フィジカルAI時代の到来は、半導体・アクチュエーター・センサーという要素技術の進化を起点に、ロボティクス化を加速させ、日本の産業構造そのものを変えようとしている。
テクノロジー業界を支援することは、もはや一産業の成長の範囲にとどまらない。建設、製造、物流、農業――あらゆる産業の競争力向上に直結し、「日本経済全体の成長」という大きなインパクトを生み出す可能性を秘めている。
この産業横断の価値創造を、「事業開発パートナー」として推進しているのが、PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)のテクノロジー・メディア・情報通信(TMT)領域におけるテクノロジーチームだ。対象ドメインは、エレクトロニクス、社会インフラ、半導体、精密機器、SI、ソフトウェア、IT/IoTソリューションなど、いわゆる“テクノロジー業界”を幅広く含む。
本記事では、パートナー 執行役員の内村公彦氏、ディレクターの寺澤雄輝氏へのインタビューを通じて、従来のTMT領域の枠組みを踏まえつつ改めて定義した「テクノロジー業界」についてや、「セルウィズ(Sell with)モデル」による他産業への波及の考え方、自治体での企業版ふるさと納税スキーム、そして建設業界との具体的な連携事例まで、幅広い話題を取り上げる。そのキーワードは「手触り感を持って日本全体を支える」。強い思いと、実現のための独自のアプローチを、できる限り具体的に掘り下げていく。

PwCグローバルネットワークにおける半導体産業向けグローバル連携タスクフォースの日本地域を統括。10年以上にわたり大手電機機器・半導体メーカーでキャリアを重ね、その後、大手コンサルティングファームを経てPwCコンサルティング合同会社入社。
半導体関連企業を含む製造業を中心に、サプライチェーンマネジメント(SCM)関連のサービスを提供。グローバルSCMの構築、在庫削減、物流コスト削減等のプロジェクトに数多く携わる。

製造業を中心とした幅広い業界でのコンサルティング経験を有し、生産・需給系のSCMからセールス・マーケティングを中心としたCRMまで企業のバリューチェーン全体に関わる領域に精通。バリューチェーン全般の業務改革および現場へのチェンジマネジメント、改革に伴うシステム導入を一貫して支援している。

Interviewer|リメディ 平岡 弦
慶應義塾大学卒業後、デロイトトーマツグループの有限責任監査法人トーマツに新卒入社。パブリックセクター部門にて、官公庁へのアドバイザリー業務に従事しつつ、大手事業会社のシステム導入案件や機関設計領域におけるコンサルティング案件に従事。パブリックセクター部門では官公庁を通し、スタートアップのエコシステム組成に貢献し、スタートアップへの伴走支援も行う。現在はヘッドハンターとして戦略・総合コンサルティングファームなどを中心とした転職サポートに従事。20代若手からエグゼクティブ層まで、幅広い支援を経験し、業界トップクラスの実績を誇る。

Interviewer|リメディ 田口 裕基
早稲田大学商学部卒業後、日系損害保険会社にて、海運マーケットのクライアントに対する法人営業・全社戦略策定などの経営企画に従事。その後、PwCコンサルティング合同会社に入社、Strategy Unitのコンサルタントとして自動車、ハイテク、インフラなど複数業界のクライアントに対して全社戦略策定、新規事業立ち上げ、事業再編等のプロジェクトを通じて支援を行う。さらに株式会社リクルートでは、SUUMOのProduct Managerとしてプロダクト戦略の策定やマーケティング・UX関連のプロジェクトマネジメントを行い、プロダクトの成長に貢献する。
現役コンサルタントに選ばれる
コンサル特化エージェント
- Bain & Company, Boston Consulting Group出身者によるCase interview対策
- Big4出身者による総合コンサルへの転職サポート
- オファー年収1,000万円以上の実績多数
- 現役コンサルタントからのご相談多数
- 金融機関・事業会社など異業種からの転職実績も豊富
- コンサル未経験者の転職実績も豊富
- リメディ唯一の社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
- 非常に高い内定獲得率を実現するマンツーマン面接対策を実施
転職意思が固まる前の情報収集にも
ぜひご活用ください。
