
監修者
リメディ株式会社 ディレクター
馬越 雄司 | MAGOSHI Yuji
神戸大学を卒業後、阪急阪神ホールディングスに新卒入社。経理事業部に配属となり、グループ企業5社を担当。担当企業の決算業務や税務、IFRS改正対応業務に従事。
その後リクルートに転職しキャリアアドバイザーとして、候補者様に徹底的に向き合いながら、20代から50代まで様々な業界・職種の方のキャリア支援に従事。結果として、新人賞をはじめ、顧客価値貢献・チーム貢献に関する複数の賞を受賞。
現在はディレクターとして、M&A業界、戦略・総合コンサルティングファーム、メガベンチャー企業に特化した転職サポートを行い、業界トップクラスの支援実績を誇る。
本記事のポイント
中期経営計画の策定や予実管理、投資審査、新規事業の企画などに携わってきた方が、戦略系・総合系のコンサルファームへ転職しようとすると、最初に迷うのが「経営企画・事業企画で積んだ経験を、職務経歴書でどう見せれば評価されるのか」という点です。担当してきた仕事の価値は高いのに、社内向けの言い方のまま書くと、募集要項の評価軸にうまく乗らず、書類段階で伝わりきらないことが起きます。本記事は、非管理職の企画担当から課長・マネージャー級まで、職位を問わず経営企画・事業企画の実務経験がある方を対象にしています(完全未経験からコンサルに応募するケースは扱いません)。
コンサルファームの募集要項を横断すると、書類段階で確認される評価の観点は、上流の構想力、戦略立案から実行・効果検証までの一気通貫、数値で語れる成果に集約されます。経営企画・事業企画の経験は、この3つの観点と特に相性のよい前職です。一方で、社外クライアントとの単独折衝や体系的なメンバー育成、対外的な案件獲得といった観点は、経営企画では経験が薄くなりやすく、書き方に工夫が要ります。そこで以下では、経営企画の職務をコンサルの評価観点へ対応させる早見表と、社内表現の書き換え方を順に整理していきます。
| 確認項目 | 経営企画・事業企画からコンサル応募で見られる内容 |
|---|---|
| 強く評価される経験 | 中期経営計画・新規事業計画などの上流構想、予実管理・KPI設計での戦略から効果検証までの一気通貫、投資審査・事業性評価での定量判断(募集要項から逆算した弊社の見解) |
| 補強が要る経験(不足しやすい) | 社外クライアント(経営層)への単独折衝、体系的なメンバー育成・評価運用、対外的な案件獲得・提案活動 |
| コンサルの年収水準(参考) | 経営コンサルタントの平均年収は1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査)。ただし全職位を含む平均で、特定職位の年収ではない |
| 書類作成の要点 | 社内表現を「課題→仮説→検証→提言」に分解し直す、成果を定量指標で示す、募集要項の評価軸に対応する記述を入れる |
| 相談したいタイミング | 社内表現の書き換えに手応えがない、不足経験の補強方針に迷う、応募先のファーム種別で迷う場合 |
経営企画・事業企画の経験がコンサルで評価される理由
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでは、経営コンサルタントは「企業経営に関する高度な専門知識を活用し、経営者の相談に応じて経営課題の解決策を提示する職種」として整理されています。主要なタスクは、経営上の問題についての情報収集・整理(実施率95.9%)、関係者との話し合いと現場視察(93.9%)、情報分析・報告書作成(93.9%)、経営戦略等の案の作成(93.9%)、プレゼンテーション(93.9%)です。必須スキルでは、傾聴力5.1、説明力5.0、指導力4.9、交渉力4.8、読解力・文章力4.8、論理と推論4.6(いずれも job tag のレベル指標で、尺度上限は7)が高い評価になっています。経営課題を構造化し、解決策を作り、経営層に説明するという流れは、経営企画・事業企画が日常的に担ってきた仕事とよく重なります。
