ハイクラス転職のリメディ無料登録

30代未経験でもコンサルに転職できる?営業・企画・金融・メーカー出身別に応募できる職種を解説

監修者

リメディ株式会社 ヘッドハンター

日髙 大志 | HIDAKA Taishi

筑波大学大学院を卒業後、日本工営(開発コンサルティング会社)に新卒入社。官公庁・建設・不動産・総合商社セクターでの国際開発プロジェクトにコンサルタントとして従事。その後、KPMGコンサルティング株式会社に参画し、DXコンサルタントとして、官公庁・不動産セクターでのDX推進に携わる。
コンサルタントとしてキャリアを歩む中で、優秀な人材がポテンシャルを最大限発揮して活躍することが企業の成長へ直結することを実感し、ヘッドハンターとしてリメディに参画。コンサルティングファーム、M&A、不動産・建設業界を中心にハイキャリア層の採用・転職支援を実施。

30代でコンサル実務の経験がなくても、応募できる職種はあります。2026年9月時点の大手ファームの募集要項には、コンサル経験を「歓迎」にとどめて社会人経験3年以上を必須にする職種や、金融機関の主要業務の理解を応募資格に置く職種があり、見られるのは年齢よりも担当してきた業務の中身です。

対象は、営業・企画・金融・メーカーなど非IT出身の30代です。SEやITエンジニアとして働いてきた方は、30代・40代SEのコンサル転職ルートの方が状況に近いはずです。

前職のタイプごとに、募集要項のどの要件に経験がつながるかを表にしました。そのうえで「今応募する」「社内で経験を積んでから動く」「事業会社の企画職などを経由する」の3つから、自分に合う進め方を選べるようにしています。

目次

30代未経験のコンサル転職で先に押さえたい結論

応募先は年齢ではなく、必須要件と業務経験の対応で選びます。判断に使う6つの要点は次のとおりです。

スクロールできます
項目要点
30代・未経験で転職できるか応募できる職種はある。募集は原則年齢不問で、年齢を理由に書類選考や面接の採否を決めることは法律で禁じられている
見られる材料担当してきた業務の中身。公式の募集要項は「金融機関の主要業務の理解」「本社部門での需給調整の実務」のように業務の名前で要件を書いている
狙いやすい職種コンサル経験を必須にしない職種、または自分の業界・業務を要件に置く業界担当・業務テーマ別の職種
足りないときの動き方社内の企画・改善プロジェクトで企画や推進の役割を担う、または事業会社の企画職を経由する
年収の見方募集要項での給与の示し方は会社ごとに違い、処遇の決定で年齢を考慮する事業所もある。30代の転職でも賃金が減る人はいるため、内訳を確認する
相談を考えるタイミング前職の経験がどの職種の必須要件に当たるか、自分で決めきれないとき
出所:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」、厚生労働省「令和2年転職者実態調査」「令和7年雇用動向調査」、各社公式採用ページの募集要項(2026年9月14日確認)をもとに作成

30代・コンサル未経験でも転職できるのか

年齢だけを理由に応募の道が閉ざされるわけではありません。法律は募集・採用での年齢制限を原則として禁じ、企業が募集でできる限り明示すべきものを、職務に必要な適性・能力・経験・技能の程度としています。

募集は原則年齢不問、年齢上限つきの育成型募集は例外

厚生労働省によると、募集・採用における年齢制限の禁止は労働施策総合推進法に基づき、平成19年の法改正で義務化されました。求人票を形式的に「年齢不問」にするだけでは足りず、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めることも法違反とされています。

例外として年齢の上限を付けられる場合の一つが、長期勤続によるキャリア形成を目的に若年者等を募集するケース(例外事由3号イ)です。この場合は職業経験を問わないことと、新卒者と同等の処遇にすることが条件で、「若年者等」は基本的に35歳未満を想定しています。