業界の最前線からPwCコンサルティングへ──「柔軟性」と「挑戦」を軸に選んだキャリア転換

――まずは、お二方のご経歴についてお聞かせください。
内村様: 私はグローバルにビジネスを展開する国内の大手電機機器・半導体メーカーでキャリアをスタートしました。テレビ事業を扱うセクションの経営企画に所属し、ちょうどCRT(ブラウン管)からLCD(液晶)へと技術の主流が移り変わる、大きな転換期を経験しました。当時、同社はCRTテレビで高い競争力を持っていましたが、LCDへのシフトに伴い、市場環境や競争構造が大きく変化していく。その過程を現場で目の当たりにしました。
その後は、アメリカ市場の成長戦略に携わり、事業構造の見直しや生産体制の再編など、難易度の高い意思決定にも関与しました。さらに、マレーシアをはじめとするAPAC地域の新興国展開にも関わり、グローバル市場における競争環境の厳しさと同時に、地域ごとに適切な戦略を採用することの重要性を学びました。
こうした経験を通じて、製品戦略、オペレーション、組織変革がどのように連動しながら企業価値を形づくっていくのかを、身をもって理解できたことは、その後のキャリアにおける大きな財産になっています。
帰国後は、いわば社内コンサルティングのような立場で、複数の変革プロジェクトを推進しました。その中で、複数の外資系戦略ファームと協働する機会にも恵まれ、外部のプロフェッショナルがどのように企業変革に関与するのかを、クライアント側の視点で学ぶことができました。
その中で印象に残っているある戦略ファームとの取り組みがあります。クライアントを厳選し、戦略を徹底的に深掘りするスタイルに触れ、「戦略を本気で突き詰めるとはどういうことか」を強く実感しました。
同社では約10年間、予算を確保し、会社をより良くするための仕組みや新たなオペレーションを構築する仕事に携わってきました。ルーティンの業務ではなく、変化を生み出す仕事に向き合い続けてきた経験は、現在コンサルタントとしてクライアントに向き合う際の重要な基盤になっています。
その後、キャリアをさらに発展させたいと考え、外資系総合ファームへ転職しました。そこで非常に貴重な経験を積み、パートナー一歩手前までキャリアを重ねましたが、自身の志向や今後の挑戦を見つめ直す中で、より柔軟に新しい領域へチャレンジできる環境を求めるようになりました。
――それでPwCコンサルティングへ入社されたのですね。
内村様: はい。転職活動を始めた当初は、事業会社も視野に入れていた他、PwCコンサルティングの中の戦略チームであるStrategy&からも内定を受けていました。その後、事業会社のオファーがなくなり、Strategy&に進もうと考えていたところ、当時TMT領域をリードしていた安井正樹さん(現・PwCコンサルティング合同会社 代表執行役CEO)から声を掛けてもらったのです。
決め手になったのは、「同じようなキャリアを歩んできた人が、ここで挑戦している」という確証でした。事業会社出身でグローバル経験を持つ人材が、柔軟な組織の中で業界を超えた仕事に挑戦している。TMTという組織について詳しく知っていく中で、そのような姿を見て、自分自身の次のキャリアの可能性を感じることができました。
――そもそも、事業会社からコンサルティングファームへ転職された理由は何だったのでしょうか。
内村様: 理由は大きく3つあります。
1つ目は、社内コンサル的な立場で経験を重ねていくうちに、「会社の予算を使い、いかに大きなインパクトをPLに与えるか」という自身のモチベーションが、次第に湧きづらくなっていったことです。
2つ目は、複数の業界で経験を積みたいと考えたことです。同じ業種でキャリアを深めるのではなく、共通のフレームワークを用いながらも、業界ごとに異なる課題や文化に触れることで、より広い視野を持てるようになりたいと考えました。
3つ目がコンサルティングファームを志した最大の理由でもあるのですが、多様な人材や先端技術に触れる環境で仕事がしたかったことです。海外に滞在していたときが、例えばラスベガスで開催される、世界最大級の最新技術・電子機器の見本市であるCESに足を運ぶと、最先端の技術や研究者が集まっている。「電機業界にいながら、これまでこうした人たちと仕事をしたことがない」と悔しく感じ、自分のスコープの外に出て、多様なバックグラウンドを持つ人材と協働したいと強く考えるようになりました。