経営企画・事業企画の代表的な職務には、中期経営計画の策定、予算策定と予実管理、投資審査、M&A・アライアンスの検討、事業ポートフォリオ管理、KPI設計、新規事業計画、組織再編などがあります。これらは、コンサルタントが提供する「経営課題の構造化」「複数の選択肢の提示」「実行と効果検証」とほぼ同じ思考を、事業会社の内側で回してきた経験です。だからこそ、経営企画・事業企画はコンサルへの転職で相性のよい前職のひとつに数えられます。コンサル業界全体の採用動向や前職別の応募ルートは、コンサルティング業界への転職もあわせて確認してください。
ここで押さえておきたいのは、報酬の付き方の違いです。経営企画・事業企画とコンサルでは、同じような思考をしていても、事業モデルによって報酬の付き方(値付けの仕組み)が変わります。事業会社では経営を支える間接部門として評価される仕事が、コンサルでは対価を得るサービスそのものになります。この違いは前職の価値の高低ではなく、報酬構造の違いです。書類では、この構造の違いを踏まえて「自分の企画経験が、対価を払うクライアントにとってどんな価値になるか」を意識して書くと、募集要項の評価軸に乗せやすくなります。
経営企画の経験をコンサルの評価観点に対応させる早見表
コンサルの募集要項(アクセンチュア、PwCコンサルティング、KPMGコンサルティングなど)を横断すると、書類で確認される評価の観点は8つに整理できます。この早見表は、経営企画・事業企画のどの職務が、8つの観点のどれに、どの程度そのまま接続するかの全体像を示すものです(次のセクションでは、実際の文面の書き換え方を扱います)。適合度は、◎=そのまま強く接続、○=接続できるが書き方の補強が要る、△=経験が不足しやすく別途の補強が要る、で示します。いずれも募集要項から逆算した弊社の見解です。
| 経営企画・事業企画の職務 | 主に接続するコンサルの評価観点 | 適合度 | コンサル評価観点で見たときの価値 |
|---|---|---|---|
| 中期経営計画の策定 | 戦略立案→実行→効果検証/上流工程 | ◎ | 全社課題の構造化、複数シナリオの提示、実行ロードマップの設計 |
| 予算策定・予実管理 | 戦略から効果検証の一気通貫/成果指標 | ◎ | KPI設計、差異分析、打ち手の効果検証をPDCAで回す力 |
| 投資審査・投資意思決定支援 | 成果指標/一気通貫 | ◎ | 事業性評価、投資対効果・回収期間の定量判断、意思決定材料の設計 |
| 事業ポートフォリオ管理 | 一気通貫/業界・テーマ専門性 | ◎ | 事業別の資源配分判断、強化・撤退の意思決定支援 |
| KPI設計・経営ダッシュボード整備 | 成果指標/一気通貫 | ◎ | 成果を数値で説明する設計力(コンサルで最も重視される観点のひとつ) |
| 新規事業計画の立案 | 上流工程/一気通貫 | ◎ | 構想策定、事業計画、検証設計まで上流の構想力を示せる |
| 組織再編・制度設計 | プロジェクト全体責任/一気通貫 | ○ | 現状分析〜新設計〜移行〜定着の推進。横断調整の記述が要る |
| 経営会議・取締役会レポーティング | クライアント折衝/成果指標 | ○ | 経営層への論点整理・提言。社内向けから社外提言へ翻訳が要る |
| M&A・アライアンス検討(企画段階) | クライアント折衝/成果指標 | ○ | 事業性・シナジー評価、条件整理。社外交渉の記述は補強が要る |
| 全社プロジェクト事務局(PMO的役割) | プロジェクト全体責任/ピープルマネジメント | ○ | 横断PJの推進・進捗管理。自身の意思決定範囲を明示する必要がある |
全体を見ると、経営企画・事業企画は上流の構想力、戦略から効果検証までの一気通貫、成果指標での説明力の3点で強み(◎)を出しやすい前職です。自社の業界理解(業界・テーマ専門性)と全社PJの推進(全体責任)は○で、書き方をひと工夫すれば評価軸に乗せられます。逆に、社外クライアントへの単独折衝、体系的なピープルマネジメント、営業・案件獲得の3軸は経験が薄くなりやすい部分です。次のセクション以降で、◎○の強みを前面に出す書き方と、△の補強方法を分けて扱います。