スクロールできます
募集の形年齢の扱い経験の扱い30代の応募での読み方
経験者を対象にした通常の中途募集原則として年齢不問職務に必要な経験や能力をできる限り明示する必須要件の経験を満たしているかで応募先を選ぶ
年齢上限つきの育成型募集(例外事由3号イ)上限を付けられる。「若年者等」は基本的に35歳未満を想定職業経験は不問。新卒者と同等の処遇が条件上限の有無を確認し、30代は通常の中途募集で経験を示す進め方を軸にする
出所:厚生労働省リーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」をもとに作成

30代の応募で見られるのは担当してきた業務の中身

年齢ではなく経験で枠を分けている企業の一例がアクセンチュアです。同社は採用FAQで、経験者採用の対象を社会人経験4年以上とし、4ヶ月以上4年未満の人は第二新卒の枠に分けています。同じFAQには、性別や国籍、年齢や転職回数などの制約は設けず、スキルと経験に基づいて選考するとの記載もあります。

公的な調査も同じ方向です。厚生労働省の令和2年転職者実態調査(最新回)では、専門的・技術的な仕事で転職者を採用した理由として「経験を活かし即戦力になるから」を挙げた事業所が66.1%で最も多くなりました。転職者の処遇(賃金や役職)を決める際に最も重視した要素も、事業所全体で「これまでの経験・能力・知識」が53.7%を占めています。ただし考慮した要素(複数回答)では「年齢」も45.2%で2番目に多く、入社時の賃金や役職の決め方には年齢が関わる場合もあります。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「経営コンサルタント」の解説にも、金融・財務・人事などの専門業務を経験した後に転身する人がいるとあります。その場合は学歴よりも、どのような専門業務を経験してきたかという職歴が重視されるという説明です。ただし、この記事で取り上げる大手ファームの募集要項にも応募資格に大卒以上を置く職種があるため、必須欄とあわせて応募資格欄も確かめてください。

ここはリメディの見解ですが、上の調査で最も重視されていた「経験・能力・知識」は、30代の応募では業務名で説明できる経験と読み替えると判断がぶれません。募集要項の必須欄に書かれた業務と、自分が担当してきた業務が対応していれば、コンサル未経験でも応募を検討できます。

職種名を見比べるだけでは、自分の経験で応募できる先は決まりません。これまでの業務を棚卸しすると、応募候補になる職種が見えてきます。

前職タイプ別に見る、評価されやすい経験と応募先

非IT出身の30代が接点を作りやすいのは、自分の業界や業務を要件に置く職種です。2026年9月に公式採用ページで確認した4社の募集要項から、前職タイプ別のルートを表にしました。

スクロールできます
前職タイプ募集要項の要件例狙いやすい職種・企業タイプ足りなくなりやすい経験書類・面接での見せ方
営業(法人営業・カスタマーサービス)アクセンチュアのオペレーショントランスフォーメーションコンサルタントは、セールス・カスタマーサービス領域の業務経験などのいずれか3年以上総合系ファームの顧客接点領域(営業・カスタマーサービスの業務改革)営業プロセスや顧客対応の改善を企画・推進した経験売上の実績に加え、営業の仕組みをどう変えたかを示す
企画・経営企画ベイカレントのコンサルタント職は応募資格が4年制大学以上の卒業後に社会人経験3年以上で、企画職での業務経験を歓迎。アクセンチュアのオペレーション変革の職種も事業企画・事業立上げの経験を要件の一つに含む職種を限定しない総合枠、事業企画経験を要件に含む職種計画を立てた後の実行・現場への落とし込み計画の数値だけでなく、実行段階で担った役割を示す
金融・保険KPMGコンサルティングの金融業界向け職種(非管理職枠)は大学院または大卒以上と金融機関の主要業務の理解・経験、保険業界向け職種は保険会社の主要業務の理解金融・保険業界を担当する職種システムの基礎的な理解、業務改革やIT導入を伴うプロジェクトの経験担当した業務名とシステムとの関わりを具体的に示す
メーカー・SCMアビームコンサルティングの物流改革・需給プロセス改革の職種は、本社部門で供給計画の立案や需給調整を担った実務経験などSCM・物流など業務テーマ別の職種全社横断プロジェクトでの企画・推進の役割需給調整の範囲と、横断プロジェクトで担った役割を示す
出所:アクセンチュア、ベイカレント、KPMGコンサルティング、アビームコンサルティング各社の公式採用ページ(2026年9月14日確認)

