5G、IoT、そしてAI──。あらゆる産業がデジタル化する今、その土台となる「通信(テレコム)」の役割は、これまで以上に重要性を増しています。
一方で、通信は「つなぐ」機能だけを担う「土管(Dumb Pipe)」のままでよいのでしょうか。それとも、産業横断の意思決定を支える“インテリジェンス基盤”へと進化し、次の価値を生み出す存在になれるのでしょうか。
こうした問いは、単なる技術トレンドの話ではありません。重資本で投資負担が大きい一方、提供価値がコモディティ化しやすい通信業界では、従来型の収益モデルの延長だけでは持続性に限界が生じやすいという構造の課題があります。だからこそ今、通信を「インテリジェンスの土台」として再定義し、価値の出し方そのものをアップデートしていく必要があります。
この変化に、従来のコンサルティングの枠を超えたアプローチで挑んでいるのが、PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)のテクノロジー・メディア・情報通信(TMT)領域におけるテレコムチームです。注目分野である宇宙・AI・サイバーセキュリティも決して“目的”ではなく、インテリジェンス(情報・データ)を生み出し、あくまで産業構造の変革を駆動するための“手段”として位置づけ、インテリジェンスとは単なるデータではなく『意思決定に使える形に加工された情報(データ+解釈+優先順位)』だと定義して、通信業界の未来を見据えています。
今回は、同チームをリードする執行役員 パートナー 豊島 良彦 様にインタビューを実施。通信を“土管”にとどめないために何を変えるべきか、その中で重要となる「時間を切り売りするモデル」からの脱却と、成果報酬やインテリジェンス(データ)への価値提供の転換をどう実現していくのか──。さらに、宇宙×AI×サイバーの観点から描く「次世代のビジネスモデル」と、コンサルタントが越えるべき「3つの壁」について、具体的に伺いました。

パートナー 執行役員 豊島 良彦
グローバル総合コンサルティングファーム、グローバルIT企業などで20年以上のコンサルティング経験を経て現職。
未来創造をベースとした新規事業開発およびビジネスモデルの創生、AI/IoTデジタル化構想、DX – Smart X 構想(Smart – City、Factory、Mobility、Healthcare、Educationなど)、グローバル事業戦略立案・業務の見える化・オペレーション戦略立案(ABM)、改革に向けた合意形成(PMO/PMI)、業務改革(BPR)、内部統制(JSOX)、シェアードサービス(SSC)、新興国へのアウトソーシング(BPO)など、上流から下流までのコンサルティング実績を多数有している。

Interviewer|リメディ 平岡 弦
慶應義塾大学卒業後、デロイトトーマツグループの有限責任監査法人トーマツに新卒入社。パブリックセクター部門にて、官公庁へのアドバイザリー業務に従事しつつ、大手事業会社のシステム導入案件や機関設計領域におけるコンサルティング案件に従事。パブリックセクター部門では官公庁を通し、スタートアップのエコシステム組成に貢献し、スタートアップへの伴走支援も行う。現在はヘッドハンターとして戦略・総合コンサルティングファームなどを中心とした転職サポートに従事。20代若手からエグゼクティブ層まで、幅広い支援を経験し、業界トップクラスの実績を誇る。

Interviewer|リメディ 島田 龍太
青山学院大学を卒業後、住友商事グループに新卒入社。人工衛星搭載用システムを商材としたロシア・中国向けのトレーディング業務に従事。また、投資部門にて官公庁やコンサルと共同したスマートシティ構想プロジェクトのPMを担い、大学や工場へのDX化の推進を行う。その後、ヘッドハンターファームであるアサインに創業間もなくして参画し、マーケティング部門の立ち上げ及び取締役直下の組織にてハイクラス層のキャリア支援を担う。リメディには、ヘッドハンティングを機に入社を決意し、シニアコンサルタントとしてM&Aアドバイザリーファーム、戦略・総合コンサルティングファーム等の役員層とのコネクションを強みとした転職サポートに従事。これまで2,000名以上の転職支援に携わり、20代からエグゼクティブ層まで幅広い支援を経験し業界トップクラスの実績を誇る。
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宇宙研究からコンサルタントへ|変化したコンサルティング文化、変わらないPwC Japanグループのパーパス

