ITコンサルティング業界は今、かつてないスピードで成長を遂げています。次々と新しいプロジェクトが生まれ、組織規模が急拡大する一方で、「急成長している企業に入って、本当に自分は活躍できるのだろうか」「採用スピードに、社内のフォロー体制は追いついているのだろうか」──そんな不安を抱える方も少なくないかもしれません。
コンサルティング業界では、コンサルタントがクライアント先に常駐して働くことが多く、自社との接点が希薄になりがちです。日々の業務の中で「自分はこの会社の一員なのだろうか」と感じる瞬間があったとしても不思議ではありません。特に急成長フェーズの企業では、採用を優先するあまり、入社後のキャリア形成や働きがいへの支援が後回しになるリスクがあります。
こうした課題に正面から取り組んでいるのが、株式会社Dirbato(以下、Dirbato)のES(エンプロイーサクセス)部署です。「Employee Satisfaction(満足)」ではなく「Employee Success(成功)」を掲げ、約25名の専門チームを擁し、そのうち15名程度がコンサルタントと月次で対話を重ねながら、働きがいと働きやすさの両面から個別最適のキャリア支援を行っています。
今回は、このES部署の立ち上げから牽引してきた執行役員の莅戸心平様にインタビューを実施しました。教育×神経科学というユニークなバックグラウンドからDirbatoに参画した経緯、ES部署が日々コンサルタントとどのように向き合っているのか、営業機能との役割分離の意図、そして約100人から1,800人規模への成長の中でも組織が崩れなかった理由──。急成長企業の「内側」を、ES組織のトップの視点から語っていただきました。

執行役員 莅戸 心平
教育分野でのキャリア形成支援、神経科学×ビジネスの創業メンバーを経て現職。ヒトと組織の成長を支援するES(Employee Success)部署の立ち上げに従事し、中長期成長戦略や、社員の働きがい・働きやすさ向上に取り組む。また、2024年からはグループ会社H.R.I株式会社の代表取締役も兼任。人材戦略から経営全般まで、変革を推進することに強みを持つ。

Interviewer|リメディ 平岡 弦
慶應義塾大学卒業後、デロイトトーマツグループの有限責任監査法人トーマツに新卒入社。パブリックセクター部門にて、官公庁へのアドバイザリー業務に従事しつつ、大手事業会社のシステム導入案件や機関設計領域におけるコンサルティング案件に従事。パブリックセクター部門では官公庁を通し、スタートアップのエコシステム組成に貢献し、スタートアップへの伴走支援も行う。現在はヘッドハンターとして戦略・総合コンサルティングファームなどを中心とした転職サポートに従事。20代若手からエグゼクティブ層まで、幅広い支援を経験し、業界トップクラスの実績を誇る。

Interviewer|リメディ 笠井 優希
慶應義塾大学を卒業後、工作機械大手のDMG森精機株式会社に新卒入社。主に欧州圏の現地サプライヤーを対象とした機械部品の購買調達業務に従事。顧客折衝から購買計画の策定、在庫管理まで一貫して担当。その後、外資系人材紹介会社であるヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンに参画。IT業界およびコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に従事する傍ら、新規開拓や業務改善を並行して推進。その後、ヘッドハンティングを機に当社への参画を決意。現在はM&Aアドバイザリーファーム、戦略・総合コンサルティングファームを中心としたキャリア支援に特化。20代から50代まで幅広い層のキャリア形成に貢献。
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「一生懸命やっている人が報われる世界を作りたい」── 莅戸氏がDirbatoに参画した理由