営業出身:顧客接点の業務改善まで関わったかが分かれ目

営業出身者が参考にしやすいのは、アクセンチュアのオペレーショントランスフォーメーションコンサルタント(Experience Business)の募集要項です。必須欄はいずれかの経験3年以上という選択式で、その一つにセールス、カスタマーサービス領域の業務経験が挙がり、同じ領域のプロセス改善や新規事業企画の経験も並んでいます。

ただし職務内容を読むと、営業施策・戦略の立案や営業事務の業務改革、コールセンター部隊の立ち上げといった仕事が中心です。売上目標を達成した実績だけでは、この職務との対応は伝わりにくいでしょう。営業プロセスを見直した、顧客対応の手順を変えたなど、仕組みを変えた経験があるかを振り返ってください。営業の種類ごとのルートは営業からコンサルへの転職ルートで詳しく扱っています。

企画・経営企画出身:計画を立てた後の実行への関与を示す

ベイカレントのコンサルタント職は、応募資格を「4年制大学以上を卒業後、社会人経験3年以上の方」とし、必須欄には「社会人経験3年以上」と「日本語ビジネスレベル」、歓迎要件には経営企画・事業企画などの企画職における業務経験を挙げています。コンサルティングファームでの就業経験も歓迎要件の側にあり、必須ではありません。

同社の職務内容は、全社戦略・事業戦略の検討から、戦略実現に向けたオペレーション検討や実行支援まで、上流から下流までを担当するものです。企画職の経験を書くときは、計画書を作った事実だけで終えず、現場部門を巻き込んで実行段階まで関わった範囲を具体的に示すと、職務との対応がはっきりします。面接での伝え方は経営企画からコンサルへの面接対策が参考になります。

金融・保険出身:業務名で語れる本社・現場業務が強みになる

業界を担当する職種では、その業界の業務知識を応募資格に置く例が見つかりました。KPMGコンサルティングの金融業界向けコンサルタント(非管理職枠)は、応募資格の1項目目に「大学院または大卒以上」を置き、続けて預金・為替・融資など金融機関の主要業務に関する基礎的な理解・経験と、金融機関の主たるシステムに関する基礎的な理解・経験を並べています。

同社の保険業界向けインダストリーコンサルタントは、営業企画、新契約・引受け査定、契約保全、保険金支払い、経理、IT企画など、保険会社の主要業務の理解を要件に置いています。あわせて業務改革・IT導入を伴うプロジェクトマネジメントの知見や、保険会社のCXO・部課長クラスとのリレーションも挙がっており、求められる経験の幅は広めです。担当業務の名前と、システム刷新や業務改革への関わりをセットで書き出しておくと伝わります。銀行出身者の部署別のルートは銀行員からコンサル・FASへの転職ルートにまとめています。

メーカー・SCM出身:需給調整と全社横断プロジェクトの役割を示す

メーカーで需給や物流に関わってきた人は、業務テーマ別の職種と要件が重なる立場です。アビームコンサルティングの物流改革・需給プロセス改革の職種は、事業会社出身者の必須要件の例として、本社部門で供給計画の立案や需給調整を担った実務経験を挙げています。

同じ必須要件の欄には、在庫削減やコスト改革、DX導入などの全社横断プロジェクトで、企画または推進の役割に主体的に関与した経験も並びます。工場や物流拠点の現場改善を中心に担ってきた場合は、本社側の計画業務や横断プロジェクトでの役割を補えるかが論点です。需給・調達・製造・物流の経験別の判断はサプライチェーンコンサルの転職難易度で扱っています。