――まずは、豊島様ご自身のご経歴と、なぜコンサルティング業界を選ばれたのか教えてください。
豊島様:もともとは大学院の工学系研究科で、宇宙通信関連の研究をしていました。技術には自信があった一方で、「この技術をどうビジネスに活かすのか」「何が足りないのか」という点に、悶々としていた時期があったのです。
そのような時に知ったのが、若いうちから経営者と対話し、経営方針について提言できる「コンサルティング」という仕事でした。技術的バックグラウンドを経営視点と掛け合わせれば、より大きな価値を生み出せるのではないかと考え、この世界に飛び込みました。
――数あるファームの中で、PwCを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
豊島様:PwCグローバルネットワーク全体で掲げるパーパス(存在意義)である「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」という言葉です。これが、まさに自分がやりたいことそのものだと感じました。
一度は外の環境を経験しましたが、このパーパスは時間が経っても組織に根付いているものだろうとの実感があり、再びPwCに戻る決断につながりました。
――一度他ファームへ移籍され、再びPwCに戻られています。社風の変化などはありましたか。
豊島様:私が新卒で入社した頃の同社は、シャープで尖った雰囲気の組織でした。その後、組織再編などを経て再始動したタイミングでは、温かみや協調性を重視するカルチャーへと大きく変わったと思います。グローバルでのブランド統一の流れも汲み、「真逆」と言えるほどの変化です。それでも、根底にあるパーパスだけは変わっていません。儲かるからといって社会の信頼に背くことはしない。ここは、組織としての共通認識になっていると感じます。
通信キャリアが「他産業の未来」を先取りできる理由
――通信業界は、他産業に比べて変化のスピードが早いとも言われます。その理由をどのように捉えていますか。
豊島様:通信キャリアは、社会や産業の変化を非常に早い段階で捉えやすい立場にあります。なぜなら、通信とはあらゆる産業活動の“基盤”に位置しており、データやトラフィックの変化を通じて、社会の動きが可視化されやすいからです。
新しいサービスやビジネスモデルが生まれる前段階では、必ず通信の使われ方に兆しが現れます。例えば、特定エリア・時間帯での通信需要の偏りや、端末タイプ/アプリ種別によるトラフィック構成の変化といった“前兆”が先に見えることがあります。そうした変化を日常的に把握している通信キャリアは、結果として「他産業の未来」を先に察知できるポジションにあると言えます。
――――なるほど。通信キャリアは、単なるインフラ提供者にとどまらない可能性を秘めているということですね。
豊島様:はい。しかし、それにもかかわらず、通信業界は長らく「つなぐこと」そのものに価値の軸足を置いてきました。その結果、設備投資の負担は増え続ける一方で、収益性は圧迫されやすい構造にあります。
本来、通信キャリアは膨大なデータと社会接点を持っています。それらを活用すれば、産業や企業の意思決定を支える“インテリジェンス”を提供できるはずです。しかし、その真価を十分にビジネスとして具現化できていないケースが多い、という課題意識があります。
――そこで「インテリジェンス基盤化」という発想が出てくるわけですね。
豊島様:その通りです。通信を単なるインフラではなく、情報・データ・知見を生み出す基盤として再定義する。そうすることで、通信キャリアは新しい価値を他産業に対して提供できる存在へと進化できます。
重要なのは、技術そのものではなく「その技術を使って何を判断できるようになるのか」という視点です。通信キャリアが持つデータやアセットを、産業横断で活かすことで、初めて“インテリジェンス基盤”としての意味が生まれると考えています。
宇宙×AI×サイバーは「目的」ではなく、“意思決定”を支えるインテリジェンスの構成要素
――PwC コンサルティングのテレコムチームでは、宇宙やAI、サイバーセキュリティといったテーマを横断的に扱っています。これらはどのような位置づけなのでしょうか。
豊島様:技術が高度化すればするほど、「どの技術を使っているか」よりも、「その結果として、何が分かり、どんな判断が可能になるのか」が重要になります。その視点を持たないまま技術を語ってしまうと、議論が自己目的化してしまうと感じています。