――まずは、莅戸様のご経歴と、Dirbatoに参画された経緯を教えてください。
莅戸様:最初のキャリアは教育業界からスタートしました。もともと「いずれ自分でビジネスをやりたい」という思いが強くあり、大学時代からある社長のもとに通い詰め、卒業後もそのまま3年ほどビジネスの基礎を学びました。その中で、教育という分野の難しさに直面したのです。
教育は非常に属人的な世界で、「これだけ頑張ったらこうなる」という再現性がなかなか見えにくい。どれだけ優秀な講師が教えても、伸びる方もいれば伸びない方もいる。そこで「なぜなのだろう」と考えていた時に出会ったのが、神経科学という領域でした。脳細胞や分子レベルで学習のメカニズムを解明する分野で、当時、感情や記憶に対してどの脳領域がどう関与するのかという因果関係が明らかになりつつありました。
この知見をビジネスや教育の現場に応用したいと考え、2社目では、その領域の事業を手がける方と共に創業メンバーとして参画しました。その後、R&Dからさらにビジネスの実務に深く入りたいと考えて3社目へ移り、そこでDirbatoの代表である金山と接点を持たせていただく機会がありました。
――当時のDirbatoはどのような規模だったのですか。
莅戸様:まだ20人くらいの規模でした。金山が「10期で1,000億を目指す」と語っていて、そのビジョンの大きさに惹かれました。それと同時に、IT人材の市場価値を向上させるという理念に強く共感したのです。
私自身のライフワークは、「一生懸命やっている人が報われる世界を作ること」です。教育や神経科学の経験を通じて、努力しているのに報われない場面をたくさん見てきました。だからこそ、適切な努力が適切に評価される構造を作りたい。Dirbatoが大きな組織になっていく中で、一人ひとりのコンサルタントが可能な限りいきいきと働ける土壌を作りたいと考えました。
ES(エンプロイーサクセス)とは何か ── 「満足」ではなく「成功」を支える専門部署

――Dirbatoに入社された後、ES部署を立ち上げられたとのことですが、設立の背景を教えてください。
莅戸様:入社当初は採用のリクルーターとして働いていました。まだ100人前後の規模で、とにかく会社をドライブさせようというフェーズでしたので、採用担当としてエージェントの皆さんとコミュニケーションを取りながら、採用を進めていました。
それから約1年が経ち、社員数も増えてきた段階で、評価制度や組織体制をきちんと整備すべきだという話になりました。そこで立ち上げたのがES部署です。「Dirbatoという会社が、コンサルタントの方々にとって本当の意味でいい会社であるために」──そのミッションを担う専門部署を作ろうと考えました。
――「Employee Success」という名称にされた理由はあるのでしょうか。
莅戸様:当時、海外の事例を調べていた中で、海外の大手IT企業に「Employee Success」というファンクションが存在していることを知りました。特にアメリカではIT人材の流動性が非常に高く、働きがいや働きやすさをしっかりと差別化しなければ人材が定着しないという課題に、日本より先に直面していたのだと思います。
私たちが「Satisfaction(満足)」ではなく「Success(成功)」と名づけたのは、単に社員の不満を解消するだけでなく、個々の社員が成功を実感できる環境を積極的に作っていきたいという想いからです。社員のわがままをただ聞くのではなく、一緒にキャリアを模索していく。そうした部署でありたいと考えています。
現場を「知る」ことから始まったES組織の取り組み
――具体的にはどのような取り組みからスタートされたのですか。
莅戸様:最初に評価制度をきちんと設計して全社に展開したのですが、正直に言うと、コンサルタントの方々からは率直なご意見をいただきました。「制度の中身以前に、まず現場のことをもっと理解してほしい」という声があったのです。
そこで方針を切り替え、まずは社員一人ひとりの声を聞くことからスタートしました。当時150人ほどでしたが、私自身がコンサルタントの方々に会いに行き、「今、何をされていますか」「なぜDirbatoに入社されたのですか」「何を大切にしていますか」と、それぞれの話をお聞きしました。
働きがいというものは人によって大きく異なります。キャリアアップを重視する方もいれば、仕事内容にこだわる方、人間関係を大切にする方、働き方の柔軟性を求める方もいる。しかも同じ方でも、今の優先順位と3年後の優先順位は変わり得ます。そのため、制度ありきではなく、まず実態を知ることが大切だと考えました。
当初は社内から「ESとは何をする部署なのか」と懐疑的な声もありましたが、地道に対話を重ねる中で、徐々にESの存在が文化として根づいていったと感じています。
一人ひとりとの対話 ── コンサルタントの「今」と「未来」に寄り添う