寺澤様: 私はPwCコンサルティングに新卒で入社し、転職は経験していません。ただ、その中でさまざまなキャリアを積むことができているのは、この会社に「手を挙げれば挑戦させてもらえる文化」があるからだと感じています。
最初はIT領域の仕事からスタートし、その後、事業再生案件に携わりました。グローバル規模での工場のターンアラウンド案件では、オペレーション、特に在庫削減のための業務プロセス設計などを経験しました。
さらに「より市場の声に近いフロントの仕事がしたい」と希望を出し、製薬業界のデジタルマーケティング案件へ。加えて、一社全体に係るサプライチェーン開発プロジェクトにも参画し、3年弱にわたって取り組みました。
若手時代は自ら手を挙げることで領域を広げ、マネージャーになって以降は業界とクライアントを見定めて、そのクライアントに対して複数の価値を提供できる強みづくりに注力してきました。
――新卒入社での寺澤さんは、PwCコンサルティングの特徴をどう捉えていますか。
寺澤様: 中途採用で入社される方々との協働で価値を生み出せるところが、この会社の大きな魅力だと思っています。私は新卒入社ですが、事業会社出身のメンバーから業界特有のエッセンスを学びながら、高い品質で、クライアントへのプロジェクトをデリバリーできていると実感しています。
私たちのチームが扱うTMT領域は、PwCコンサルティングの中でも比較的大きな組織です。その中には、案件推進に強い人材だけでなく、例えばサプライチェーン全体に専門性を持つメンバーや、内村さんのように事業会社での実務経験を持つ人材も多く参画しています。
こうした多様なバックグラウンドを持つメンバーとチームを組み、クライアントに向き合う。その時々で、必要な機能や専門性を横断的にアサインしながら、スピーディーに案件を進めることを心がけ、最新のトレンドを適切に取り込んでいく。
この柔軟なチーム編成と推進力こそが、PwCコンサルティングにおけるTMTという組織の大きな強みだと考えています。
――なぜテクノロジー領域を選ばれたのですか。
寺澤様: 日本の総合電機系企業は、かつて厳しい局面が語られた時期もありました。ただ、実際に複数の企業を訪問して実態を伺ってみると、産業をこれまで牽引してきた大手企業の中にある仕組みやオペレーション、人事制度などは、現在の日本の中でも先進的だと感じる場面が多くあります。社員の方々も非常に優秀だと感じます。
こうした企業で培われている考え方や取り組みを分析し、そこから得られた知見を、他の業界のクライアントへの提案の中で伝えると、「参考になる」「学びが多い」といった反応をいただくことも少なくありません。
そうした大手総合電機系企業の優秀な方々と一緒に仕事をしながら刺激を受け、そこで得たものを日本の他の産業に還元していく。それができることが、私たちがテクノロジー領域でクライアントと向き合う醍醐味であり、私がこのインダストリーを選んだ大きな理由でもあります。
PwCコンサルティングが再定義する「テクノロジー業界」──フィジカルAI時代、日本経済全体を支える産業の起点

――内村様のお話を伺っていると、単なる「テクノロジー企業のコンサルティング」を超えた、大きなビジョンを感じます。そもそも、貴チームが定義する「テクノロジー業界」とは何を指すのでしょうか。
内村様: 非常に良い質問だと思います。実は、私たちの考える「テクノロジー業界の支援」とは、単にIT企業や半導体メーカーを支援することではありません。テクノロジーを起点として、日本経済全体の成長にどう貢献できるか。そこまでを含めた捉え方をしています。これが、私たちチームの本質的なミッションです。
――従来のテクノロジー業界の定義とは異なるのですか。
内村様:はい。大きく進化しています。従来の枠組みに加え、今後の産業構造の変化、特にフィジカルAIやロボット産業の進展を見据えたうえで、対象領域を再定義しました。
私個人の考えも含まれますが、私たちPwCコンサルティングの捉える「テクノロジー」とは、単に先端的であるという意味ではありません。技術力がビジネスになり、産業を創出すること。その中核を担うのが、半導体、アクチュエーター、センサーの3つの技術だと考えます。
人間に例えるなら、アクチュエーターは筋肉、センサーは目や耳、半導体は脳に当たります。これらにAIやソフトウェアの技術が重なることで、産業は進化し、社会課題の解決が可能になる。全産業を変革する力は、ここから生まれると考えています。
