数字を作り、結果を出し、売れる営業として一定の評価を得てきた──。しかしその一方で、ふとした瞬間に「この成功は環境が変わっても通用するのか」「自分が抜けた後、この組織に何が残るのか」「自分の営業のやり方は、誰かに再現できる形になっているのか」という疑問がよぎり始めた方も少なくないのではないでしょうか。
営業として成果を出してきた。でも個人技では終わらせたくない。次は「勝ち方を残す側」に回りたい──。こうした違和感や関心は、営業の成果を個人の成果で終わらせず、組織の力として残していくという視点の転換を求めるサインかもしれません。
営業組織の設計・変革を専門に行うSALESCORE株式会社は、セールスイネーブルメントを通じて「成長実感を増やし、人類を前に進める」というミッションのもと、企業の営業組織に仕組みと文化を根付かせる伴走支援を行っています。
今回は、同社の執行役員 イネーブルメントサクセス本部 本部長の大久保友貴様にインタビューを実施。成果と市場価値の関係、トップ営業が抱く「違和感」の正体、「売れる」と「再現できる」の違い──さらには、プレイヤーでもマネージャーでもない「第3のキャリア」としてのセールスイネーブルメントの可能性まで、多角的に語っていただきました。

執行役員 / イネーブルメントサクセス本部 本部長 大久保 友貴
新卒で株式会社キーエンスに営業として入社し、その後起業・譲渡を経験。SALESCORE株式会社に入社後はSales Consulting事業責任者に就任し、現在は執行役員としてイネーブルメントサクセス本部長を務める。
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成果の要因を問い直す「実力か環境の恩恵か」|SALESCORE株式会社

――成果は出ているが、それは「環境要因」ではないか。なぜ成果が出ていても市場価値が高いとは限らないのでしょうか。
大久保様:前提として、「成果とは何か」は会社によってそれぞれ異なります。「営業経験がありました」と面接でおっしゃる方は多いですが、10人来たら10人が同じ仕事をしているわけではありません。売っているものや会社の市場によって、営業の種類はまったく異なります。
たとえば、私がいたキーエンスは世間からイメージしやすい営業だと思います。商品訴求やメリットを提案する一般的な営業です。一方で、商社などの場合は積み上げてきた信用資産があり、9割近くがリピート顧客で成り立っていたりします。「売上何億持っています」という人もいますが、そこを引き継いだ人がなぜかずっと評価される──これは正しいのかどうか。キーエンスの場合は、昨年からどれだけ伸ばしたかしか評価されません。
プラント・建設業界では1案件の受注に1〜3年くらいかけて、1件決まったら何十億規模という不動産業界に近いものがあります。それはどちらかというと提案というよりも、大きなゴールから逆算して色んな人を動かし合意形成をする、プロジェクトマネジメント的な要素がある。実際に成果が出ているのは、その環境だから出ている可能性もあります。過去に先人たちが積み上げてきたものが強すぎている可能性もあるので、そうした不安につながるのではないでしょうか。
――具体的に「環境のおかげで売れている状態」とは、もう少し掘り下げるとどのような状態を指しますか。
大久保様:キーエンスに入社して当初感じていたのは、商品力が非常に高いということです。扱う商品のほとんどが競合より何かが優れている状態で、かつ売り方も徹底的に設計されていますので、1年中目標未達の人は一度も見たことがありません。仕組みが作られている。かつ採用も上手くて、優秀な人を採るというよりも適性を見ていて、得意なことに従事して成果を出している。成果を出すためのバックアップが万全に整った環境でした。
そういうパターンもありますし、市場的に提供しているサービスがバブル寄りといいますか、たとえばDXやAIが今のトレンドだと思いますが、その市場に参入していた会社はほぼ引き合いでリソースが埋まってしまう。そのような環境で数字を出した成果と、まだ世の中に価値が証明されていない段階で、これからどう訴求すべきかという戦略から考え、顧客と共にユースケースを探り当てながら顧客価値を一緒に作り出すようなセールスとでは、難易度がかなり異なるというのが実感です。
――その環境依存の営業スタイルに頼っている状態は、将来的にどんなリスクが考えられますか。
