東京大学を卒業後、株式会社クニエに入社。ヘルスケアチームにて、医療機関向けの業務改革およびDX支援に従事。製薬企業と医療機関の治験リクルートメント領域における新規サービス立ち上げプロジェクトでは、病院現場の業務プロセス整理やシステム要件の検証を担当。また、医療機関を対象とした医療DX推進プロジェクトに参画し、診療記録や問診票・同意書などの電子化を通じて、業務効率化と情報共有基盤の整備を支援。現在はこれまでのバックグラウンドを活かし、プロフェッショナルファームに在籍する / 志望する方向けの転職支援を行う。
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で比べると、ITコンサルタントは受託開発のシステムエンジニアより「他者との調整」が5.0対3.6、「企業・組織の活動の評価」が4.4対2.5と高く、「プログラミング」は3.8対4.3と低く出ます。差が出るのは顧客と話す量ではなく、技術の選択肢を事業にとっての良し悪しで判断し、関係者の合意を取る行動です。
本記事は、受託SE・社内SE・PM・開発寄りのエンジニアとして働き、ITコンサルへの応募を考えている人を対象にしています。job tagの数値と、KPMGコンサルティング、PwCコンサルティング、アビームコンサルティング、フューチャーの募集要項を手がかりに、経歴別の適性、実装を続けたい人に合う応募先の型、ITコンサル以外の選択肢までを示します。
本記事のポイント
向き不向きは、性格よりも手元にある経験でおおむね判断できます。経歴ごとの見立ては次の表のとおりです。
| 現在の経歴 | ITコンサルで活きやすい経験 | 合いやすい応募先の型 | 先に確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| 受託SE(要件定義まで担当) | 顧客との要件定義、仕様の取りまとめ | 上流工程の経験を応募資格に挙げる型 | 要件の背景にある業務課題まで関わったか |
| 受託SE(設計・実装が中心) | 設計・実装、技術選定 | 実装経験を必須にする一気通貫型 | 顧客との交渉・調整を自分で担った経験 |
| 社内SE | システム企画・運営、社内の合意形成 | 事業会社のシステム企画やIT企画の経験を応募資格に挙げる型 | 投資を決めた経緯を外部の人に説明できるか |
| PM | 計画・進捗・課題の管理、関係者の調整 | PM経験の年数・規模を条件にする上位職位の募集 | プロジェクトの目的や事業の評価にどこまで関わったか |
| 開発寄りエンジニア(アプリ・分析) | アプリ開発、分析システム開発 | 開発経験と顧客折衝経験の両方を求める型 | 顧客の前に立った経験の年数 |
表は、job tagの数値と各社の応募資格をもとに整理した目安です。とくに判断が分かれやすいのは、設計・実装が中心の受託SEです。応募先の型を選び直すだけで、向き不向きの答えが変わる場合があります。
ITコンサルに向いている人に共通する業務行動
ITコンサルに向いているのは、技術を判断材料に変えて説明できる人です。job tagの職業説明では、ITコンサルタントは顧客の経営計画や課題を整理し、経営の視点で課題を抽出して、IT導入でどう解決するかを考えます。システム構築の場面でも、システムが満たすべき基準を明らかにし、技術的なリスクを事前に評価します。
受託SEとの差が大きいのは評価・判断・調整
job tagの「しごと能力プロフィール」から、ITコンサルタント、システムエンジニア(受託開発)、プロジェクトマネージャ(IT)の数値を並べました。スキルは0〜7、職場環境は1〜5の目盛りで示される職業どうしを比べる指標で、個人の適性を判定するものではありません。
| 項目 | ITコンサルタント | SE(受託開発) | PM(IT) |
|---|---|---|---|
| 企業・組織の活動の評価 | 4.4 | 2.5 | 3.9 |
| 合理的な意思決定 | 4.8 | 3.2 | 4.5 |
| 継続的観察と評価 | 4.8 | 3.2 | 4.5 |
| 他者との調整 | 5.0 | 3.6 | 5.1 |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.8 | 3.4 | 4.7 |
| 要件分析(仕様作成) | 5.1 | 4.1 | 4.9 |
