
立教大学を卒業後、大手不動産デベロッパーに新卒で入社。富裕層向けの不動産売買を担当し、手数料売上ランキングで上位5%に入る成績を達成。その後、ヘッドハンティングファーム「アサイン」に、創業間もないタイミングで参画。ヘッドハンターとして20代から30代のマネジメント層の支援に従事。同時にCRM部門のセールス責任者として15名のメンバーをマネジメントした経験を有する。リメディには、ヘッドハンティングをきっかけに入社を決意。シニアコンサルタントとして、M&Aアドバイザリーファームや戦略・総合コンサルティングファーム等の役員層とのコネクションを強みとした転職サポートに従事。これまで2,000名以上の転職支援に携わり、20代からエグゼクティブ層まで幅広い支援を行い、業界トップクラスの実績を誇る。
確認した公式求人の金額欄は、人事経験を問わないポテンシャル採用の500万〜700万円から、管理職求人の1,000万円以上までに分かれます。差を生むのは、制度設計・人事システム導入・人材開発という領域の違いよりも、職位の区切りと残業代の扱いです。
本記事は、人事・労務・人材業界で働いてきた人が、人事コンサルへ移った場合の年収を見積もるためのものです。人事コンサル11社の募集要項と、比較用に事業会社の人事職4求人、厚生労働省の職業情報を並べ、どの条件で金額が上がり、どこで下がるのかを示します。
本記事のポイント
金額欄の書き方は会社ごとに違うため、数字は職位と残業代の条件と一緒に読む必要があります。要点は次のとおりです。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 求人の金額の幅 | ポテンシャル採用は500万〜700万円、管理職は1,000万円〜(各社募集要項の表示値)。 |
| 領域で変わる点 | 制度設計は会社ごとの表示形式の差が大きい。人事システム導入は職位別の金額を公開する求人がある。人材開発は年俸制や登壇インセンティブなど、金額が動く仕組みが違う。 |
| 職位で変わる点 | メンバー500〜700万円、リーダー750〜1,000万円、マネージャー1,100〜1,600万円(人事システム導入の1求人)。 |
| 事業会社人事との比較 | 確認したHRBP・人事企画・人材開発の4求人は600万〜1,250万円で、いずれも40〜45時間分の固定残業代を含む。 |
| 上がりやすい経験 | 人事プロジェクトの推進、人事システムの導入、M&Aや組織再編に伴う人事統合、事業会社での制度企画。 |
| 比較の注意点 | 大手ファーム3社の募集要項は金額を載せていない。上限額の大きさだけで比べない。 |
表の金額は各社の募集要項に表示された幅で、いずれも2026年10月18日時点で確認したものです。同日時点で募集を終えた求人の掲載内容も一部含みます。
人事コンサルの年収は統計と求人票で見え方が違う
公的な統計は人事コンサルだけを切り出した平均ではないため、応募先で提示される金額を見積もるなら、求人票の金額欄を見る方が確かです。
job tagの統計値は職業分類単位の参考値
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には「人事コンサルタント」という職業があり、統計値は全国で1,134.6万円と表示されています。同じ統計で示される年齢は39.4歳です。
ただし、この数字の対象は「その他の経営・金融・保険の専門的職業」などの職業分類です。job tag自身も、統計データは必ずしもその職業のみの値ではないと注記しています。人事コンサルの求人で提示される金額の目安として、そのまま当てはめることはできません。
小規模な会社が多く、個人差が大きい職業
job tagの労働条件の説明は、給与に占める成果給の割合が大きく、年俸制の会社もあるため、個人差が大きいと書いています。
勤務先は数人から数十人の中堅・中小の会社が多く、大手でも200〜300人程度という説明です。会社が小さく、個人の成果で金額が動く職業だからこそ、平均値より「どの会社が、どの職位に、いくらの幅を示しているか」を見る方が判断に使えます。
統計の数字が当てはまらないと分かったら、次に確かめたいのは、これまでの人事経験が制度設計・人事システム導入・人材開発のうちどこに当てはまり、応募先でどの職位として扱われるかです。