大久保様:その企業の事業環境や競争優位性が未来永劫担保されているのであれば、特に大きな問題ではありません。しかし、昨今の市場変化・技術変革のスピードやサイクルが異次元ですので、ほとんどの人が使っているようなサービスでも上位互換が出てきたり、AIによって概念が変わって不必要になったりすることがある。その時に年齢も積み重なっていて、真の営業力が身についているわけではないので、世の中に放り出された瞬間に「ここまでしか成長できていなかったのか」と初めて認識する──そういう構造になっているのではないかと思います。
――では、営業としての「市場価値」は一体何で決まるのでしょうか。
大久保様:日頃から考えていることですが、年齢とともに体力も思考力も衰えていきます。おそらく20代が一番輝くタイミングですので、そのままずっとプレイヤーとして働いていくとなると、若い人の方が足も動き思考も回るので勝てなくなってくる。これからのキャリアアップとしては、営業できる人を増やす側に回ったり、組織として大きな成果を出しにいったり。仕組みや再現性を根本から作りにいくことで、基本一人で営業して出せる成果はどこまでいっても個人の成果(N=1)を超えることができませんが、周囲との合意形成も図り仕組みで売上を出す形だと、売上アップに上限はないと考えています。その方がより重宝されていくし、社会的にも市場価値は高いのではないでしょうか。
“なぜ売れたか”を言語化できるか──プレイヤーの限界とゲームチェンジ|SALESCORE株式会社

――20代で売れていた営業が、30代以降に直面する「キャリアの壁」はあると思いますか。
大久保様:それぞれの会社にもよりますが、日本は元々終身雇用で年功序列というのが一般的でしたので、実際は20代前半から爆発的な営業力を出せるポテンシャルがあるのに、30代になるまでチャンスがない。まずその組織構造の壁によって、一番身体が動き頭も回るタイミングで、チャレンジしやすい状態でそれを経験しないと、年齢を重ねてから挑戦するのは正直難しい。そういう組織的な壁が存在しています。
営業として成果を出していたのであれば非常に優れていると思いますが、N=1から無限大に成果を出すという視点に変えた時に、自分がなぜ売れていたかを言語化できていないケースが多い。「なぜ売れたのですか?」と聞かれた時に、その言語化が後付けのようになってしまう。もともとセンスがあったから売れていた可能性もあるし、自分が担当したエリアに優良顧客が現れて爆発的に生まれた成果だった可能性もあるかもしれない。
そこから脱却して、自分は今後営業の現場に出ずに仕組み・チームで勝ちにいくとなったらゲームが変わるので、苦手にも向き合わないといけない可能性もある。今までと頭の使い方がまったく違うので、そこで苦しまれている方は少なくありません。
――今売れているから安泰だと思っている人に向けて、大久保様から一番伝えたいメッセージをお伺いしてもよろしいでしょうか。
大久保様:売れている(成果が出ている)という時点で、組織の中でも上位の方だと思いますので、ぜひそのまま頑張っていただきたいと思う一方で、個人的に思うのは、伸びている市場に身を置くと強制的に知識やスキルを身に付けないと対応できないので、引き上げられる環境かどうかは市場の伸びに左右されるのではないでしょうか。
そういった観点で、まず今の会社はスキルアップできる環境かどうか。自分が今出している成果は再現性があるものなのか。売上の金額が原価の高いものなのか──たとえば不動産や建設は原価が高いため、一見何十億という数字は大きな成果に見えますが、実際は提案内容の複雑性が問われる。売っているものが顧客の課題解決の根幹に近づけば近づくほど、組織やITの問題も解決しないといけないため、複雑性が高くなります。シンプル寄りの商材を扱っているところから複雑性がある商材に変わった時や、これから価値を証明していくサービスを売ったり、売れるチームを作る必要性が出てきた時に「今の成果に再現性はあるのか」と考え、再現性がなければ認識を改める必要があるのではないでしょうか。
弊社のYouTubeチャンネルでは、SALESCORE株式会社の大久保様へインタビューを行った動画を投稿しております。SALESCORE株式会社様への転職をお考えの方はぜひご覧ください。
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トップ営業だからこそ抱く”違和感”の正体に迫る|SALESCORE株式会社

――売れているのに「このままで良いのか」と不安になる。この感情の正体について、大久保様はどのようにお考えですか。
