
立教大学を卒業後、大手不動産デベロッパーに新卒で入社。富裕層向けの不動産売買を担当し、手数料売上ランキングで上位5%に入る成績を達成。その後、ヘッドハンティングファーム「アサイン」に、創業間もないタイミングで参画。ヘッドハンターとして20代から30代のマネジメント層の支援に従事。同時にCRM部門のセールス責任者として15名のメンバーをマネジメントした経験を有する。リメディには、ヘッドハンティングをきっかけに入社を決意。シニアコンサルタントとして、M&Aアドバイザリーファームや戦略・総合コンサルティングファーム等の役員層とのコネクションを強みとした転職サポートに従事。これまで2,000名以上の転職支援に携わり、20代からエグゼクティブ層まで幅広い支援を行い、業界トップクラスの実績を誇る。
Big4コンサルへの転職は、4グループのどの法人を選ぶかより、どの部門にどの職位で応募するかで入社後の仕事が決まります。面接はデロイトが平均2〜3回、KPMGコンサルティングは応募から内定まで約1〜2か月と公表しており、ケース面接の有無も、部門と想定される職位しだいです。
4グループとも中途の募集一覧を「業界担当」と「専門領域」などの部門単位で区切っていて、FAS(M&Aなどのディール支援)が属する法人もグループごとに異なるのが特徴です。自分の経歴をどの部門の要件に当てるか、どの順番で応募するかまで決められるよう、公式の採用情報と募集要項をもとに比べていきます。
本記事のポイント
Big4コンサルへの転職難易度はどれくらいか?
難易度を左右するのは法人名より、応募する部門と職位の要件です。デロイトとKPMGコンサルティングは業界未経験でも応募できると公式に回答している一方、EYSCの金融リスク部門ではシニアマネージャーにコンサルでのManager以上の経験を必須としています。経歴別の難易度の比較は、コンサル転職難易度の解説にまとめました。
法人と部門、どちらを先に選ぶべきか?
先に選ぶのは部門です。4グループとも中途の募集一覧を部門単位で区切っており、KPMGコンサルティングは面接を応募した部署が行うと案内しています。同じ「Big4」でも、業界担当の部門と専門領域の部門では求められる経験が違います。
未経験からBig4コンサルに転職できるか?
デロイトとKPMGコンサルティングは、コンサル業界が未経験でも応募できると公式に回答しています。ただし、ここでの「未経験」はコンサル業界の経験がないという意味です。募集ごとの必須要件は残り、たとえばデロイトのポテンシャル採用でも、業務改革やIT・DX導入に関わった経験を必須にしています。
転職に有利な資格・スキルは何か?
コンサル部門では資格は必須ではなく、KPMGコンサルティングは応募資格を満たせば特に必要な資格はないとしています。FASの財務デューデリジェンスでは監査経験や公認会計士資格が要件・歓迎条件に入ります。英語はKPMGコンサルティングが必須ではないとする一方、デロイトの製造・建設領域はTOEIC730点以上が目安です。
Big4コンサルへの転職に適した年齢はあるか?
今回確認した4グループの募集要項には年齢の条件は書かれておらず、示されているのは職位ごとの経験年数の目安です。EYSCの金融リスク部門は、マネージャーの歓迎要件として業務経験5〜7年程度以上を目安に挙げています。若手向けにはKPMGコンサルティングが社会人3年未満かつ経験社数2社以下を対象に第二新卒採用を行っています。
面接は何回あり、ケース面接は全員に課されるのか?
回数はデロイトが平均2〜3回、EYSCは戦略部門の募集で2〜3回、金融リスク部門で2回です。ケース面接は全員に一律ではなく、デロイトは求人や経験によって実施する場合があり、EYSCは想定ランクに応じて実施する可能性があるとしています。
Big4のコンサル部門とFASは何が違うのか?
FASはM&Aの財務調査や企業価値評価、事業再生などディールに関わる支援が中心です。所属する法人もグループで違い、PwCはPwCアドバイザリー合同会社、KPMGはKPMG FASが担います。EYはEYSCの1法人の中にコンサルティングとストラテジー・アンド・トランザクションを持つ形です。
不合格になった後に再応募できるか?
扱いは部門によって違い、PwCコンサルティングの戦略部門(Strategy&)の募集要項は、直近2年以内に中途採用選考を受けた人を対象外にしています。デロイトはグループ内のある法人で不合格になった後も、別の法人へ応募でき、その法人の基準で選考すると回答しています。
Big4コンサルからの転職先(ポストキャリア)はどこか?