| 説明力 | 5.0 | 4.1 | 5.0 |
| プログラミング | 3.8 | 4.3 | 3.7 |
| 外部の顧客等との接触(職場環境) | 3.6 | 3.7 | 4.1 |
受託SEとの差が最も大きいのは「企業・組織の活動の評価」で、差は1.9ポイントあります。続く「合理的な意思決定」「継続的観察と評価」も1.6ポイント差です。どれも、顧客の事業や組織の状態を見て、何を優先するかを決める側の能力です。
顧客と接する量はSEとほぼ同じ
意外に差が小さいのが、顧客と接する量です。表の「外部の顧客等との接触」はほぼ同じ値で、職場環境の「他者とのかかわり」も4.2対4.3でした。違いは人と話す量より、話す中身にあると考えられます。要件を聞き取って仕様にする打ち合わせと、聞き取った課題のどれに投資するかを顧客と決める打ち合わせでは、同じ1時間でも求められる判断が変わります。
資料の量より、資料で相手を動かす力が問われる
資料づくりも同じ傾向です。職場環境の「ビジネスレターやメモの作成」は受託SEが4.0、ITコンサルタントが3.7で、量の面ではSEの方がやや高い値です。一方でスキルの「文章力」は4.9対4.2で、ITコンサルタントの方が高い値です。書いた資料で顧客の判断を動かす役割だと考えると、この並びにも筋が通ります。
ここはリメディの見解ですが、上の比較を見る限り、適性を振り返るときは「人と話すのが好きか」より、技術の選択肢を事業の言葉で説明した経験があるかを問う方が実態に近いと考えます。たとえば、クラウド移行の方式を比べる場面で、費用や業務への影響まで含めて顧客の決定を後押しした経験は、表で差が大きかった評価・判断・調整のすべてに当てはまります。
比較表のどの行が自分の強みに当たるかを知るには、担当してきたプロジェクトを工程ごとに分けて振り返るのが近道です。要件定義、方式検討、移行判断といった場面を並べると、判断を任された場面がどこかが見えてきます。自分だけで線を引きにくいときは、リメディの担当者と経歴を見ながら当てはまる行を確かめられます。
ITコンサルが合わないと感じやすい条件
合わないと感じやすいのは、能力の不足より働き方の前提がずれている場合です。job tagの数値と「労働条件の特徴」から、ずれが起きやすい条件を3つ挙げます。
自分で実装する時間を最優先したい
job tagの「プログラミング」は、ITコンサルタントが3.8、受託SEが4.3です。技術が不要という値ではありませんが、job tagの職業説明は、ITコンサルタントの立場を「システム構築事業者からは独立した客観的な立場」と書いています。手を動かす時間は応募先によって減ると見ておきましょう。実装を続けたいなら、比べたいのは後で紹介する一気通貫型の募集です。
進め方が決まった仕事で力を出したい
職場環境の「意思決定の自由」は3.9対3.4、「優先順位や目標の自己設定」は3.9対3.6で、どちらもITコンサルタントの方が高い値です。何から手をつけるかを自分で決める場面が、ITコンサルの方が多いことを示しています。手順が定まった作業を正確に進めることに強みがある人は、着手前の論点設定まで任されると負担に感じる場合があります。
年次や工程の完了で評価されたい
job tagの「労働条件の特徴」には、担当した案件や仕事の成果によって給与の個人差が大きくなる場合もある、と書かれています。工程を終えれば評価される働き方とは前提が違うため、処遇の見通しやすさを重視する人は、評価の仕組みを応募前に確かめた方がよいでしょう。
技術の選択肢を顧客の事業目的と結びつけて説明し、合意まで運んだ経験がある人にとって、ITコンサルの業務はこれまでの経験の延長線上にあります。一方、自分で実装を続けることを最優先する人には、戦略寄りの募集より、実装経験を必須にする一気通貫型の募集や、PMや設計・実装の専門職として経験を積む道の方が合う可能性があります。
経歴別の適性チェック(受託SE・社内SE・PM・開発寄りエンジニア)
経歴ごとの適性は、各社が応募資格に書いた経験の文言で確かめられます。確認した募集要項の記載と、経歴ごとの対応は次のとおりです。
| 現在の経歴 | 向いている根拠になる経験 | 足りないと見られやすい点 | 募集要項での現れ方(例) |
|---|---|---|---|