大久保様:実際に成果が出ている営業に対して、「この成果は環境が変わっても通用するのか」という不安と、「市場や商材は今後も価値を持ち続けるのか」という不安。そして、自分一人で成果を上げられたとしても、会社を伸ばすところまで貢献できているのか。そうした点が不安の正体ではないでしょうか。
――一言で申し上げると、成果が出た要因を言語化・共有できないというイメージでしょうか。
大久保様:1つは、自分が出した成果を他の市場でも再現できるかどうかの言語化。商材が変わっても再現できる営業へと昇華できているか、知識がスキルとして身についているかという観点です。1年目・2年目と営業で成果を出しても、2年目以降は停滞フェーズに入る。2〜3年目の慣れてきた頃に成長が止まってしまう。それでも一定の成果が出せてしまうということもあります。
――その不安を解消していくために、構造的に捉えることが第一歩かと思いますが、具体的に何から取り組むべきでしょうか。
大久保様:まずは視座といいますか、視点を変えるのは簡単ではないですが、たとえば自分が新卒の営業として出した成果を、どうしたら組織で再現できるのか。後輩を自分以上に育てるにはどうするべきかという視点を持たないといけません。
一般的に良くないのが、会社の中で学ぶ機会がないこと。なぜか営業で成果を出した人がマネジメント層に回り、その中の一定割合でマネジメントのセンスがある人がいて、それ以外の人は役割が変わりついていくのが難しくなる。個人で成果を出せた人がマネジメントや仕組み作りでも通用するかどうかは一定の偶然性がある。体系化された学習機会と育成の仕組みがあれば、もう少しできる人が増えるのではないか。そういったことを学ぶ機会がないから、試行錯誤する個人に依存してしまっているのが実情です。
――その仕組み作りをした経験は、個人の営業力に対しても影響を及ぼすことが多いのでしょうか。
大久保様:「営業力」の定義を決めるのは難しいですが、突き詰めると、通したい主張や伝えたい価値をしっかり相手に認識のズレなく伝える力、これが真の営業力だと思います。組織が大きいほど仕組みを作ることは、さまざまな立場の方にこれから取り組む施策の価値を伝え、合意形成を行い社内を巻き込みながら、自分自身は手を動かさずに様々なチームを率いてその仕組みを作る。仕組みを作ることはあくまで手段でしかないので、その作った仕組みで成果を上げる。この一連のことがすべてできるようになれば、先ほど定義した「営業力」に近いものが身に付くのではないでしょうか。
SALESCOREでは全社員が営業を経験したほうがいいのではという考えもあり、エンジニア・プロダクト開発側も営業のロールプレイングを実施しています。
――最終的に営業を構造化できる人は、どのようなキャリアパスの選択肢がありますか。
大久保様:いくつかあると思います。ガチャではなく体系化された育成ができる状態ですので、成果の棚卸しや構造化ができている状態で、それをチームメンバーに体系立てて教えたり、できる人を増やすという観点から育成側に回ることも可能です。より大きなチームを率いて大きな目標を達成することも可能ですし、もしくは会社の中枢で、誰でも成果が上がるような仕組み・武器作りをしたり、成果の向上や低下の要因をしっかり特定して商品開発側にフィードバックし、開発側とビジネス側の中間に立つような立ち回りをしたり、活躍の場は複数あります。
売れる≠再現できる──再現性が組織を変える|SALESCORE株式会社

――「売れる」と「再現できる」はまったくの別物とのことですが、売れる営業とはどのような人物像でしょうか。
大久保様:これも冒頭で簡単にお話ししましたが、扱う商材によりまったく異なります。まずBtoCとBtoBに大きく分かれますし、キーエンスのように1日に何件も提案をするケースもあれば、多くの人を動かし成果を上げる営業もある。どの営業をしたとしても、1年以内に理解して成果を上げる人が「売れる営業」ではないでしょうか。
自身の成功事例を適切に棚卸しして言語化することで、どういうものに価値を感じて高い金額を払って発注するために社内のシステム部門にこういう稟議を通す──顧客が自社の商品を購入するプロセスまで棚卸し・言語化ができていると、先読みして動くことや無駄な動きを減らせる。そこまで理解していると教えることもできるし、チームにその仕組みを植え付けることもできる状態です。
――再現性がない組織では、何が起きている状態なのでしょうか。