採用ページで公式に確認できるのは、転職先の内訳ではなく、KPMGコンサルティングの再入社制度(Welcome back制度)や、デロイトの採用サイトにあるアラムナイの項目のように、退職後の関係にふれた情報です。厚生労働省の職業情報でも、経営コンサルタントは実力と実績があれば独立開業の可能性もあると説明されています。次の選択肢を広げるのは、在籍中にどの部門・職位で何を任されたかです。
Big4への転職で転職エージェントを使うメリットは何か?
自分の経歴がどの部門のどの職位の要件に当たるかを、募集要項に照らして整理できる点です。再応募や別法人への応募の扱いが部門・法人ごとに違う点や、支度金・入社一時金の支給条件のように、募集要項を一つ読むだけでは判断しにくい点を、応募前とオファー面談の前に確認する手段としても使えます。
Big4コンサルとは|4グループの法人と部門の構成
Big4コンサルは、デロイト、PwC、EY、KPMGの4つの会計事務所系ネットワークに属する日本の法人のうち、コンサルティングやFAS、リスク領域の支援を担う組織を指します。転職先として見るときは、グループ名より法人と部門で区別する必要があります。同じグループでも、コンサルティングとディール支援が別法人に分かれている場合があり、応募の窓口も変わるためです。
業界概要|4グループのコンサル法人とFASの所属
| グループ | コンサル部門の法人 | FAS(ディール支援)の所属 | 中途の募集一覧の区切り方 |
|---|---|---|---|
| デロイト トーマツ | 合同会社デロイト トーマツ(採用ページの表記は「合同会社デロイト トーマツ/コンサルティング」) | Strategy & Transactionsとして合同会社デロイト トーマツなどが募集 | Industry(業界)とOffering(専門領域) |
| PwC Japan | PwCコンサルティング合同会社 | PwCアドバイザリー合同会社 | インダストリー別とソリューション別 |
| EY Japan | EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC) | EYSCの中のストラテジー・アンド・トランザクション | セクターとユニット |
| KPMGジャパン | KPMGコンサルティング | KPMG FAS | Strategy & Innovation、Risk Consultingなどの部門 |
表で目を引くのはFASの位置です。EYSCは2020年10月に、コンサルティングとストラテジー・アンド・トランザクションの2つのサービスラインを持つ法人として業務を始めました。一方でPwCとKPMGはディール支援を別の法人に置いています。「Big4のFASに行きたい」と考えた時点で、応募する法人がグループごとに変わるということです。
募集の切り方は「業界担当」と「専門領域」の二軸
デロイトは西日本の組織紹介で、業界に特化して顧客を深く担当するIndustry領域と、戦略やテクノロジーなど領域別の専門性を提供するOffering領域を分けて説明しています。PwCコンサルティングの職種一覧も「インダストリー別」と「ソリューション別」に分かれ、戦略部門のStrategy&はソリューション側に置かれています。
この二軸を知っておくと、自分の経歴の生かし方が整理しやすくなります。前職の業界知識を武器にするなら業界担当、業務改革やシステム導入などの専門性を武器にするなら専門領域が、それぞれの入口です。戦略ファームやIT系ファームまで含めて比べたい人は、コンサル業界全体への転職の解説が参考になります。
どちらの募集区分に当てるかで、職務経歴書の冒頭に置く経験も、面接で深掘りされる話も変わります。迷う段階なら、どちらの区分に当たるかを一度照合しておくのが近道です。
Big4コンサルの転職市場の現状|中途採用の入口
Big4の中途採用の入口は一つではありません。業界未経験者の応募を公式に認めているほか、第二新卒枠、ポテンシャル採用、1日で選考を進める選考会、選考とは別のカジュアル面談まで用意されています。自分がどの入口に当たるかで、求められる準備の量が変わります。
| 項目 | 公式に確認できる内容 |
|---|---|
| 主な採用法人 | 合同会社デロイト トーマツ、PwCコンサルティング合同会社、PwCアドバイザリー合同会社、EYSC、KPMGコンサルティング |
| 業界未経験の応募 | デロイト「応募可能です」、KPMGコンサルティング「コンサルティング業界での経験は必須ではありません」 |
| 第二新卒 | KPMGコンサルティングが社会人3年未満かつ経験社数2社以下を対象に実施 |