各社の募集要項から見る、不足しやすい経験

30代の未経験応募で不足しやすいのは、経験年数そのものより担ってきた役割の深さです。同じファームでも職種によって想定する職位や求める実務年数は違うため、要件を読み違えると応募先の選び方を誤ります。

自分の現在地を見極める目安が、完全未経験・隣接経験・経験者寄りの3層です。完全未経験は業界の業務知識も改善プロジェクトの経験も少ない状態、隣接経験は業界の業務知識や企画・改善プロジェクトへの参加経験がある状態、経験者寄りは業務改革や事業計画策定を主導してきた状態を指します。

スクロールできます
不足しやすい要件募集要項の例足りなくなりやすい層補い方
実務年数と想定職位KPMGコンサルティングの製造セクター職種は、製造業などでの新規事業立ち上げ・事業計画策定などの実務5年以上で、マネジャー・シニアコンサルタントクラス以上を想定。同社の金融業界向け職種には非管理職枠がある完全未経験・隣接経験職位の記載を確認し、非管理職枠など入社時の職位が高すぎない職種から探す
プロジェクト推進の経験金融業界向け職種は、大規模・グローバルプロジェクトのプロジェクトマネージャーやメンバーの経験を評価される経験に挙げる隣接経験社内のシステム刷新や業務改革プロジェクトにメンバーとして加わる
システム・IT導入への理解金融・保険業界向け職種は、主たるシステムや導入アプローチの基礎的な理解を挙げる完全未経験・隣接経験担当業務で使うシステムの構成と、刷新時の自分の関わりを言葉にしておく
全社横断プロジェクトでの役割需給プロセス改革の職種は、在庫削減・コスト改革・DX導入などでの企画・推進への主体的な関与を挙げる隣接経験部署をまたぐプロジェクトで企画や推進の役割を担う
英語力金融業界向け職種は評価される経験に、オペレーション変革の職種は歓迎要件に挙げる。アクセンチュアの採用FAQは、全職種で入社時に必要な条件ではないとしている全層必須か歓迎かを要件欄で見分け、必須の職種は応募時期を調整する
出所:KPMGコンサルティング、アクセンチュア、アビームコンサルティング各社の公式採用ページ(2026年9月14日確認)

経験の段階別に準備の重さを確かめたい場合は、コンサル転職難易度の解説も参考になります。

表の補い方にあるとおり、30代の未経験応募では、職位の記載を確かめて入社時の職位が高すぎない職種から探すのが出発点です。コンサル業界のコンサルタント職に条件を絞って求人を開き、必須欄の実務年数と想定職位を読み比べると、自分の層から届く募集かどうかを見極められます。

コンサルタントの求人を条件から探す

リメディが扱うハイクラスの非公開ポジションを、年収・職種で絞り込んで確認できます。
経歴を登録された方には、合致するポジションのスカウトが届くこともあります。

遷移先で年収・職種から絞り込めます

狙いやすい職種の型とポジションの選び方

応募先はファーム名ではなく、職種単位の要件で選ぶのが近道です。アクセンチュアの経験者採用は併願ができず、応募するポジションを一つ選ぶ仕組みのため、要件との対応を先に確かめておく意味は大きいでしょう。

ファーム名より「職種単位」で要件を比べる

スクロールできます
職種の型公式募集要項の例相性がよい前職・経験確認したい点
職種を限定しない総合枠ベイカレントのコンサルタント職(応募資格は4年制大学以上の卒業後に社会人経験3年以上、企画職経験を歓迎)企画・経営企画、さまざまな業界での実務業界別研修の内容と、入社後に担当する業界の決まり方
業界担当の職種KPMGコンサルティングの金融業界向け(非管理職枠)・保険業界向けの職種銀行・保険会社の本社や現場の業務非管理職枠か、上位の職位を想定した職種か
業務テーマ別の職種アクセンチュアのオペレーション変革(顧客接点領域)、アビームコンサルティングの物流改革・需給プロセス改革営業・カスタマーサービス、需給・物流の実務必須欄が「いずれか」の選択式か、複数の条件か
応募先を決めきれない人向けの枠アビームコンサルティングのポジションマッチング経験がどの職種に合うか判断しにくい人提案されたポジションで書類選考から始まること
出所:ベイカレント、KPMGコンサルティング、アクセンチュア、アビームコンサルティング各社の公式採用ページ(2026年9月14日確認)