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職務経歴書での書き方(社内表現からの書き換え)
経営企画・事業企画の職務経歴書で最もつまずきやすいのが、社内向けの言い方のまま書いてしまうことです。「中期経営計画策定に関与」「予実管理を担当」とだけ書いても、募集要項を読む採用担当には、担当した仕事の中身や自分の意思決定範囲が伝わりません。書き換えの基本は、ジョブ・カード様式2の職務経歴シートが示す4要素(職務内容・役割・貢献・得られた知識や技能)に沿って、課題→仮説→検証→提言のフェーズに分解し、社外に伝わる言い方へ直すことです。以下の書き換え表は、社内表現(Before)とコンサル評価観点に合わせて整理した表現(After)を並べたもので、文面の作り方を示す例です。
| 職務 | 社内表現(Before) | コンサル評価観点に合わせて整理した表現(After・読者自身の実績に置き換える前提) |
|---|---|---|
| 中期経営計画 | 中期経営計画策定に関与 | 全社の事業課題を整理し、市場・競合分析をもとに3カ年成長戦略の複数シナリオを設計。経営会議に選択肢と判断基準を提示し、採択後の実行ロードマップとKPIまで落とし込み。 |
| 予実管理 | 予実管理を担当 | 全社・事業別の予算策定とモニタリングを担当。月次で予実差異を分析し、要因を分解して打ち手を経営層に提案。施策の効果をKPIで検証し、翌四半期の計画に反映(差異◯%を◯%まで改善)。 |
| 投資審査 | 投資案件の審査に参加 | 設備投資・出資案件の事業性評価を担当。投資対効果と回収期間を試算し、複数案の比較と前提条件の感度分析を行い、投資意思決定の材料として経営会議に提示。 |
| 新規事業 | 新規事業の立ち上げに参画 | 新規事業の構想策定から事業計画立案までを担当。市場機会の仮説設定、顧客ヒアリングによる検証、収益モデル設計、KPIツリーの設計、初期の効果検証までを一気通貫で推進。 |
| 組織再編 | 組織改編プロジェクトを担当 | ◯部門・◯名規模の組織再編で、現状分析・新組織設計・移行計画・部門間調整・運用定着までを推進。関係部門との合意形成の論点と自身の意思決定範囲を明示。 |
上のAfterはあくまでテンプレートです。具体的な人数・金額・改善率は、読者自身の実際の実績に置き換えて記載してください。架空の成果を作ったように見せる書き方は、面接段階で必ず崩れます。前職の実数値を、募集要項の評価軸に合う言葉へ書き換えることだけに集中するのが、書類選考と面接を両立させる最短ルートです。数値を盛らず、説明できる事実だけを、コンサルの評価観点の言葉で並べ直す、と考えてください。
不足しやすい経験と補強の方向
経営企画・事業企画の経験は、上流構想・一気通貫・成果指標では強い一方で、社外クライアントへの単独折衝、体系的なピープルマネジメント、営業・案件獲得の3つの観点は経験が薄くなりやすい部分です。これは前職の欠点ではなく、経営企画という職務の構造上、折衝相手が社内経営層に閉じやすく、対外的な案件獲得の場面が少ない、という理由から生まれます。書類では、これらを無理に大きく見せるのではなく、隣接する社内経験を翻訳するか、入社後に伸ばす前提で正直に整理するのが安全です。
社外クライアントへの単独折衝(△)の補強
経営企画の折衝相手は、経営層・事業部門・関連部署といった社内が中心になりがちです。コンサルでは、社外クライアントの経営層に単独で向き合い、論点整理から合意形成までを引き出す経験が評価されます。補強の方向は、社内の経営層・事業部門トップへの提言や合意形成を「単独で意思決定を引き出した経験」として書き出すことです。さらに、監査法人・コンサル・ベンダーなど社外の専門家との折衝・調整を担った経験があれば、対外的な折衝力の裏づけとして加えます。それでも経験が薄い場合は、書類で誇張せず、面接で「入社後に社外折衝を伸ばす前提でどう準備しているか」を語れるようにしておきます。