| ポテンシャル採用・選考会 | デロイトの募集一覧に「ポテンシャル採用」と「1DAY選考会」の表記、EYSCの職種一覧に1Dayセミナー&選考会の案内 |
| 選考前の面談 | KPMGコンサルティングは選考ではないカジュアル面談を設定可能、EYSCはキャリア情報配信登録の案内にカジュアル面談を含む |
コンサル未経験者を対象に含む募集は4グループにある
デロイトは採用FAQで、異業種・未経験でも応募でき、プロフェッショナルファーム以外にもさまざまな業種・職種の経験者が在籍していると答えています。KPMGコンサルティングも、それぞれの業界で培った知見や経験があれば応募できるという立場です。PwCの製造業コンサルタントやEYSCの金融リスクコンサルタントの募集も、対象に業界出身者や金融機関の勤務経験者を含む内容です。厚生労働省の職業情報も、大企業などで専門業務を経験した後に経営コンサルタントへ転身する場合は、学歴より職歴が重視されると説明しています。
第二新卒・ポテンシャル採用・選考会という別の入口
社会人経験が浅い人には、KPMGコンサルティングの第二新卒採用があります。新卒と同じくコンサルティングの基礎スキルを集中研修で学ぶところから始まる点が、通常の中途採用との違いです。デロイトのサプライチェーン領域のポテンシャル採用は、領域の実務経験を問わない代わりに、業務改革やIT・DX導入に関わった経験を必須にしています。
選考会は日程が決まっている分、書類から面接までが短期間で進みます。準備が整っていない段階で参加すると、通常応募より考える時間が短くなる点は覚えておきましょう。
応募前に使えるカジュアル面談
KPMGコンサルティングは、人事リクルーターや現場のコンサルタントとのカジュアル面談を応募前に設定できるとしています。部門の仕事内容が募集要項だけでは想像しにくいときに役立つのが、選考に入る前の面談です。なお、デロイトが説明しているカジュアル面談は入社オファーを受けた人向けで、応募前の面談とは段階が異なります。
Big4コンサルの主な部門と求められるスキル
Big4の部門は大きく、戦略、業界担当、ソリューション・テクノロジー、リスク、FASの5つに分けて考えると比べやすくなります。応募要件を読むと、業界担当の部門は前職の業界での実務経験を、ソリューション部門は業務改革やシステム導入の経験を、FASは会計・財務の実務経験を軸に書かれています。業界未経験で入りやすいかどうかを決めるのは、部門の種類よりも、自分の経験が必須要件に当たるかどうかです。デロイトやPwCの募集要項の中には、コンサル出身者と事業会社出身者の要件を分けて書いているものがあり、事業会社出身者はその欄を最初に読むと、自分が応募できる職位まで見当をつけられます。
| 部門のタイプ | 公式の募集例 | 募集要項に書かれた経験の例 | 業界未経験の応募 |
|---|---|---|---|
| 戦略 | Monitor Deloitte、Strategy&(PwC)、KPMGの戦略コンサルタント職 | 経営戦略・事業戦略・新規事業などの実務経験、論点思考や仮説構築力(KPMG) | 事業会社の経営企画・事業企画の経験を推奨例に挙げる募集あり |
| 業界担当 | デロイトのIndustry、PwCのインダストリー別、EYSCのセクター | その業界での経営企画・事業開発・設計開発・生産管理などの経験 | 事業会社出身者の要件を別に書く募集あり |
| ソリューション・テクノロジー | デロイトのOffering、PwCのソリューション別、KPMGのTechnology Consulting | 業務改革、ERPなどのシステム導入、PMO、要件定義の経験 | SIerや事業会社の情報システム部門の経験を挙げる募集あり |
| リスク | EYSCのリスク、KPMGのRisk Consulting、PwCのTrust | リスク管理、コンプライアンス、内部監査、調達・品質保証などの実務経験 | 金融機関や事業会社の管理部門の経験を必須要件に含める募集あり |
| FAS(ディール) | PwCアドバイザリー、EYSCのM&A、KPMG FAS | 監査、財務デューデリジェンス、バリュエーションなどの実務経験 | 財務デューデリジェンスの募集は監査や財務分析の経験が前提 |
戦略部門|事業会社の企画経験も入口になる
戦略部門の担当は、全社戦略や新規事業、M&A戦略などの立案です。デロイトのMonitor Deloitteは、戦略ファームでの実務経験に加えて、事業会社の経営企画・事業企画・新規事業開発の経験を推奨例に挙げています。KPMGの戦略コンサルタント職は論点思考や仮説構築力を必須としています。Monitor Deloitteは、最低限の英語力も必須にしています。思考力の要件が明示されているぶん、ケース面接を想定した準備が必要になりやすい部門です。