――具体的にはどのようなクライアントを対象にしているのですか。
内村様: 半導体、アクチュエーター、センサーといったフィジカル領域の技術を、サービスとして市場に展開している企業であれば、基本的に全てが私たちの想定するクライアントです。予測では2030年頃には、フィジカルAIやロボティクスによる産業変革が本格化すると見ています。その前提に立ち、クライアントの事業ポートフォリオが今後どのように変化すべきかを考えながら、顧客セグメンテーションを行っています。
具体的には、以下のような企業群を想定しています。
- 従来型ハイテク領域のICT企業
長年にわたり社会インフラやエンタープライズ領域を支えてきた大手テクノロジー企業 - ソフトウェアベンダー、SIer
上記のICT企業と連携し、アプリケーションやシステムサービスを提供する事業者 - グローバル・プラットフォーマー
クラウド、データ、AI基盤を軸にエコシステムを形成する巨大テック企業群 - 半導体関連企業
AIを駆動させるロジック・メモリ半導体メーカー、および半導体製造装置を手がける企業 - デバイスメーカー
スマートフォンをはじめとする、人と直接接点を持つハードウェアを製造する企業 - コンポーネントサプライヤー
各種機器やシステムを構成する部品・モジュールを提供する企業
これら全ての領域を対象に、将来的にロボティクス化が進み、AIが物理世界を動かす時代の到来を見据えています。その中で私たち自身も専門チームを組成し、先端技術の進化を継続的に追いながら、クライアントを中長期視点でナビゲートできるケイパビリティと体制の構築を進めています。
――なるほど。では、現在この業界が直面している課題は何でしょうか。
内村様: テクノロジー業界、特に半導体やロボット産業は、今まさに大きな転換期にあります。フィジカルAIの時代を見据え、企業は事業ポートフォリオの再構築、グローバルサプライチェーンの最適化、次世代技術への投資判断といった、複雑な経営課題に直面しています。
これらは企業個別だけでは解決が難しい、産業全体の構造的課題です。だからこそ、私たちのような外部パートナーが、業界を横断した知見と、戦略から実行までを一気通貫で支援する価値があると考えています。
PwCコンサルティングならではの「事業開発パートナー」モデル──戦略から実行・成果まで、クライアントと共にリスクを取っていく

――ここまでのお話で、テクノロジー業界の定義と、それが日本経済全体につながっていくという大きなビジョンが理解できました。では、実際にテクノロジーチームはどのような支援を行っているのでしょうか。
内村様: 私たちのチームの最大の特徴は、単なるコンサルティングのデリバリーではなく、事業開発のパートナーとして、クライアントと共にリスクを取る点にあります。
従来のコンサルティングは、戦略を提案して終わる、あるいは実行支援まで行っても、その先の成果までは責任を持たないモデルが一般的でした。しかし、PwCコンサルティングのポジショニングは異なります。戦略立案から実行、そして成果創出までをエンドツーエンドで支援することを前提にしています。
その象徴的なアプローチが、「セルウィズ(Sell with)」です。これは、テクノロジー企業のクライアントと共に、そのさらに先にいる別の産業のクライアントに対して、サービスを提供していくモデルです。
寺澤様: Sell withのコンセプトには、日本の産業全体をレベルアップさせるという明確な目的があります。冒頭で内村が話した「テクノロジー業界の支援が、日本経済全体の支援につながる」という考え方を、実践として具現化したものです。
具体的には、まずターゲットとなる業界において、次世代に求められるサービスや価値を議論し、そこから必要な技術要件を特定します。その技術を保有しているのが、私たちの支援先であるテクノロジー企業のクライアントです。
テクノロジー企業の技術実装力に、PwCコンサルティングが持つ業界知見や戦略設計力を掛け合わせる。こうした共同体制によって、他産業のクライアントの成長も強力に支援していきます。
その結果、テクノロジー企業の技術力が、他産業の競争力向上に直結するという好循環が生まれます。
また、協業においては成果報酬型のモデルも採用しています。これは、私たち自身もリスクを取り、クライアントと本気で事業を育てていくという姿勢の表れです。
――従来のコンサルティングファームとは大きく異なりますね。
