M&A業界のパイオニアとして成長を続ける株式会社日本M&Aセンター。中小企業のM&Aを通じて日本経済の活性化に貢献してきた同社の成功の秘訣を探るべく、日本M&Aセンター代表取締役会長の三宅卓様にインタビューを実施いたしました。
今回は、三宅様が日本M&Aセンターの創業に至った経緯や、M&A業界における同社の独自性、そして、共に働く仲間と目指す未来について伺いました。日本M&Aセンターの特徴である、中小企業に特化したM&Aの手法、業界標準化への取り組み、そして「第二創業」という新たな挑戦など、同社の魅力を余すところなくご紹介します。
1977年日本オリベッティ入社。1991年に日本M&Aセンター設立に参画。以来、中小企業M&Aの第一人者として、業界標準を確立し、創業者で現名誉会長の分林保弘とともに同社の上場を牽引する。数百社のM&A成約の陣頭指揮を執り、業界の自主規制団体「M&A仲介協会」の設立にも尽力。
千葉大学卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、独立系M&Aアドバイザリー会社のTMAC(現デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社)へ転職。上場企業・PEファンドによる国内外のM&Aに従事。その後、リメディを創業。日本証券アナリスト協会検定会員。
– リメディのキャリア支援のポイント –
1️⃣ M&A業界への内定率・内定数はNo.1
2⃣ 1年で100名を超える内定者を輩出するM&A業界特化のヘッドハンティング会社
3⃣ M&A業界への内定率94.7%を実現する徹底的なマンツーマン選考対策
※2022年1月から6月末における、リメディ専任でM&A仲介会社に応募した方57名中54名が内定獲得
4⃣ 営業未経験者のM&A業界への転職実績が多数
5⃣ リメディ唯一の社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
〜転職意思が固まる前の情報収集も大歓迎〜
日本M&Aセンター|創業秘話
本日は、M&A仲介業界のパイオニアで、現在もM&A業界の最先端に立って陣頭指揮を取っていらっしゃる、日本M&Aセンターの三宅会長にお話しを伺います。
私自身も2019年にリメディ株式会社を創業したのですが、実は創業当時から日本M&Aセンター様にはお世話になっており、待望の機会でございました。
早速ですが、この記事をご覧になっている方々の中には、日本M&Aセンター様の沿革や歴史をご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、創業当時から振り返ってお話をいただければと思います。
創業は1991年ですので、33年前になります。実は、当社は、会計事務所に相続税対策のシステムを販売している会社が作った会社です。
その当時はバブル絶頂期で、中小企業の経営者の方々は、ご子息が事業を継いでも相続税が払えないという状況でした。そこで、相続税のシミュレーションシステムを日本オリベッティが開発し、それを全国の先進的な会計事務所に導入してもらっていました。そして、そのユーザーである会計事務所の教育のために、事業承継コンサルタント協会を設立し、みんなで勉強していました。
そうしたところ、先生方から「相続税も大事だが、今はバブルでどんどん人が採用されてしまい、息子が会社に帰ってこない。だから、後継者がいない」という話を聞きました。今とは全く違う理由で後継者不足が問題になっていました。
そこで「後継者問題を救う会社をみんなで作ろう」ということになり、事業承継コンサルタント協会の先生方約200名が出資をしてくれて、1億5,000万円の資本金でスタートしたのが当社です。
したがって、最初から株主が200名いる会社でした。そこからスタートして、日本M&Aセンターという会社を作りました。全国の先生方が、弊社を中心として案件を譲渡したり、あるいは買ったりするような1つのセンター、今で言うプラットフォームのような存在になろうという思いで、日本M&Aセンターという名前を付けました。
創業当時から、日本全国の先生方からの期待を一身に背負ってらっしゃったんですね。33年前というと私が生まれた年でもあるのですが、その時からM&Aの仲介事業を始められていたのですね。
当時は、M&Aという言葉は、あまり認知されていなかったのではないでしょうか?
そうですね。その理由は3つほど挙げられます。
まず、中小・中堅企業の社長さんは、M&Aという言葉すら知らなかった時代です。ちょうどその頃「M&M’S」というチョコレートが流行っていて、「チョコレート屋さんですか?」などと言われることもありました。「企業の結婚のお世話をしているんです」と説明すると、「乗っ取り屋ですか?」と返されることもありました。「企業を買収する=乗っ取る」という、不健全でブラックなイメージしか持たれていなかったのです。
2つ目は、会社を売るということに対して、経営者の美学や哲学上、許せないという風潮があったことです。例えば戦時中に、軍艦の艦長は船が沈められる時に自分を船の柱に縛りつけて船と共に沈む、という美学がありました。それに近いものがあり、会社を売るということは、経営者の逆鱗に触れる許されないことだと考えられていたのです。
3つ目は、M&Aに関するノウハウが全くなかったということです。今は、紀伊国屋書店や三省堂書店に行けば、M&Aに関する本がどれを選べば良いか分からないほどたくさん並んでいます。しかし当時は、M&Aに関する本は1、2冊しかありませんでした。それを買って一生懸命読み、基本合意書の存在を知りました。
そして、その本の著者に連絡を取って「基本合意書のサンプルをいただけませんか?」とお願いしたのですが、「実は私も見たことがない」と言われたのです。M&Aについて勉強して本を執筆しているだけで、実際に実務を行っている人が非常に少なかった時代でした。そのため、M&Aのノウハウは本当に手に入らなかったのです。
このように、M&Aという言葉が認知されておらず、ネガティブなイメージを持たれていて、ノウハウもないという、混迷とした時代でした。
私が想像するよりも、はるかに認知度も市民権もノウハウもない時代だったのですね。
最初の成約に至るまで、そして、少しずつ成約に導いていく過程で、大変なご苦労があったかと思いますが、その辺りについてお聞かせいただけますでしょうか?