ベイカレントの募集要項には、新規入社者向け研修やコアスキル研修に加え、金融・通信・製造・流通・小売などの業界別研修が並んでいます。職種を限定しない総合枠を選ぶなら、研修の中身と、入社後に担当する業界がどう決まるのかを面接で聞いておくと、前職の知識を活かせるかを見極める材料になります。

応募先を決めきれないときの受け皿

前職の経験がどの職種に合うか判断しにくい場合は、ファーム側に用意された受け皿も選択肢です。アビームコンサルティングは、自分の経験に最も合うポジションが分からない人や希望ポジションが未定の人向けにポジションマッチングという選考枠を設け、採用担当が経験を確認して適切なポジションで選考を進めるとしています。

KPMGコンサルティングでは、応募前に人事リクルーターや現場のコンサルタントとカジュアル面談ができ、選考ではないと明記されています。アクセンチュアも、応募したポジションの要件に合わない場合に、経歴に合う他のポジションを検討する方針です。

ここはリメディの見解ですが、上の募集要項を並べると、30代の未経験応募では総合枠で広く探すより、金融・保険の業界担当や需給改革のように自分の業務名が要件欄にある職種から当たる方が、志望理由と経験のつながりを一貫して説明できます。

30代で未経験から移ると年収はどう変わるか

年収は上がるとも下がるとも一律には言えません。今回確認した公式募集要項でも、給与の示し方は会社ごとに違います。ベイカレントは待遇を「当社規定による」、KPMGコンサルティングは給与を「経験、能力を考慮の上、当社の報酬規定による」とだけ書いています。一方でアビームコンサルティングは年収の幅を載せ、アクセンチュアの募集要項には給与の欄自体がありません。どの書き方でも自分への提示額までは読み取れないため、水準の目安は公的統計で確かめ、提示を受けたら内訳を確認するのが現実的です。

30代の賃金水準を公的統計で確かめる

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から、一般労働者の賃金を30代の年齢階級別に抜き出しました。ここでの賃金は6月分の所定内給与額で、残業代や賞与は含まない月額です。コンサルティング業を含む「学術研究,専門・技術サービス業」と、この記事が対象とする前職の産業を並べています。

スクロールできます
産業(男女計)30〜34歳35〜39歳
全産業312,300円340,600円
学術研究,専門・技術サービス業406,600円440,500円
金融業,保険業378,600円448,700円
製造業291,200円324,400円
卸売業,小売業302,200円336,700円
出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第2表・第5-1表(一般労働者、男女計)

総務省の日本標準産業分類では、「学術研究,専門・技術サービス業」に研究機関や法律・会計事務所、デザイン、広告なども含まれ、経営コンサルタント業はその一部です。コンサルティング業だけの水準ではない点に注意しつつ見ると、30代のどちらの階級でも全産業を上回っています。一方で金融業,保険業の35〜39歳はこの大分類をわずかに上回るため、金融出身の30代後半は、統計の平均だけでは移る先の方が高いとはいえない点も頭に入れておきましょう。

職業としての特徴も見ておきましょう。job tagの「経営コンサルタント」の解説によると、給料は固定給に実績給が加算される形が一般的です。実力が反映されるため賃金額の個人差は大きく、統計上の平均的な水準をそのまま未経験での入社時に当てはめることはできません。

転職で賃金が下がる人も一定数いる

厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、30代で転職した人でも、前職より賃金が減った人が2〜3割います。コンサル転職に限らない全産業の値ですが、未経験の職種へ移るときの下振れとして押さえておきたい数字です。