| 受託SE | 要件定義・システム構想などの上流工程 | 業務課題や投資判断への関わり | KPMGコンサルティングの業種特化型ITコンサルタント募集は「SIerでのシステム構想、要件定義といった上流工程の実務経験」を応募資格の選択肢の1つに挙げる |
| 社内SE | システム企画・運営、IT企画 | 外部の顧客を相手にした提案・交渉 | 同じ募集が「事業会社でのシステム企画運営の実務経験」も選択肢に含める |
| PM | 計画・進捗・課題の管理、関係者の調整 | 事業の評価にもとづく提案 | KPMGコンサルティングのSalesforce領域の募集(マネジャー以上)は、システム開発でのPM・リーダー経験8年以上相当(うちSalesforce導入4年以上)などを必須にする |
| 開発寄りエンジニア | アプリ開発・分析システム開発 | 顧客折衝・交渉の経験年数 | KPMGコンサルティングのエマージングテック募集(ストラテジー)は、3年以上のクライアントフェイシング・交渉・調整経験に加えて、1年以上のアプリ開発または分析システム開発の経験を求める |
同じ会社でも、職種ごとに応募資格の書き方はかなり違います。「足りないと見られやすい点」の列はリメディの見立てで、応募資格と経歴のずれが出やすい箇所を示しています。
受託SE:要件の背景まで関わったかで見え方が変わる
受託SEの見え方を分けるのは、要件定義を担ってきたかどうかです。上の募集が上流工程の実務経験を挙げているとおり、仕様を決める場にいた経験は応募資格にそのまま当たります。設計・実装が中心だった人は、要件を受け取る側だったのか、顧客と一緒に決める側だったのかを振り返り、後者の場面を具体的に書き出しておくと応募先を選びやすくなります。
社内SE:社内で投資を決めた経緯を説明できるか
社内SEのシステム企画や運営の経験は、事業会社側の立場として応募資格に明記されている経験の一つです。PwCコンサルティングのデジタル戦略コンサルタント募集も、Senior Associate/Manager以上の必須条件の選択肢に「事業会社での経営企画や事業計画、IT企画・戦略の実務経験」を挙げています。ただし、ITコンサルが提案する相手は外部の顧客です。社内で投資を通した経緯、つまり誰の合意が必要で、何を比べて決めたかを説明できると、立場の違いを越えて経験が伝わります。
PM:調整力より、目的と評価への関わりを示す
job tagでは、PMの「他者との調整」は5.1、「交渉」は5.0で、ITコンサルタント(5.0、4.5)と同じかそれ以上です。ITコンサルタントがPMを上回るのは、「企業・組織の活動の評価」(4.4対3.9)などの項目です。
ここはリメディの見解ですが、この並びを見る限り、PM経験者は調整できることを強調するより、プロジェクトの目的設定や投資判断にどこまで関わったかを示す方が、ITコンサルの業務との対応が伝わると考えます。マネジャー以上の募集では、PM経験の年数や規模が具体的な条件として書かれている点も確かめておきましょう。
開発寄りエンジニア:顧客の前に立った年数が条件になる
アプリ開発や分析システム開発が中心の人にも、開発経験を条件に含める募集があります。ただし、上の表のエマージングテック募集のように、顧客折衝の経験年数とセットで求められる場合があります。開発経験を軸に応募先を探すなら、次の節で紹介する一気通貫型の募集が比べやすい候補です。
向いていると判断できた後の動き方は、SEからITコンサルへ転職するルートと評価される経験で詳しく解説しています。
募集要項で比べる「技術から離れる度合い」
ITコンサルは、応募先の型によって技術との距離が大きく変わります。job tagも、経営戦略のコンサルティングから具体的な開発のコンサルティングまで仕事は幅広く、どちらかに特化して仕事をする場合もあると説明しています。確認した募集要項を、実装との距離で並べたのが次の表です。
| 型(実装との距離) | 募集要項の例 | 応募資格での実装経験の扱い | 合いやすい人 |
|---|---|---|---|
| 一気通貫型(近い) | フューチャー「ITコンサルタント(オープンポジション)」:IT戦略立案からシステム構築、運用保守まで | 自分自身でのシステムの実装経験を必須とする。リーダークラスは設計実装経験3年以上に加え、プロジェクトかチームのマネジメント経験も求める | 設計・実装を続けながら上流にも関わりたい人 |