そのような文脈において、私たちは、宇宙×AI×サイバーという分野を「それ自体が目的の技術テーマ」だとは捉えているのではなく、あくまで、インテリジェンス──つまり、意思決定に資する情報や知見を生み出すための構成要素だと考えます。中でも最近は、AI、サイバーが台頭していると感じています。
AI:判断を代替するものではなく、意思決定の精度を高めるエンジン
――AIについては、どのように活用されているのでしょうか。
豊島様:AIは、意思決定を人に代わって行う存在ではありません。むしろ、人がより良い判断を下すための“補助輪”のような役割だと考えています。通信や宇宙から得られるデータ量は、人の目や経験だけで扱えるレベルをすでに超えています。だからこそ、AIを使って情報を整理し、傾向や兆しを可視化することが重要になります。
例えば、過去のデータをもとに需要の変化やリスクの兆候を予測する。あるいは、複数の選択肢を提示し、それぞれの影響を比較できるようにする。こうしたAIの使い方であれば、私たちの意思決定のスピードと精度を大きく高めてくれます。
重要なのは、「AIを入れたかどうか」ではなく、「どの判断プロセスを、どこまで高度化したいのか」を先に定義することです。その設計が曖昧なままでは、AIは期待された価値を発揮しません。
もっとも、AIは万能ではありませんし、前提となるデータの質や構造が整っていなければ、誤った示唆を出すこともあります。だからこそ、AIモデル単体の活用ではなく、意思決定を支える仕組みとしてその前後にあるデータ設計や業務プロセスまで含めて組み込むことが欠かせないと考えています。
サイバー:守りのコストではなく、優先順位と投資判断を導く経営インテリジェンス
――サイバーセキュリティは、どのように位置づけていますか。
豊島様:サイバーセキュリティは、長らく「事故を防ぐための守りのコスト」として捉えられてきました。しかし、通信やデジタルが社会インフラとして不可欠になる中で、その意味合いは大きく変わりつつあります。
いま重要なのは、「すべてを守る」ことではなく、「どこにリスクが集中しているのか」「どの領域を優先的に対策すべきか」を把握し、経営として合理的な判断を下すことです。その判断材料を提供するという意味で、サイバーセキュリティはインテリジェンスの一部だと考えています。
これは単なるIT部門の話ではなく、事業継続やブランド価値、さらには顧客との信頼関係にも直結するテーマです。だからこそ、サイバーセキュリティを「技術対策」ではなく、「経営に資する情報」として扱う必要があります。
通信と宇宙領域を活用したデータを集め、AIで分析し、サイバーの視点でリスクや信頼性を評価する。そうして初めて、経営や事業の意思決定に耐えうるインテリジェンスが生まれます。PwC コンサルティングのテレコムチームでは、こうした要素を横断的に設計し、クライアントが「何を判断すべきか」「どこに資源を配分すべきか」を明確にする支援を行っています。
通信×宇宙が生み出すインテリジェンス──衛星データは「意思決定」にどう使われるのか
――宇宙領域について、もう少し具体的に伺います。通信と宇宙の掛け合わせは、どのような価値を生み出すのでしょうか。
豊島様:通信と宇宙の組み合わせで重要なのは、「宇宙に行くこと」や「衛星を打ち上げること」そのものではありません。
ポイントは、衛星から得られるデータを、地上の通信データや業務データと組み合わせることで、これまで見えなかった状況を“意思決定に使える形”で可視化できる点にあります。
衛星データ単体では、画像や位置情報といった断片的な情報にすぎません。しかし通信データと統合することで、「どこで」「何が起きており」「次に何が起こりそうか」といった判断材料へと変換できます。
――具体的には、どのような分野で活用が進んでいるのでしょうか。
豊島様:分かりやすい例としては、防災やインフラ管理、物流、エネルギーなどがあります。
例えば防災では、災害発生時の被害状況を広域で把握することが求められますが、地上の情報だけでは限界があります。衛星データを活用すれば、被害の全体像を俯瞰できますし、通信データと組み合わせることで、人の動きやインフラの稼働状況も含めて立体的に把握できます。
その結果、どこに支援を優先的に投入すべきか、どの対応をそれ以降にできるかといった判断を、より迅速かつ合理的に行えるようになります。
――「データを集める」ことよりも、「判断につなげる」ことが重要なのですね。
豊島様:まさにその通りです。
宇宙データの価値は、「持っているかどうか」ではなく、「それを使ってどんな判断ができるようになるか」で決まります。したがって通信データと同様に、宇宙データも意思決定の精度とスピードを高めるための素材だと捉えています。