制度設計・HRテック導入・人材開発で金額はどう変わるか
人事コンサルの仕事は、組織・人事制度の設計、人事システムの導入、人材開発・研修の3つに大きく分かれます。job tagの職業定義も、組織開発・人材開発・人事制度・報酬や退職金の制度設計を対象に挙げています。求人の金額欄の書き方も、この3領域でそれぞれ異なるのが実情です。
| 領域 | 会社・職種 | 金額欄 | 表示の前提 |
|---|---|---|---|
| 制度設計 | アビームコンサルティング 組織人事(大阪) | 690万〜2,500万円 | 同社のほかのコンサル職と共通の幅 |
| 制度設計 | パーソル総合研究所 組織・人事コンサルタント(マネジャー以上) | 1,000万円〜 | 下限だけの表示 |
| 制度設計 | 新経営サービス 人事制度コンサルタント | 400〜1,000万円程度 | 経験・能力を考慮して決定 |
| 制度設計 | AGSコンサルティング 人事・組織コンサルタント(ポテンシャル採用) | 500万〜700万円 | 残業代は別に支給 |
| 人事システム導入 | アビームシステムズ SuccessFactorsコンサルタント(大阪) | 500万〜1,600万円 | 職位別。月20時間分の残業代を含む |
| 人事システム導入 | DTS SuccessFactors技術者 | 450万〜695万円 | 担う役割に応じて決定 |
| 人事システムの提案 | カオナビ アカウントセールス/組織人事コンサルタント | 600万〜900万円 | 半期評価のインセンティブが別にある |
| 人材開発・研修 | HRインスティテュート 正社員 | 500万〜1,200万円 | 年俸制。固定残業代を含み、業績連動の支給は別 |
| 人材開発・研修 | パーソル総合研究所 講師職(契約社員・募集終了) | 約600万円 | 月10時間分の残業代を含む概算。2026年10月18日時点で募集終了 |
| 制度設計 | PwCコンサルティング・KPMGコンサルティング・EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 掲載なし | 選考の中で確認 |
上限が最も大きいアビームコンサルティングの2,500万円は、人事領域だけの水準ではありません。同じ採用ページに並ぶBPR・BPO変革や原価管理のコンサル求人にも、同じ690万〜2,500万円が表示されています。
組織・人事制度設計の求人
制度設計の求人は、会社ごとに金額の出し方が違います。
アビームコンサルティングの組織人事は、人事戦略の策定・制度設計からタレントマネジメント、人事業務プロセスやITの導入までを扱います。必須要件は社会人経験2年以上に加えて、人事領域のコンサル、SIerでの人事領域、SAP導入、事業会社人事などのいずれかの経験です。
パーソル総合研究所の管理職求人は、金額を1,000万円〜と下限だけ示しています。この下限には夏と冬の賞与が含まれます。必須は人事コンサルティングファームでのプロジェクトマネジャー経験2-3年以上で、研修・人材開発に特化したファームでの経験は対象外と明記しています。
新経営サービスは、数十名から2,000名規模の中堅・中小企業を顧客に、人事制度の構築から定着までを支援する会社です。キャリア採用の金額は400〜1,000万円程度で、経験と能力をみて決めます。
AGSコンサルティングのポテンシャル採用は人事経験を問わず、法人向けの企画提案営業、カスタマーサクセス、コンサルのいずれかの経験(3年以上が目安)を求めます。金額欄は500万〜700万円で、残業代は別に支給されます。賞与は業績に応じた支給です。
人事システム導入(HRテック)の求人
人事システムの導入・保守では、職位ごとの金額を公開している求人がありました。
アビームシステムズのSuccessFactorsコンサルタント(大阪)は、評価・目標設定や後継者管理などの機能を持つ人事システムの保守を担い、改修の提案や要件定義へ広げていく仕事です。必須は人事領域かIT業界に携わりたいという意欲で、人事業務やITの経験は歓迎要件にとどまります。金額は職位別で、マネージャーは1,100〜1,600万円です。
