
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
日髙 大志 | HIDAKA Taishi
筑波大学大学院を卒業後、日本工営(開発コンサルティング会社)に新卒入社。官公庁・建設・不動産・総合商社セクターでの国際開発プロジェクトにコンサルタントとして従事。その後、KPMGコンサルティング株式会社に参画し、DXコンサルタントとして、官公庁・不動産セクターでのDX推進に携わる。
コンサルタントとしてキャリアを歩む中で、優秀な人材がポテンシャルを最大限発揮して活躍することが企業の成長へ直結することを実感し、ヘッドハンターとしてリメディに参画。コンサルティングファーム、M&A、不動産・建設業界を中心にハイキャリア層の採用・転職支援を実施。
2026年8月時点の公式情報から見ると、大塚商会向けの職務経歴書は、会社全体に合わせた一種類では足りません。営業、SE、カスタマーエンジニア、スタッフのどこへ応募するかを先に決め、最初の案件と成果の見せ方を変える必要があります。
同社は採用方針として「適職主義」を掲げています。職務経歴書でも、幅広い経験を均等に並べるより、応募職種で再現できる仕事を一つ目に置く方が自然です。
応募職種ごとに最初の証拠を変える
| 応募職種 | 最初に示す経験 | 案件欄で続ける内容 |
|---|---|---|
| 営業 | 顧客課題を見つけ、提案を組み立てた経験 | 商談相手、比較案、技術・保守との協働、導入後の結果 |
| SE | 要件と制約を踏まえた設計判断 | 担当工程、移行、利用定着、運用品質 |
| カスタマーエンジニア | 影響を見極め、復旧と予防を進めた経験 | 切り分け、優先順位、再発防止、先回りした提案 |
| スタッフ | 正確性と期限を守り、例外へ対処した経験 | 処理条件、他部門との確認、改善、チームへの展開 |
スタッフ職の仕事紹介には新卒向け情報も含まれます。中途採用の必須条件として流用せず、仕事を分解する参考として使い、応募時は現行の募集要項を優先してください。
「オフィスまるごと」を自分の提案経験へ落とす
統合報告書2025では、2024年の年間取引企業数29.5万社、年間商談数356万件、取引企業の約8割が年商10億円未満と説明されています。また、幅広い商材と販売後のサポートを組み合わせる「オフィスまるごと」を事業の特徴に挙げています。
これらは会社の数字であり、応募者の実績ではありません。職務経歴書では、担当顧客の業種・規模、見つけた課題、組み合わせた提案、導入後の変化へ分解します。
ここはリメディの見解ですが、同社の顧客基盤が幅広いからこそ、「大手向け」「中小向け」といった分類だけでは足りません。顧客が何を判断できず、複数の商材や支援をどう組み合わせたかまで書くと、提案の再現性が伝わります。
営業は売上の前に提案の組み立てを示す
営業実績は、売上や達成率だけでは十分ではありません。顧客が口にした要望と、自分が深掘りした業務・経営課題を分け、なぜその提案を選んだかを示します。
- 顧客の業種、規模、商談相手、既存環境
- 最初の要望と、追加で確認した課題
- 比較した商材・進め方と採用理由
- SE、メーカー、保守、管理部門との役割分担
- 受注後の導入、定着、継続提案で確認した結果
チーム売上を使う場合は、全体結果と本人の担当を別に書きます。市場の追い風や既存顧客の自然増を含む数字なら、自分が変えた顧客、提案、条件を切り分けてください。
SEとカスタマーエンジニアは実装後の責任まで書く
SEは技術名を並べるより、対象業務、要件、制約、設計判断、移行、利用部門への定着を一つの案件でつなぎます。営業と提案した経験があるなら、技術説明を顧客の判断材料へ変えた工夫も有力です。
| 確認項目 | SE | カスタマーエンジニア |
|---|---|---|
| 対象 | 利用部門、業務、システム範囲 | 機器、拠点、影響を受けた業務 |
| 判断 | 設計案、制約、採用理由 | 切り分け、優先順位、復旧手順 |
| 協働 | 営業、開発、顧客責任者との合意 | 顧客、保守拠点、メーカーとの連携 |
| 結果 | 稼働、定着、品質、運用負荷 | 復旧、影響抑制、再発防止 |
復旧件数が多いことだけで品質を断定しない方がよいでしょう。難しい状況で何を見極め、障害対応の知見を予防保守や先回りした提案へどう残したかが、本人の判断を示します。
スタッフ職は「支援」ではなく例外判断を示す
「営業を支援しました」だけでは、本人が何を判断したか分かりません。受注、契約、請求などの対象業務、通常処理では解けなかった例外、確認した相手、期限や品質を守るために変えた手順を示します。
- 扱った業務と処理条件
- 例外が生じた理由と影響範囲
- 営業、経理、法務、物流への確認
- 最終的に合意した処理
- 手戻りを防ぐために残したチェックや引き継ぎ
処理件数を示す場合は、期間と品質条件を添えます。数字がなくても、締切、承認者、再利用された手順など、業務が安定した事実は成果になります。
職務要約は応募職種の証拠の索引にする
職務要約は、経験年数と会社名を短く並べる欄ではありません。対象顧客・業務、応募職種に近い役割、得意な判断、代表成果の順にまとめます。
営業の例:中堅企業向けIT提案営業に従事。顧客業務を聞き取り、複数商材と保守を組み合わせる提案を担当した。特に、営業と技術担当の役割を整理し、導入後の利用状況を踏まえた追加改善につなげた。
案件欄は「顧客・課題」「本人の役割」「比較と判断」「協働」「結果」の順にすると、読み手が仕事の流れを追いやすくなります。例文の数字や結果をそのまま写さず、架空の個人実績を盛らないことが大切です。読者自身の実績として確認できる顧客・判断・導入後の変化へ置き換え、面接で説明できる事実だけを書きます。職務要約で強調した内容が、最初の案件で証明されているかも確認します。
弱い表現を職種ごとの責任へ直す
| 弱い書き方 | 改善する方向 |
|---|---|
| 幅広い商材を提案 | 顧客課題、比較案、採用理由、導入結果を書く |
| 要件定義から運用まで担当 | 最も難しかった判断と本人の責任を特定する |
| 障害へ迅速に対応 | 影響、切り分け、復旧判断、再発防止を書く |
| 営業をサポート | 処理条件、例外、確認、改善後の状態を書く |
応募職種を決めきれない場合は、同じ書類へ複数職種の言葉を足すのではなく、職務要約と先頭案件を職種別に作り分けて比較します。どの版が自分の判断を最も具体的に示せるかを見ると、応募先も絞りやすくなります。
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大塚商会の職務経歴書に関するFAQ
複数職種へ同じ書類を出してもよいですか?
経歴の事実は共通でも、職務要約と案件順は変えた方がよいでしょう。営業なら提案、SEなら設計・移行、スタッフなら例外判断を最初に証明します。
売上がないSEも数字が必要ですか?
売上を無理に作る必要はありません。対象拠点、利用部門、期間、稼働期限、障害影響、運用対象など、説明できる規模と条件を使えます。
チームの成果は書けますか?
書けます。ただし、チーム全体の結果と本人の担当を別に記します。会社や部門の数字を、そのまま個人実績に見せないことが大切です。