| 導入・上流型(中間) | KPMGコンサルティング「業種知見に特化したITコンサルタント」、アビームコンサルティング「業務改革・システム導入」 | 上流工程・システム企画運営の実務経験、またはシステム導入プロジェクトへの参画経験を求める。実装経験は必須に書かれていない | 要件定義や導入の取りまとめを担ってきた人 |
| 戦略・計画型(遠い) | PwCコンサルティング「デジタル戦略コンサルタント」:IT/デジタル戦略・中期計画の策定支援 | 実装経験の記載はなく、Senior Associate/Manager以上はファームでの3年以上の実務経験、または事業会社の経営企画・IT企画等の経験を必須とする | 経営計画や投資判断に近い仕事をしたい人 |
3つの型の違いは、入社後に手を動かす時間の違いです。どの型に当たるかを見ないまま応募すると、期待と仕事の中身が入社後にずれる場合があります。
実装経験を必須にする一気通貫型
フューチャーの募集は、システム構築から運用保守までを一気通貫で進めることを業務内容に挙げ、応募資格の必須に実装経験を置いています。マネージャークラスでは「過去10名以上のPM経験」と顧客への交渉経験が条件です。実装を手放したくない人が最初に比べたい型です。
上流工程・導入の経験を応募資格に挙げる型
KPMGコンサルティングの業種特化型ITコンサルタント募集は、SDLCやITILなどのプロセスや要素技術の知見、プロジェクトマネジメント能力を挙げたうえで、3種類の実務経験のいずれかを求めています。アビームコンサルティングの業務改革・システム導入の募集は、対象業界でのシステム導入プロジェクトへの参画経験を必須にしています。要件定義や導入の経験が評価の土台になる型です。
戦略・計画策定が中心の型
PwCコンサルティングのデジタル戦略コンサルタント募集は、求める資質として、物事を体系的に構造化する論理的思考力や仮説思考力、業界動向やテクノロジートレンドについての自分なりの見解を挙げています。Senior Associate/Manager以上の募集では、開発経験だけでは必須条件に当たらないため、事業会社のIT企画やコンサル実務の経験がある人に合う型です。
ここはリメディの見解ですが、実装経験を必須にする募集と、応募資格に実装経験を書かない募集が同じ「ITコンサル」に並んでいる以上、コードから離れたくない気持ちは不向きの理由ではなく、応募先の型を選ぶ条件として扱う方がよいと考えます。所属先の種類をさらに広く知りたい場合は、ITコンサルの仕事内容と6つの所属先も参考になります。
3つの型のどれが自分に合うかが見えたら、実際の募集で応募資格の書き方を並べて確かめる段階です。実装経験の扱いや経験年数の条件は求人ごとに違うため、条件を指定して複数の求人を見比べると、型の違いを見分けられます。
入社後につまずきやすい場面
入社後につまずきやすいのは、決まった答えがない論点を最初に任される場面です。job tagは、ITコンサルタントの仕事として、収集・整理した情報から経営の視点で課題を抽出すること、システムが満たすべき基準を明らかにすること、技術的なリスクを事前に評価することを挙げています。いずれも、仕様が固まる前の段階の仕事です。
正解が決まっていない論点を任される
仕様に沿って品質を担保する役割が中心だった人は、論点そのものを自分で立てる場面が増える点を想定しておきましょう。PwCコンサルティングの募集は、求める資質に「その時点で持てる最大限の情報を活用し、PDCAサイクルを高速回転させてゴールに到達できる仮説思考力」と、失敗してもやり方を工夫してトライし続ける柔軟性と胆力を挙げています。前提にあるのは、情報がそろう前に仮説を出す働き方です。
意思決定の山場で時間が読みにくい
job tagの「労働条件の特徴」は、IT戦略・DX戦略をまとめるときやシステム開発の方向を決めるときに、会議等が長引くこともあると説明しています。遠隔での業務が増える一方で、現場に直接出向いて情報を得ることも重要だとしています。工程表どおりに時間を配分しにくい時期があると想定しておくと、入社後のギャップを小さくできます。
最初の案件の役割で評価の中身が変わる
成果で処遇に差が出る点は前に触れました。入社後に影響が大きいのは、最初の案件で何を任されるかです。要件定義の取りまとめ、PMO、構想策定のどれを担うかで、求められる成果物は変わります。入社後に変わることをさらに具体的に知りたい場合は、SEからITコンサルで本当に変わること7つで詳しく解説しています。