通信キャリアや関連事業者が宇宙領域に関わる意義は、新しいフロンティアを開拓することではありません。社会や産業の意思決定を高度化するためのインテリジェンス基盤を構築することにあります。
――全体を通じて、「通信=インテリジェンス基盤」という考え方が一貫していますね。
豊島様:はい。
通信と宇宙領域でデータを集め、AIで分析し、サイバーの視点で信頼性やリスクを評価する。
この一連の流れがつながって初めて、経営や事業の意思決定に耐えうるインテリジェンスが生まれます。
ここまでの内容でお伝えしたかったのは、個別の技術論ではなく、通信を中心に据えた「意思決定のための構造」です。この構造をどう設計するかが、これからの通信業界にとって極めて重要だと考えています。
通信業界はどこで価値を取りにいくのか──「時間売り」からの脱却とビジネスモデル転換

――ここまで、通信をインテリジェンス基盤として再定義する考え方を伺ってきました。では、通信業界は今後、どこで価値を取りにいくべきなのでしょうか。
豊島様:大きな論点の一つが、「時間を切り売りするモデル」からどう脱却するか、です。通信業界やその周辺では、これまで人の稼働時間や工数をベースに価値を提供するビジネスが少なくありませんでした。しかし、このモデルには明確な限界があります。
人の時間には上限がありますし、スケールしづらい。加えて、価格競争に陥りやすく、付加価値を説明しにくいという課題もあります。
――確かに、成長の持続性を考えると難しさがあります。
豊島様:だからこそ今、成果報酬型やマネージドサービス、さらにはデータやインテリジェンスそのものを提供するモデルへと、価値の取り方を転換していく必要があります。重要なのは、「何時間使ったか」ではなく、「どのような成果や判断を提供できたか」で評価される形に変えていくことです。
通信がインテリジェンス基盤になれば、単なるインフラ提供ではなく、意思決定を支える価値を継続的に届けることが可能になります。そしてこれは、一度きりのプロジェクトではなく、長期的な関係性を前提としたビジネスモデルでもあります。
――その転換は、簡単ではなさそうですね。
豊島様:おっしゃる通りです。技術を持っているだけでは実現できません。ビジネスモデル、組織、評価制度、さらには顧客との契約のあり方まで含めて、総合的に設計し直す必要があります。
PwC コンサルティングのテレコムチームでは、単に戦略を描くだけでなく、その戦略を実装し、運用し、成果につなげるところまでを見据えて支援しています。通信業界が「どこで、どのように価値を取るのか」を具体化することが、私たちの重要な役割だと考えています。
ビジネスモデル変革①:サイバーセキュリティにおける「インテリジェンス販売」という発想
――先ほど、「時間を切り売りするモデルからの脱却」というお話がありました。その具体例として、サイバーセキュリティ領域ではどのような変化が起きているのでしょうか。
豊島様:分かりやすい例が、サイバーセキュリティにおける「インテリジェンス販売」という考え方です。
従来のサイバーセキュリティ支援は、診断や対策といった作業単位、つまり“時間や工数”をベースに提供されることが一般的でした。
しかし、それでは本質的な価値が伝わりにくい。クライアントが本当に知りたいのは、「どこにどれだけのリスクがあり、何を優先的に判断すべきか」という点だからです。
――確かに、対策の量よりも判断材料の方が重要ですね。
豊島様:その通りです。例えば、すべてのリスクに同じレベルで対策を講じることは現実的ではありません。重要なのは、限られたリソースの中で、どのリスクを許容し、どこに投資すべきかを判断することです。
そこで私たちは、「この企業にとって、いま最も重要なサイバーリスクは何か」「それは事業やブランドにどのような影響を与えるのか」といった示唆そのものを価値として提供します。これが、インテリジェンス販売の考え方です。
――なるほど。作業ではなく“示唆”を売るということですね。
豊島様:はい。アウトプットはレポートや対策の一覧表ではなく、経営が意思決定を行うための判断材料の提供です。その結果として、成果報酬型や継続的なマネージドモデルとも相性が良くなります。
サイバーセキュリティは、単なるコストセンターではありません。インテリジェンスとして提供できれば、企業価値を守り、時には高めるための重要なビジネス領域になります。この発想の転換が、ビジネスモデル変革の第一歩だと考えています。
ビジネスモデル変革②:AI・データ・マネージドで実現する「継続型インテリジェンス」
――サイバーセキュリティに続く形で、AIやデータの活用もビジネスモデル転換の鍵になるのでしょうか。
