
監修者
リメディ株式会社 ヘッドハンター
平岡 弦 | HIRAOKA Gen
慶應義塾大学卒業後、デロイトトーマツグループの有限責任監査法人トーマツに新卒入社。パブリックセクター部門にて、官公庁へのアドバイザリー業務に従事しつつ、大手事業会社のシステム導入案件や機関設計領域におけるコンサルティング案件に従事。パブリックセクター部門では官公庁を通し、スタートアップのエコシステム組成に貢献し、スタートアップへの伴走支援も行う。その後、ヘッドハンターファームである株式会社アサインに参画し、取締役直下の組織にて、ハイエンド層のキャリア支援を担う。前職のコンサルティング業界の知見を強みとしつつ、コンサルティング業界への支援を軸に専門領域を広げ、様々な方へのご支援を実現。その後、当社にヘッドハンティングをされ、入社を決意し、現在はシニアコンサルタントとしてM&Aアドバイザリーファーム、戦略・総合コンサルティングファームなどを中心とした転職サポートに従事。20代若手からエグゼクティブ層まで、幅広い支援を経験し、業界トップクラスの実績を誇る。
8部門から専門を選ぶならKPMG FAS、3法人統合後の基盤で領域を組み合わせたいなら合同会社デロイト トーマツのFAが候補です。旧DTFAは2025年12月に独立法人ではなくなったため、現在の採用組織を基準に比べます。
比較の焦点は会社規模の優劣ではありません。専門法人でサービスラインを深めるか、コンサルティング・リスクとの統合後の組織で経営課題を横断するかです。監査、金融、戦略コンサル、事業会社M&Aなど前職別に、公式採用情報から判断材料を絞ります。
KPMG FAS/デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、転職するならどっち?
希望業務がCorporate Finance、Transaction Services、Turnaround & Restructuringなどに定まっている人は、部門別要件が明確なKPMG FASから確認すると効率的です。M&Aに加えてDigital、危機対応、地域・産業再生などを組み合わせたい人は、統合後のデロイト トーマツのFAを確認してください。
- 企業価値評価やM&A実行を専門軸にしたい:KPMG FASのCorporate FinanceとデロイトのCFAを職務単位で比較する
- 財務調査・会計専門性から出発したい:KPMG FASのTransaction Servicesを含む募集部門と、デロイトのFA職種を照合する
- デジタルや危機対応まで広げたい:デロイトのDigital、F&CMと、KPMG FASのCVA、CSS-AIX、Forensicの差を見る
- 統合前DTFAの情報を見ている:給与・制度・法人名を現行募集ページで確認し直す
約11,000名という数字は合同会社デロイト トーマツと子会社を含む規模で、FA部門だけの人数ではありません。規模の数字を案件数や昇進機会へ読み替えず、応募ポジションの役割で判断します。
まず現在の法人名と組織を確認する
デロイト側の現在の法人名は、合同会社デロイト トーマツです。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社は、2025年12月1日に合併しました。
| 項目 | KPMG FAS | デロイト トーマツのFA |
|---|---|---|
| 現在の法人 | 株式会社 KPMG FAS | 合同会社デロイト トーマツ |
| 現在の採用表記 | KPMG FAS | 合同会社デロイト トーマツ/ファイナンシャルアドバイザリー |
| 2025年12月の組織変更 | KPMGアドバイザリーホールディングス傘下で法人存続 | コンサルティング・FA・リスクの3法人を合併 |
| 公式人員 | KPMG FAS単体は会社概要で非開示 | 子会社を含め約11,000名 |
| 採用の入口 | 8部門の経験者採用一覧 | 現行FA採用ページと職種一覧 |
この組織変更は、検索時の注意点に直結します。旧DTFAの名称で公開された過去記事は、当時の法人を説明する資料としては使えても、現在の配属、評価、勤務制度を保証する資料にはなりません。応募時は合同会社デロイト トーマツの募集要項へ戻る必要があります。