最初の成約は、今でもよく覚えています。私が三重県で担当した案件だったのですが、当時、M&Aという言葉が全く認知されていませんでした。そこで、会計事務所の先生方から少しずつお金を出していただき、日経新聞に全面広告を出すことになりました。
「あなたの会社の後継者を探します」という広告だったのですが、そこから問い合わせが殺到しました。1週間で400件ほどの問い合わせがあり、社員全員で電話対応に追われました。
その中の1件が、三重県の不動産デベロッパー会社の案件でした。それが当社の第1号案件となり、名古屋の材木屋さんに買収していただきました。非常にうまくいった案件でしたが、私1人だけでは成約に導くことはできませんでした。
譲受企業(買い手)は、外資系の証券会社に依頼し、私は譲渡企業(売り手)を担当しました。こうして、初めてM&Aの成約を経験することができましたが、本当に嬉しかったです。
基本合意書の作成やDD(デューデリジェンス)、最終的な条件交渉など、M&Aの全てを経験したことで、多くのことを学ぶことができました。
三宅会長も、まさに最初の案件は自ら率先して担当されたのですね。どのくらいご自身でアドバイザーとして関わっていらっしゃったのでしょうか?
私はプレイヤーとして仕事をするのが大好きなので、上場した後もずっと現場に足を運んでいます。
セミナーも年間40回ほど開催しています。お客様が悩んでいらっしゃれば、私がビデオレターを作成し、担当者がお客様に届けるということも行っています。年間100本以上のビデオレターを作成しているのではないでしょうか。
日本M&Aセンター|創業10年目 〜大きな転機〜
私の認識では、創業から10年目までは、それ以降と比べて会社の規模も小さく、方向性も大きく異なっていたように思います。10年目という節目を迎えるにあたって、大きな転換点があったのではないでしょうか?
まさにその通りです。10年経った時に、「いよいよ10年経ったか」と感慨深かったのですが、会社としては大きな成長を遂げられていませんでした。社員数は10名から20名ほどで、売上も2億から3億円ほどで停滞していました。
私自身は、前職のコンピューター会社で外資系のトップ営業として働いていたので、給料も高く、交際費も潤沢にありました。しかし、M&Aの仕事では、それらを凌駕できていませんでした。10年間M&Aの仕事をしてきて、このままで良いのだろうか?と自問自答しました。
しかし、これまでやってきた仕事を振り返ってみると、M&Aを通じて多くの方々に喜ばれていたことに気づきました。「会社を残してくれてありがとう」と泣いて喜んでくれたり、「従業員の雇用を守ってくれてありがとう」と熱い握手を交わしてくれたり、家族ぐるみで付き合っていた方もたくさんいました。
ひょっとしたら、世の中のためになる仕事をしているのではないかと、10年目にしてようやく、「社会的使命が大きい」と気が付きました。
もっと会社を大きくして、もっと多くの人にこの喜びを感じてもらえる会社にならなければダメだと決意し、社員には「こんなに素晴らしい仕事をしているのだからもったいないよ」と伝えました。
「これから24時間365日、火の玉集団で行く」という方針を掲げ、そこから会社は成長路線を歩み始めました。
そして2006年に、マザーズに上場することができたのです。
10年目のその決意に至るきっかけのようなものはあったのでしょうか?
10年という節目を迎えて、自分の人生についても考えました。弊社の起業に参画したのが39歳で、10年経って49歳。来年には50歳になります。体も頭も心も元気でフルに働けるのはあと10年ほどでしょう。この状態をあと10年続けることに、本当に意味があるのだろうか?と考えたのです。
それがきっかけとなり、このままでは私の人生としては面白くない、最後の10年は、本当に燃えて目一杯ストレッチして、ビジネスパーソンとしての人生を締めくくりたいと強く思うようになりました。そのためには、今のままではいけない、もっと成長させなければいけないと決意しました。
日本M&Aセンター|転機を経て変化した事業戦略
その当時までは、プロフェッショナル集団として、高い専門性や世の中の皆さんが知らないようなM&Aの進め方で、エキスパートとして事業を行っていらっしゃったと思います。
そこから、三宅会長は経営者として大きく成長されたと思いますが、これまでの仕事の進め方や会社の業務内容も大きく変化したのではないでしょうか?
そうですね。会社を大きく変えました。
仰る通り、それまでは専門家集団として、言わば、職人のような集団でした。例えば、企業評価にしても、担当者によってやり方が異なっていましたが、これではスケールできません。
私はコンピューター会社出身なので、まずスタンダードドキュメンテーションを作成することにしました。全ての書類を同じ書式で作成し、やり方や方法論も標準化し、デファクトスタンダードを確立していこうと考えたのです。例えば、我々が採用している企業評価の方法を業界のスタンダードにしていこうと考えました。
コンピューターの世界では、デファクトスタンダードを獲得したものが勝利します。例えば、マイクロソフトもそうですよね。もっと優れたOSは存在するかもしれませんが、マイクロソフトがデファクトスタンダードとなっているため、マイクロソフトのOSをベースに様々なソフトウェアが開発されています。
M&A業界でも同じように、デファクトスタンダードを獲得することが重要だと考えたのです。大きなビッグディール、いわゆるIBと呼ばれているインベストメントバンカーの世界では、ワールドワイドなM&Aを行うため提案は手作りです。
しかし、中小企業のM&Aの件数を増やし、スケールアップしていくためには、標準化が不可欠です。全く違う世界を作らなければ、スケールアップは実現できません。そこで様々な工夫をして、会社を大きく変革していきました。
当時いらっしゃった方にとっては、インパクトの大きい変化だったと思いますが、大変なことも多かったのではないでしょうか?