DTSのSuccessFactors技術者は、導入・コンサル・開発の経験か、タレントマネジメントなど人事業務の知識を求めます。金額欄は450万〜695万円です。
タレントマネジメントシステムを提供するカオナビの提案職は、従業員1,000名以上の大手企業に対するITコンサル・組織人事コンサル・無形商材営業のいずれか3年以上を必須としています。人事領域の知見は歓迎要件の扱いです。金額欄は600万〜900万円で、半期ごとのインセンティブが別にあります。
人事実務の経験を導入コンサルの応募でどう示すかは、人事システム導入コンサルへの転職|人事実務と導入経験をどう生かすかで詳しく扱っています。
人材開発・研修の求人
研修の企画・登壇が中心の求人では、確認した2社とも成果で金額が動く仕組みを持っていました。
HRインスティテュートは、経営コンサルティング、研修プログラムの開発、研修インストラクターを担う正社員を、500万〜1,200万円の年俸で募集しています。年俸には固定残業代を含み、業績に連動する賞与は別に支給されます。翌年度の金額は、役割と成果をもとに年1回の自己申告と調整で決まります。
パーソル総合研究所の講師職は、2026年10月18日時点で募集を終了しています。掲載が残る募集要項では契約社員での募集で、月給463,500円(月10時間分の残業代を含む)、年額にすると約600万円でした。賞与はありません。正社員に登用されると、月額の固定給に、登壇回数で変わるインセンティブが加わる仕組みです。
正社員の例として同社が示す幅は、およそ700万〜1,000万円です。ただし、この金額は保障されないとも明記しています。
金額を載せていない大手ファームの募集要項
PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの人事領域の募集要項は、2026年10月18日時点で金額を載せていませんでした。KPMGコンサルティングは「経験、能力を考慮の上、当社の報酬規定による」と記載しています。
これらの会社では、提示額は選考の中で確かめることになります。面談で想定している職位と、その職位の金額の幅を先に聞いておけば、ほかの会社の求人と並べて比べられます。
領域ごとに金額欄の書き方が違うため、狙う領域を決めたら、いま出ている求人の要件と金額を自分の経験と並べて確かめるのが近道です。
職位が上がると金額はどこで変わるか
金額が大きく変わるのは、領域よりも職位の区切りです。職位別の金額を公開している求人では、メンバーからマネージャーへ職位が上がるたびに金額欄の下限が上がり、管理職帯の求人はプロジェクトの推進経験を必須にしています。
メンバー・リーダー・マネージャーの区切り
職位ごとの金額を公開しているアビームシステムズの求人では、区切りごとの差がはっきり分かります。
| 職位 | 金額欄 | 前提・役割 |
|---|---|---|
| メンバー | 500〜700万円 | 月20時間分の残業代を含む。人事システムの保守と改善提案 |
| リーダー | 750〜1,000万円 | 月20時間分の残業代を含む |
| マネージャー | 1,100〜1,600万円 | 残業代なし。PL・PM、人材育成、勤怠管理、評価なども担う |
下限で比べると、メンバーとリーダーの差は250万円、リーダーとマネージャーの差は350万円です。同社は月20時間の残業と扶養する子ども2人を条件にした例として、27歳で670万円、39歳のマネージャークラスで1,150万円を挙げています。
管理職帯の転職難易度を分けるプロジェクトの推進経験
管理職帯の求人は、人事プロジェクトを自分で回した経験、つまりプロジェクトマネジメント(PM)の経験を必須にしています。この経験を示せるかどうかで、上の職位に応募できるかが分かれます。
| 会社 | 職位 | 必須とされる経験 |
|---|---|---|
| パーソル総合研究所 | シニアマネジャー/マネジャー | 人事コンサルティングファームでのPM経験2-3年以上 |
| PwCコンサルティング | Senior Manager | 人事領域でのシニアマネージャー経験(コンサル経験8-10年以上)と案件獲得の経験 |