体系的なピープルマネジメント(△)の補強
経営企画は少人数のチームで動くことが多く、体系的な育成・評価運用の経験が薄くなりがちです。補強の方向は、プロジェクト単位でメンバーを束ねた経験を、方針・運用・成果の3点セットで書くことです。全社PJの事務局として複数部門のメンバーを動かした、後輩の企画スキルを育てた、といった経験があれば、育成方針・関わり方・結果(担当の独り立ち、若手の担当領域拡大など)に分解して整理します。人数の多寡よりも、人を動かし育てる関わり方を具体的に示す方が、評価につながります。
営業・案件獲得(△)の補強
経営企画は社内起点の企画が中心で、対外的な案件獲得やプリセールスの経験はほぼ無いのが一般的です。この軸は、非管理職〜マネージャー入口の応募では必須ではないため、無理に作らず、正直に整理するのが基本です。近い経験としては、社内で企画を通すための合意形成、事業投資の社内提案、外部パートナーとのアライアンス提案などがあります。これらを「関係者を巻き込んで合意を取り、事業を前に進めた経験」として書けば、案件獲得に近い巻き込み力の裏づけになります。シニアマネージャー以上を狙う場合は、この軸の補強が重くなるため、後述の職位別スタンスも参照してください。
募集要項から逆算する成果指標
職務経歴書の各記述を、応募先の募集要項の評価軸に揃えて見直すときに使うのが、次のチェックリストです。この表は、8つの評価観点ごとに「求められる経験→職務経歴書で書く項目→成果指標→NG表現→改善方向」を縦串で並べたもので、書類提出前の最終チェックを想定しています。前の早見表が「どの観点に接続するか」の全体像だったのに対し、この表は「各観点で何を書き、どんな数値を添えるか」の具体的なチェック項目です。
| 募集要項で求められる経験 | 職務経歴書で書く項目 | 成果指標 | NG表現 | 改善方向 |
|---|---|---|---|---|
| 上流工程(構想策定・要件定義) | 中計・新規事業での構想の役割、ステークホルダー数、合意形成のプロセス | 構想から意思決定までの期間、関与部門数、採択された選択肢数 | 「戦略立案に関与」だけで終わる | 誰のどんな課題をどう構造化し、どの選択肢を経営層が選んだかを書く |
| 戦略立案→実行→効果検証の一気通貫 | 仮説設定、実行推進、KPI設計と効果検証の各フェーズでの役割 | KPI達成率、施策の継続採用率、予実差異の改善幅 | 「戦略を立てた」「実行を支援した」と別々に並べる | 立案から検証まで自分がどこを担ったかをフェーズ別に整理 |
| 成果指標(事業インパクト) | コスト削減額、売上・利益貢献、業務効率化%、投資対効果、KPI改善 | 定量数値そのもの。公開できない場合はレンジ表記でも可 | 「業務改善に貢献」「効率化を実現」 | 1項目あたり1〜2点の定量指標を添え、測定方法を説明できる状態にする |
| プロジェクト全体責任(PM/PMO) | 全社PJの規模(部門数・関与人数・期間)、組織横断性、自身の意思決定範囲 | PJ完遂、スケジュール遵守、関係部門の合意取得率 | 「PJを推進」「事務局を担当」だけ | どの論点をどの基準で意思決定したかを1〜2点明示する |
| 業界・テーマ専門性 | 担当事業・業界、専門テーマ(新規事業・M&A・DX等)、継続年数 | 担当年数、扱った案件数、蓄積した分析フレーム | 「業界知見あり」 | 自社業界だけでなく、他社にも応用できる形で知見を言語化する |
| クライアント折衝(経営層) | 提言・報告した相手の階層、合意形成のプロセス、難局を動かした場面 | 提言の採択、意思決定の取得、部門間の合意形成 | 「経営会議で報告」だけ | 誰に何を提案し、どう合意を得たかを自分の行為として書く |