大久保様:売れている人、特に成果を出している人ほど言語化する必要がない。できない人や売れない人の気持ちがわからない。かつ売れている時に「こういう勉強や努力をしているから売れるようになるんだ」「この場合はこうしたらいいんだ」とは言っているものの、「売れている」という事実が先に来て、その努力が直結したというような、本当かわからないものを言語化してしまう。周囲は理解したつもりになってしまいますが、実際はセンスで売れた可能性もあるし、偶然顧客が大きな予算を持っていた可能性もある。次の人が再現できる状態まで整理されていないため、他のメンバーは理解したつもりでも実際には再現することができない。これが再現性がない状態です。
データによる可視化と再現性の兆候
――その再現性を実際に作るうえで、データはどのように活用され成果につながっていますか。
大久保様:昨今では当たり前となっていますが、成果要因が言語化されていない状態で仮に成功事例を語っても、嘘ではないと思いますが本当かどうかは疑わしい部分もあります。しっかりデータを細かく取ってみると、売れている人は決済権を持っている人にしか営業に行っていないとか、必ず1件のアポイントで2商品の案件化を決めてくる、クロスセルの癖がついている、難しい提案の時は技術部の人も同席させているなど、成果につながる行動がデータで可視化される。その可視化されたデータを、スキルが上がっていない人も真似するだけで一定の成果が出ます。
データはあくまで手段なので、そのデータをどの粒度で活用するかは企業によって異なりますが、成果が出ない要因が何かをしっかり可視化しないと、次に何をすれば良いかがわからない。それが再現性を作るファーストステップだと認識しています。
――再現性を高めるためにマニュアル化やSFAの導入だけで再現性が上がるという誤った認識もあるかと思いますが、再現できる組織ができ始めている兆候のようなものはありますか。
大久保様:測り方としては、新入社員が成果を出すまでのリードタイムや、案件化して受注という流れの中で各工程での歩留まりが昨年よりどれだけ改善されたか、といった指標で効果を測ることが多いです。
やはり再現性を作る目的は、圧倒的に成果を出す人を増やすというよりも、組織の中で目標未達者や成果の出ない人を出さない──中央値を引き上げる取り組みと捉えていますので、今まで成果が出なかった人がどれくらいの期間で出るようになったのか、そういった観点を重要指標として見ることが多いです。
――余談にはなりますが、キーエンスでは仕組み化が非常に高い水準なのでしょうか。
大久保様:本当におっしゃる通りだと思います。一部参考にしているところもありますが、なぜかいろんな会社でOJTという、ほぼ丸投げの指導法がまかり通っている中、キーエンスでは入社から2〜3ヶ月はずっとインプットし続けて、知識をインプットしてロールプレイングする。全員が自分の考えで営業を行えるようになるまで徹底されている。あのレベルで短期間に売上貢献できるのは、異次元のスピードで会社への還元ができているのではないでしょうか。
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トップが抜けても崩れない組織に必要な”文化”とは|SALESCORE株式会社

――トップ営業が抜けてしまうケースでは、組織はどのように変化しますか。
大久保様:営業が何百〜何千人と多くいるのであれば、一時的には感情的にも嫌ですし上長はすごく困りますが、たとえば私がキーエンスを抜けても、おそらく翌日には通常稼働していたと思います。まあ残念ではありますが…。一方で、組織がまだ立ち上げフェーズであったりベンチャー企業の場合は、最悪の場合は業績不振になるレベルのダメージは避けられません。
エース社員は自身の成果を言語化しきれていない場合が多いため、辞めた後になぜ売れていたのかが解明されていないまま、成長しきれていない営業担当が残る構図となります。指導者も背中を追う存在もいない営業担当は、その環境に耐えられず辞めてしまう。例を挙げるとキリがないくらいに影響は計り知れません。
マニュアル化では残せないもの──仕組みと文化の二層構造
――営業トップの手法をマニュアル化すれば再現できるという声もありますが、マニュアル化では残せない部分とはどういった部分でしょうか。
大久保様:マニュアルを作っている人は頻繁に見ますが、使っている人はあまり見たことがなくて。見るのが面倒だったり、さまざまな要因でマニュアルが使われなくなる。それは、マニュアルの内容が仕組みに落とし込まれていないのが要因です。
