまる | 物流実務とIT上流の経験が半分ずつで、どちらの職種に寄せるか決めきれない |
| 英語・資格など足切り条件を満たしている | 英語スコアの取得を待つか、語学を問わない会社に先に応募するかで迷う |
| 改善の前後を数字で説明できる案件がある | 実績はあるが、どの案件を書類の中心に置くべきか判断できない |
| 応募先の担当領域と転職理由を結びつけて話せる | 迂回ルートを取る場合に、最初の転職先をどこにするか決めたい |
右の列に当てはまった項目は、募集要項を読み比べるだけでは決めにくい部分です。コンサル領域を担当するエージェントを選べば、応募の順番と、書類の中心に置く実績を具体的に相談できます。
物流コンサルへの転職に関するよくある質問
物流の現場経験だけで物流コンサルに応募できますか?
応募できる求人はあります。確認した募集要項では、アクセンチュアのサプライチェーン & オペレーションコンサルタント(物流を含む実務2年以上)、JMACのサプライチェーン革新ユニット、NX総合研究所のロジスティクスコンサルタント(物流管理などの経験3年以上)が、物流の実務経験を必須条件の選択肢に入れています。一方、Hacobuのストラテジーコンサルタントはコンサル経験3年以上が必須です。
物流コンサルへの転職に資格は必要ですか?
必須にしているのは、確認した8職種のうちNX総合研究所のシステム職だけです。ほかの職種は、資格を歓迎条件に挙げているか、募集要項に資格の記載がないかのどちらかでした。
英語ができないと物流コンサルは難しいですか?
会社によります。TOEIC 730点以上を必須にしているのはNX総合研究所の物流戦略系とロジスティクスコンサルタントで、JMACは採用時に語学力を最重要項目としていません。
物流コンサルとサプライチェーンコンサルはどう違いますか?
物流コンサルは倉庫・輸配送・拠点・物流システムなど物流機能を中心に扱い、サプライチェーンコンサルは需給計画や調達、製造まで含めた全体が対象です。ただしJMACのサプライチェーン革新ユニットのように、同じ組織で両方のテーマを担う例もあります。求人ごとに担当テーマを読むと、どちらに近い仕事かが分かります。
コンサル未経験でも、入社後に学べる研修はありますか?
JMACは募集要項で、一年にわたる研修プログラム(コンサルタントアカデミー)を用意していると書いています。研修で扱うテーマは公開情報だけでは分からないため、物流案件に入るまでの育て方は面談で確かめてください。
関連記事
物流以外の領域も含めて応募先を広げたいときは、隣接する職種の記事も参考になります。