スクロールできます
年齢階級増加変わらない減少うち1割以上の減少
30〜34歳48.6%20.8%29.0%19.0%
35〜39歳43.5%28.1%23.9%16.1%
出所:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」表6(転職入職者の賃金変動状況別割合)

増加した人の方が多い一方で、30〜34歳では1割以上減った人も19.0%います。コンサルの提示年収を受け取ったら、固定部分と業績に連動する部分の割合、入社時の職位、次の職位に上がる条件の3点を面談で確認しておくと、入社直後の収入と数年後の見通しを分けて判断できます。

必須要件に届かないときの迂回ルート

必須要件の経験が足りないときは、応募を急ぐより、要件にある役割を先に取りにいく方が次の応募で示せる材料が増えます。前職タイプ別に、直接応募を検討できるケースと迂回を挟んだ方がよいケースを比べました。

スクロールできます
前職タイプ直接応募を検討できるケース迂回ルートを挟んだ方がよいケース迂回先で積む経験
営業営業・カスタマーサービスの実務が3年以上あり、営業プロセスや顧客対応の改善にも関わってきた個人の売上目標の達成が経験の中心で、営業の仕組みの改善に関わった経験を説明できない営業企画やカスタマーサービスの改善プロジェクトでの企画・推進
企画・経営企画事業企画・事業立上げの経験があり、実行段階まで関わっている計画資料の作成が中心で、実行の推進を担っていない新規事業や全社施策の実行段階での推進役
金融・保険主要業務の実務と、システム刷新などへの関与を業務名で説明できる担当業務が限られ、システムや業務改革プロジェクトとの接点がない業務改革・システム刷新プロジェクトへの参加
メーカー・SCM本社で供給計画の立案や需給調整を担ってきた現場の改善が中心で、本社の計画業務や横断プロジェクトの経験がない在庫削減・コスト改革などの全社横断プロジェクトでの企画・推進
出所:各社公式採用ページの募集要項(2026年9月14日確認)をもとに作成

社内で企画・改善プロジェクトの役割を取りにいく

今の会社で積める経験のうち、募集要項と対応させやすいのは部署をまたぐプロジェクトでの役割です。アビームコンサルティングの需給プロセス改革の職種は、全社横断プロジェクトで企画または推進の役割に主体的に関与した経験を必須要件の例に挙げ、アクセンチュアの職種もプロセス改善や新規事業企画の経験を要件の一つに含めています。

ここはリメディの見解ですが、アビームコンサルティングの要件にある「主体的に関与」は、社内プロジェクトに参加しただけでは示しにくい書き方です。次の応募までに準備期間を取るなら、メンバーとして加わるより、課題の設定や関係部署との調整を自分が受け持つ立場を取りにいく方が、書類で示せる内容が変わります。

事業会社の企画職を経由する

社内で役割を得にくい場合の選択肢が、事業会社の経営企画や事業企画へ移ってからコンサルを目指す進め方です。先に見たとおり、ベイカレントやアクセンチュアの募集要項は企画職・事業企画の経験を歓迎要件や選択式の要件に含めているため、企画職での実務経験は後の応募でそのまま示せます。

ただしこのルートでは転職が2回になり、企画職への転職そのものにも選考があります。遠回りの期間と、企画職で担える業務の範囲を事前に確かめたうえで選びましょう。

職務経歴書で前面に出す実績

職務経歴書は、必須要件と同じ言葉で経験の見出しを立てるのが基本です。要件にある業務名で経験を並べると、読む側が対応をすぐに確かめられます。数字は自分の実績に置き換え、面接で説明できない数字は書きません。