すごく簡単な仕組みの事例でいうと、「必ず営業に行く時は先方に決裁者が同席していないとZoomのみで営業を終わらせる」──これは一種の小さな仕組みだと思います。決裁権を持つ人でなければ商談は進まないとエースは感覚的に理解しているから、必ずそうしていたものを仕組みにした状態。ここまで仕組みに落ちていると、次の人は真似せざるを得ない。そこまで仕組みに落とし込めていれば、人が抜けた場合のダメージは最小限に抑えられるはずです。
――再現できる組織を作るうえで、残すべきものは何でしょうか。
大久保様:2つあります。1つは先ほど例に挙げたような仕組みです。スキルの足りない営業担当に高度なことを教えても理解できるわけがない。高度すぎて辿り着くまでの過程が刻まれていないから「なぜ伝わらないのか」を理解できない。もう少し、すべきことを細分化して説明すると、この人たちは一段ずつできるようになっていきます。失敗の要因まで育成システムに落とし込まれていたり、キーアクションが仕組みに落ちているかが重要です。
もう1つは、作るのが大変ですが文化づくりです。文化とは、違うコミュニティに移った時に初めて「それが文化だったのだ」と認識するもの。たとえば、キーエンスでは1日3件しか営業しない人はいません。私の部署は1日8件は営業していて、これが多いという感覚はなく当たり前だという感じでした。いざ外に出ていろんな会社を見ると、「月8件でよしとされている」──この違和感が文化の違いだと思っています。
「ここまでやって営業としてプロだよね」「これだけの量やって当然だよね」という当たり前の水準、文化水準が一度高まるとそう簡単には形骸化しない。そこまで作れていると、誰が抜けても揺るがない状態と言えます。
伴走支援の実際──第三者だから言える正論と、現場に寄り添う泥臭さ
――文化を作るうえで伴走支援が重要になると思いますが、実際にどのように伴走しているのかお伺いしたいです。
大久保様:会社によって進め方は異なりますが、社内だけで実施するのが難しい要因は、大きなハレーションを引き受けないといけない実情があるからです。新たな取り組みや高度な仕組みを導入する局面では、どこの会社でもハレーションや抵抗がある。抵抗する方々は決して悪いわけではなく、元々エースの方々だったりするので、改善の必要性をそもそも感じていない。時間軸が世代や役職によっては食い違っている。それでも反対意見の方とも向き合わないと前に進まないので、理解してもらうには言語化して絶対に正しいと言い切らなければいけない。それには知識もスキルも必要になります。
組織変革を自社だけで実施するのは難しい。第三者からの言葉だから納得するという構図は確かに存在します。こうした前提のもと、SALESCOREが具体的に取り組んでいるのは、第三者としてしっかり正論をぶつけること。しかし正論だけで組織や人は変わらないので、実際に目の前で困っていることや、どんなことが負荷になって嫌なこと・面倒くさいことになっているのかを理解し、改善しながら一緒に一個ずつ定着させるというところを意識しています。
実際に伴走することで気づいたエピソードを挙げると、まったくデータ入力をしない方がいました。実際に張り付いてみると、サボりたいという理由ではなくタイピングが非常に遅かった。まずはタイピング練習から指導する。「いやいや入力してくださいよ」──正論でいくとそうなりますが、実際に現場で起こっていることは違う。変わるべきは人間なので、そういったところは伴走しながら見聞きして、顧客のレベル感・スピード感に寄り添っていくことが、どこの会社だとしても価値があるものと感じています。
キャリアの格上げ──営業の”第3の選択肢”|SALESCORE株式会社

――営業の王道キャリアであるプレイヤーからマネージャーという流れに対して、違和感が出ているのはなぜでしょうか。
大久保様:いろんなパターンがあると思いますが、売れたからマネージャーになったというパターンで、マネジメントを体系的に学んでいるわけではない。マネジメントする人数が増えれば増えるほど、業務難易度・見る指標・経営観点が変わる。売れたからといってそのスキルが付いているわけではなく、成果を言語化・構造化して再現可能なマネジメントができる状態ではない。
そのマネジメントに対しての不安とキャリアの天井が見えている。どの会社でもあると思いますが、「30歳ぐらいになったらあの人の地位にいて、40歳ぐらいになったらこの人の地位にいて、何歳になっても営業」というイメージがつきやすい。その後どうやって経営の中枢や企画職に就くことができるのか、道筋として用意されていないうえに属人的に配置されたりしているので、果たして自分の市場価値はこのまま伸びていくのか、できることをやり続けるだけではないかという不安につながっているのではないでしょうか。