KPMG側も、KPMGジャパンの公式発表によると、2025年12月にKPMGアドバイザリーホールディングスが事業を開始しました。ただし、株式会社 KPMG FASという法人名と採用サイトは現在も維持されています。両社は同時期に組織を見直したものの、KPMGは専門法人を残し、デロイトは3法人を一つにしたという違いがあります。
両社に共通するM&A・再生・危機対応
両社とも、M&Aの戦略、調査、実行、PMIに加え、事業再生や危機対応を扱っています。企業価値、財務、事業に関する経営判断を支える点が共通項です。
KPMG FASのCorporate Financeは、国内外M&Aの助言、企業・事業価値評価、ストラクチャリングを職務として掲げています。Strategyの対象はM&A前の戦略から価値創造・PMIまで、T&Rの対象は再生計画と実行、利害関係者の調整です。
デロイトのCFAは、M&A戦略から交渉・クロージングまでの案件推進を公式に示しています。StrategyはPre M&AからPost M&Aまでを対象とし、事業再生では計画を行動レベルへ落とした実行支援を掲げています。取引成立後まで見るという共通点は、どちらへ応募しても必要な準備の手掛かりです。
- 財務情報の正確さだけでなく、意思決定に与える影響を説明する
- 分析資料を作っただけでなく、経営者・金融機関・社内関係者との調整を示す
- 計画策定だけでなく、実行時に生じた論点と修正を話せるようにする
- 守秘義務に配慮しながら、自分の担当範囲を明確にする
専門部門と統合モデルで仕事の広がりが変わる
仕事の広がりは、KPMG FASでは部門の隣接領域、デロイトでは統合法人内の専門領域として現れます。どちらも幅広いものの、応募時の切り分け方が同じではありません。
| テーマ | KPMG FAS | デロイト トーマツのFA |
|---|---|---|
| M&A実行 | Corporate Finance | コーポレート ファイナンシャルアドバイザリー |
| 戦略・価値創造 | Strategy | Strategy |
| 財務調査 | Transaction Services | 各募集職種で担当範囲を確認 |
| 再生・再編 | Turnaround & Restructuring | 企業再生、地域・産業再生、海外事業再編 |
| データ・デジタル | CVA、CSS-AIX | Digital。M&A、コンサルティング、Analyticsを扱う |
| 不正・危機対応 | Forensic。KPMG Forensic & Risk Advisoryへの出向を伴う募集あり | フォレンジック&クライシスマネジメント |
KPMG FASでは、応募部門を決めると要件との対応を作りやすくなります。例えばT&Rが明示するのは、財務3表計画、再生戦略、利害関係者調整です。再生に関心があるという志望だけでなく、金融機関との調整、事業計画、業績改善のどれを経験したかまで書類へ落とせます。
デロイト側は、統合後のFA採用ページにDigital、事業再生、F&CMなどを掲げています。統合モデルに魅力を感じる場合も、希望する領域を募集職種まで絞る必要があります。各職種の担当範囲を確認し、自分の主専門と接続する領域を具体化してください。
統合基盤は選択肢の広さを示す一方、FAの全員が全テーマを担当するわけではありません。規模に期待するなら、面接で所属チーム、他領域との協働方法、最初の案件で任される範囲を確認する必要があります。
前職別に応募先を比較する
前職だけで応募先を決めるのではなく、経験した業務を募集職種の要件へ分解します。監査・会計、金融機関、戦略・業務コンサル、事業会社のM&Aでは、同じ「M&A経験」でも担当した局面と成果の示し方が異なるためです。
| 前職・経験 | 先に見る募集 | 書類・面接で整理すること |
|---|---|---|
| 監査・会計 | KPMG FASのTransaction Services、デロイトFAの財務・調査系職種 | 分析対象、論点発見、経営者や金融機関への説明 |
| 金融機関 | 両社のCorporate Finance、CFA、再生関連職種 | 融資・再生局面での関係者調整と意思決定への関与 |
| 戦略・業務コンサル | KPMG FASのStrategy、デロイトのStrategyや隣接領域 | 仮説だけでなく、M&A前後の実行と成果までの担当範囲 |
| 事業会社M&A | 両社のM&A実行、価値評価、PMIに接続する職種 | 案件のどの段階で何を決め、社内外をどう動かしたか |