| ピープルマネジメント | 束ねたメンバー、育成方針、関わり方、チームの変化 | 担当の独り立ち、若手の担当拡大、チームの推進力向上 | 「メンバーをまとめた」だけ | 方針・運用・成果の3点セットで書く |
| 営業・案件獲得 | 社内合意形成、事業投資提案、アライアンス提案など巻き込みの経験 | 提案の採択、投資の意思決定、パートナー獲得 | 該当経験がないのに無理に書く | 近い巻き込み経験に置き換える。無ければ入社後前提で正直に整理 |
IPAのデジタルスキル標準では、DX推進人材のスキル類型として、ビジネスアーキテクトをはじめとする複数の類型が定義されています。新規事業やDX関連の企画を担ってきた方は、自分の経験がどの類型のどのスキルに対応するかを意識して書くと、成果指標の裏づけが増します。応募先が明示している観点については、対応する記述を必ず入れておくのが基本です。
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応募先ファームタイプ別の見せ方
同じ経営企画の経験でも、応募先のファーム種別によって前面に出すべき実績が変わります。ここでは戦略系・総合系・Big4・専門ブティックの4タイプについて、基本的な見せ方の方針を整理します。戦略系トップティア(BCG・マッキンゼー・ベインなど)は募集要項が公開されておらず、別ルートの準備が要るため、本記事のサンプリング対象からは外しています。
戦略系・総合系ファーム
戦略立案から実行・定着までを一気通貫で担う総合系ファームでは、経営企画の上流構想と一気通貫の経験がそのまま強みになります。アクセンチュアはStrategy & Consulting、Technology、Operationsなど領域別の組織で、上流フェーズと実行の両立が要件として示される設計です。書類では、中期経営計画・新規事業計画などの構想経験と、KPI設計・予実管理での効果検証の経験を、フェーズ別に整理して前面に出します。
Big4(デロイト、PwC、KPMG、EY)
Big4は、組織横断の変革プロジェクトを多く手掛けるファーム群です。書類では、組織横断性・複数部門との合意形成・変革の推進が評価軸の前面に立ちます。PwCコンサルティングの募集要項は戦略策定から組織改革・業務改革・システム導入支援を連続したフェーズで担う設計、KPMGコンサルティングの募集要項は戦略策定から構築・運用浸透までを一気通貫で担う設計です。経営企画の組織再編・全社施策推進の経験は、この横断性・統合性の観点から整理すると接続します。
専門ブティック(M&A・FAS・財務・組織人事など)
特定領域に深い専門性を持つブティックでは、汎用的な推進力よりも担当領域での専門知識と実績の深さが前面に立ちます。M&A・アライアンス検討や投資審査の経験がある方は財務・FAS領域、組織再編・制度設計の経験がある方は組織・人事領域、というように、自分の企画経験の重心に合った領域のブティックを選ぶと、書類のチューニング方向が定まります。
ファーム別の具体的な年収レンジや役職ごとの水準は、各社の年収記事で確認できます。応募先を比較検討するときは、デロイト トーマツ コンサルティングの年収・PwCコンサルティングの年収・KPMGコンサルティングの年収・EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収・アビームコンサルティングの年収の各記事と、コンサルタントの年収(企業別ランキング)をあわせて参照してください。年収は応募ポジション・経験・選考結果によって変わるため、レンジは目安として確認するにとどめ、書類では年収そのものではなく実績の中身で勝負します。
書類選考で落ちやすい書き方
経営企画・事業企画からコンサルへ応募するときに、特に落ちやすい書き方を4つ整理します。いずれも、社内では通じるが、募集要項の評価軸には乗らない書き方の典型です。