業界担当部門|前職の業界知識がそのまま評価軸になる
業界担当は、自動車、エネルギー、金融、公共など特定の業界のクライアントを継続して担当します。PwCの製造業コンサルタントの募集要項は、望ましい経験をコンサル業界経験者、産業機械・重工・エンジニアリング業界の出身者、ITサービス関連企業の出身者に分け、業界出身者には設計開発、原価管理、生産管理、購買、工場経理などの経験を挙げています。業界の現場を知っていることが、コンサル経験と並ぶ評価の軸になる部門です。
ソリューション・テクノロジー部門|システム導入の経験を生かす
ソリューション部門は、業務改革、サプライチェーン、財務・経理、人事、システム導入などのテーマごとに専門性を提供します。デロイトの製造・建設領域の募集要項では、コンサルタント像に「大手SIerでシステム導入を3年以上経験されている方歓迎」、シニアコンサルタント像に同じく5年以上の経験を挙げています。SIerや事業会社の情報システム部門から、上流工程の経験を持ってくる人が想定されている書き方です。
リスク部門|管理部門や金融機関の実務経験が生きる
リスク部門が扱うのは、規制対応、内部統制・内部監査、サイバーセキュリティ、サプライチェーンリスクなどです。EYSCの金融リスク部門は、金融機関や規制当局、コンサル、会計事務所、SIerでのリスク管理・コンプライアンス・経理財務・内部監査などの経験を必須要件に並べています。KPMGのサプライチェーンリスクの募集は、調達、生産管理、品質保証、委託先管理などの実務経験を挙げ、事業会社の管理系の経験も対象にしています。
FAS(ディール)部門|会計・財務の実務経験が前提になる
FASが担うのは、財務デューデリジェンス、企業価値評価、M&Aアドバイザリー、事業再生などです。PwCアドバイザリーの財務デューデリジェンスの募集は、監査法人でシニアスタッフとして2年以上の実務経験があり主査(インチャージ)またはそれに準ずる立場で監査を推進した経験、同業他社でのM&A関連業務3年以上、金融機関やコンサルでの会計・財務分析3年以上のいずれかを求めています。経験年数は目安とされていますが、財務デューデリジェンスは会計実務の経験がない人には入口が狭い職種です。
経歴から応募部門を絞る
ここまでの募集要項を経歴ごとに並べ直すと、次のようになります。各部門の募集要項が出身別に挙げている経験をもとに作った目安で、選考結果の傾向を示すものではありません。
| これまでの経歴 | 最初に候補にしたい部門 | 募集要項で確かめたい点 |
|---|---|---|
| メーカー・商社・金融などの経営企画・事業企画 | 業界担当、戦略 | 事業会社出身者向けの要件欄、英語の要件 |
| メーカーの設計・生産管理・購買・工場経理 | 業界担当(製造業)、ソリューション(サプライチェーン) | 業界出身者に挙げられた業務と自分の担当業務の一致 |
| SIer・事業会社の情報システム部門 | ソリューション・テクノロジー | 上流工程の経験年数、リーダー経験の有無 |
| 金融機関のリスク管理・コンプライアンス、事業会社の内部監査 | リスク | 必須要件に並ぶ業務のどれに当たるか |
| 監査法人、事業会社の経理財務 | FAS、ソリューション(財務・経理) | インチャージ経験や会計資格の扱い |
ここはリメディの見解ですが、デロイトやPwCの募集要項のように出身別の要件欄を設けている部門は、事業会社出身者を最初から採用の対象に入れていると考えてよいでしょう。経歴が表の複数の行にまたがる人は、どの経験を主軸に書くかで応募部門を一つに絞ると、書類の説得力が上がります。戦略・業務・人事・リスクなど非IT部門をさらに細かく比べたい人は、Big4の非ITプラクティスの選び方も参照してください。
候補にする部門が一つか二つに絞れたら、実際にその領域の求人が出ているかを条件で確かめる段階です。業種をコンサルに固定して、勤務地や年収の条件を変えながら募集の出方を見比べると、応募の現実味がつかめます。
Big4コンサルの職位と採用ランクの決まり方
中途採用で入社時の職位を決めるのは、それまでの経験です。KPMGコンサルティングは、中途入社の場合はスキルや経験に応じた職位から始まると説明しています。デロイトの募集要項も、職位ごとの経験のイメージを示したうえで、実際の採用ランクは選考を通じて決めるとしています。どの職位で入るかによって任される役割が異なり、EYSCのように、職位によって配属が固まる時期まで変わる法人もあります。