応募前の自己診断チェック
次の10項目は、job tagで受託SEとの差が大きかったスキルと、確認した募集要項の応募資格から作りました。当てはまる経験が多いほど、ITコンサルの業務と手元の経験が重なります。当てはまらない項目は不向きの証拠ではなく、応募前に補う経験や、応募先の型を選ぶ判断材料として使ってください。
| No. | チェック項目 | 当てはまる経験の例 | 当てはまらないときに先にやること |
|---|---|---|---|
| 1 | 顧客の業務課題を聞き取り、要件として文書にまとめたことがある | 要件定義書の作成、業務フローの整理 | 今の案件で要件定義の打ち合わせに参加する機会をつくる |
| 2 | 複数の技術案を比べ、費用や業務への影響を含めて説明したことがある | 方式比較の資料、製品選定の提案 | 過去の技術選定の理由を、顧客側の判断基準で書き直してみる |
| 3 | 関係者の意見が割れた場面で、合意をまとめたことがある | 部門間の仕様調整、優先順位の合意 | 調整の経緯(誰が何を懸念し、どう決めたか)を書き出す |
| 4 | プロジェクトの目的や投資の妥当性を議論したことがある | 企画書・稟議の作成、効果の試算 | 担当システムの導入目的を、事業の言葉で説明できるか確かめる |
| 5 | 決まった手順がない作業を、自分で段取りして進めたことがある | 新しいテーマの調査、障害の原因調査から再発防止策まで | 着手する前に論点を書き出してから進める |
| 6 | SDLCやITILなどのプロセスを説明できる | 開発工程の標準化、運用プロセスの設計 | 担当してきた工程を、開発ライフサイクル全体の中で位置づける |
| 7 | 新しい技術や製品を調べ、業務での使い道を提案したことがある | クラウドやSaaSの比較、PoCの企画 | 調べた技術が、どの業務課題に効くかまで書いてみる |
| 8 | 顧客や上位者に、資料を使って判断を求めたことがある | 部門長・経営層向けの報告資料 | 報告資料の結論を冒頭の1枚にまとめる |
| 9 | 担当業界の業務の流れを説明できる | 製造・金融・流通などの業務の理解 | 担当顧客の業界で、業務の流れと課題を整理する |
| 10 | 実装を減らしてよいか、減らしたくないかを自分で言える | 今後のキャリアの希望の言語化 | 前の節の3つの型のどれが合うかを決める |
1〜4は、job tagで差が大きかった評価・判断・調整・要件分析に対応しています。1〜4に具体的な場面を書けない項目が多い場合は、今の職場で経験を積んでから応募するか、実装寄りの型から比べる方が無理がありません。
向いていないと感じたときの代替キャリア
ITコンサルが合わないと感じても、経験を活かせる選択肢は残ります。job tagも、個別の現場経験を活かしてITコンサルタントやDXコンサルタントになるなど、就業ルートがますます多様になってきていると説明しています。
役割の違いは、IPAのデジタルスキル標準の人材類型でも確認できます。ビジネスアーキテクトは、変革で実現したい目的を定義し、業務プロセスを設計して関係者を牽引する役割です。ソフトウェアエンジニアは、システムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う役割と定義されています。ITコンサルの業務は前者に近く、後者とは重心が違います。
| 選択肢 | 合いやすい人 | 根拠になる情報 |
|---|---|---|
| PMとしてキャリアを積む | 交渉や対面の議論に時間を使いたい人 | job tagでは、PMの「交渉」「説得」が5.0、職場環境の「対面での議論」が4.4で、いずれもITコンサルタントより高い |
| 一気通貫型のITコンサルを選ぶ | 実装を続けながら上流にも関わりたい人 | フューチャーの募集は実装経験を必須とし、システム構築から運用保守までを担う |
| 設計・実装の専門性を深める | 技術そのものを磨きたい人 | IPAのデジタルスキル標準は、ソフトウェアエンジニアを設計・実装・運用を担う役割と定義している |
| 社内SE・IT企画として事業会社で経験を積む | 一つの事業に長く関わりたい人 | KPMGコンサルティング・PwCコンサルティングの募集要項は、事業会社でのシステム企画運営やIT企画の経験を応募資格の選択肢に挙げている |