失敗1:社内の言葉のまま書いている
社内独自の組織名・役職名・プロジェクト略称や、「全社最適」「横串」といった社内用語をそのまま書いても、採用担当には伝わりません。組織名は規模感(◯部門・◯名)、プロジェクト略称は業務内容(◯領域の業務改革)へ言い換えるのが基本です。読む相手が社外の採用担当であることを前提に、前提知識なしで意味が通るかを確認します。
失敗2:「関与」「参画」で役割が見えない
「中期経営計画策定に関与」「新規事業に参画」だけでは、自分がどのフェーズで何を意思決定したかが見えません。構想・分析・提言・実行のどこを、どこまで自分が担ったかを切り出します。関与の一言で済ませず、自分の意思決定範囲と担当フェーズを明示するだけで、読まれ方が大きく変わります。
失敗3:成果が定性表現で終わっている
「業務改善に貢献」「効率化を実現」など、数値の伴わない成果記述は、コンサル応募では弱く読まれます。コスト削減額、売上・利益貢献、投資対効果、KPI改善幅、予実差異の改善など、事業インパクトの定量指標を1〜2点添えます。公開できない数値はレンジ表記でも構いません。定量で語る姿勢が書類に見えていること自体が評価されます。
失敗4:不足軸を隠す、または誇張する
社外折衝・案件獲得のような不足しやすい軸を、無理に大きく見せると、面接で崩れます。逆に、まったく触れないのも機会損失です。近い社内経験に翻訳して書き、足りない部分は入社後に伸ばす前提で正直に整理するのが、書類と面接の一貫性を保つ安全策です。書けない成果を作らない、盛らない、という姿勢が、結果として信頼される書類につながります。
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面接で深掘りされる項目
コンサルの面接では、書類に書いた成果だけでなく、その背後にある判断のプロセス、仮説の立て方、うまくいかなかった経験からの学びが深掘りされます。アクセンチュアの中途面接ブログでも、コンサルタント職の評価ポイントとして、主体性・創造性・知的好奇心・チームワークが公式に挙げられています。書類で曖昧に書いた箇所は面接で必ず再確認されるため、書類と面接の一貫性が評価に直結します。
| 評価の観点 | 深掘り質問の例 | 良い回答の構造 | NG回答 | 準備しておく材料 |
|---|---|---|---|---|
| 上流構想・仮説設定 | 「その中期経営計画で、どんな課題をどう構造化しましたか。なぜその選択肢を選んだのですか」 | 背景→課題の構造化→選択肢→判断基準→採択→結果の順で構造化 | 「経営陣が決めた」「みんなで議論した」だけ | 企画立案時の論点整理メモ、選択肢の比較 |
| 効果検証・成果指標 | 「その施策の効果を、どんな指標でどう測りましたか」 | KPI設計→測定方法→結果→次への反映の順 | 「たぶん改善しました」「数字は覚えていない」 | KPIの設計意図、測定方法、対象期間、自分の寄与 |
| 社内外の巻き込み | 「関係部門の抵抗をどう動かしましたか」 | 関係者→対立の発生→対応→合意形成→結果の順 | 「丁寧に説明した」だけの抽象論 | 合意形成の場面、論点、動かした相手 |
| うまくいかなかった経験 | 「うまくいかなかった企画と、その学びを教えてください」 | 失敗内容→原因分析→対応→学び→次への適用の順 | 「大きな失敗はない」「運が悪かった」 | 失敗した企画の振り返り、改善策と適用結果 |
| 事業理解・専門性 | 「自社業界の知見は、他業界のクライアントにどう活かせますか」 | 自社での知見→抽象化→他社への応用の順 | 「自社のことしか分かりません」 | 自社知見の抽象化メモ、他業界への応用アイデア |
面接前の準備として有効なのが、書類に書いた各企画について、上の観点で深掘り質問を予想し、回答の構造を口頭で組み立てる練習です。書類の文言を暗記するのではなく、背景・判断・結果を自分の言葉で構造化して話せる状態にしておきます。特に経営企画出身では、「社外クライアントにどう価値を出せるか」「うまくいかなかった企画からの学び」は聞かれる前提で用意しておくと安心です。