中途は経験に応じた職位から始まる
KPMGコンサルティングが職位ごとに公開している期待役割と評価基準から、主な職位と役割を抜き出すと次のとおりです。
| 職位 | 公式に示された役割の例 |
|---|---|
| Partner/Associate Partner | ファーム経営・事業拡大への責任、部門や専門チームの事業運営の統括 |
| Principal | 卓越した知見で戦略的重要性の高い案件を創出・遂行 |
| Senior Manager/Manager | プロジェクト全体統括の現場リード、チームマネジメント、新たな案件の提案 |
| Lead Specialist/Specialist | 専門領域に特化した顧客開拓・プロジェクト推進 |
| Senior Consultant | 作業アプローチの検討と遂行、クライアントへの示唆の提供、下位メンバーの指導 |
| Consultant | 担当領域の業務遂行と品質管理、クライアント担当者とのコミュニケーション |
注目したいのは、マネジャー級から新たな案件の提案が役割に入る点です。KPMGは戦略コンサルタント職に別系統の職位を設け、専門家としてのSpecialistも置いているため、同じ会社の中でも、比べる職位の系統をそろえて読む必要があります。
EYSCはシニアコンサルタントからユニットに正式配属
EYSCは、コンサルタントの間はACG/TCGに所属して数年の間にさまざまなプロジェクトに入り、シニアコンサルタントから一つのユニットに正式配属されると説明しています。配属後もチーム間の異動ができるキャリアチェンジ制度があります。コンサルタントの職位で入ると、入社直後は特定ユニットに属さない働き方になるということです。
提示された職位をどう読むか
リメディとしては、内定時に示された職位は、年収の水準だけでなく、入社後の配属の自由度を左右する条件として読むべきです。EYSCのように職位で正式配属の時期が変わる仕組みがある以上、想定より一つ下の職位を提示されたときは、所属先がいつ、どう決まるかまで確かめてから判断することを勧めます。
Big4コンサルとFASはどちらを選ぶべきか
会計・財務の実務経験があり、M&Aや事業再生の局面に関わりたいならFAS、業界や業務の変革を構想から実行まで支援したいならコンサル部門が候補です。両者は業務の対象も応募要件も違い、FASの中でも財務デューデリジェンスなどは監査や会計実務の経験を軸に募集が組まれています。迷うのは、監査法人や経理財務の出身で両方に応募資格がある人です。
| 比較項目 | Big4のコンサル部門 | Big4のFAS(ディール部門) |
|---|---|---|
| 主な業務 | 戦略立案、業務改革、システム導入、リスク対応など | 財務デューデリジェンス、企業価値評価、M&Aアドバイザリー、事業再生など |
| 所属法人 | 各グループのコンサル法人 | PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EYSC内、合同会社デロイト トーマツなど |
| 応募要件の例 | 業界での企画・業務経験、システム導入、PMOなど | 監査経験、M&A関連業務の経験年数、会計・財務分析の実務 |
| 公表されている選考の例 | EYSC戦略部門:2〜3回、想定ランクに応じて適性検査・ケース面接 | EYSC財務デューデリジェンス:2〜3回、想定ランクに応じて適性検査 |
| 会計資格の扱い | KPMGコンサルティングは特に必要な資格なし | EYSCの財務デューデリジェンスは公認会計士などの資格保持を要件に記載 |
FASの所属法人は4グループで違う
同じFASでも、PwCとKPMGで応募するのはコンサル法人とは別の法人です。EYSCはコンサルティングとストラテジー・アンド・トランザクションが同じ法人にあり、職種一覧でもM&Aの区分がコンサルの区分と並んでいます。PwCアドバイザリーの職種名には「支度金支給あり」と書かれたものが多く、条件の確認先も法人ごとに分かれます。
会計実務の経験がある人の選び方
EYSCの財務デューデリジェンスは、公認会計士などの資格を持ち監査業務4年以上の経験があれば、財務デューデリジェンス未経験でも監査からのキャリアチェンジとして応募できるとしています。監査の経験をそのまま使うならFAS、経理財務の業務改革や経営管理の仕組みづくりに軸を移すなら、コンサル部門の財務・経理領域が比較の相手です。どちらも会計の知識を生かせるため、決め手は扱いたい局面がディールか、平時の業務改革かです。
Big4コンサルの選考プロセスと対策