内村様: おっしゃる通りです。私たちPwCコンサルティングには、コンサルティングファームでありながら、事業会社的なアプローチを行う側面があります。例えば、大学の研究室が保有する「光照射を用いた材料解析技術」をベースに、半導体材料メーカー向けのソリューションビジネスを展開しています。大学側では難しいサービス設計や営業活動を、私たちが担うものです。これは、助言するというよりも、事業そのものを一緒に作っている感覚に近いと言えます。
もう一つの例が、自治体の半導体研究施設に関する企業版ふるさと納税PR支援です。企業版ふるさと納税の制度理解と事例調査を深く行うとともに、半導体製造に関する知見と半導体コミュニティーとのリレーションを活かして半導体製造装置の現物支給というスキームを提言し、PRを加速させています。
福岡県は糸島に半導体研究施設を持ち、企業誘致を進めたい一方で、設備投資の資金確保が課題でした。私たちはこの案件を受託し、単に寄付を募るだけでなく、寄付企業側にも明確なメリット(企業版ふるさと納税制度による税控除・自治体連携強化・関連企業とのリレーションづくり等)が生まれる仕組みを提案しました。企業版ふるさと納税は返礼品を出せないため、例えば寄付企業が関連企業と連携できる仕組みなどを検討しました。
さらに、製造業が保有する不要設備を研究施設に寄付するスキームも提案しました。企業にとっては廃棄コストの抑制や税制優遇が見込め、研究施設側は設備を充実できる。双方にとってのWin-Winを実現しています。
現在は14のテーマを掲げ、各領域で具体的なプロジェクトを推進しています。半導体、宇宙、地方創生など、いずれも単なるコンサルティング案件ではなく、産業そのものを変革するための取り組みです。
特筆すべきなのは、こうした組織横断のコラボレーションを後押しする社内制度です。キーテーマに対して複数部門が連携するプロジェクトは、個人評価にも反映される仕組みが整っています。そのため、部門の壁を越えた協働が自然と生まれています。
寺澤様: 実際のプロジェクトでも、戦略チーム、建設チーム、自動車チームなど、異なる専門性を持つメンバーが集まり、提案を行うのが当たり前になっています。こうした動き方が組織文化として定着していることが、私たちの強みだと思います。
PwCコンサルティングのクロスインダストリー戦略──テクノロジーを起点に、全産業へ波及する「日本全体への貢献」を

――先ほどのSell withのお話で、「テクノロジー業界の支援が他産業に波及する」という構造が見えてきました。お話を伺っていると、テクノロジー業界だけの支援にとどまらない印象を強く受けます。実際に、テクノロジー以外の業界への支援事例はあるのでしょうか。
内村様: まさにそこが、私たちの取り組みの核心です。具体的な事例として挙げられるのが、建設業界との連携です。一見するとテクノロジー業界とは距離があるように見えますが、実はここに、私たちの思想が最も端的に表れています。
建設現場には、ロボット化、IoTセンサーを用いた安全管理、AIによる工程最適化など、テクノロジーの活用余地が非常に大きくあります。そして、ここで使われる技術の中核が、半導体、アクチュエーター、センサーです。
――具体的にはどのような取り組みをされているのですか。
内村様:PwCコンサルティングのオフィスの近くには「Technology Laboratory (テクノロジーラボラトリー)」という組織があり、国が定めるアドバンステクノロジーなどの先端技術を研究するチームがいます。そのチームと連携しながら、建設業界のデジタル化・自動化を支援しています。
建設業界では、安全性の向上と生産性の改善が大きなテーマです。例えば夜間の安全確認や点検作業は、現在も人手に依存していますが、テクノロジーを活用することで大きく改善できる余地があります。そこで、建設業界のリーダー企業とともに、ロボットを活用した夜間巡回システムの実証を進めています。半導体、アクチュエーター、センサーを組み合わせることで、こうした業務の自動化・効率化が可能になります。
ただし、新技術の実証にはリスクも伴います。そこで私たちは、産学官連携の枠組みを構築し、複数の建設会社が参加できる実証の場を提供しています。そこで技術検証を行い、有効性が確認できた段階で、実際の現場に導入していく。現在、こうした取り組みを継続的に推進しています。
――そこからさらに広がりがあるのですね。