豊島様:はい。インテリジェンス販売を一過性で終わらせないためには、AIとデータを活用した「継続型」のモデルが欠かせません。
単発の分析やレポート提供ではなく、データを継続的に収集・更新し、AIで分析し続けることで、判断材料を常にアップデートできる状態をつくる。これがマネージド型のインテリジェンス提供です。
――単なるアウトソースではなく、判断を支える仕組みそのものを提供するイメージですね。
豊島様:その通りです。ポイントは、「作ったら終わり」ではなく、「使われ続ける」ことです。
例えば、通信データや業務データを基に、リスクや需要の兆しを定点観測する。状況が変われば、AIが示す示唆も変わる。その変化を踏まえて、次の打ち手を検討できる状態を維持します。
このモデルであれば、価値の源泉は人の稼働時間ではなく、インテリジェンスの“質”と“鮮度”になります。
――成果報酬との相性も良さそうですね。
豊島様:はい。判断材料が実際の成果につながっているかどうかを測れるので、クライアントと価値を共有しやすくなり、成果報酬型の契約設計も現実的になります。
PwC コンサルティングのテレコムチームでは、AI・データ基盤の設計から、マネージド運用、成果指標の設計までを一体で支援しています。インテリジェンスを“売り切り”ではなく、“育て続ける価値”として提供することが、ビジネスモデル変革の核心だと考えています。
もっとも、成果報酬やマネージドモデルを成立させるには、成果指標(KPI)の定義、責任分界、データ品質の担保など“設計の難所”がいくつもあります。だからこそ、AIやデータ基盤だけでなく、評価指標や運用プロセスまで含めて設計することが重要になります。
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印象深いプロジェクト|PwC コンサルティングのテレコムチーム流「未来からのバックキャスティング」アプローチ

――これまで、通信をインテリジェンス基盤として再定義する考え方や、ビジネスモデル転換について伺ってきました。実際のプロジェクトでは、どのようにそれを実践しているのでしょうか。印象に残っている事例があれば教えてください。
豊島様:PwC コンサルティングのテレコムチームのプロジェクトで共通しているのは、「現状からの積み上げ」ではなく、「あるべき未来の姿」から考える、バックキャスティングのアプローチです。
まず、「この企業や業界が、5年後・10年後にどういう価値を提供しているべきか」「そのとき通信は、どんな役割を果たしているべきか」を描きます。そのうえで、そこに至るために、いま何を変えなければならないのかを逆算していきます。
――目先の課題解決ではなく、将来像から設計するわけですね。
豊島様:はい。通信業界は設備投資や制度、既存事業との関係など、短期的な制約が非常に多い業界です。そのため、目の前の事象の延長線だけを見ていると、大きな変革にはなかなか踏み出せません。
だからこそ、いったん制約を外し、「理想的な姿」を先に描く。その未来像を起点にすると、どのデータが必要で、どんなインテリジェンスを生み出すべきか、そしてどこから着手すべきかが、構造的に見えてきます。
――プロジェクトの進め方にも特徴がありそうですね。
豊島様:そうですね。戦略を描いて終わりではなく、実装や運用までを前提に設計する点は、チームの特徴だと思います。
未来像を描いた後は、技術・組織・ビジネスモデルをどう変えていくかを具体化し、実際に動かせる形に落とし込んでいきます。
通信をインテリジェンス基盤へ進化させるには、単一の施策では不十分です。だからこそ、未来から逆算しながら、複数の打ち手を同時に設計していく。このアプローチが、印象深いプロジェクトにつながっていると感じています。
宇宙・衛星ビジネスの最前線|PwC コンサルティングが支援する防災・一次産業と「大陸間ロケット輸送」

――宇宙・衛星ビジネスについて、もう少し具体的に伺いたいと思います。PwC コンサルティングのテレコムチームでは、どのような領域を支援されているのでしょうか。
(前章で触れた「宇宙データを意思決定に変換する考え方」を踏まえつつ、実際にどの領域で社会実装が進んでいるのかに焦点を当てて伺いたいと思います。)
豊島様:宇宙・衛星ビジネスというと、どうしても最先端技術や夢のある話に目が向きがちですが、私たちが重視し、まず取り組んでいるのが、防災や一次産業といった社会インフラに直結する領域です。