| PwCコンサルティング | Manager | 人事領域でのマネージャー経験(コンサル経験5年以上) |
| PwCコンサルティング | Senior Associate | 人事領域のコンサル経験3年以上、または事業会社での人事企画の業務経験など |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング | マネージャー以上 | PM相当の役割、または事業会社で組織変革・人事制度改革・M&Aのプロジェクトを進めた経験 |
| アビームシステムズ | マネージャー | PM・PL・マネジメントの経験など |
PwCコンサルティングのSenior Associateは、コンサル経験がなくても事業会社の人事企画経験で応募できる職位です。
ここはリメディの見解ですが、事業会社人事から移る場合は、在籍年数の長さより、制度改定や人事システム刷新を自分で進めた経験を職務経歴書で具体的に示す方が、上の職位での判定につながりやすいと考えます。上の表のとおり、管理職帯の要件はプロジェクトを回した経験で区切られているからです。
PM経験がまだない場合に、選考でどの経験が見られるかは人事・組織コンサルへの転職難易度で解説しています。
事業会社人事から移ると年収は上がるのか
上がるかどうかは、今の職位と、移った先で判定される職位の組み合わせで決まります。そのうえで、金額欄に含まれる残業代をそろえないと正しく比べられません。
残業代の扱いをそろえて比べる
比較に使った事業会社の人事職4求人は、どれも固定残業代を含めた金額で表示していました。
| 求人 | 金額欄 | 金額に含まれる残業代 |
|---|---|---|
| ビズリーチ HRBP | 750万〜1,250万円 | 40時間相当分 |
| RevComm HRBP(プロダクト組織担当) | 750万〜1,200万円 | 45時間分 |
| ワンキャリア 人事企画 | 600万〜1,000万円 | 45時間分(みなし) |
| マネーフォワード 人材開発CoE | 750万〜1,000万円 | 45時間分など |
| (参考)AGSコンサルティング ポテンシャル採用 | 500万〜700万円 | 含まない(別に支給) |
| (参考)アビームシステムズ メンバー | 500〜700万円 | 20時間分 |
上限の数字だけを見ると事業会社の方が高く見えますが、事業会社側には月40〜45時間分の残業代がすでに入っています。固定残業代は残業が少ない月でも同じ額が払われる一方、別に支給する会社では、残業した分だけ上乗せされます。
リメディとしては、提示額を見るときに、上の表の「金額に含まれる残業代」の列を先に読み、時間数をそろえてから金額を比べることを勧めます。時間数がずれたままでは、上がったのか下がったのかを読み違えるおそれがあるからです。
金額が下がりやすいケース
金額が下がりやすいのは、人事システム導入のメンバー帯から入る場合です。アビームシステムズのメンバー帯の上限700万円は、比較した事業会社HRBP求人2件の下限750万円を下回ります。
ポテンシャル採用の500万〜700万円も、ワンキャリアの人事企画求人(600万〜1,000万円)より下限が低い水準です。下がった金額から上の職位に上がるまでの期間は求人に書かれていないため、昇格の目安は面談で具体的に聞いておきたいところです。
コンサルから事業会社人事へ戻る場合
逆に、人事コンサルから事業会社のHRBPへ移る道もあります。ビズリーチのHRBP求人は、必須要件の選択肢の一つに「コンサルティングファームでのプロジェクトマネジメント経験(人事・HR系のプロジェクトご経験のある方)」を挙げ、金額を750万〜1,250万円としています。
人事コンサルでプロジェクトを回す経験を積んでおけば、事業会社へ戻るときにも、この金額帯の求人が応募先の候補になります。HRBP側の応募先の選び方は、HRBPへの転職|採用・制度・組織開発の経験から応募先を選ぶにまとめました。
企業タイプで異なる報酬の仕組み
同じ金額欄でも、何で上下するかは会社のタイプで違います。
| 企業タイプ | 該当する求人 | 金額が動く要因 | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 総合コンサルファーム | アビームコンサルティング | 職位。管理職は労働時間の定めの適用外 | 表示の幅はコンサル職で共通 |