4つ目の選択肢は、ITコンサルを諦める道とは限りません。応募資格の文言を見る限り、事業会社でIT企画を経験してから応募するルートも想定されています。IT以外の領域も含めてコンサル全般の適性を比べたい場合は、コンサルタントに向いている人とは?経験から確かめる適性も参考になります。
応募前に確認したいこと・相談の進め方
応募前に確認したいのは、配属先がどの型の仕事かです。同じ会社でも部門や職位で応募資格が変わるため、面接や面談で次の点を具体的に聞いておくと、入社後のずれを減らせます。
- 配属予定のチームは、戦略・計画策定と、導入・構築のどちらの比重が大きいですか
- 入社後、自分で設計・実装する場面はどの程度ありますか
- 最初の案件では、要件定義の取りまとめ、PMO、構想策定のどれを担う想定ですか
- 担当する業界は決まっていますか。業界の業務知識はどの程度求められますか
自分で進めてよいケース・相談した方が早いケース
自己診断の結果と応募したい募集の条件を並べると、一人で判断できる範囲が分かります。
| 自分で進めてよいケース | 相談した方が早いケース |
|---|---|
| 自己診断の1〜4に具体的な場面を書け、合う型も決まっている | 1〜4のどれを強みとして前に出すべきか判断がつかない |
| 応募したい募集の応募資格を、経験年数まで満たしている | 経験年数や職位の条件がぎりぎりで、どの職位で応募するか迷う |
| 実装を続けたいか、手放してよいかが決まっている | 実装へのこだわりと上流への関心が半々で、型を選べない |
「相談した方が早いケース」の列に1つでも当てはまるなら、ITコンサル領域の求人を扱う担当者に経歴を見せて判断するのが早道です。リメディはコンサル業界への転職相談を受けており、応募先の型の選び方や、経験を職務経歴書でどう書くかを面談で確認できます。担当者のプロフィールを見比べ、自分の経歴に近い領域を扱う人を選んで予約できます。
よくある質問
プログラミングが好きでもITコンサルに向いていますか?
向き不向きは、応募先の型しだいです。ITコンサルの募集には、フューチャーのようにシステム構築から運用保守まで一気通貫で担い、実装経験を必須にする型があります。KPMGコンサルティングのエマージングテック募集のように、アプリ開発や分析システム開発の経験と、顧客との折衝・交渉の経験年数を組み合わせて求める募集もあります。まず自己診断チェックの10(実装を減らしてよいか)に答え、実装を続けられる型から応募先を比べるのが現実的です。
社内SEの経験はITコンサルの応募で評価されますか?
評価される場合があります。KPMGコンサルティングの業種特化型ITコンサルタント募集のように、事業会社でのシステム企画運営の経験を応募資格に明記している募集があります。社内SEの経験が当たりやすいのは、導入・上流型と戦略・計画型の募集です。外部の顧客への提案経験が少ない場合にどう伝えるかは、経歴別の適性チェックの「社内SE」の項で説明しています。
PM経験者はITコンサルとPMのどちらを選ぶべきですか?
どちらの仕事に時間を使いたいかで分けるのが一つの方法です。job tagでは、PMは交渉・説得・対面の議論の数値がITコンサルタントより高く、ITコンサルタントは「企業・組織の活動の評価」や興味の「研究的」がPMより高く出ます。顧客の事業を評価して提案する仕事に関心があればITコンサル、関係者を動かしてプロジェクトを完遂する仕事を続けたいならPMが合いやすいでしょう。
年代によって向き不向きの見方は変わりますか?
今回確認した募集要項の応募資格は、年齢ではなく経験の年数や中身で条件を書いています。たとえばKPMGコンサルティングの業種特化型ITコンサルタント募集は社会人経験約3年以上、フューチャーのリーダークラスは設計実装経験3年以上(マネジメント経験とあわせて)を挙げています。年代ごとのキャリアの考え方は、ITコンサルの年代別キャリアで詳しく解説しています。
向いているか自分で判断がつかないときはどうすればよいですか?
自己診断チェックの1〜4について、担当したプロジェクトの具体的な場面を書き出してみてください。書ける項目が多ければ上流工程や導入の経験を応募資格に挙げる型、少なければ実装経験を活かせる型から比べると、無理のない応募先を選べます。書き出した内容をもとに担当者と話すと、どの職位で応募するかまで具体的に決められます。