これらの分野では、広域性やリアルタイム性が求められる一方で、地上のデータだけでは把握しきれない課題が多く存在します。そこで、衛星データと通信データを組み合わせることで、これまで見えなかった状況を可視化し、意思決定に活かす支援を行っています。
――防災分野では、どのような活用が考えられますか。
豊島様:例えば、防災では「何か起きてから対応する」のではなく、「起きる前に備える」「起きた直後に状況を把握する」ことが非常に重要です。
衛星データを活用すれば、災害発生時の被害状況を広域で把握できますし、通信データと組み合わせることで、人の動きやインフラの状況をより立体的に捉えることができます。
これにより、自治体や関係機関は、どこにどのような支援を優先的に行うべきかを、より迅速かつ合理的に判断できるようになります。
――一次産業への活用も注目されていますね。
豊島様:はい。農業や林業、漁業といった一次産業でも、宇宙・衛星データの価値は非常に高まっています。
例えば、作物の生育状況や環境変化を広域で把握し、適切なタイミングで対策を講じる。あるいは、それらの長期的なデータを蓄積することで、収量予測やリスク管理の精度を高めるといった使い方が考えられます。
ここでも重要なのは、「データを集めること」ではなく、「そのデータをもとに、どんな判断ができるようになるか」です。宇宙データは、一次産業における意思決定を支えるインテリジェンスとして機能します。
――一方で、「大陸間ロケット輸送」という非常に未来的なテーマも挙げられています。
豊島様:大陸間ロケット輸送は、まだ実用化のハードルが高いテーマですが、「通信と宇宙が社会構造をどう変え得るか」を考えるうえで象徴的な例だと思っています。
もし、物理的な移動がこれまでとは比較にならないスピードで可能になれば、物流や産業の在り方そのものが大きく変わる可能性があります。
こうしたテーマにおいても、私たちの目的は技術の是非を語ることではありません。その技術が実現したとき、どんなデータが生まれ、どんな判断が必要になるのか。その未来を想定し、今から何を設計しておくべきかを考えることが重要だと捉えています。
AI時代のコンサルタントの戦い方|PwC コンサルティング社内の生成AI活用と「人の役割」の変化

――ここまで、AIを意思決定の精度を高める存在として捉えるお話がありました。PwC コンサルティング社内では、生成AIをどのように活用しているのでしょうか。
豊島様:PwC コンサルティングでは、生成AIを「一部の専門家だけが使うツール」ではなく、コンサルタント一人ひとりの生産性や思考の質を高めるための基盤として位置づけています。
前提として、機密情報の取り扱い等のガバナンスを踏まえたうえで、生成AIの活用を業務プロセスの中に組み込んでおり、資料作成や情報整理、仮説出しといった業務では、生成AIの活用が広がりつつあります。
重要なのは、AIを使うこと自体が目的ではなく、「どの工程をAIに任せ、どこに人が集中すべきか」を明確に分けている点です。
――業務の進め方そのものが変わってきているということでしょうか。
豊島様:そうですね。例えば、情報収集や初期アウトラインの作成といった作業は、生成AIが得意とする領域です。一方で、その情報をどう解釈し、どの示唆を採用し、クライアントの文脈にどう落とし込むかは、人が担うべき役割です。
AIの活用が進むほど、コンサルタントには「正しい問いを立てる力」や「示唆の妥当性を判断する力」が、これまで以上に求められるようになります。
――AIが普及すると、コンサルタントの価値が下がるのでは、という声もありますが。
豊島様:私は逆だと考えています。AIが一般化すればするほど、単なる情報整理や作業の価値は相対的に下がります。その一方で、「何を考えるべきか」「どの判断が重要か」を定義できる人の価値は、むしろ高まります。
生成AIは、優秀なアシスタントにはなりますが、責任を持って意思決定を下すことはできません。だからこそ、最終的な判断や、判断に至るストーリーを描く役割は、これからも人に残り続けます。
――AI時代において、PwC コンサルティングで求められるコンサルタント像とは。
豊島様:AIを「使いこなす人」ではなく、「AIを前提に思考できる人」だと思います。
AIが出してきたアウトプットをそのまま使うのではなく、「なぜこの示唆が出てきたのか」「前提は妥当か」と問い直せるかどうか。その姿勢が、コンサルタントとしての価値を大きく左右します。
PwC コンサルティングでは、生成AIの活用を通じて、コンサルタント一人ひとりがより本質的な思考や判断に時間を使える環境を整えています。AI時代だからこそ、人が担う役割は、よりクリアになってきていると感じています。