| 人材系シンクタンク | パーソル総合研究所 | 職位 | 管理職は下限だけの表示 |
| 中堅・中小企業向けの専門会社 | 新経営サービス | 経験・能力、年1回の改定 | 幅が広い |
| 会計系コンサル | AGSコンサルティング | 別に支給する残業代、業績に応じた支給 | 残業代は金額欄の外 |
| 人事システムの導入会社 | アビームシステムズ、DTS | 職位、担う役割 | 残業代を一部含む表示がある |
| 人事システムの提供会社 | カオナビ | 半期評価のインセンティブ | 固定部分と変動部分を分けて聞く |
| 研修会社 | HRインスティテュート、パーソル総合研究所(講師職・募集終了) | 年俸の見直し、登壇回数 | 固定残業代込みの年俸や、一時金のない契約社員の募集の例がある |
評価や業績で動く部分が大きい会社ほど、求人の上限は届く可能性のある額であって、入社時の約束ではありません。固定部分がいくらで、変動部分がどの程度動くのかを分けて聞くと、会社どうしを同じ物差しで比べられます。
人事以外のコンサル領域と年収を比べたい場合は、コンサルタントの年収は?企業別ランキング・必要スキルを解説も参考になります。
年収が上がりやすい経験・上がりにくい経験
求人の必須・歓迎要件を並べると、職位の区切りに直接使われているのはプロジェクトの推進経験です。人事システムの導入、M&A・組織再編に伴う人事統合、事業会社での制度企画は、その推進経験をどの領域で積んだかを示す材料になります。
求人で評価される4つの経験
| 経験 | 求人での扱い | 職務経歴書での示し方 |
|---|---|---|
| 人事プロジェクトの推進(PM) | パーソル総合研究所の管理職、PwCコンサルティングのManager以上、EYストラテジー・アンド・コンサルティングのマネージャー以上で必須 | 体制、期間、関わった部門、自分が決めたこと |
| 人事システムの導入 | アビームコンサルティングの歓迎要件にSuccessFactors・Workdayなどの導入経験。DTSは導入経験を必要条件の一つに挙げる | 導入した機能の範囲と、担った工程 |
| M&A・組織再編に伴う人事統合や役員報酬の設計 | EYストラテジー・アンド・コンサルティングは必須要件の選択肢、KPMGコンサルティングとAGSコンサルティングは業務内容に挙げる | 統合や設計で担った範囲と、関わった意思決定 |
| 事業会社での人事企画・制度策定 | パーソル総合研究所の歓迎要件、PwCコンサルティングのSenior Associateの応募要件 | 対象者の範囲、改定した制度(等級・評価・報酬)、運用開始までの自分の役割 |
上がりにくいケース
研修・人材開発の経験だけで、制度設計系の管理職求人を狙うと条件が合わない場合があります。パーソル総合研究所の管理職求人が、研修・人材開発に特化したファームでの経験を対象外と明記しているためです。
人事の実務経験が長くても、上の表のプロジェクト推進に当たる経験を示せなければ、応募できるのはポテンシャル採用やメンバー帯の求人が中心になります。問われるのは年数ではなく、何を自分で進めたかです。
年収を上げる転職のタイミングと交渉で示す実績
入社時にどの職位で判定されるかが、その後の金額の出発点になります。
必須年数を満たした時点が区切り
職位ごとに必須経験の年数を示す求人では、その年数を満たした時点が応募を考える区切りです。PwCコンサルティングの場合、Senior Associateは人事コンサル3年以上、Managerはコンサル経験5年以上が目安です。
金額の見直し時期も会社で違います。新経営サービスは毎年4月に金額を改定し、AGSコンサルティングも毎年見直します。入社月と見直し月の間隔も、応募前に確かめておく点です。
条件交渉で示す実績
前章の表の4つの経験のうち、応募先の職位要件に当たるものを先に示します。
数字で示せる部分は数字で書くと、面接で職位の見立てを話し合いやすくなります。条件交渉の前には、入社一時金の有無と、支給される場合の在籍条件、入社時に想定している職位も面談で確認しておきます。