スクロールできます
募集要項で求められる経験職務経歴書で書く項目数字の置き方NG表現改善の方向
セールス・カスタマーサービス領域の業務経験やプロセス改善改善した営業・顧客対応のプロセス、自分の役割、関わった部署改善前後の処理件数や対応時間など、自分で確かめられる数字「営業成績トップクラス」だけで終わるどの仕組みを変え、何が変わったかを1件ずつ書く
事業企画・事業立上げの経験企画した事業や施策、計画から実行までの担当範囲計画値と実績値、関わった期間「中期経営計画の策定に従事」担当した論点と、実行段階で自分が動かしたことを分けて書く
金融機関・保険会社の主要業務の理解担当した業務名(融資、為替、引受け査定など)とシステムとの関わり担当件数や担当期間「金融業務全般に精通」業務名と、システム刷新への関与を具体的に書く
本社部門での需給調整や全社横断プロジェクトの経験需給計画の対象範囲、調整した部門、横断プロジェクトでの役割在庫や欠品に関する指標の変化「SCM改善に貢献」企画か推進か、自分の役割を明記する
出所:各社公式採用ページの募集要項(2026年9月14日確認)をもとに作成

大手ファーム向けの書き方やNG例はBig4コンサルの職務経歴書で詳しく扱っています。実績を盛らず、面接で具体的に説明できる事実だけを書くのが前提です。

要件の言葉に置き換えにくい経験や、根拠を示しにくい数字が残っている場合は、清書の前に整理しておくと書き直しが減ります。

面接で伝える転職理由の組み立て方

転職理由は、なぜ今コンサルなのか、前職の経験を応募職種でどう使うのかの2点に答えられる形にしておきます。30代の応募では、この2つを経験の使い道でつなげると話に一貫性が出ます。

選考の流れは職種ごとに違う

選考の形式は企業と職種ごとにまちまちです。アクセンチュアは書類選考の後に面接を2〜3回予定し(応募部門で異なる)、ポジションによってWebテストを実施するとしています。選考期間の目安は1〜2か月程度です。KPMGコンサルティングは、書類選考と適性検査(対象者のみ)の後に応募部署による面接を複数回行い、オファー面談を経て内定としています。

ケース面接の有無は応募する職種の案内で確かめ、準備の進め方はケース面接対策の解説で例題とあわせて確認できます。

「なぜ30代の今か」は経験の使い道で答える

スクロールできます
組み立ての要素伝える内容NG例改善の方向
過去の経験担当した業務名と、自分が変えたこと「幅広い経験を積んできた」「〇〇業務を担当し、△△の進め方を見直した」のように業務名と行動で話す
応募職種で活きる経験募集要項の必須要件と、自分の業務の対応「コンサルで成長したい」「〇〇業界の△△業務の知識を、同じ業界の業務改革で使いたい」と要件に結びつける
足りない経験の補い方不足している要件と、現職や入社後に補う方法足りない点に触れない不足を認めたうえで、現職のプロジェクトで補ってきたことを話す
なぜ今か自分の経験が職種の要件と対応した時期であること「年齢的に最後のチャンスだと思った」「現職で担った改善の経験が、要件にある役割と対応したため」と経験を起点に話す
出所:各社公式採用ページの募集要項(2026年9月14日確認)をもとに作成

前職への不満から話し始めず、過去の経験、応募職種で使う経験、足りない経験の補い方の順に組み立てると、30代で未経験の職種を選ぶ理由として筋の通った説明になります。

今応募する人・準備してから動く人の判断目安

判断の基準は、必須要件との対応度です。学歴などの応募資格を確かめたうえで募集要項の必須欄を1行ずつ読み、自分の業務で説明できる行がどれだけあるかで、今応募するか、準備してから動くか、隣接ルートを選ぶかを決めます。この区分は準備の優先順位を決めるための目安で、選考の結果を約束するものではありません。