KPMGコンサルティングが公表している中途選考は、書類選考、対象者のみの適性検査、複数回の面接、オファー面談という流れで、デロイトとEYSCも面接を複数回としています。面接の回数は下の表のとおり法人と募集で異なり、ケース面接の有無も部門と想定される職位で変わります。書類では募集要項の必須要件にどの経験で当たるか、面接では応募部門を選んだ理由とその部門で何をしたいかを、前職の具体的な仕事から説明できるかが問われます。準備の順番は、部門を決める、要件と経験を対応づける、想定質問に答えを用意する、オファー面談で条件を確かめる、の4段階です。
| グループ | 公表されている選考の流れ | 面接回数 | ケース面接・適性検査 | 期間・連絡 |
|---|---|---|---|---|
| デロイト トーマツ | 面接は複数回。詳細は応募後に各法人が案内 | 平均2〜3回 | 求人や経験により筆記試験・技術テスト・ケース面接の場合あり | 確認した資料に記載なし |
| PwCコンサルティング | 募集要項ごとに応募 | 確認した資料に記載なし | 確認した資料に記載なし | 選考結果にかかわらず10日以内に連絡(確認した募集要項の記載) |
| EYSC | 履歴書・職務経歴書を添付して応募 | 戦略部門2〜3回、金融リスク部門2回など | 想定ランクに応じて適性検査・ケース面接の可能性 | 確認した資料に記載なし |
| KPMGコンサルティング | 書類選考→適性検査(対象者のみ)→面接(複数回)→オファー面談→内定 | 複数回 | 適性検査は対象者のみ | 応募から内定まで約1〜2か月 |
書類選考|必須要件に経験を一つずつ当てる
書類で問われるのは、募集要項の要件に自分の経験が当たっているかどうかです。EYSCは応募時に履歴書と職務経歴書の添付を求め、KPMGコンサルティングも書類選考で両方を見ています。職務経歴書は、募集要項の必須要件と歓迎要件に自分の経験を一つずつ対応させる形で書くのが基本です。読み手が要件を満たしているかを判断しやすくなるためです。部門別の書き方とNG例は、コンサルの職務経歴書の書き方で詳しく扱っています。
適性検査|対象者や職位で実施が分かれる
KPMGコンサルティングは適性検査を対象者のみ実施とし、EYSCは想定ランクに応じて実施するとしています。デロイトも求人や経験によって筆記試験や技術テストを行う場合があると説明しており、全員一律ではない点が共通しています。案内が来たときに慌てないよう、応募の段階で実施の有無を確かめておきましょう。
面接とケース面接|応募部門の要件から想定する問い
面接の質問は、募集要項の要件を問いの形に置き換えると想定しやすくなります。戦略部門の募集が論点思考や構想力を挙げているなら、ケース面接や構想を問う質問を想定しておく必要があります。
- なぜ法人ではなくこの部門を選んだのか、前職のどの経験とつながるのか
- 前職で業務改革やシステム導入をどの立場で進め、関係者をどう巻き込んだのか
- 担当してきた業界で、いま経営層が抱えている課題を一つ挙げ、その理由を説明できるか
- 入社時に想定している職位で、最初の1年に何を任されると考えているか
- ケース面接では、売上の伸び悩みやコスト削減などの論点を、短時間で分解して仮説を示せるか
- 英語を使う案件や海外拠点との仕事にどこまで対応できるか
このうち1と4は、部門と職位の選び方に直結する問いです。答えが曖昧なまま面接に進むと、経験の説明が上手でも部門との結びつきが伝わりにくくなります。
オファー面談|職位・配属・一時金の条件を確かめる
KPMGコンサルティングは内定の前にオファー面談を設けています。年収の金額だけで判断せず、面談で質問の形で確かめておきたいのは次の5項目です。
| 確認したい項目 | 質問の例 | 確認が必要な理由 |
|---|---|---|
| 職位 | 提示された職位の根拠になった経験はどれか | 採用ランクは選考を通じて決まると公表する募集があるため |
| 配属 | 所属部門・ユニットはいつ、どのように決まるか | 職位で正式配属の時期が変わる仕組みがあるため |
| 支度金・入社一時金 | 支給の条件と、在籍期間による返還の有無はどうなっているか | 職種一覧に「支度金支給あり」などの表記はあるが、確認した資料には支給条件の記載がないため |
| 固定部分と変動部分 | 毎年固定で支払われる部分と、評価で変わる部分の割合はどの程度か | KPMGの募集要項は待遇を「経験、能力を考慮の上」決めるとしており、内訳は面談で確認する必要があるため |
| 働き方 | クライアント先常駐や出社の頻度はどう決まるか | KPMGはプロジェクトによりクライアント先常駐の可能性があると案内しているため |