そうですね。変化に抵抗を感じる人は、会社を辞めていきました。自分流のやり方やスタイルに美学を持っている人は、IBなどの世界で活躍できるでしょう。
しかし、我々はそうではありません。中小企業を1社でも多く救うことがミッションです。そのためには、自分のやり方に固執するのではなく、ミッションを実現するためにどうあるべきかを常に考え、行動していく必要があります。その考えに賛同してくれる社員が残っていき、会社は成長できたのだと思います。
成長過程の序盤においては、「ワンリーダーシップ」が重要です。多様性は必要ありません。全員が同じ方向を向き、同じ考え方で進んでいくことが重要です。
しかし、現在の弊社のように会社がある程度の規模になると、今度は「多様性」が重要になってきます。様々な考え方や価値観を持った人が集まることで、会社はさらに成長できるのです。
企業の成長過程において、必要なものは変化していきます。小さな組織ではワンリーダーシップが重要だったため、私の考え方でリーダーシップを発揮し、会社を引っ張ってきました。そして、その考えに賛同できない人は辞めていきました。しかし、その結果として、会社は早く上場することができたのだと思います。
日本M&Aセンター|上場後の事業戦略の変化
まさに今「上場」という言葉がありましたが、当時どうして上場を目指されたのでしょうか?また、上場前後で会社にどのような変化があったのか教えていただければと思います。
上場を目指した目的は「信用」です。
2つの面がありますが、1つ目は、中小企業の社長さん方から信用を得たいということです。
M&Aはうさんくさい、乗っ取り屋だと思われていた時代でした。しかし、上場すれば、きちんと上場できるビジネスであると証明できます。少なくとも詐欺集団ではないし、乗っ取り屋集団でもない、ということがはっきりします。その信用を勝ち取るために上場したいと思ったのが1つ目の理由です。
2つ目は人材です。
例えば、あるメガバンクの超優秀な人が入社してきたことがあります。当時はそのような人材は滅多に来ませんでした。もちろん、私が面接をして、食事に行って、意気投合しました。「これからの世界はそういうのが必要だよね」と握手をして別れました。そして「じゃあ来月から来てくれよ」と誘ったら「わかりました」と、彼は意気揚々と帰って行きました。
ところが、次の週に彼から「三宅さん、ちょっとお話が…」と電話がかかってきたのです。「どうしたんだい?何か条件面で問題があるのか?1回おいで」と彼を呼びました。
彼は「実は、妻の父親から大反対されまして…」と話し始めました。彼の義父は「メガバンクの優秀な候補生だから自分の娘をお前にやった。わけの分からない社員15名の乗っ取り屋みたいな会社に転職するなら、娘を返せ!」と言っているというのです。
このようなことが頻繁に起こり、上場前は優秀な人材を採用することが難しかったのですが、上場したことで状況はガラリと変わりました。「こんなに優秀な人材に来ていただいて良いのだろうか?」と思うような人たちが、どんどん入社してくれるようになったのです。採用時の信用力は格段に向上しました。
この2つの目的で上場を決めました。
上場後は、破竹の勢いで東証一部上場まで駆け上がっていかれましたが、その時の会社の状況やダイナミズムについてお聞かせいただけますでしょうか?
上場してすぐに、ワンリーダーシップをやめました。これからは、マルチリーダーシップ、マルチビジネスモデルで行くべきだと考えたからです。
様々な営業戦略が並存していて良い、それぞれの分野を引っ張っていくリーダーがいれば良いと考えました。
「ワンリーダーシップからマルチリーダーシップ、マルチビジネスモデルに切り替えるぞ!」と宣言して、実際に切り替えました。これが非常にうまくいったのです。
そしてもう1つ、私はM&Aの総合企業になりたいという夢を、以前から持っていました。
譲受企業(買い手)にとっては、M&Aは目的ではありません。M&Aによって、現在抱えている閉塞感を打破し、もっと成長したいという思いを実現するための手段なのです。
どの分野に進出すべきかマーケティングを行ったり、どのように進出していくか企業戦略があったりと考えた結果、「M&A」が手段としてあります。買収した後には、それを成功させなければならないため、PMI(ポストマージャーインテグレーション)も必要です。
私は、これを一気通貫で行える会社を目指していました。譲渡企業(売り手)の社長の多くは、独立して苦労して会社を大きくしたものの、後継者問題を抱えてM&Aを決断します。しかし、M&Aが成立したからといって、その社長の人生が成功したとは言えません。
会社を譲渡した後の第二の人生を、どれだけ楽しく過ごすかも重要です。M&Aによって多額の資金を得ますから、財産承継も重要になります。第二の人生と財産承継まで、きちんと面倒を見ることができて、初めてM&Aは成功したと言えると考えます。
こういったことを全てできる企業体にしていけたことが、会社にとって非常に良かったと思っています。
もう1つ、源泉になったことは、社員とのコミュニケーションです。どんなに素晴らしいことを考えても、社員に正確に伝わらない限り、意味がありません。
創業して間もない頃から、レターオブプレジデントという形で、毎月全社員に向けて手紙を書いています。大体A4サイズで8枚ぐらいの量になります。最近私が考えていること、社員にやって欲しいことなどを書いています。
この手紙は、全社員にきちんと読んでもらい、全体会議で私が内容を説明しています。私から社員への一方通行のコミュニケーションにはなりますが、私が考えていることを社員に徹底的に理解してもらうために、ずっと続けていることです。
同時に、社員からの発信も聞かなければなりません。会社が成長していた時期も、現在も、合宿を行っています。1回の合宿には、6名程度の社員を招待します。毎週、6名程度の社員と夕方6時からホテルに集まり、夜9時まで社員の話を聞いています。
現場での問題は何か、何に困っているのか、どのような矛盾があるのかを聞いています。それを基に、社員同士でディスカッションをしてもらいます。良いアイデアが出れば、次の日から実行に移します。
夜9時から12時までは、ワインを飲みながら、今度は私を含めて相互にディスカッションを行います。この6時間のセッションを、長年続けてきました。現在も、中堅社員とこの合宿を行っています。このように、双方向のコミュニケーションを図ることが、会社の成長の大きな原動力になっています。
弊社のYouTubeチャンネルでは、株式会社日本M&Aセンター 代表取締役会長である 三宅 卓会長へインタビューを行った動画を投稿しております。オーナーズ株式会社様への転職をお考えの方はぜひご覧ください。
日本M&Aセンター|企業理念
企業理念やフィロソフィー・パーパスについてお伺いしたいのですが、先日まさに、企業理念やその辺りの整理を、社員の方々も議論に参加して皆さんで決定されたと伺っております。なぜこのタイミングで再確認、再定義されたのでしょうか?