年収だけで応募先を選ぶリスク
求人の上限に目を向けるほど、変動する部分の大きさを見落としがちです。本記事で取り上げた求人には、次のような下振れの要因がありました。
- パーソル総合研究所の講師職(募集終了)は契約社員で賞与がなく、正社員登用後もインセンティブは登壇回数で変わる。登壇が少ない時期は金額が下がりうる
- AGSコンサルティングの賞与は業績に応じた支給で、HRインスティテュートの年俸は役割と成果で毎年見直される。初年度の提示額を、翌年以降も続く額として扱わない
- 大手ファーム3社は募集要項に金額を載せていない。上限の比較ができないまま応募先を絞ることになる
人事制度や人事システムのプロジェクトを自分で進めた経験があり、管理職帯の要件に届く人は、上側の金額帯を狙える条件がそろっています。一方、残業代込みで毎月の額が読みやすいことを最優先する人には、固定残業代を含めて金額を示す事業会社人事の求人の方が、比べやすい選択肢です。
応募前の面談では、次の質問をそのまま使えます。
- 入社時に想定している職位と、その職位の金額の幅はどこまでか
- 提示額に何時間分の残業代が含まれるか
- 業績や評価で変わる部分は、年間でどの程度動くか
- 入社一時金はあるか、ある場合は何年在籍で確定するか
- 次の職位に上がる目安となる経験と時期
人事コンサルで年収を上げたい人の相談ポイント
求人の金額欄と要件を自分で読み比べられる人は、相談しなくても応募先を絞れます。迷いやすいのは、自分の経験がどの職位で判定されるかを読めないときです。
| 自分で進めてよいケース | 相談した方が早いケース |
|---|---|
| 狙う領域と職位が決まっていて、必須要件を満たしている | 事業会社人事の経験が、どの職位で判定されるか見当がつかない |
| 求人の金額欄に、残業代の扱いが明記されている | 大手ファームのように金額が載っておらず、提示額の妥当性を判断できない |
| 現職と同じ前提(残業代込みかどうか)で比べられる | 制度設計・人事システム・研修のどれを軸にするか迷っている |
右の列に当てはまるなら、応募前に自分の職位の見立てと、残業代を含めた比べ方を担当者と確かめておくと、条件交渉で迷いにくくなります。
人事コンサルの年収でよくある質問
人事コンサルタントの年収はどれくらいですか?
確認した公式求人の金額欄は、ポテンシャル採用の500万〜700万円から、管理職の1,000万円以上まで幅があります。job tagの統計値は1,134.6万円ですが、人事コンサルだけを切り出した数字ではありません。
事業会社の人事から人事コンサルに移ると、年収は上がりますか?
入社時の職位しだいです。確認した事業会社のHRBP・人事企画・人材開発の4求人は600万〜1,250万円で、いずれも40〜45時間分の固定残業代を含みます。人事システム導入のメンバー帯(500〜700万円)から入ると下がる場合があり、プロジェクトの推進経験を示して上の職位で判定されれば、上がる余地があります。
制度設計・人事システム導入・人材開発のうち、どの領域が高いですか?
領域だけで高い・低いは決められません。会社ごとに金額欄の表示形式が違い、アビームコンサルティングの690万〜2,500万円は、同社のほかのコンサル職と共通の幅です。比べるなら、同じ会社の職位別の金額か、残業代の扱いがそろった求人どうしで比べます。
人事経験がなくても応募できる人事コンサルの求人はありますか?
あります。AGSコンサルティングのポテンシャル採用は人事経験を問わず、法人向けの提案営業、カスタマーサクセス、コンサルのいずれかの経験(3年以上が目安)を求め、金額欄は500万〜700万円です。アビームシステムズのSuccessFactorsコンサルタントも、人事業務の経験は歓迎要件の扱いです。
大手コンサルファームの人事コンサルの年収は公開されていますか?
確認したPwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの募集要項には、金額の記載がありませんでした。提示額は選考の中で確かめることになるため、想定している職位と、その金額に何時間分の残業代が含まれるかを面談で聞いておくと、ほかの会社の求人と比べやすくなります。