監査・会計出身者でも、財務調査を深めたいのか、価値評価や案件推進へ移りたいのかで確認先は変わります。金融機関出身者も、再生局面の関係者調整を強みにするのか、M&Aの実行・交渉へ寄せるのかを分けて書くと、部門要件との対応が明確になります。
戦略・業務コンサル出身者は、計画策定の経験だけでなく、実行時の修正や成果の測定まで説明できるかが判断材料です。事業会社のM&A経験者は、買収判断、デューデリジェンス、統合後のPMIのうち、自分が責任を持った場面を分けて記載します。守秘義務に触れる情報は出さず、役割・判断・結果の順で説明してください。
この整理を先に行うと、「専門性を深めるか、統合基盤で広げるか」という抽象的な比較が、応募する職種と面接質問に変わります。求人票に書かれていない配属後の運用は、所属チーム、案件の初期担当、他領域との協働、異動・育成の条件をその場で確認します。
給与は旧法人の数字を現在へ読み替えない
報酬比較では、旧DTFA時代の推定値を合同会社デロイト トーマツの現在値として扱わないことが重要です。両社は中途の法人平均年収や職位別レンジを同じ形式で開示していないため、本記事では独自の金額を作りません。
| 公開項目 | KPMG FAS | デロイト トーマツのFA |
|---|---|---|
| 新卒向け公開例 | 基本年俸600万円〜 | 初年度基本年俸550万円 |
| 対象の違い | 国内大卒・新会計士を含むM&A・戦略コンサルタント区分 | FA新卒募集 |
| 中途 | 部門別に経験・能力を考慮 | 現在の職種別募集で確認 |
| 確認事項 | 提示職位と給与構成を個別確認 | 現在の職種別募集で個別確認 |
上の金額は候補者区分が違うため、単純な高低の結論には使えません。中途の提示職位と条件は、応募先ごとに確認してください。
報酬の詳細を調べる場合は、KPMG FASの年収記事とデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの年収記事を参照できます。ただし後者は旧称を含む記事です。推定と公式開示、統合前と統合後を分けて読んでください。
配属・育成・働き方で確認すること
制度の比較は、一覧表だけで完結しません。KPMG FASは応募部門、デロイトは統合後の所属チームによって運用が変わる可能性があるため、面接で具体的に確かめます。
- 所属:法人、事業、部門、チームの正式名称
- 担当:直近の募集背景と、入社後最初に想定される業務
- 協働:他部門・他専門家と一緒に働く場面と、自分の責任範囲
- 勤務:勤務地、出張、フレックスタイム、繁忙時の体制
- 異動:本人希望による異動の条件と、統合後の運用
KPMG FASは経験者採用を8部門に分け、部門ごとに職務と応募要件を示しています。入社する部門で担当したい業務を先に固め、配属後の育成や異動は応募先へ確認してください。
デロイトの新卒FA募集は、標準労働時間7時間、コアタイムなしのフレックスタイム、複数都市の勤務地を掲示し、転居を伴う異動の可能性も記載しています。中途では条件が職種ごとに変わり得ます。旧DTFA時代の働き方記事ではなく、応募中の募集要項を確認してください。
結局どちらを選ぶかは、前職経験と担当したい局面で決める
選択は、前職の強みを一点で深めるか、別の専門領域と組み合わせるかで決めます。以下は合否ではなく、募集内容を調べる順序です。
| 現在地 | 先に確認する候補 | 職務経歴書で示すこと |
|---|---|---|
| 監査・会計から財務調査へ | KPMG FASのTransaction Services、デロイトの関連FA職種 | 発見した会計論点、調整後数値、投資判断への影響 |
| 投資銀行・証券からM&A実行へ | KPMG FASのCF、デロイトのCFA | 案件局面、案件管理、交渉資料、関係者調整 |
| 金融機関から事業再生へ | 両社の再生領域 | 資金繰り、事業計画、債権者調整、改善施策の実行 |
| 戦略コンサルから価値創造へ | KPMG FASのStrategy、デロイトのStrategy | 分析だけでなく施策実行、KPI、買収前後の関与 |
| IT・データからディールへ | KPMG FASのCVA・CSS-AIX、デロイトのDigital | 分析技術を経営判断・企業価値へつないだ実績 |