内村様: はい。ロボットが動き出すと、その上に搭載するAI、プロダクト、アプリケーションが必要になります。例えば、建設現場を三次元でプロットし、ロボットがXYZ座標のどこにいるかを認識する共通プラットフォームが必要になります。位置情報が把握できなければ制御ができないため、基盤となるプラットフォームを整備する。すると、その上で人が操作するアプリケーションや制御システムが必要になり、ソフトウェアレイヤーの企業にとって新たなビジネス機会が生まれます。
結果として、建設業界の課題解決がテクノロジー企業の新規事業創出につながり、その先では、物流、農業、インフラ点検といった他産業へも横展開できる。
これこそが、私たちが目指す「テクノロジーを起点とした日本経済全体の成長」の具体像です。
私たちのアプローチは、テクノロジー業界で培った知見を、他産業へ横断的に展開していくことです。これがクロスインダストリーの真髄であり、「テクノロジー業界の支援が、日本全体の支援につながっている」と、実感を持って語れる理由です。
――他のコンサルティングファームとの違いは何でしょうか。特に、こうしたクロスインダストリーの取り組みを実現できる理由は何ですか。
内村様: 私たちPwCコンサルティングの強みは、業界ごとの深いナレッジを持ちながら、それを他産業へ転用できる点にあります。その背景には、組織横断のコラボレーションを評価・促進する仕組みがあります。
多くのファームでは業界ごとに組織が縦割りになり、他チームとの連携が難しい構造があります。一方、PwCコンサルティングでは明確な戦略的ポジショニングのもと、部門を越えた協働が評価される制度が整備されています。私たちは、日本のコンサルティング市場で「戦略から実行までエンドツーエンドで支援するファーム」としての立ち位置を明確にしています。そのため、人材の採用も特定領域に偏らず、幅広い専門性を持つメンバーを集めています。
このポジショニングを成立させるために、私たちはプライオリティを置くクライアントを明確に定め、そのクライアントに対して多面的かつ包括的な支援を提供しています。戦略立案だけで終わらせるのではなく、実装、さらには運用フェーズまで一貫して伴走できることが、PwCコンサルティングの大きな価値だと考えています。
寺澤様: 実際、日々のプロジェクトでも、私を含めて戦略チーム、建設チーム、自動車チームなど、異なる専門性を持つメンバーが集まり、一体となって提案を行っています。先ほどお話しした建設業界の事例も、テクノロジーチーム単独ではなく、建設チームと連携することで実現したものです。
――PwCコンサルティングの組織の特徴について教えてください。
内村様: PwCコンサルティングは大きな組織でありながら、個々の役割が柔軟に設計されています。手を挙げて「これに挑戦したい」「この人と連携したい」と意思を示すと、基本的には周囲が前向きに応援してくれる文化があります。組織の中でやりづらさを感じる場面は少なく、挑戦を後押しする雰囲気が強いと感じています。
組織規模が大きく、多様な人材が同じ組織内にいる一方で、領域が過度に細分化されていないため、動きやすさがあります。やりたいことがある人にとっては、その意思を持って挑戦を貫ける環境だと思います。
他方で、大きな組織であるがゆえに、「これをやりたい」という意思や思いを自ら発信していかなければ、埋没してしまう可能性もあります。姿勢として重要なのは、ジェネラリストとして幅広い経験を積むだけでなく、その先に、自分なりの問題意識や挑戦したいテーマを持ち、それを形にしていくことだと考えます。
そうした「挑戦を支える仕組み」は整っていますが、最終的に価値を発揮できるのは、主体性を持って動ける人です。その点で、PwCコンサルティングは自ら考え、行動し、新しい価値を生み出したい人にとって、非常にフィットする環境だと言えると思います。
PwCコンサルティングのテクノロジーチームが求める人材像──技術を起点に、事業と産業をつくる人

――どのような方に来ていただきたいですか。
内村様: 私が今フォーカスしているのは、来年、再来年を見据え、より大きな成果につながる取り組みを継続的に生み出せる組織をつくることです。そのため、今の段階からお声がけしながら、チームとしての体制を計画的に整えていきたいと考えています。
具体的には、半導体、アクチュエーター、センサーといった領域に関わる技術知見をお持ちで、AI・ロボティクス化の進展に伴う論点を一定の解像度で捉えられる方です。技術そのものだけでなく、「この技術がどのように事業になり、産業に波及していくのか」を考えられる方には、非常にフィットすると思います。