キャリアに立ちはだかる「3つの壁」|PwC コンサルティングのテレコムチームが求める人物像

――ここまでのお話を踏まえると、目指す通信の領域は難易度が高いように聞こえます。PwC コンサルティングのテレコムチームで活躍するには、どのような「壁=チャレンジ」があるとお考えですか。
壁①|「正解を探す思考」から抜け出せるか
豊島様:1つ目は、「正解がどこかにある」と思ってしまう壁です。
通信や宇宙、AIといった領域では、前例や確立された答えが存在しないケースがほとんどです。
それにもかかわらず、過去の成功事例やフレームワークに答えを求め続けてしまうと、議論が前に進まなくなります。
PwC コンサルティングのテレコムチームでは、「正解を当てにいく」のではなく、「仮説を立て、検証し、修正する」こと自体を価値と捉えます。この思考への切り替えができるかどうかが、最初の壁です。
壁②|「技術を知る人」から「意味を翻訳できる人」になれるか
豊島様:2つ目は、技術との向き合い方です。
通信、宇宙、AI、サイバーといった技術領域に詳しいこと自体は、もちろん強みになります。
しかし、それだけでは不十分です。重要なのは、その技術が「経営や事業にとって何を意味するのか」を翻訳できるかどうかです。
技術的に正しい説明ができても、それがクライアントの意思決定につながらなければ価値にはなりません。
技術を“語れる人”から、技術を“判断材料に変換できる人”へ。この転換ができるかが、2つ目の壁です。
壁③|「個人プレー」から「構造を動かす仕事」へ進めるか
豊島様:3つ目は、仕事のスケールに関する壁です。
コンサルタントとして一定の経験を積むと、「自分が頑張れば成果が出る」局面も増えてきます。
ただ、通信業界や社会インフラを対象とするプロジェクトでは、個人の力だけで動かせる範囲には限界があります。
組織、制度、ビジネスモデルといった“構造”そのものをどう変えるかを考え、周囲を巻き込みながら進める視点が欠かせません。この視座を持てるかどうかが、3つ目の壁になります。
――これらの壁を越えた先に求めるのは、どのような人材像でしょうか。
豊島様:共通して言えるのは、「分からない状況を楽しめる人」だと思います。
正解がなく、変化が激しく、扱うテーマも広い。その環境を不安ではなく、面白さとして受け止められるかどうかが重要です。
加えて、技術・ビジネス・社会のいずれかに強みを持ちつつ、それらを横断して考えることに興味がある人。
PwC コンサルティングのテレコムチームでは、そうした人材が、通信をインテリジェンス基盤へ進化させる担い手になると考えています。
通信キャリアとコンサルタントの役割|異なるDNAをつなぐ「ハブ」として
豊島様:通信キャリア業界のクライアントは、日本の通信インフラを支え、高い品質を維持し続けてきたプロフェッショナルです。その根底には、「完璧なものをつくり、安定して届ける」という、非常に強いプロダクトアウトのDNAがあります。
一方で、「通信をどう使い、どんな新しい価値を生み出すか」「他産業とどう結びつけるか」といった発想は、必ずしも同じ文化の中から自然に生まれるものではありません。
短期的に「通信の新しい使い方を考えてほしい」と求められても、そこには得意領域や思考様式の違いがあり、容易ではありません。
だからこそ、私たちのように異なるDNAを持つ存在が間に入り、通信キャリアが持つ高度な技術やアセットを、ビジネスや他産業の文脈に翻訳する役割が必要になります。
技術と社会、通信と産業をつなぐ「ハブ」として関わること。ここに、事業会社ではなくコンサルタントとして関与する意義があると考えています。
通信を「インテリジェンス基盤」へ──未来に向けたメッセージ
――最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
豊島様:テレコム業界のインダストリーが、単なる「通信の土管(Dumb pipe)」になってはいけない、という強い思いがあります。
通信は、本来、インテリジェンス基盤であり、社会変革を支える“神経系”のような存在です。
AIや宇宙といった最先端技術と掛け合わせることで、意思決定のあり方や、産業構造そのものを変えていく力を持っています。
そうした変革に、本気で取り組みたい。
正解のないテーマに向き合い、通信をインテリジェンス基盤へと進化させていく。
そんなダイナミックな挑戦に面白さを感じられる方と、ぜひ一緒に働きたいですね。

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