設計と文化定着──セールスイネーブルメントの2つの仕事
――具体的に設計・変革する側というのは何をするのでしょうか。
大久保様:SALESCOREの仕事でいいますと、大きく「設計」と「文化定着」があります。それぞれ違う人が担当している場合もありますし、両方を一人で行う人もいます。
設計側は、文化定着させることを考えながら設計すると、より現場に寄り添ったシステムを作ったり、形骸化しないようなレポートラインを作り直したり、そういったところまで気が配れる設計力が身に付きます。具体的な取り組みとしては、イネーブルメントのテーマとして文化作りと仕組み作り、IT化・DXのようなテクノロジー部分、マネジメント・育成の人の部分──4つをテーマに設計しています。システム導入の前段となる仕組み作りやマネジメント・育成において、どうやればSALESCOREが抜けた後も再現可能な状態なのか、どんなデータが可視化されてどういうシステム構成にすればリアルタイムで正しい状態を把握できるのか、そのデータを誰がどのタイミングで見て使って、組織が半自動的に回る生態系を作るという仕事を、様々な観点から実施しています。
一方で文化定着側は、その設計を現場に定着させないといけないし、身体に馴染むまで形骸化しない状態にしないといけない。ほとんどの会社は多額のお金を使ってシステムを導入したが、いつの間にか使っていない人がいたり、取り組みの行方が曖昧なまま話題に上らなくなる。それを売上に直結させるという大きな役割が文化定着です。なぜこのチームは取り組みが定着しないのかを、デイリー・ウィークリーで分析して、「ここ業務負荷が大きいから少し効率化したら?」「ここシステムを入れた方がいいのでは?」と、横で伴走しながら変革の障壁を排除しつつ、一緒に定着させていくという仕事をします。どちらかというと構造化のスキルも必要ですが、高いコミュニケーション力が求められる仕事です。
――営業経験はこの仕事にどう活かせるのでしょうか。また、どのような方が向いていますか。
大久保様:そもそも営業経験がある方であれば、営業側の気持ちに立って理解ができますので、しっかり寄り添いながらも厳しいことは言う。やはり変革には時に厳しい指摘も必要になりますし、その際に営業出身者からの、気持ちを理解した指摘の方がコンサル出身者よりも効果的です。営業経験者だからこそ、良き理解者であり変革者になれると感じています。
――セールスイネーブルメント・営業コンサルという職種が今は市場価値が高いというお話ですが、希少性が高い理由は何でしょうか。
大久保様:業務効率や戦略作りなど、これまで重宝されてきた仕事もあると思いますが、今後はいかに売上を伸ばしたか──トップラインを伸ばさないとどれだけ効率化したところで企業は停滞しているに等しい。企業にとって一番重要なのは売上の成長であり、営業コンサルがそれを実現できる職種だからこそ、結果的に市場価値につながっているのではないでしょうか。
――一方で、セールスイネーブルメントに向かないのはどのような方でしょうか。
大久保様:SALESCOREでは「顧客より顧客のことを考える」という行動指針があります。ただ、行動指針があるからではなく、根本的に人の成長に寄与したい、目の前の組織・会社が良くなってほしいと半ば無意識的に思える人の方が、100%以上の努力ができるだろうし、それが顧客にも伝わって成果にも結びつく。絶対向いていない人というのはいないと思いますが、そういった気持ちを持っている方が向いているかと思いますし、人の成長よりももっと大事なものがあるという方は、別のフィールドでご活躍いただくのが良いかもしれません。
――後輩の育成が好きだったり、マネジメントに挑戦したいが具体的な進め方がわからない方は、SALESCOREの事業と親和性が高いイメージですか。
大久保様:一般的にマネジメント業務は30代以降で担うことが多いですが、その経験は早ければ早いほどキャリア的に価値が高いですから、それをSALESCOREでは入社1年以内に積める点は大きな強みです。
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営業をやる側から作る側へ──営業経験の新しい活かし方|SALESCORE株式会社

――SALESCOREは何を目指している会社なのか教えてください。