職位別の応募スタンス(企画担当〜マネージャー級)
本記事は職位を問わず読める内容ですが、現在の職位によって、書類で前面に出すべき実績と、狙いやすい入口が変わります。非管理職の企画担当か、課長・マネージャー級かで、見せ方の重心を分けて整理します。
非管理職の企画担当(メンバー〜係長級)
コンサルタント〜シニアコンサルタントの入口を狙う層です。マネジメント経験の量よりも、個別の企画で、構想・分析・提言・効果検証のどこを自分が担ったかの解像度が問われます。中期経営計画の一部テーマを任された、予実分析から打ち手を提案した、新規事業の事業計画を作った、といった具体を、フェーズ別に切り出して書きます。ピープルマネジメントや案件獲得の薄さは、この層では大きな減点にはなりにくいため、◎の3軸(上流構想・一気通貫・成果指標)で勝負するのが基本です。
課長・マネージャー級
コンサルのマネージャー候補を狙う場合は、個別企画の実績に加えて、複数テーマ・複数メンバーを束ねた全体責任、経営層への提言、育成の関わり方まで書類に出す必要があります。全社プロジェクトの事務局として横断調整を主導した、部門をまたぐ合意形成を担った、といった経験を、意思決定範囲まで明示して整理するのが基本です。マネージャー級では、不足しやすい3つの観点(社外折衝・ピープルマネジメント・案件獲得)の補強がより重くなるため、隣接する社内経験の翻訳を丁寧に行うか、入社後に伸ばす前提を面接で語れるようにしておきます。なお、営業などコンサル以外の前職からのルートに関心がある場合は、営業からコンサルへの転職ルートも、経歴別の見せ方の参考になります。
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経営企画からコンサルの職務経歴書を相談すべきケース
経営企画・事業企画からコンサルへの職務経歴書は、自分で仕上げられるケースと、第三者のレビューを入れた方が早いケースに分かれます。まずは下の2列で、自分がどちらに近いかを確認してください。いずれも自分で進めてよい状態であれば、本記事の早見表・書き換え表・成果指標表を使って、まず自分でブラッシュアップを進めて問題ありません。
| 自分で進めてよいケース | 相談した方が早いケース |
|---|---|
| ◎の3軸(上流構想・一気通貫・成果指標)で書ける実績が明確で、社内表現の書き換えも手応えがある | 社内表現をコンサルの評価観点へ書き換える手応えがなく、どこを前面に出すか迷う |
| 成果を定量指標で説明でき、数値の背景も面接で話せる | 不足しやすい3軸(社外折衝・育成・案件獲得)の補強方針が定まらない |
| 応募先のファーム種別と、自分の企画経験の重心が合っている | 戦略系・総合系・Big4・ブティックのどこを狙うべきか決めきれない |
リメディの転職支援について
リメディは、ブランド調査で「年収1,000万円以上の方が利用したいと思う転職エージェント No.1」に選ばれた転職エージェントです。戦略コンサルへの転職支援実績もあり、経営企画・事業企画からコンサルへの転職相談にも対応しています。書類のレビューや不足経験の補強方針、ファーム選定で迷う方は、情報交換ベースでご相談いただけます。Google口コミでは4.9/5.0(2026年6月時点・104件)の評価をいただいており、一人ひとりの状況に寄り添った支援を行っています。本記事の早見表と書き換え表で十分に書類を整えられる方も多いので、押し付けにはしません。必要を感じた段階でご検討ください。
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関連記事
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