| 危機対応・不正調査へ | KPMGのForensic、デロイトのF&CM | 調査手続、データ、事実認定、再発防止への寄与 |
KPMG FASに寄る人でも、部門内で隣接領域へ関わる可能性があります。デロイトに寄る人でも、実際の採用は職種単位です。したがって、専門か総合かというラベルだけでは不十分で、募集職種の担当業務へ戻って最終確認します。
デロイトを志望する文章で「DTFAのブランドに魅力を感じた」とだけ書くと、統合後の組織理解が伝わりません。現在の合同会社デロイト トーマツで、どの専門家と何を解きたいかを示します。KPMG FASでは、8部門のうち一つを選び、その部門でなければならない業務上の理由を書き分けてください。
応募書類の分け方とよくある質問
書類は同じFAS向けでも使い回しません。KPMG FASには部門要件との対応、デロイトには統合後のFAで組み合わせたい専門性を示します。
| 書類の要素 | KPMG FAS | デロイト トーマツのFA |
|---|---|---|
| 応募先表記 | 希望部門名まで明記 | 現在の法人名とFA内の希望職種を明記 |
| 経験 | 部門の必須・歓迎経験へ対応 | 主専門と、組み合わせる隣接領域を示す |
| 案件 | 担当局面、成果物、意思決定への寄与 | 専門家連携、実行、End-to-Endのどこを担ったか |
| 志望理由 | サービスラインで深めたい専門性 | 統合後の組織で解きたい具体的な経営課題 |
| 確認事項 | 配属部門と担当テーマ | 統合後の所属・評価・異動・勤務地 |
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は現在もありますか
独立法人としては現存しません。2025年12月1日にコンサルティング、FA、リスクの3法人が合併し、現在は合同会社デロイト トーマツ/ファイナンシャルアドバイザリーとして採用・サービス情報が公開されています。
KPMG FASとデロイト トーマツのFAではどちらの年収が高いですか
中途の法人平均・職位別報酬を同じ条件で比較できる公式開示はありません。新卒向け金額も対象区分が異なります。提示職位と給与構成を現在の募集条件で確認してください。
監査法人出身者はKPMG FASの方が向いていますか
監査経験だけでは決まりません。財務調査や価値評価を明確に希望するならKPMG FASの部門要件を先に確認し、デジタルや危機対応など他領域との連携を重視するならデロイトの募集職種も比較してください。
デロイトの公式人員はFA部門だけの人数ですか
違います。合同会社デロイト トーマツの子会社を含む人員数です。FA部門だけの人数として扱わず、規模から案件数や昇進機会を推測しないでください。
両社への志望動機はどう書き分けますか
KPMG FASでは希望部門と深めたい専門性、デロイトでは現行の統合組織で主専門と隣接領域をどう組み合わせるかを示します。会社名だけを置き換えず、公式の職務内容へ接続してください。
自分で進められるケースと相談したいケース
希望部門と現行法人の募集要件を説明できる人は、自分で応募準備を進められます。旧DTFAの記事から情報を集めており、現在の所属・職種・制度との境界が曖昧な人は、応募前に整理する余地があります。
| 自分で進めやすい | 相談で整理したい |
|---|---|
| 現行の法人名・希望職種を確認済み | 旧DTFAと現在のFAの違いが曖昧 |
| 募集要件に対応する実績を示せる | 監査・金融・コンサル経験をどの部門へ寄せるか迷う |
| 専門を深めるか掛け合わせるか決まっている | 統合モデルへの関心が抽象的なまま |
| 職位・勤務地・勤務条件の質問を用意できる | 統合前の処遇情報を現在値として見ている |
働き方の確認点は、KPMG FASの評判記事とデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの評判記事にも整理されています。後者は旧称を含むため、現在の募集要項が優先です。
二社の違いは、単純な専門性対規模ではありません。KPMG FASにもデータ・AIや危機対応があり、デロイトのFAにも明確な専門チームがあります。自分が最初に所属するチームで何を任され、次に何を広げたいかまで言葉にしてから応募先を決めてください。
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