大久保様:顧客は企業なのでBtoBの会社ですが、創業当初から個人にフォーカスしたミッションを掲げています。その内容は「成長実感を増やして、人類を前に進める」というものです。
スポーツの世界で活躍されている方はすごい努力をしている人に見えますが、元々センスがあったり向いていたりする場合、本人が感じる努力のハードルは異次元に低いと思います。今日やったことが明日成果になる人と、成果が出るまでに1年かかる人では、後者は途中で挫折してしまう。結局挑戦しなくなり、元々の正のエネルギーが負のエネルギーになる要因は、突き詰めると人は「成長実感」や「自己効力感」のようなものがないと、根本的に頑張り続けることはできないと思っています。だからこそ、理論・テクノロジーを通してそれを全員に届ける事業を行っています。
SALESCOREらしさが現れた支援事例
――SALESCOREらしさが現れている支援事例があれば教えてください。
大久保様:いくつかありますが、ある会社が当初は「御社の提案は現場では実行できない」「うちの組織には合わない」とおっしゃっていた企業様で、伴走を続ける中で現場の文化が劇的に変わり、その担当者の方からプロジェクト終了時に「今が人生で一番仕事が楽しい」というお言葉をいただきました。それを聞いた弊社のメンバーは泣いていました。
他の事例では、当初は「とりあえず成果出せ」とは言うが、一方でやり方もわからず育成の仕組みがなく、やる気はあるがその努力が成果に結びつかない若手社員がいました。私たちがマネジメント体制を整理し、データを可視化したことで、数年後にその方から「マネージャーになりました」とご連絡をいただき、今度は「発注責任者」として再会できた時は本当に良いプロジェクトだったと感じました。
文化醸成を重視する理由──人は環境に依存する
――そこまで「文化醸成」を重要視する理由を改めて教えてください。
大久保様:こちらも創業期からの思想になりますが、人は環境に依存するものです。高度な仕事をしていればそれが水準になり、新しい職場を高度化していく。環境に依存する生き物だからこそ、その環境側の水準を上げることがもっともインパクトのある取り組みだと捉えています。
環境が整っていないのに新しいものを受け入れたり、難しい取り組みを実行する推進力は、一定の文化水準に至っていないと対応できません。たとえば多額の予算を使ったDXは、果たしてROI(投資対効果)があったのか証明できないケースが多い。「文化(環境)」を変えつつ新しい仕組みを導入することで、初めてその取り組みの価値が証明されて、当初の目論見通り全員が実行できる状態になって初めて真のインパクトが生まれ、ROIも合う。まず一定の文化水準に到達させることが大前提だと考えています。
営業経験をSALESCOREでどう活かすか
――SALESCOREで働くことで、これまで営業経験で培ってきた能力はどのように活かすことができますか。
大久保様:世の中には営業経験のある方が7割くらいいるのですが、営業経験があるかどうかで顧客が困っていることへの解像度がまったく変わります。前職で同じ困難に直面していることが多いので、課題の解像度が高く、顧客の立場になって考えることもできる。専門用語が通じないということもなく、違和感なく言葉として入ってきやすいですね。
一方で、それ以上のことは未知の領域です。システムのことを一から学ばないといけないし、プロジェクトワークに必要なことも学ばないといけない。AIの利活用も求められますし、ベンチャーの会社なので自社で使っているシステムだけで10個以上あります。営業経験があるからといって即座にすべてがこなせるわけではなく、覚えるべきことは決して少なくありません。ただ、今までやってきたことはそのまま知識として活かしつつ新たな領域を学べるというのは、まったくの未経験で入るよりは確実に有利です。
――最後に、どういった方に入社・ご応募していただきたいか、大久保様からメッセージをいただければ幸いです。
大久保様:個人的に思っているのは、営業で「成果を出す」ということは、成果を出すために営業として雇われているので、成果を出すのは当たり前です。できる人を増やす側に視点を変えて、目の前の人や組織に対して「できていないものができるようになる」こと、組織の文化が劇的に変わって目に見えて売上が上がること──そういったことを高度なことも合わせて泥臭くやりたいという方にとっては、大きなやりがいを感じられる環境です。
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