30周年記念の際に「企業30年説」というものを意識しました。30年で1つの区切りで、次は第二創業をしなければなりません。
時代も大きく変わり、かつてM&Aがタブーだった世界から、今では多くの人がM&Aを必要としています。パラダイムがシフトしていく中で、イノベーションを起こしていかねばならない。そのためには多様な考え方を取り入れていく必要があります。「多様性が重要」なのです。
そこで、30周年を機に「第二創業」を行うことを決めました。創業者は、現在会社にいる社員全員と定義し、「社員全員が第二創業の創業者なので、好きなようにやってください」というメッセージを発信しました。
これだけ時代が変化し続けている中で、私1人の発想だけでは会社は生き残れません。社員1000人余りそれぞれの発想を集めていこうと考えました。しかし、多様性ばかりを重視すると、会社がバラバラになってしまう可能性があります。そこで重要になるのが「ミッションドリブン」です。
「ミッションに沿って、自由な考え方で事業を行っていく」「ミッションに突き動かされて、それを実現するための方法論を多様性を持って考えていく」このように定義しました。
では、そのミッションとは一体何なのか?というところで、まず、パーパスを社員全員で考えました。
これから10年間で127万社が廃業していく時代です。M&Aは、もっと身近なものとして捉えてもらわなければなりません。しかし、M&Aは、正しく行わなければ不幸な結果を招きます。だからこそ「最高のM&Aをより身近に」というパーパスを掲げました。
このパーパスは、社員全員で意見を出し合い、アンケートも実施しました。千数百件の回答をベースに経営会議で何度も何度も議論を重ね、ようやく完成しました。
第二創業には、もう1つ意味があります。それは、私のサクセッション(後継者育成計画)です。私は現在72歳で人の命には限りがあるため、次の世代に会社を譲り渡さなければなりません。
文化として、会社に何を残すべきか、あるいは古くなって不要になったものを排除することも必要です。そして、新しく付け加えなければいけないものもあります。
これらの課題を解決するために、8つの項目からなるフィロソフィーを策定しました。
フィロソフィー策定にあたり、苦労されたことや、三宅会長から社員の皆さんに声をかけられたことなどがあれば教えてください。
30周年のタイミングで、次世代経営陣を決め、そのメンバーで経営会議を行うことにしました。現在も毎週月曜日に経営会議を行っていますが、毎回2時間半から3時間ほど議論しています。
テーマや意見が多すぎて、とても時間が足りないほどです。そういった意味では、コミュニケーション・ガバナンス・コンプライアンスの3つに関しては、かなりハイレベルになっていると思います。
6、7年前は、私がいると私ばかりが発言して、他のメンバーはほとんど意見を言いませんでした。
「みんな意見を言わないとダメだよ、役員なんだから」「みんな平等なので意見を言ってくださいよ」と言っても、なかなか意見が出てきませんでした。多様性、ガバナンス、コンプライアンスのどの観点から見ても、非常にまずい状態だったと思います。
しかし、第二創業を定義し、経営会議を始めたところ、状況は大きく変わりました。経営会議だけでなく、全社員会議でも変化がありました。
研修の後などに「質問や発言はないですか?」と問いかけると、すぐに手が挙がり「第二創業なので会社名を変えましょう」といった意見が出てくるようになりました。また、「離職について、どう考えているか聞きたい」といった質問が出ることもあります。
1200人が集まる全社員会議でも意見が出てくるほど、コミュニケーションが高まり、非常に良い雰囲気になっていると感じます。
日本M&Aセンター|対外的な変化
対外的なところでも変化があれば教えていただけますでしょうか?
企業文化というのは一朝一夕には変化しないと考えています。したがって、今回作成したパーパスやフィロソフィーが社員のDNAになっていくには、やはり一定期間かかるだろうと思っています。
例えば、今お客様に出しているミネラルウォーターのペットボトルにもフィロソフィーを記載していますし、あらゆるものにフィロソフィーを記載しています。常にパーパスやフィロソフィーは社員の目に触れるようになっており、それに対する研修なども頻繁に行っているので、随分浸透してきたと感じています。
最高の顧客満足・最高の品質・最高のコンプライアンス、この3つが最高の意味であり、それが最高のM&Aをより身近にお届けすることに繋がると考えています。これはお客様にも伝わり始めており、「日本M&Aセンターは他社とは少し違う」と感じていただいているようです。
我々は会社というものを、様々な人の人生が詰まっている場所だと考えており、大事に扱っています。このような姿勢がお客さまにも、そして金融機関の方々にも理解されつつあるのではないかと感じています。
– リメディのキャリア支援のポイント –
1️⃣ M&A業界への内定率・内定数はNo.1
2️⃣M&Aキャピタルパートナーズ・M&A総合研究所への内定数・内定率No.1
3️⃣ 1年で100名を超える内定者を輩出するM&A業界特化のヘッドハンティング会社
4️⃣ M&A業界への内定率94.7%を実現する徹底的なマンツーマン選考対策
※2022年1月から6月末における、リメディ専任でM&A仲介会社に応募した方57名中54名が内定獲得
5️⃣ 営業未経験者のM&A業界への転職実績が多数
6️⃣ リメディ唯一の社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
〜転職意思が固まる前の情報収集も大歓迎〜
日本M&Aセンター|日本M&Aセンターで働く意義
今まさに、新体制でスタートされましたが、2024年というタイミングで日本M&Aセンター様で働く意義についてお聞かせいただけますでしょうか?