スクロールできます
進め方判断の目安次の一手
今応募する学歴などの応募資格を満たし、必須欄のすべての行を業務名と自分の役割で説明できる要件に合う職種を1つに絞り、職務経歴書を要件の言葉で書き直す
社内で経験を積んでから動く業界の業務知識はあるが、プロジェクトの企画・推進やシステムとの関わりが要件に届いていない部署をまたぐプロジェクトで企画・推進の役割を担い、取り組みを記録する
事業会社の企画職などを経由する現職で企画・改善の役割を得る見込みが薄い経営企画・事業企画へ移り、計画から実行までの経験を積む
出所:各社公式採用ページの募集要項(2026年9月14日確認)をもとに作成

業界の業務知識を顧客企業の変革に使いたい人には、業界担当や業務テーマ別の職種が合います。反対に、入社直後から前職以上の年収を保つことを最優先する人は、提示額の内訳と入社時の職位を確かめるまで決めない方がよいでしょう。前述の賃金統計を踏まえると、条件面の確認を後回しにしない進め方が向いています。

次に読むべき記事

30代未経験からコンサルを目指す前に相談で整理したいこと

募集要項を読み比べて自分で判断できるなら、相談を急ぐ必要はありません。迷いやすいのは、経験がどの職種の要件に当たるかを決めきれないときです。自分で進めてよいケースと、相談した方が早いケースを分けました。

スクロールできます
自分で進めてよいケース相談した方が早いケース
必須欄の要件ごとに、自分が担当した業務を具体的に挙げられる必須欄の一部しか説明できず、今応募するか準備するかで迷っている
応募したい職種が1つに決まっている業界担当と業務テーマ別の職種のどちらに応募するか決めきれない
提示年収の内訳を自分で確認できる入社時の職位や年収の条件をどう確かめればよいか分からない
職務経歴書を要件の言葉で書き直せている前職の経験をどの要件に対応させればよいか判断できない
出所:リメディの転職支援観点から作成

コンサル業界の構造から確かめたい場合はコンサル業界の全体像、リメディについては紹介ページを参照してください。

上の表で「相談した方が早いケース」に当てはまる行があれば、その行が面談で最初に確かめる論点です。今応募するか準備してから動くか、業界担当と業務テーマ別のどちらの職種に応募するかを決めるために、下のカードからコンサル転職を担当するエージェントを選んで相談を予約できます。

30代未経験のコンサル転職でよくある質問

35歳を過ぎていても、コンサル未経験で応募できますか?

応募できる職種はあります。年齢の上限を付けられるのは職業経験を問わない育成型の募集などの例外に限られるため、35歳以上では経験者向けの通常の中途募集で、必須欄の業務と自分の担当業務の対応を示す進め方が軸になります。

中小企業診断士などの資格は必要ですか?

必須ではありません。job tagは、中小企業診断士などの資格がなくても経営コンサルタントになることは可能と説明しています。アビームコンサルティングのポジションマッチングの募集要項も、公認会計士や中小企業診断士、PMPなどを「特に歓迎」として挙げており、加点材料の位置づけです。

未経験でコンサルに移ると年収は下がりますか?

一律には言えません。募集要項の給与欄は「報酬規定による」とだけ書く会社もあれば年収の幅を載せる会社もあり、どちらでも自分への提示額までは分かりません。30代の転職でも賃金が下がる人は一定数います。提示を受けたときに確かめたい点は、年収の変化を扱った章で挙げた3点です。

どのポジションに応募すればよいか決められません。

ファーム側にも受け皿があります。アビームコンサルティングはポジションが未定の人向けの選考枠を設け、KPMGコンサルティングは選考ではないカジュアル面談を用意しています。アクセンチュアは併願ができないため、応募前に必須欄と自分の経験の対応を確かめ、第一希望を1つに絞っておきましょう。

SE・IT出身でも同じ考え方で進められますか?

必須要件と自分の業務を対応させる考え方は共通です。ただしSE・IT出身の場合は、システム開発やプロジェクト管理の経験を軸に応募先を選ぶことになるため、30代・40代SEのコンサル転職ルートで別に扱っています。

関連記事

前職タイプ別の詳しいルートや、コンサル業界の全体像を確かめられる記事です。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次