また、事業会社の中で新技術への投資判断や市場展開に関わり、事業を立ち上げ、育てていくプロセスを経験されてきた経営企画の方にも、ぜひ参画いただきたいです。半導体業界やロボット・デバイス領域に明るく、技術を起点とした事業化やインキュベーションを推進してきたご経験をお持ちの方は、特に親和性が高いと考えています。
加えて、キャリアの段階にかかわらず、これまで培ってきた専門性を軸に、領域を広げたり、新しいテーマに挑戦したりしたいという志向をお持ちの方と一緒に働けると心強いです。技術領域の経験をさらに発展させ、他業界への展開や新規テーマに取り組みたいという方は歓迎しています。
なお、必ずしもハード領域のご経験に限定するものではありません。AIやデジタル領域の知見をお持ちで、技術的なコアを起点に、新しいサービスを形にしたいという意欲があり、事業づくりの過程で投資計画や採算性の設計、立ち上げ・スケールの経験をお持ちの方にも、ぜひ参画いただきたいと考えています。
寺澤様: コンサルタント経験者の方とも、ぜひ一緒に取り組めたらと思っています。私たちのチームは組織として拡大フェーズにあり、その中で新しい取り組みにチャレンジしています。
これまでの経験を活かしつつ、新しい環境で新しいコンサルティングの進め方にも挑戦しながら、これからのコンサルティングファームのあり方を一緒に形にしていきたい。そう考えてくださる方には、ぜひ参画いただきたいです。仕事を通じて複数の挑戦機会を積み重ねていけるような経験も、一緒につくっていけたらと思います。
――事業会社から来られた方で、コンサルティング経験がない方は尻込みされることもあると思いますが、そういった方へのメッセージはありますか。
内村様: PwCコンサルティングでは、先ほどお話ししたように複数の重点テーマを設定しており、その一つが私の担当する半導体領域です。こうしたテーマについては、社内でも一定のリソースを投じながら、中長期的な視点で取り組みを進めています。
事業会社から参画される方の中には、「入社してすぐに、いわゆるコンサルティングワークを前提とした進め方を求められるのではないか」と不安に感じられる方もいらっしゃると思います。ただ、必ずしも最初から整理されたフレームや提案資料を作ることだけが求められるわけではありません。
重点テーマと関連する形で、新規事業や新しい取り組みに関わっていただける枠組みも用意しています。事業会社でのご経験や技術的なバックグラウンドを活かしながら、テーマ単位で事業づくりに関与していただくことが可能です。
実際に半導体領域では複数の新規テーマに取り組んでおり、私自身もこの1年で一定規模の事業創出に関わってきました。そのような具体的なテーマの中に入っていただき、実務を通じて価値創出に携わっていただくイメージです。
例えば、自動車向け半導体の先端技術領域では、日本の産業コンソーシアムや海外の研究機関と連携しながら、技術や知的財産の活用に向けた取り組みを支援しています。こうしたプロジェクトには、半導体分野での実務経験をお持ちの方にも参画いただき、その知見を存分に活かしていただいています。
また、TMT領域の中には、アドバイザリー型のコンサルティングを担うチームと、新しいテーマに取り組むチームがあり、主たる所属を持ちながら、一定の割合で別テーマにも関わるといった柔軟な関与の仕方も可能です。
コンサルティングの経験と事業づくりの経験、その両方を並行して積める点は、PwCコンサルティングの TMT領域におけるテクノロジーチームならではの特徴だと考えています。

現役コンサルタントに選ばれる
コンサル特化エージェント
- Bain & Company, Boston Consulting Group出身者によるCase interview対策
- Big4出身者による総合コンサルへの転職サポート
- オファー年収1,000万円以上の実績多数
- 現役コンサルタントからのご相談多数
- 金融機関・事業会社など異業種からの転職実績も豊富
- コンサル未経験者の転職実績も豊富
- リメディ唯一の社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
- 非常に高い内定獲得率を実現するマンツーマン面接対策を実施
転職意思が固まる前の情報収集にも
ぜひご活用ください。