今が絶好のタイミングだと思います。転職には2つのタイミングが必要だと考えています。
1つは、「自分の人生の中でのタイミング」。もう1つは、「転職する企業のタイミング」です。今、弊社に転職していただくのは、最高のタイミングだと思います。
まさに第二創業をスタートさせたばかりであり、これから盛り上がっていくフェーズです。様々な新しいビジネスプランも生まれており、これから入社される方は2〜3年で一人前になり、その頃には組織も拡大しているでしょう。
例えば、2〜3年後には、後に入社した方がどんどん増えて、早い段階でグループリーダーや部長になることも可能です。仕事内容も多様化していくので、自分に合った仕事や、やりたい仕事を見つけることも容易になると考えています。
また、新しい部署や新しいビジネスが次々と発生してきているので、その部署の創業メンバーになることも可能です。そうすれば、1つのビジネスを作り上げる喜びを経験でき、ビジネスパーソンとしての実力もつき、出世も早くなります。
「喜び」と「実力」と「出世のスピード」この3つを手に入れることができる最高のタイミングです。私自身も転職するなら今だと思いますね。
日本M&Aセンター|部署それぞれが持つミッション
私から見て、日本M&Aセンター様の採用活動は特徴的だと感じています。独特の組織体制や名称など、それぞれにどのような意味合いがあるのでしょうか?
M&A総合企業として様々な部署があると思いますが、日本M&Aセンター様ならではの組織の作り方について教えてください。
弊社の組織は、営業1部〜営業4部といった一般的な分け方ではなく、それぞれの部署が独自のビジネスミッションとビジネスモデルを持っています。
創業当初は、会計事務所に譲渡企業(売り手)を紹介してもらうというビジネスモデルでスタートしました。そのため、まずは会計事務所とコンタクトを取る部署を立ち上げました。
しかし、私のアイデンティティは会計事務所でもありますが金融機関です。日本オリベッティ時代の前半は会計事務所、後半は金融機関で働いていました。そこで、金融機関のネットワークも構築しようと、地銀や信金のネットワークを構築し、地域金融の営業部を立ち上げました。今では、地銀や信金のほとんどが弊社のネットワーク先となっています。
その延長線上で、大手企業にもアプローチしようと、MUFG(株式会社三菱UFJファイナンシャル・グループ)やSMBC(三井住友銀行)などのメガバンクとリレーションを築き、そのための部署を立ち上げました。
また、証券会社と紹介契約を結び、証券会社の顧客にアプローチする部署も立ち上げました。これらの部署は、譲渡企業(売り手)を発掘するためのソーシング部隊です。
そして、譲受企業(買い手)を見つける法人部も生まれました。法人部は、譲渡企業(売り手)を法人に提案し、オリジネーションや商談の創出を行っています。
このように、案件が増えていくにつれて、案件の単価が下がっていくという課題が出てきました。単価が下がると経営的に厳しくなるため、中堅企業にもアプローチすることになりました。ファンドから中堅企業のM&A案件を受託したり、中堅企業に直接アプローチしたりするようになりました。さらに、大企業や上場企業にもアプローチし、子会社の切り離しなどを提案する部署も立ち上げました。
また、業界再編の動きに対応するため、業界専門で特化した部署も必要だと考えました。業界再編は、まず調剤薬局や医療機関で起こり、その次に、建設業、飲食業、ソフトウェア業など、様々な業界に広がっていくと予想されます。そこで、専門的な知識を持った人材が業界特化でM&A案件に取り組めるよう、専門部署を立ち上げました。
それぞれの部署が独自のミッションを持って活動した結果、会計事務所1部〜5部と拡大していきました。
日本M&Aセンター様のみの発展の仕方ですね。
日本M&Aセンター|求める人物像
創業から上場前後までは三宅会長がワントップで事業を行ってきた日本M&Aセンター様ですが、現在は次の世代が活躍し、新規事業も次々と生まれています。このような状況下で、どのような人材を求めているのでしょうか?
応募してくださる方が、「将来何になりたいのか?」ということが重要だと考えています。スーパーセールスパーソンになりたいのか、ハイエンドビジネスパーソンになりたいのか。弊社はスーパーセールスパーソンを求めているのではなく、ビジネスパーソンを求めています。つまり、「何になりたいのか」によって最初の線引きを行うということです。
ビジネスパーソンには様々な要素が求められますが、1つは素質です。M&Aは非常に難しい仕事であり、ハイエンドビジネスです。したがって、前職で活躍していたとしても、それでは満足できない、もっと手応えのある仕事、もっと燃える仕事がしたいという強い思いを持っている人が、当社で活躍できる前提条件だと考えています。
さらに、上昇志向があり、上を目指したいという気持ちと、世の中のために貢献したいという使命感を持っていることも重要です。
「世の中のために役に立ちたい」「地方を活性化させたい」「中小企業を救いたい」「このままでは日本がダメになってしまうから、もっと集約化を進めて生産性を上げていきたい」など、社会的使命・問題意識を強力持っている人が、弊社が求める人材です。
– リメディのキャリア支援のポイント –
1️⃣ M&A業界への内定率・内定数はNo.1
2⃣ 1年で100名を超える内定者を輩出するM&A業界特化のヘッドハンティング会社
3⃣ M&A業界への内定率94.7%を実現する徹底的なマンツーマン選考対策
※2022年1月から6月末における、リメディ専任でM&A仲介会社に応募した方57名中54名が内定獲得
4⃣ 営業未経験者のM&A業界への転職実績が多数
5⃣ リメディ唯一の社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
〜転職意思が固まる前の情報収集も大歓迎〜
日本M&Aセンター|教育・育成体制
日本M&Aセンター様に入社するタイミングとしては、今がベストだと仰っていましたが、社会的な意義やインパクトのある仕事を求めて、他業界から転職してくる方が多いという現状を考えると、今までのM&A業務は非常に複雑で難しい面もあり、一流のアドバイザーになるためには育成や教育が非常に重要になってくるかと思います。日本M&Aセンター様では、どのようなコンセプトでカリキュラムなどの教育体制を作られているのでしょうか?