――現在のES部署の規模と、コンサルタントとの日常的な関わり方を教えてください。
莅戸様:ES部署は全体で25名ほどで、そのうち15名程度が日々コンサルタントの方々とコミュニケーションを取る役割を担っています。基本的には月1回を目安にコミュニケーションの機会を設けています。多忙な方には頻度を調整しますが、月1回から1.5か月に1回くらいの頻度を前提にしています。
――話す内容は、人によって異なるのでしょうか。
莅戸様:はい、まったく異なります。例えば新卒の方であれば、入社してみてどう感じているか、壁にぶつかっていることがあれば一緒に整理してフィードバックするといった関わり方をします。
一方、経験を積んだ方に対しては、私たちがコンサル業務そのものについてフィードバックする立場ではありませんので、むしろ「つなぐ」役割が重要になります。例えば「こういう領域に挑戦したい」という声があれば、パートナーやシニアマネージャーとの面談をセットしたり、注力しているチームのイベントに一緒に参加したりします。また、人間関係の悩みやストレスについても、話を聞かせていただく場になることがあります。
大切にしているのは、上下関係でもアドバイザーでもなく、壁打ちの相手として一緒に考えるということです。対話の中でご自身が気づくこともありますし、つらいことがあれば、次のプロジェクトアサインの調整など、具体的な対応につなげることもあります。
営業とESの役割分離 ── 「売上の論理」と「キャリアの論理」を対等にし、本音で話せる環境へ

――他のコンサルティングファームでは、営業担当がキャリア面談やアサイン調整を兼ねるケースがあると思います。DirbatoではESと営業で役割を分けているのが特徴的ですが、その意図を教えてください。
莅戸様:ここはあえて分けています。営業のミッションは、会社の売上にコミットすることです。アサインメントはコンサルタント個人にとって非常に重要で、どのプロジェクトに入るかで働き方も成長の方向性も大きく変わります。ただ、営業には売上を立てるという責任がある以上、売上を追求する姿勢を緩くすることはできません。
一方で、ES部署はコンサルタントのキャリアの充実と働く環境の向上を追求することにミッションを持っています。売上のことと、個人のキャリアや働きがいのこと──この2つを1人の人間の中だけで両立させるのは、かなり難しいと考えています。
そうした背景があるからこそ、それぞれにミッションを持った人間がいて、きちんと対話できる仕組みを作ることが大切です。もちろん常にコンサルタントの希望だけを優先するという話ではありませんが、売上の論理とキャリアの論理が、きちんとテーブルの上で対話できる状態にしておく。そのためにあえて分けているのです。
個別最適のキャリア支援 ── 「やりたい」を実現するアサインメント

――「個別最適」のキャリア支援について、具体的にどのような取り組みをされているのか教えてください。
莅戸様:わかりやすい例でいうと、アサインメントの支援があります。例えば、SIer出身でコンサルに転じた方が「上流の企画構想に携わりたい」とおっしゃるケースは多いのですが、やったことがないものをいきなり任せると、本人も現場も困ってしまいます。
そこでまずは、今のプロジェクトでどういう成果を上げれば次のステップに進めるのか、という道筋をコミュニケーションの中で一緒に描きます。そして、実際にそのプロジェクトで評価を得た方については、私たちから直接パートナーやシニアマネージャーに話をしに行きます。「この方は入社後のプロジェクトでこういう評価を受けている。実績はまだ限定的だが、こういう素地がある。次は企画構想の現場に入れてほしい」と。
――口約束ではなく、ES組織が橋渡しをして実際に実現させるということですね。
莅戸様:そうですね。ここはとても大事にしています。もちろんすべてのケースで希望が叶うわけではありませんが、きちんと努力をして成果を出した方に対しては、私たちが動いて道を作る。その姿勢は一貫して持っています。
また、技術的なキャリアを志向される方も多く、開発の難易度が高い案件に挑戦したいという声もあります。しっかり頑張っている方に対しては、タイミングを見計らいながら挑戦の機会を提供するように努めています。
社員が「ここにいたい」と思える会社に
――ES部署の取り組みの中で、特に大切にしていることは何でしょうか。
莅戸様:社員一人ひとりが「ここにいたい」と思える会社であり続けることです。この業態では、クライアント先で働くことが多く、Dirbatoのメンバーが少人数というケースも珍しくありません。そのため、「自分はDirbatoの一員だ」と実感しにくくなることがあります。
だからこそ、会社としてのつながりや安心感を持ってもらうこと、「あなたの仲間がここにいます」と感じてもらうことが重要だと考えています。また、本人の状況に即した将来の可能性を一緒に考えながら、「この会社で続けていける」「ここには自分の未来がある」と思っていただけるようなコミュニケーションを積み重ねていくことを大切にしています。
1,800人の組織になっても、「うちはこういうものです」と画一的な対応をする会社にはしたくありません。人によって状況も課題も異なるからこそ、それぞれに寄り添った個別の対応をしていくべきだと考えています。
100人から1,800人へ ── 急成長の中で組織が崩れなかった理由