とくに支度金や入社一時金は、初年度だけの支給なら2年目以降の受取額はその分下がります。一時金を除いた額でもそろえて比べるのが安全です。何年在籍で確定するかまで聞いておくと、複数の内定を同じ基準で比べられます。
Big4コンサルへの転職で失敗しないためのチェックポイント
Big4の転職でつまずきやすいのは、選考そのものより応募の順番と条件の確認です。再応募の扱いや同時応募のルールが法人・部門ごとに違うため、準備が整わないまま第一志望に出すと、後から取り返しにくくなります。応募前に次の5点を確かめておきましょう。
- 再応募の制限:PwCのStrategy&は、直近2年以内に中途採用選考を受けた人を対象外にしています。第一志望の部門ほど、準備が整ってから応募します。
- 同時応募と別法人への応募:デロイトはグループ内の複数法人に同時に応募でき、不合格後も別法人へ応募できます。同じ部門への再挑戦とは別の扱いです。
- 想定される職位:応募する職位の経験年数の目安を募集要項で確かめます。EYSCの金融リスク部門は、シニアマネージャーにコンサルでのManager以上の経験を必須としています。
- 一時金の条件:支度金や入社一時金は、支給の条件と在籍期間の扱いを確かめてから比べます。
- 英語の要件:KPMGコンサルティングは必須ではないとする一方、デロイトの製造・建設領域のように、英語の読み書きと会話に抵抗がないことを必須にする募集もあります。
応募の順番について、リメディの考えを書いておきます。再応募の制限がある部門を第一志望にする場合は、要件の近い別部門や別法人の選考を先に受け、書類と面接の受け答えを固めてから本命に応募する順番が現実的です。デロイトのように別法人の基準で選考し直す仕組みがあっても、同じ部門に再挑戦できるとは限らないためです。
どの部門を本命にし、どこを先に受けるかは、再応募の制限と職位の見込みを並べて初めて決まります。自分の経歴で受けられる部門の組み合わせと、出す順番の案を、選考日程が動き出す前に固めておくと安心です。
Big4コンサルへの転職で成功する人の特徴
Big4への転職で評価されやすいのは、華やかな経歴そのものより、経験と部門の要件の対応を自分の言葉で説明できる人です。公式の募集要項が出身別に経験を挙げている以上、何をしてきたかを要件の言葉に置き換えられるかで、書類と面接の伝わり方が変わります。年齢や経験年数の違いは職位の差として表れるため、若手は基礎的な業務経験の確かさを、経験者はチームや案件を率いた実績を前面に出すのが基本です。共通点は次の4つです。
- 前職の業務を募集要項の言葉で説明できる
- 部門を選んだ理由と、入社後にやりたいことが一貫している
- 想定する職位の根拠を、役割と成果で示せる
- 自分に合わない条件を事前に見極めている
1. 前職の業務を募集要項の言葉で説明できる
PwCの製造業の募集が挙げる「原価管理」「生産管理」「購買」のように、要件には具体的な業務名が並びます。自分の担当業務を同じ言葉で書き直し、規模や期間を添えられる人は、業界未経験でも要件の充足を示しやすくなります。
2. 部門を選んだ理由と、入社後にやりたいことが一貫している
Monitor Deloitteの募集要項は、希望する領域を書類提出時に伝えるよう求めつつ、最初の希望で配属先が決まるわけではないとしています。希望の理由が前職の経験から自然につながっていれば、配属の調整が入った場合でも、評価の軸がぶれません。
3. 想定する職位の根拠を、役割と成果で示せる
KPMGの職位表で、マネジャー級の役割に含まれるのが新たな案件の提案です。マネージャー以上を狙うなら、チームを率いた経験に加え、自分で仕事を取りにいった実績を示せると、職位の根拠として伝わりやすくなります。
4. 自分に合わない条件を事前に見極めている
前職の業界知識を生かして特定業界の変革に関わりたい人には、業界担当の部門が向いています。一方で、入社直後から特定のユニットに所属することを最優先する人が、コンサルタントの職位でEYSCに入ると、数年はACG/TCGで幅広い案件に入る働き方とのずれが生じます。その場合は、シニアコンサルタント以上の要件を満たせるかを先に確かめるか、部門単位で採用する募集を選ぶのが現実的です。
未経験からBig4コンサルへ転職するには何を準備すべきか
Big4にはコンサル未経験者を対象に含む募集がありますが、業界未経験と業務未経験は別物です。デロイトのポテンシャル採用でさえ業務改革やIT・DX導入の経験を必須にしているように、各部門は前職で何らかの変革や専門業務に関わった経験を求めています。完全に未経験の領域に飛び込むより、前職の業界か業務のどちらかで接点がある部門を選ぶ方が、書類で要件の充足を示しやすくなります。準備の柱は、未経験で応募できる募集の見極め、条件面の考え方、書類とケース練習の3つです。