教育には非常に力を入れており、多くの時間をかけています。当社に入社する方の99%は未経験者なので、M&Aのイロハから勉強していただきます。正社員になるためには簿記2級の資格が必須なので、入社後半年以内に取得していただきます。
その後は、企業評価の勉強や、ピッチブックや企業概要書の作成方法、その説明の仕方などを学びます。さらに、M&Aのプロセスについて、1から10まで懇切丁寧に説明していきます。この基礎教育には1ヶ月間かけています。
そこから現場に出ていただきますが、現場では「2in1制度」を導入しています。これは、先輩社員と新入社員が2人1組になって業務を行う制度です。ブラザー制度よりも親密な関係で、例えば予算を一体化することで、先輩社員がより親身になって新入社員の面倒を見るようにしています。
そのため、安心して入社していただき、まずは1ヶ月間しっかりと基礎を学び、その後は先輩社員のサポートを受けながら現場で経験を積んでいける体制を整えています。入社後3年間は月齢で管理を行い、入社3ヶ月後なのか、6ヶ月後なのか、どのくらいで最初のアドバイザリー契約を獲得できるか、目標設定を行います。もし、その期間内に契約を獲得できなかった場合は、仕事との整合性が取れていない、あるいは上司との相性が悪いなどの問題が考えられます。
例えば、会計事務所や金融機関を使ってソーシングするのが得意な人が、ダイレクトに顧客にアプローチする部署に配属されると、なかなか成果が出せないことがあります。その逆も然りです。そこで、適性を見極め、1番向いた部署に転部していくこともフォローしています。
また、入社3年未満で上位20%の社員を対象に「令和塾」という特別な教育プログラムを実施しています。この下の60%の社員に対しては「打倒令和塾」を目標に研修を行ったり、さらにその下の層には「エクシード研修」という、もう一度基礎から学び直す研修を実施するなど、きめ細やかな教育体制を整えています。
さらに、グループリーダーになるとリーダーシップ研修やマネジメント研修を行ったり、部長や執行役員になればコーチングをつけたりと、様々な研修を経て経営者層まで来れるような体制があります。
最高のビジネスパーソンになるためのプログラムを、入社日から役員になるまで用意していますので、安心して入社していただけたらと思います。
最初に配属される部署については、本人の希望なども考慮して決められるのでしょうか?
もちろんです。本人の希望を聞き、研修期間中の適正も見極めた上で配属先を決定します。配属後も数ヶ月間成果が上がらない場合は、再度ミーティングを行い、向いている部に再配属することもあります。
年に2回は自己申告の機会を設けており、そこで「本当はこういう仕事をしたかった」という希望があれば、別の部署に転部することも可能です。自由度は高いと思います。
最初の3年間、異動も含めて、新しいキャリアをサポートしてもらえるというのは、他社ではあまり聞かない制度ですね。
制度設計など苦労されたかと思いますがいかがでしょうか?
最初の3年間が1番成長すると考えています。しかし、M&Aは時間がかかるため、前の職場で成果を上げてきた人でも、数ヶ月間成果が出ないという状況に直面し、不安を感じることがあります。
「自分は大丈夫かな」という危機感を覚えなければならない状態なのか、もっとじっくりやっても良い状態なのか、しっかり話し合いながら社員と向き合う体制を整えています。
入社後1ヶ月間の座学研修から2in1制度まであり、とても心強いのではないかと思います。
2in1制度は今年から始められたかと思いますが、これまでの制度と変更した背景について教えていただけますでしょうか?
最初の1〜2年は、とても不安を感じると同時に、何をして良いか分からないと思います。特に、弊社は「自主性」を重んじており、自由度が非常に高いです。何をやっても良いということは、自分で考えなければならないということです。
先輩から「こういう方法でソーシングしよう」「こういうリストや提案書を作ってみよう」ということをサジェスチョンしていかなければ、最初のスタートが切れない人もいます。
今までは、それができなくて辞めてしまう人も多かったため、しっかりフォローできるように2in1制度を作りました。
日本M&Aセンター|令和塾での学び
この記事をご覧になっている方々は、日本M&Aセンター様に入社されて「1番になりたい」と思っている方が多いのではないかと思っております。
令和塾を目指されている方もいると思いますので、令和塾のコンセプトや、どのような勉強会を行っているのか、可能な範囲で教えていただけますでしょうか?
令和塾は毎月1回、上位20%の社員に対して行っているのですが、1つは外部講師を呼んでくることです。
みんなが憧れられるような、しかも若い外部講師を呼んできて、その人の話を聞いてもらいます。本当に成功しているビジネスパーソンは、どんなことを考えているのか、どうやってビジネスモデルを作って来たのか、どんなオーラがあるのかを感じてもらいたいので、優秀な外部講師を連れてくるということを行っています。
もう1つは令和塾生の先輩の中で成功している人に、どのように成功したのか、どのようにトップになれたのか、どのような考え方でアクティビティをしているのか、その手の内をみんなに公開してもらう、ということをやっています。みんな、とても和気藹々としていて、勉強になっているようです。
外部講師の方には、どういった方がこれまでいらっしゃったのでしょうか?