――約100人から1,800人へと急成長される中で、組織面での壁はなかったのでしょうか。
莅戸様:実は、大きなつまずきというのは、これまであまりなかったと思っています。それは代表の金山が、過去に組織の拡大フェーズを経験していたことが大きいと感じています。
「この規模になったらこういう問題が起きるだろうから、事前にきちんと対策を考えよう」ということを、随所で私たちに指示してくれていました。先手を打つことによって、組織が拡大しても大きな問題に至る前に手を打てたのだと思います。
また、さまざまな業界で豊富な経営経験を持つ社外取締役の方々から、「この規模の企業としてどうあるべきか」という知見をいただきながら、経営陣が学びつつ進めているというのも、安定した成長の一因だと考えています。
――急成長の中でも社員が定着しているという手応えはありますか。
莅戸様:離職率は算出の方法次第で捉え方が変わってしまうため、あえて具体的な公表は控えていますが、定着への手応えは確かにあります。
この7年間を通じて、業界平均を下回る水準の離職率を維持できていると自負しています。もちろん、すべての方にとって完璧な環境を提供できているとは言いませんが、着実に組織としての地力がついているという一定の手応えは感じています。
Dirbatoが求める人材像 ── ともに挑戦する仲間へ

――改めて、Dirbatoが掲げる「10期1,000億」というビジョンへの想いを教えてください。
莅戸様:「10期で1,000億」は、創業時から掲げてきたビジョンです。コンサルの中でもITに特化した会社がこれを成し遂げたということを示すことで、業界に一石を投じたい。IT領域に対する市場の見方を変えていきたいという想いがあります。達成に向けた最終フェーズに入っていますので、今はとにかくこれをやり切ることに集中しています。
――Dirbatoにはどのような方がフィットすると思われますか。
莅戸様:向上心があり、新しいことに挑戦したいという思いを持っている方です。一人ひとりがストレッチし、その集合体として会社もストレッチしていく──そういう形を目指しています。今のDirbatoがこの規模に成長できたのは、そうした志向を持った方々が集まってくださったからだと考えています。
あとは「いい人」であること。人の足を引っ張らない──そういう意味での人間性も大切にしています。組織がどれだけ大きくなっても、いつまでもベンチャースピリットを失わずにいたいという気持ちは、ずっと大切にしていきたいと考えています。
――最後に、Dirbatoに興味を持たれている方へメッセージをお願いします。
莅戸様:Dirbatoは今、非常に面白いフェーズにあると思います。コンサルタントとしてクライアントを支援するだけでなく、一つ一つのプロジェクトやそれぞれの頑張りが集合体となって、業界に対して大きな一石を投じようとしている。その過程を間近で感じていただける距離感だと思います。
コンサルティング会社というとクライアント先の環境だけになりがちですが、Dirbatoでは社として一緒に何かを成し遂げようという一体感があります。「IT人材の市場価値を向上させる」というビジョンに共感していただける方、一緒にこの挑戦を楽しんでいただける方をお待ちしています。