未経験で応募できる募集を見極める
未経験で応募できるかは、募集要項の書き方で判断できます。事業会社出身者向けの要件欄がある募集、ポテンシャル採用と明記された募集、領域の実務経験を問わないと書かれた募集は、業界未経験者を想定した入口です。逆に、職階別要件にコンサルでの経験年数が書かれた上位職位の募集は、未経験からの応募には向きません。
年収を落としにくい応募の考え方
未経験の転職では、入社時の職位が募集要項の経験の目安と選考で決まるため、前職の役職と同じ水準になるとは限りません。厚生労働省の職業情報は、経営コンサルタントの給料は固定給に実績給が加算される形が一般的で、個人差が大きいと説明しています。提示額は、職位の根拠と、賞与や一時金を除いた固定部分を分けて比べるのが基本です。4グループの年収の水準はコンサルBIG4の年収ランキングで比べています。
職務経歴書とケース練習で示すもの
KPMGコンサルティングは、業界未経験であっても、ビジネスを俯瞰して見ることや、クライアントや上司との議論で積極的に意見や提案をすることを求めています。職務経歴書に書くべきは自分から提案して業務を変えた経験で、背景、打ち手、結果の順にまとめるのが基本です。ケース面接の練習では、数字の正確さより、論点を分けて仮説を示す手順を声に出して説明できるようにしておきます。
Big4コンサルの選考対策と相談準備
ここまでの内容があれば、部門の候補を挙げ、募集要項と自分の経験を照らし合わせるところまでは自分で進められます。4グループとも採用サイトで部門の仕事と応募要件を公開しており、情報の多くは一般に公開されているためです。
相談が役に立つのは、公開情報だけでは決めきれない場面です。たとえば経歴が複数の部門にまたがって主軸を決められないとき、提示された職位が妥当か判断できないとき、支度金や配属の条件を面談でどう確かめればよいか分からないときがそれに当たります。
リメディはGoogle口コミで4.9/5.0の評価(2026年6月時点)をいただいている転職エージェントです。Big4各グループの部門ごとの要件に沿って、応募部門の絞り込みから職務経歴書、面接の準備、条件の確認までを支援します。
相談する前に整理したいこと
- これまでの担当業務と、それぞれの期間・規模・自分の役割
- 前職の業界知識と専門業務のうち、どちらを主軸にしたいか
- 候補にしている部門と、その部門を選ぶ理由
- 英語を使う業務の経験と、現在の英語力
- 年収・勤務地・働き方で譲れない条件
Big4コンサルへの転職で成功するポイント
Big4への転職を成功させる要点は、法人より先に部門を決めること、職位の根拠を経験で示すこと、応募の順番と条件の確認を外部の目も使って詰めることの3つです。どれも公式の採用情報から確かめられる違いに基づいており、4グループのブランドや評判の比較だけでは見えてこない部分です。
応募前に押さえる3つの観点
業界理解|法人の違いより部門の違いを知る
4グループの違いで転職に直結するのは、FASが別法人かどうか、募集の区切りが業界担当と専門領域のどちらか、という組織の組み立てです。法人の比較は、応募する部門が決まってからで十分です。
スキル・経験要件|職位の根拠を数字と役割で示す
募集要項の経験年数の目安と、自分が率いた人数や案件の規模を並べると、狙える職位が見えてきます。職位が一つ違うと任される役割も配属の決まり方も変わるため、職位の根拠を自分で説明できる状態で面接に臨みます。
エージェント活用|応募順と条件の確認に使う
再応募の制限や一時金の条件のように、募集要項だけでは判断しにくい点は、コンサル領域に詳しい担当者に確認すると早く整理できます。応募の順番は一度出すと変えられないため、日程が動く前に決めておきたい項目です。
Big4コンサルへの転職を検討するなら
Big4コンサルへの転職の出発点は、部門、職位、応募の順番の3つを決めることです。4グループともコンサル未経験者を対象に含む募集を出していますが、多くの募集要項には、部門ごとの必須要件と職位ごとの経験年数の目安が書かれています。年収の水準を比べたい場合は前述の年収ランキングを、書類の準備に進む場合は職務経歴書の解説をあわせて確認してください。
候補の部門と出す順番の見通しが立ったら、あとは誰と一緒に選考を進めるかです。コンサル領域を担当するエージェントの中から相談相手を選び、自分の経歴で狙える部門と職位を面談で具体的にすり合わせると、最初の応募に迷わず進めます。