例えば、スポーツチームを運営している方や、ベンチャー企業を創業して成功している方など、様々です。
令和塾の会議には三宅会長もご参加されるのですか?
オープニングの際には話をしたり、外部講師によっては一緒に話を聞いたり、可能な限り参加するようにしています。
令和塾の中から出世される方や、大きな成果を残される方は多いのですか?
一概には言えませんね。3年で勢いよく目立つ人もいれば、目立たなくても3年目くらいから徐々に頭角を表してくる人もいます。成功スピードは人それぞれで、一気に駆け上がる人もいれば、ゆっくりと着実に成長する人もいるため、あまり気にしなくても良いと思います。
令和塾に入れないからダメということではなく、本当に真摯に仕事に向き合っていれば、必ず3〜4年で一人前になっていきます。
ただ、その中で謙虚に反省していくことは大事です。自分に何が足りないのか、ということは常に振り返って、自分の弱いところを補強していくことが重要です。そのように真摯に仕事に向き合っていけば、M&Aにはセオリーがあるので、確実に成功していくと思います。
これから入社される方に、どのようなM&Aアドバイザーになってほしいか、どのような社員になってほしいかを教えていただけますでしょうか?
M&Aという仕事をする上で、私は「ウォームハート」と「クールヘッド」が大事だと思っています。
会社を譲渡する社長は、とても寂しい思いをされています。そこに寄り添って共感し、一緒に泣けるような、一緒に語り合えるようなウォームハートが必要です。
一方で、企業と企業が一緒になる過程には、リスクも多く存在します。そのリスクを冷静に分析し、契約書の条件に落とし込んでいくクールヘッドも必要です。
それと同時に、弊社は多様性を重視しており、自由度も高い会社です。イノベーションを起こしていく力、自ら新しいビジネスモデルを作っていこうとする意欲も必要です。
やはり最高のビジネスパーソンは、自らクリエイティブに考え、新しいビジネスモデルや新しいスキームを作ることに喜びを感じる人ではないでしょうか。
言われたことをきちんと100点でこなす人は、どちらかというとサラリーパーソンタイプです。我々が求めているのは、サラリーパーソンではなく、どんどんオリジナリティを発揮しながら周囲を巻き込み、大きなビジネスを創り上げていける人です。
そのような人材に成長してほしいと思っています。そういったことに憧れを持つ人、そういう人に来てもらえると、とても面白い職場だと思いますし、そのような能力を身につければ、どこでも活躍できる、最高のビジネスパーソンになれると思います。
夢を持って入社してきてほしいですし、半年や1年で諦めてほしくありません。真摯に仕事に向き合い、使命感を持って取り組んでいれば、確実に成功します。
落ち着いて人生を考えてもらえる人が欲しいです。落ち着いて成長してほしいからこそ、前職の年収はほぼ踏襲したものを弊社で出しているため、基本給は高いです。
もちろん一定の成果を上げれば、固定給にかかわらず、最終的な年収は同じになるようになっています。生活をきちんと保証しながら、さらに上を目指せる職場なので、安心して転職してきてほしいです。
私は、転職は人生においてとても重要なことだと思っています。人生で初めて、自分の意思で将来を考えるのが転職と結婚だと思っています。
もちろん、自分の意思も大切ですが、例えば進学にしても、両親の影響は大きいですよね。そのような教育環境だったからこそ、良い高校に進学でき、良い高校に進学したからこそ、周りの環境に影響されて良い大学に入学でき、良い大学に入学したから、最初の就職先はトレンドや知名度で選んでしまう、ということもあるでしょう。
しかし、そこで実際に仕事をして初めて、「もっとやりがいのある仕事がしたい」「もっと成長できる仕事がしたい」「もっと喜んでもらえる仕事がしたい」と考えるのではないでしょうか。人生の中で初めて、自分の価値観で仕事を選ぶのが転職だと思います。そのような人たちを、私たちは大切にしたいと思っています。
彼らが人生で初めて決断した大きな意思決定を、私たちも真摯に受け止め、しっかりと教育し、本当に良い人生を送れるように導いていきたいと考えています。それが当社の受け入れ体制ですので、安心して入社してきてください。
日本M&Aセンター|M&A業界の現状と今後
昨今、M&Aの仲介業界について、様々な意見が出ていると思います。歴史をすべてご存知の三宅会長からご覧になって、現在のM&Aの仲介業界はどのような状況になっているのでしょうか?
まさに「来るべき時が来た」と感じており、私は歓迎しています。
数年前から、中小企業が380万社ある中で、245万社の社長が70歳を超えていくということが分かっていました。そして、245万社の経営者の社長の中で、後継者不在の企業は127万社もあるのです。127万社が10年以内に廃業してしまうことになります。
これは日本にとって大変なことです。それを食い止めるために、中小企業庁も補助金を出したり、税制優遇などの対策を講じています。
M&Aは非常に大きなマーケットであり、ブティックと呼ばれる小規模なM&A事業者が増えていくことは予見していました。しかし、ブティックが増えれば、当然ながら全体のレベルは下がり、モラルも低下していきます。それを防ぐために、3年前にM&Aの仲介協会を設立しました。
中小企業庁に相談し、M&Aキャピタルパートナーズの中村社長や、ストライクの荒井社長など、業界のリーダーたちとも相談をし協会を設立しました。これは本当に良かったと思っています。
私の予測通り、現在ブティックは激増しています。極論を言うと、4年前はそれなりに実績のある会社は30〜40社ほどしかなかったのですが、今は400社もあるのです。10倍に増えました。その400社のうち、85%は設立2年以内で、社員は4名以下、経験も浅い会社です。
しかし、ブティックが増えて活性化しなければ、127万社の会社を救うことはできません。ですから、ブティックが増えたことは、日本にとって非常に良いことなのです。
しかし、その一方で、ブティックが増えた結果、レベルやモラルが低下しているのも事実です。ここに来て、ようやくM&A業界は、1つの業界として認められるようになったと言えます。
それまでは、業界と呼べるほどの規模ではありませんでした。業界として認められた今、業界全体を統制していく必要があります。そこで、ガイドラインを策定しました。このガイドラインは、時代の変化に合わせて改定を重ね、より良いものへと進化しています。
我々は、ガイドラインだけでは不十分だと考えています。もっと高度な自主規制が必要だと考え、ガイドラインを上回るレベルの高い自主規制を行っています。現在、M&A仲介協会には108社が加盟しています。名の知れたM&A会社のほとんどが加盟している状態です。
しかし、大きな問題が2つあります。
1つは、M&Aを悪用する譲受企業(買い手)が出てきていることです。買収した後に、お金だけを抜いて会社を潰してしまうような、詐欺的な譲受企業(買い手)が現れているのです。これは大きな問題です。このような悪質な会社に対しては、特定事業者リストを作成したり、業界で情報を共有したりするなど、審査のノウハウを業界で作っていく必要があります。
もう1つの問題は、ブティックのレベルとモラルの向上です。M&A仲介協会では、研修制度を設けたり、将来的には資格制度を導入したりするなど、様々な取り組みを通じて、ブティックのレベルとモラルの向上を目指しています。
M&A業界はようやく業界として認められたばかりです。これは喜ぶべきことであり、この業界をレベルアップし、活性化させることによって、廃業が決まっている127万社の会社を、少しでも多く救うことができる時代が来ると思っています。
私は M&A業界の未来にワクワクしていますし、皆さんもM&Aの世界に挑戦するのであれば、今がチャンスです。業界が誕生したばかりの今こそ、転職するのに最適なタイミングだと思います。人生の選択肢として、M&A業界は最高だと思います。
三宅会長は、今後 M&A 市場はさらに拡大し、事業者の数も増えていくとお考えでしょうか?
さらに大きく成長していくと考えています。
事業承継の件数だけを見ても、今後ますます増加していくことが予想されます。矢野経済研究所の調査によると、今後10年間増加し続け、2035年がピークになるとされています。その後は、ガクンと減るのではなく、徐々に減少していくと予測されています。これは、日本の人口問題が背景にあります。少なくとも今後20年間は、M&Aの需要は高い状態が続くでしょう。
しかし、同時に大きな問題があります。それは、生産年齢人口(=働く人の数)が、今後激減していくということです。2010年頃、日本で働く人の数は、20歳から64歳までの人口で8,100万人いました。それが、2035年には6,500万人にまで減少すると予測されています。さらに、2060年には4,000万人強にまで減ってしまうのです。つまり、半分になってしまうということです。
働く人の数が減り始めたのはつい最近のことですが、すでに運送業界などでは、2024年問題として、ドライバー不足が深刻化し、大きな問題となっています。これはまだ入り口に過ぎません。これから本格的に人手不足が深刻化していくと、地方では人が集まらず、都会でも、中小企業は人材を採用することが難しくなります。その結果、企業同士が合併して規模を拡大し、生産性を向上させていく以外に、生き残る道はなくなってしまうのです。
生産性を向上させるには、DX化を進めるか、設備投資を行うか、人材教育に力を入れるしかありません。社員が10〜20名規模の会社では、そのような大規模な投資を行うことは難しいでしょう。そこで、10〜20社が合併して、規模を拡大し、生産性を向上させていく必要が出てくるのです。
そのためには、業界再編というM&Aが激増していくと考えられます。事業承継型がなだらかに増加していく中で、業界再編型は急激に増加していき、両方を足すと大きな山になります。
今後20年間は、この両方が加算され、中堅中小企業のM&Aを、未曾有のマーケットにまで成長させていくと予想されます。これからが本当に面白いと思います。
日本M&Aセンター|候補者の方へメッセージ
最後に、M&Aの業界を目指されている方へ、一言メッセージをお願いいたします。
M&Aの仕事は本当に面白く、奥深いものです。お客様に泣いて喜んでいただける、最高の仕事と言えるでしょう。
M&Aにおいて、ソーシングは、飛び込み営業も辞さないような強い営業パワーが必要です。しかし、受託後は企業分析が重要になります。業界や企業を分析するアナリストのような聡明さと知識が求められます。
マッチングの後、商談が始まると、譲受企業(買い手)と譲渡企業(売り手)両方の仲を取り持っていかなければなりません。仲介業者である我々を含めた三角関係になり、しかもそれぞれに多くの利害関係者が存在します。これを全て調整していくスーパーネゴシエーション能力が必要になります。
ようやく話がまとまってきたと思えば、今度はデューデリジェンスをし、最終契約書にまとめる作業があります。そこでは、財務や会社法に関する知識も必要になります。
M&Aは、まさにビジネスの総合格闘技であり、「ビジネスにおけるアート」と言えるでしょう。だからこそ、やりがいがあり、自己成長を実感できる仕事です。さらに高みを目指したいという意欲のある方にとっては、面白さと喜び、そして最高の成長が望める、最高のビジネスだと思います。
ぜひ、仲間になっていただけることを期待して待っています。
この記事をご覧になっている方に、メッセージが届いたのではないかと思います。本日は、貴重なお話の機会をいただきありがとうございました。
ありがとうございました。
– リメディのキャリア支援のポイント –
1️⃣ M&A業界への内定率・内定数はNo.1
2⃣ 1年で100名を超える内定者を輩出するM&A業界特化のヘッドハンティング会社
3⃣ M&A業界への内定率94.7%を実現する徹底的なマンツーマン選考対策
※2022年1月から6月末における、リメディ専任でM&A仲介会社に応募した方57名中54名が内定獲得
4⃣ 営業未経験者のM&A業界への転職実績が多数
5⃣ リメディ唯一の社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
〜転職意思が固まる前の情報収集も大歓迎〜